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AMG706の、臨床第3相試験の患者登録を一時中断

武田薬品工業株式会社および、その100%子会社である米国ミレニアム社ならびにアムジェン社」は20日、現在進行中のAMG706(一般名:Motesanib)に関する非小細胞肺癌を対象とする臨床第3相試験について、独立データモニタリング委員会(Independent Data Monitoring Committee、以下、DMC)が実施した600例の登録患者による安全性評価の結果を踏まえ、患者登録を一時的に中断することを決定したと発表した。Motesanibは、アムジェン社と武田薬品が実施している複数の共同開発プログラムの一つ。ファーストライン治療薬として、非小細胞肺癌患者を対象としたパクリタキセルおよびカルボプラチン併用のプラセボ対照二重盲検比較の臨床第3相試験中であり、欧米での開発をアムジェン社が、日本での開発を武田薬品の100%子会社である武田バイオ開発センター株式会社が担当している。DMCは、Motesanib群において投与初期における死亡率がプラセボ群に比して高いという結果が得られたことに鑑み、今回の投与対象である非小細胞肺癌患者(扁平上皮癌患者および非扁平上皮癌患者)の新たな登録を行わないよう推奨しており、また、扁平上皮癌患者の喀血頻度が明らかに高かったことに鑑み、扁平上皮癌の患者へのMotesanibの投薬を中止することを推奨している。なお、扁平上皮癌以外の患者への投薬中止は推奨されておらず、DMCは、3ヵ月後に最新データを再調査するとしている。詳細はプレスリリースへhttp://www.takeda.co.jp/press/article_31190.html

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イレッサ 進行非小細胞肺がん患者を対象とした大規模臨床試験(IPASS)結果が発表される ―欧州臨床腫瘍学会にて―

英国アストラゼネカ社の9月15日の発表によると、ストックホルムで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、臨床背景因子により選択されたアジアの進行非小細胞肺がん患者を対象とした臨床試験IPASS(IRESSA Pan-ASia Study)において、イレッサがカルボプラチン/パクリタキセル併用化学療法に対して無増悪生存期間の非劣性を証明するという主要目的を上回り、優越性を証明したことが報告された。事前に計画されていたバイオマーカーに基づくサブグループ解析では、無増悪生存期間はEGFR遺伝子変異陽性患者ではイレッサ群が化学療法群に比べ有意に長く (HR 0.48, 95% CI 0.36~0.64, p

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抗悪性腫瘍剤「タキソテール注」 前立腺がんへの適応追加承認を取得

サノフィ・アベンティス株式会社は、8月29日、抗悪性腫瘍剤「タキソテール注」(一般名:ドセタキセル水和物)について、厚生労働省より「前立腺癌」の効能または効果の追加に関し、医薬品製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表した。対象となる患者は、外科的または内科的去勢術を行い、進行や再発が確認された前立腺がんの患者。本適応症の追加に関して、2007年2月28日に医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請を行い、同年5月10日に優先審査品目に指定されていた。詳細はプレスリリースへhttp://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/A30E3AB0-F222-42BE-AB1E-8695E84B7937.pdf

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近年の婦人科がん医療の進歩:最近の学会報告から がん医療セミナー 「もっと知って欲しい女性のがん」より

