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TN乳がんの術前化学療法、デュルバルマブ併用でOS改善(GeparNUEVO)/ASCO2021

 トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対するデュルバルマブ+化学療法の術前治療の予後に関する有望な結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、ドイツ・German Breast Group(GBG)のSibylle Loibl氏から報告された。 本試験(GeparNUEVO試験)は、ドイツの臨床試験グループ(GBGとAGO-B)により実施された多施設共同のプラセボ対照第II相無作為化比較試験である。すでに2019年に、その主要評価項目である病理学的奏効率(pCR率)については報告されており、今回はその生存期間に関する追加報告である。・対象:腫瘍径2cm以上の未治療のTNBC(閉経状況、リンパ節転移状況は問わず)・試験群:デュルバルマブ1,500mg 4週ごと+nab-パクリタキセル125mg/m2/週 12週→針生検→デュルバルマブ1,500mg 4週ごと+エピルビシン・シクロホスファミド(EC)2週ごと8週→手術(Durva群:88例)・対照群:上記投与スケジュールと同様にデュルバルマブのプラセボを投与(化学療法は実薬投与)(Pla群:86例)・評価項目:[主要評価項目]pCR率(完全に残存腫瘍のないypT0 ypN0での割合)[副次評価項目]無浸潤疾患生存期間(iDFS)、遠隔無再発生存期間(DDFS)、全生存期間(OS)、安全性、バイオマーカー検索など 主な結果は以下のとおり。・患者背景は、年齢中央値49.5歳、N+が約30%、核異型度3が約80%、デュルバルマブやプラセボの単剤投与歴ありが67%あった。・追跡期間中央値43.7ヵ月時点での3年iDFS率は、Durva群85.6%、Pla群77.2%、ハザード比(HR)は0.48(95%信頼区間[CI]:0.24~0.97)、p=0.0398、3年OS率は、Durva群95.2%、Pla群83.5%、HRは0.24(95%CI:0.08~0.72)、p=0.0108と、Durva群で有意に良好であった。・各群においてpCRが得られた症例と、得られなかった症例のOSを3年OS率でみると、Pla群ではnon-pCR例78.8%、pCR例88.9%、Durva群ではnon-pCR例92.0%、pCR例100%と、いずれの群でもpCR獲得症例で予後が良好であった(HR:0.27、p=0.012)。・これはiDFSでもDDFSでも同様の結果であった。 演者のLoibl氏は「TNBCへの術前化学療法へのデュルバルマブの併用は、DFS、OS共に有意に延長することが判明した。しかし、免疫チェックポイント阻害薬(CPI)によるpCR獲得例と長期予後との関連性や、CPIを用いた術後療法についてはさらなる検討が必要である」と述べた。

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筋層浸潤性膀胱がんに対するGC+ニボルマブの有用性評価/ASCO2021

 筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)を対象に、シスプラチン+ゲムシタビン+ニボルマブ併用投与の有用性評価と、膀胱温存が可能な症例の予測に関する報告が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・Icahn School of Medicine at Mount SainaiのMatthew D. Galsky氏よりなされた。 本試験(HCRN GU16-257)は米国で行われた多施設共同第II相試験である。MIBCでは、プラチナベースの術前化学療法により30~40%の症例が病理学的完全奏効(pCR)を得られることと、そのpCR症例は予後良好であることが知られているが、そのpCRが明らかになるのは膀胱摘除後である。また過去のレトロスペクティブ研究によると、その10年生存率は膀胱全摘65%、部分切除73%、切除なし75%と大きな差はなく、部分切除例では53%、切除なし例では61%が、膀胱温存したままで10年生存を得ていたという報告がある。・対象:シスプラチン(CDDP)の投与適格のcT2-4a/N0/M0のMIBC・介入:CDDP+ゲムシタビン+ニボルマブ 4サイクル(GC+Nivo)臨床的完全奏効(cCR)症例はニボルマブの追加投与(4ヵ月)、その後局所再発をきたした時点で膀胱摘除術実施。Non-cCR症例は膀胱摘除術を実施・評価項目[主要評価項目]cCRの割合、治療ベネフィット予測因子としてのcCRの可能性評価(2年間の無転移生存、または膀胱摘除時にpCRが確認された場合を治療ベネフィットとした)[その他評価項目]初診時のTURBT検体におけるDNA損傷修復関連遺伝子(ERCC2、FANCC、ATM、RB1)変異およびTMBとcCRの相関性 主な結果は以下のとおり。・2018年8月~2020年11月に76例が登録された。年齢中央値69歳、男性79%、臨床病期はcT2が57%、cT3が32%、cT4が12%であった。・4サイクルの薬物治療を完遂できたのは64例で、48%(31例)がcCRを達成した。・cCR達成31例中30例が膀胱温存。残りの1例とNon-cCR症例(33例)が膀胱摘除術を受けた。・cCR獲得後の膀胱温存症例では8例に局所再発が認められ、6例に膀胱摘除術が施行された。その際、50%は病理学的ステージがpT1N0以下であった。・Non-cCR症例で膀胱摘除術を受けた症例の36%がpT1N0以下で、32%がpN+であった。・有害事象プロファイルは、他のGC+Nivo試験での報告と同様であった。・TMB高値(≧10mut/Mb)と、ERCC2変異でcCRまたはpCRとの相関が認められた(いずれもp=0.02)。  最後に発表者は、MIBCに対するGC+Nivo療法は、cCRを達成できるレジメンであり、このcCRが膀胱を温存したままでの長期の無再発生存につながる可能性がある、と述べた。