 2008年8月10日、NP法人キャンサーネットジャパン、NPO法人ブーゲンビリア、卵巣がん体験者の会スマイリー、NPO法人女性特有のガンサポートグループオレンジティの4団体が主催する婦人科腫瘍啓発セミナーが開催された。セミナーでの、埼玉医大国際医療センター包括的がんセンター婦人腫瘍科、藤原恵一氏の講演の様子をレポートする。主な婦人科腫瘍とそれぞれの進行がん標準治療 婦人科の主な癌種は子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんである。これら3種の進行がん標準治療は概ね下記のようになる。・子宮頸がん:プラチナ製剤ベースの化学療法(CDDP)同時放射線療法・子宮体がん:術後放射線療法・卵巣がん:減量手術後化学療法 パクリタキセル(PTX)+カルボプラチン(CBDCA) 進行度別にみると、子宮頸がん・体がんでは早期例が多く0期からII期が半数以上である。特に頸がんでは0期が40%以上を占める。一方、卵巣がんでは進行例が多くIII期からIV期が半数以上を占める。卵巣がんの予後と治療 卵巣がんは予てから死亡率が高く予後が悪いといわれている。その言葉が示すとおり、卵巣がん(約7000人)罹患数は子宮がん(約18000人)の半分以下であるが、死亡数はほぼ同等である(子宮がん5500人に対し卵巣がん4400人)。その理由は、卵巣がんの進行例の割合が多いため(卵巣がんはIII~IV期が70%、子宮がんでは0期~I期が70%)だと考えられる。 進行卵巣がんはインオペ例とされていたが、1980年のCDDP登場、その後のタキサン系薬剤の登場で生存率は改善し、現在CBDCA+PTXが標準療法となっている。だが、その後は有効率の向上を目指し標準治療への抗がん剤のアドオン試験が行われたが予後改善をもたらすにはいたっていない。卵巣がんの治療の今後 そのような中、有効率の改善を目指すべく幾つかの研究が行われている。投与法も研究され、プラチナ製剤の腹腔内投与の有効性が米国NCI(National Institute of Cancer)が推奨されている。そして、2008年、日本発のエポックメイキングな研究がASCO2008で発表された。これは、医師主導治験JGOG3016で、PTX毎週投与の有効性試験有効性が立証された。今後、保健適応取得に向け行政への働きかけが重要となる。 さらに、分子標的治療薬の有効性も検討されており、医師主導の治験で、ベバシズマブの有効性研究も進行中である(GOG218)。 一方、ドラッグラグの問題も以前残っている。ドキシル(リボゾーマドキソルビシン)は世界80カ国で承認され、標準治療無効例における2ndライン薬剤として期待されておる。しかし、日本では以前未承認であり、現在自費投与1回あたり30~40万/回の金銭的負荷がかかる。子宮頸がんの治療 子宮頸がんは0期が多く、この段階で発見できれば多くの患者さんが助かることになる。 そのためには、まず、検診の普及が非常に重要である。実際、検査の普及率が高い国では子宮頸がんの死亡率は低いが、日本の検診普及率は22%であり後進国並みといえる。そのためか、日本では若年層での罹患数が増加しているという問題もある。 子宮がんの治療は、プラチナ製剤の化学療法(CDDP単独またはCDDP+5FU)と放射線治療同時併用が標準治療である。しかし、本邦での普及は依然高いとはいえない。今後の課題として日本人のCDDP適正ドーズの設定、ガイドラインでの積極的取り上げなど一層の普及が急がれる。子宮頸がんの治療の今後 そして、近年のトピックとして子宮頸がんにおけるHPV(ヒトパピローマウイルス)の関与があげられる。HPVは子宮頸がん患者の大部分が感染しており、確率こそ非常に少ないが子宮頸がんの発症因子である。そのため、HPVワクチンがHPVの感染予防および前がん病変への移行を防止するとして多大な効果が期待できる。現在、米国、オーストラリアをはじめ多くの国で承認されており日本でも早期の承認が望まれる。日本の婦人科腫瘍治療 日本の婦人科がんの取り組みは欧米に比べ遅れている。そこに昨今の婦人科医師不足が重なり、婦人科腫瘍の診療は大変な状況である。 婦人科腫瘍の場合、そのような状況下であっても製薬メーカーの協力を仰がず医師主導治験をしている例は多い。医師主導治験に携わる医師は診療後に何ら報酬もない中、ボランティアで協力している。しかしながら、医師主導治験を国に認めさせるシステムがなく、今後は医師主導治験で行政を動かしてゆく手法を検討する必要がある。 また、ドラックラグについても大きな問題である。ドキシルのように海外で実績があるのに日本では未承認という薬剤は多い。副作用発現などのリスクから優先審査への動き鈍ることも一つの要因であるが、一番の被害者は患者さんであることを忘れて欲しくない。この点については、マスメディアの取り上げ方が大きな影響を及ぼすため、正確な情報提供をお願いしたいと考える。

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エベロリムス溶出ステントはパクリタキセル溶出ステントより有利

免疫抑制剤エベロリムスを溶出するコバルトクロム製ステントは予備的研究で、冠動脈疾患患者の血管再狭窄リスクを軽減するとの見込みが示されていたが、エベロリムス・ステントの安全性と有効性を評価する「SPIRIT III」試験に携わっていたコロンビア大学メディカルセンター(米国ニューヨーク市)のGregg W. Stone氏らは、普及しているパクリタキセル溶出ステントより、血管内径の狭窄も、治療失敗による有害イベントも有意に少ないと報告した。JAMA誌2008年4月23日号より。全米65施設で1,002例を1年間追跡調査「SPIRIT III」は、2005年6月22日~2006年3月15日にかけて、米国各地の65大学と地域医療機関が行った前向き無作為単盲検試験。患者は、病変部の長さが28mm以下、基準血管直径が2.5~3.75mmの、経皮的冠動脈介入術を受ける男女1002例で、エベロリムス溶出ステント群(n=669)とパクリタキセル溶出ステント群(n=333)に、2:1に無作為に割り付けた。事前に選んだ患者564例について8ヵ月間、血管造影による追跡調査を行い、436例で完了した。臨床追跡調査は1、6、9、12ヵ月目に行った。プライマリーエンドポイントは血管造影に基づくステント留置部分の遠隔期内径損失の非劣性または優位性だった。主要な副次的エンドポイントは、9ヵ月後における標的血管治療失敗イベント(心臓死、心筋梗塞または標的血管血行再建術)の非劣性評価。付加的な副次的エンドポイントは9、12ヵ月後の主要有害心イベント(心臓死、心筋梗塞または標的血管血行再建術)だった。遠隔期内径損失も有害イベントも有意に少ない治療部分の遠隔期内径損失は、エベロリムス群(平均値0.14[SD 0.41]mm)のほうがパクリタキセル群(同0.28[SD 0.48]mm)より有意に少なかった(両群差0.14mm、95%CI:0.23~0.05、P≦0.004)。また、9ヵ月後の標的血管治療失敗でも、エベロリムス群はパクリタキセル群に劣らなかった(7.2%対9.0%、%比1.9ポイント、95%CI:5.6%~1.8%、相対リスク:0.79、95%CI:0.51~1.23、P<0.001)。心筋梗塞と標的病変血管血行再建術も少なかったため、主要有害心イベントは、9ヵ月後(4.6%対8.1%、相対リスク:0.56、95%CI:0.34~0.94、P=0.03)、1年後(6.0%対10.3%、相対リスク:0.58、95%CI:0.37~0.90、P=0.02)とも有意に減少した。Stone氏らは「エベロリムス溶出ステントはパクリタキセル溶出ステントより遠隔期内径損失は減少し、標的血管治療失敗も劣らず、1年間の追跡調査でも主要な有害心イベントはより少ない」としている。

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乳癌補助療法、生存率改善はパクリタキセル週1回投与に軍配

乳癌の標準的化学療法後に用いられる2種類のタキサン系薬剤(ドセタキセルパクリタキセル)による補助療法は、週1回投与と3週に1度の投与ではどちらの有効性が高いのか? 検証作業に当たっていた米国Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)のJoseph A. Sparano氏らによる報告がNEJM誌2008年4月17日号で掲載された。転移性乳癌の女性4,950例を調査研究は、乳癌女性のうち腋窩リンパ節転移が陽性か、リンパ節転移は陰性だがリスクの高い患者4,950例を対象に実施された。患者は無作為化された後、まずドキソルビシン(国内商品名:アドリアシン)とシクロホスファミド(エンドキサン)静脈内投与を3週に1度4サイクル行い、引き続き、パクリタキセルまたはドセタキセルを、3週に1度4サイクル静脈内投与する群と、週1回12サイクル静脈内投与する群に割り付けられた。主要エンドポイントは無病生存率。HER2陰性、エストロゲン受容体陽性でも効果パクリタキセルを3週に1度投与する標準的な用法の群と比べて、無病生存のオッズ比はそれぞれ、パクリタキセル週1回投与群は1.27(P = 0.006)、ドセタキセル3週に1度投与群は1.23(P = 0.02)、ドセタキセル週1回投与群は1.09(P = 0.29)だった。いずれもオッズ比は1以上で、実験的治療群が支持される結果となった。また、標準用法群に比べてパクリタキセル週1回投与のほうが、生存率が改善していた(オッズ比1.32、P = 0.01)。サブグループ(HER2陰性)解析の結果では、エストロゲン受容体が陽性でも、パクリタキセル週1回投与によって無病生存率と全生存率に同様の改善が見られた。パクリタキセル週1回投与群では、同剤の3週に1度投与群に比べてグレード2、3、4の神経障害の発生頻度が高かった(27%対20%)が、研究グループは、「ドキソルビシンとシクロホスファミドによる標準的化学療法の後に補助療法としてパクリタキセルを週1回投与することは、乳癌女性の無病生存と全生存率を改善する」と結論付けている。(武藤まき:医療ライター)