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F1 CDx、MSI-Hightがんのコンパニオン診断として承認/中外

 中外製薬は、2021年06月22日、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」について、ニボルマブおよび、:ペムブロリズマブの高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有するがんに対するコンパニオン診断として厚生労厚生労働省より承認を取得したと発表。 今回の承認により、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルにて、ニボルマブの「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」、およびペムブロリズマブの「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」に対し各々の薬剤の適応判定補助として利用が可能となる。

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食道扁平上皮がん1次治療におけるNIVO+IPI、NIVO+ChemoのOS結果(CheckMate 648)/ASCO2021

 英国・Royal Marsden HospitalのIan Chau氏が、「CheckMate 648試験」の初となる解析結果を、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表。進行食道扁平上皮がん(ESCC)の1次治療として、ニボルマブ(NIVO)+イピリムマブ(IPI)併用療法およびNIVO+化学療法(Chemo)の併用療法はいずれも、Chemo単独と比べて全生存期間(OS)を有意に延長することを報告した。 すでにニボルマブ単剤が化学療法と比べて全生存期間(OS)を有意に延長することは「ATTRACTION-3試験」で示されている。CheckMate 648試験は、進行ESCCにおけるNIVO併用療法の有効性と安全性を世界で最初に評価した第III相非盲検無作為化比較試験。・対象:切除不能の進行または転移を有するESCC、PS 0~1、970例・試験群:NIVO(240mg、2週ごと)+Chemo(フルオロウラシル+シスプラチン、4週ごと)(321例)、NIVO(3mg/kg、2週ごと)+IPI(1mg/kg、6週ごと)(325例)、・対照群:Chemo単独(324例)・評価項目:[主要評価項目]OSおよび無増悪生存(PFS)(腫瘍PD-L1≧1%患者)[副次評価項目]OSおよびPFS(全無作為化患者)、奏効率(ORR)(腫瘍PD-L1≧1%患者および全無作為化患者) 主な結果は以下のとおり。・PD-L1≧1%患者は、NIVO+Chemo群49%、NIVO+IPI群49%、Chemo群48%であった。・データカットオフ日(2021年1月18日、最短追跡期間12.9ヵ月)におけるOSは、Chemo群9.1ヵ月に対して、NIVO+Chemo群15.4ヵ月(ハザード比[HR]:0.54、99.5%信頼区間[CI]:0.37~0.80、p<0.0001)、NIVO+IPI群13.7ヵ月(HR:0.64、p=0.0010)であり、Chemo群に対していずれの併用療法も有意に延長した。・主要評価項目のPFSは、Chemo群4.4ヵ月に対して、NIVO+Chemo群6.9ヵ月(HR:0.65、98.5%CI:0.46~0.92、p=0.0023)と有意な延長が認められたが、NIVO+IPI群は4.0ヵ月(HR:1.02、p=0.8958)と延長は認められなかった。・全無作為化患者におけるOSは、Chemo群10.7ヵ月に対して、NIVO+Chemo群13.2ヵ月(HR:0.74、99.1%CI:0.58~0.96、p=0.0021)、NIVO+IPI群12.8ヵ月(HR:0.78、p=0.0110)であった。・同様にPFSは、Chemo群5.6ヵ月に対して、NIVO+Chemo群5.8ヵ月(HR:0.81、98.5%CI:0.64~1.04、p=0.0355)、NIVO+IPI群は2.9ヵ月(HR:1.26)であった。・ORRは、PD-L1≧1%患者でNIVO+Chemo群53%、NIVO+IPI群35%、Chemo群20%であった。・奏効期間(DoR)中央値は、PD-L1≧1%患者でNIVO+Chemo群8.4ヵ月、NIVO+IPI群11.8ヵ月、Chemo群5.7ヵ月であった。・治療関連の有害事象は、NIVO+Chemo群5例(2%)、NIVO+IPI群5例(2%)、Chemo群4例(1%)であった。・安全性に関する新たな問題は認められなかった。 Chau氏は、「進行ESCC患者において、NIVO+Chemo併用療法およびNIVO+IPI併用療法はいずれも、1次治療の新たな標準治療となり得ることが示された」とまとめた。