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下肢血管形成術でパクリタキセル・コーティング・バルーン使用は再狭窄を有意に減少

薬剤溶出ステントは冠動脈の再狭窄を減少させるものの、末梢動脈での有効性は臨床試験では証明されていなかった。そのため下肢血管形成術における、パクリタキセルでコーティングされた血管形成術用バルーンと、血管造影剤に溶解したパクリタキセルの効用について調査が、エーベルハルト・カール大学(ドイツ)Gunnar Tepe氏らによって行われた。NEJM誌2008年2月14日号より。大腿膝下動脈で遠隔期損失径を比較調査は、大腿膝窩動脈の狭窄、または閉塞を伴う患者154例を、パクリタキセルでコーティングされた標準的バルーンカテーテルによる治療群、コーティングなしのバルーン+造影剤に溶解したパクリタキセル治療群、コーティング・バルーンも含有造影剤もなしの群(対照群)にランダムに割り付け、小規模の多施設共同試験を行った。主要評価項目は6ヵ月後の遠隔期損失径。患者の平均年齢(±SD)は68歳(±8)、喫煙者が24%、そして糖尿病が49%だった。病変の27%は完全閉塞、36%は再狭窄であった。平均の病変長は7.4±6.5 cmで、治療群間のベースライン特性には有意差がなかった。パクリタキセル・コーティングに起因する有害事象は認められなかった。パクリタキセル・コーティング・バルーンで有意な効果6ヵ月後の対照群の遠隔期損失径の平均値は1.7±1.8mm、一方、パクリタキセル・コーティング・バルーンによる治療群は0.4±1.2mm(P

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薬剤溶出性ステント、パクリタキセル vs シロリムス、有意差なし:SORT OUT II

薬剤溶出性ステントの承認は比較的小規模の治験結果に基づいているが、実際の診療においては幅広い患者を対象に使われる。本研究は、Gentofte大学病院(デンマーク)Anders M. Galloe氏らによって、先頭を走るシロリムス(免疫抑制剤)溶出性ステントとパクリタキセル(抗癌剤)溶出性ステントの2つの入手可能な薬剤溶出性ステントを用いて行われたSORT OUT IIの結果報告。診療実態に沿って、主要な症状の予防効果に重点が置かれた。JAMA誌2008年1月30日号より。PCI患者2098例をシロリムス群とパクリタキセル群に割り付け試験は2004年8月から2006年1月にかけてデンマークの5つの大学病院で、無作為盲検方式にて実施された。対象は経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた男女合わせて2,098例(平均63.6 歳[標準偏差10.8])で、シロリムス溶出性ステント群(n=1,065)と、パクリタキセル溶出性ステント群(n=1,033)にランダムに割り付けられた。PCIの適応にはST上昇心筋梗塞(STEMI)、非STEMIまたは不安定狭心症、安定狭心症が含まれた。主要評価項目は重大な心イベントの複合エンドポイント(心臓死、急性心筋梗塞、対象病変の血行再建術、血管再形成術によると定義)。二次評価項目には、全原因死亡率とステント血栓症も含まれた。両剤に転帰上の有意差は見いだせず結果、両剤ステント群間には、重大な有害心イベントについても(98例[9.3%]対114例[11.2%]、ハザード比0.83[95%信頼区間0.63-1.08]、P=0.16)においても、あるいはどの二次的エンドポイントの結果にも有意差は確認できなかった。ステント血栓症発生率はそれぞれ、シロリムス群27例(2.5%)、パクリタキセル群30例(2.9%)で、ハザード比0.87[95%信頼区間、0.52-1.46]、P=0.60)。この結果から研究グループは、シロリムスあるいはパクリタキセル溶出性ステントによる治療を受けた患者間で、臨床転帰上の有意差は見いだせなかったと結論づけた。(朝田哲明:医療ライター)

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頭頸部扁平上皮癌の導入化学療法に関する第3相無作為化試験

頭頸部扁平上皮癌はアメリカでは、成人で新たに癌と診断される者のうちの5%を、世界的には8%を占め、初期ステージでは根治も期待される疾患である。標準治療は化学療法(手術+放射線療法)だが、最適な治療スケジュールが確立しておらず、薬物療法+放射線療法の導入化学療法が実質的に標準治療となっている。薬物療法ではシスプラチン+フルオロウラシル(PF)療法が、局所進行例での有益性から標準とされているが、ドセタキセル(タキソール)を加えたTPF療法の有益性に関する臨床試験が進行中である。その第3相無作為化試験の結果がNEJM誌10月25日号に掲載された。TPF療法+放射線療法とPF療法+放射線療法を比較TAX 324と名付けられた本試験は、TPF療法後に放射線療法を行う方法と、従来型のPF療法後に放射線療法を行う方法とを比較するもので、501例の頭頸部扁平上皮癌患者をいずれかに無作為に割り付け行われた。患者はいずれも、遠隔転移は認められないが切除不能な腫瘍を有するステージ3あるいは4の臓器保存対象者。TPFあるいはPF療法を受けた後、週1回のカルボプラチン投与と週5日の放射線療法を受け比較された。主要エンドポイントは全生存率。TPF療法+放射線療法を新たな標準治療に追跡調査は最低2年、69%の患者で3年以上行われた。その結果、TPF群でPF群よりも有意に多数の患者が生存していた。死亡に対するハザード比は0.70(P=0.006)。3年時の生存率はPF群で48%なのに対しTPF群は62%、生存期間(中央値)はPF群30ヵ月に対しTPF群71ヵ月と推定された(P=0.006)。TPF群のほうがPF群よりも局所管理が良好で(P=0.04)、遠隔転移の発生率は両群で有意差がなかった(P=0.14)。好中球減少症と発熱性好中球減少症の発生率は、TPF群のほうが高かった。PF群では、血液系の有害事象のため、化学療法の実施が頻繁に遅延された。以上の結果を踏まえTAX 324研究グループは、TPF療法+放射線療法の有意性を結論付け、臨床家に新たな標準治療と考えるべきであると提起した。(武藤まき:医療ライター)

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薬物溶出ステントの安全性はベアメタルステントと同等か:メタ解析

(超)遠隔期のステント内血栓が問題となっている薬物溶出ステント(DES)だが、死亡率はベアメタルステント(BMS)と同等とするメタ解析がLancet誌9月15日号に掲載された。ドイツUniversity of BernのChristoph Stettler氏らが、ネットワークメタ解析と呼ばれる手法を用いて解析した結果だ。約20,000例のデータを解析ネットワークメタ解析とはAとBを比較したデータ、BとCを比較したデータを用いてAとCの比較まで行うメタ解析である。サンプル数が増えるという利点がある。さて、Stettler氏らはDESとBMSを比較した無作為化試験38件、18,023例のデータを用いて解析を行った。DESはシロリムス溶出ステント(SES)とパクリタキセル溶出ステント(PES)に分けて解析している。その結果、死亡リスクはBMS、SES、PES間に有意差はなかった。一方、心筋梗塞リスクはSESで有意に低く、相対リスクはBMSに比べ0.81(95%信頼区間:0.66-0.97、p=0.030)、対PESで0.83(95%信頼区間:0.71-1.00、p=0.045)だった。また内視鏡か剖検で確認された留置後1~4年間のステント内血栓のリスクも、BMSに比べPESでは1.43倍、SESは3.57倍となっていたが、いずれも有意な増加ではなかった。一方、各試験のプロトコールに従ったステント内血栓のリスクはBMSに比べ、PESで20.02と有意(p=0.0001)に増加していた。SESでもリスク増加は5.82と著明だったが、統計的に有意ではなかった(95%信頼区間:0.88-76.89)。またSES、PESとも責任病変部位血行再建術再施行のリスクはBMSより有意に低く、SESとPESを比較するとSESで有意に低かった。現実が反映された解析なのかこれらよりStettler氏らは、SESはPESやBMSよりも臨床的に有用であると結論するが、同号に掲載された論評では、対象となった臨床試験ではDESが現実に頻用されている高リスク病変ではなく低リスクに用いられている場合が多い、内視鏡・剖検で確認される血栓は臨床的に見られるステント内血栓の一部でしかない可能性などを指摘し、本解析の結論に疑問を呈している。(宇津貴史:医学レポーター)

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DESへのCOX2阻害薬追加で再狭窄抑制

服用による心筋梗塞リスク増加が懸念されている選択的COX2阻害薬だが、その1つcelecoxibは、薬剤溶出ステント(DES)留置前からの服用開始により6ヵ月間の経皮的冠血行再建術(PCI)再施行を減少させる可能性が示唆された。Lancet誌8月18日号にNational University of Seoul(韓国)のBon-Kwon Koo氏らが無作為化オープン試験の結果として報告した。抗血小板薬中止後の超遠隔期血栓がDESの最大問題となっている現在、この研究の臨床的価値はどのようなものだろうか──。追跡は6ヵ月間対象となったのは狭心症、あるいは負荷試験による虚血所見が陽性で、かつ責任病変にインターベンション歴のない274例。このうち136例を celecoxib群、138例を対照群に無作為化した後盲検化せずにパクリタキセル溶出ステントを留置し、アスピリンとクロピドグレル服用の上、6ヵ月間追跡した。追跡終了時のスタチン、β遮断薬、レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬の服用率は両群で同等だった。再狭窄は有意に抑制され、PCI再施行も減少第一評価項目は「冠動脈造影(CAG)で評価した血管ステント留置部内腔径の変化」である。試験終了時にCAGを施行できたのはcelecoxib群、対照群とも112例だった。その結果、celecoxib群では対照群に比べ、ステント留置部の血管内腔径減少が0.26mm有意に(p

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進行結腸・直腸癌に対するCAIROレジメン投与、同時or逐次どちらが有用か?

進行結腸・直腸癌に対する化学療法の至適レジメンについては、first-line治療のみならずsecond-line、third-line治療をも視野に入れ、最も有効な薬剤の組み合わせとその効果的な投与法の探索が進められている。進行結腸・直腸癌に対する標準的治療薬であるフルオロウラシル(5-FU)に、塩酸イリノテカン(CPT-11)およびオキサリプラチン(L-OHP)を併用するアプローチは生存期間の延長など臨床的ベネフィットをもたらすことが示されている。 オランダ・ラドボウド大学ナイメーヘン医療センターのMiriam Koopman氏らは、5-FUの代わりに経口フッ化ピリミジン薬であるカペシタビン(CAP)を用い、CPT-11、L-OHPの3剤の組み合わせ(CAIRO)に関する2つの投与法の有用性を評価する無作為化第III相試験を実施した。7月14日付Lancet誌に掲載された報告から。CAP→CPT-11→CAP+L-OHP vs. CAP+CPT-11→CAP+L-OHP2003年1月~2004年12月の間に、オランダの74施設から進行結腸・直腸癌820例が登録され、次の2つのレジメンに無作為に割り付けられた。(1)first-line:CAP、second-line:CPT-11、third-line:CAP+L-OHP(逐次投与群、410例)、(2)first-line:CAP+CPT-11、second-line:CAP+L-OHP(同時投与群、410例)。主要評価項目は全生存率とした。生存期間中央値は、逐次投与群が16.3ヵ月、同時投与群が17.4ヵ月であり、有意な差は認められなかった(p=0.3281)。逐次投与群に対する同時投与群のハザード比は0.92(95%信頼区間:0.79-1.08、p=0.3281)と有意差は認めなかった。また、1年生存率も、それぞれ64%、67%と同等であった(p=0.38)。first-line治療においては、同時投与群で無増悪生存期間(5.8 vs. 7.8ヵ月、p=0.0002)、全体の奏効率(CR+PR)(20 vs. 41%、p<0.0001)、腫瘍増殖抑制率(CR+PR+SD)(74 vs. 87%、p<0.0001)が有意に優れていた。CAIROの逐次投与法は確立された治療法全体のgrade 3~4の有害事象は、grade 3の手足症候群の頻度が逐次投与群で有意に多く見られたが(13 vs. 7%、p=0.004)、それ以外については両群間に差は認めなかった。first-line治療に限ると、重篤な有害事象の頻度は逐次投与群のほうが少なかった。これらの結果から、Koopman氏は「CAIROの同時投与法の全生存率が逐次投与法を凌駕することはなかった。逐次投与法は結腸・直腸癌に対する確立された治療法であることが改めて確認された」と結論している。また、同氏は「分子標的治療薬の導入によって進行結腸・直腸癌の治療選択肢や転帰は大きく変化しているが、全身療法の根幹が抗癌剤であることに変わりはない」と考察している。(菅野 守:医学ライター)

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