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胃、食道腺がん1次治療のニボルマブ+化学療法、全無作為化患者集団の成績(CheckMate 649)/ASCO2021

 ニボルマブ+化学療法(NIVO+Chemo)による胃がん、胃食道接合部がんおよび食道腺がんの1次治療については、第III相CheckMate-649試験の結果が昨年の欧州臨床腫瘍学会年次総会(ESMO Virtual Congress 2020)で発表され、PD-L1 CPS≧5患者における無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)が統計学的に有意に延長することが報告された。この結果に基づき、1次治療として米国FDAの承認を取得した。今回の米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)では、ドイツ・Johannes-Gutenberg大学のMarkus Moehler氏が、全無作為化患者における有効性と安全性に関する解析結果を発表。OSの統計学的に有意な延長を認めたと報告した。CheckMate-649試験の全無作為化患者のOSとPFSを評価・対象:未治療のHER2陰性進行または転移を有する胃/胃食道接合部/食道腺がん、PS 0~1・試験群:NIVO+Chemo(NIVO 360mg+XELOX[3週ごと]、またはNIVO 240mg+FOLFOX[2週ごと])789例・対照群:上記の化学療法単独のいずれか(Chemo群)792例・評価項目:[主要評価項目]PD-L1 CPS≧5患者のPFSとOS[副次評価項目]PD-L1 CPS≧1、≧10、ならびに全無作為化患者のOSとPFS、全奏効率(ORR)[探索的評価項目]安全性、QOL CheckMate-649試験の全無作為化患者における有効性と安全性に関する主な結果は以下のとおり。・CheckMate-649試験の全無作為化患者(データカットオフ日2020年5月27日、最短追跡期間12.1ヵ月)のOS中央値は、NIVO+Chemo群13.8ヵ月、Chemo群11.6ヵ月であり、NIVO+Chemo群で有意なOSの延長を認めた(HR:0.80、99.3%CI:0.68~0.94、p=0.0002)。・12ヵ月OS率は、NIVO+Chemo群55%、Chemo群48%であった。・CheckMate-649試験の全無作為化患者のPFS中央値は、NIVO+Chemo群7.7ヵ月、Chemo群6.9ヵ月であり、NIVO+Chemo群で臨床的に意義のあるPFSの延長を認めた(HR:0.77、95%CI:0.68~0.87)。・12ヵ月PFS率は、NIVO+Chemo群33%、Chemo群23%であった。・事前に規定したすべてのサブグループの解析において、一貫してOSはNIVO+Chemo群が良好であった。・NIVO+Chemo群における免疫関連のGrade3/4治療関連有害事象(TRAE)は、すべての器官別で5%以下であり、非内分泌系の事象のほとんどは管理アルゴリズムにより回復した(回復までの期間中央値2~23週間)。・症状悪化までの期間中央値は、NIVO+Chemo群が未到達、Chemo群が21.0ヵ月であり、NIVO+Chemo群であった(HR:0.77、95%CI:0.63~0.95、p=0.0129)。 Moehler氏は、「データはHER2陰性の進行胃/胃食道接合部/食道腺がん患者の新たな標準1次治療として、NIVO+Chemoを支持するものであった」とまとめている。

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食道がんのニボルマブ術後補助療法、追加解析の成績(CheckMate 577)/ASCO2021

 CheckMate577試験は、食道がん/食道胃接合部がんに対する術後補助療法としての免疫チェックポイント阻害薬を評価した世界初の第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、ニボルマブはプラセボと比較して無病生存期間(DFS)を統計学的に有意に延長することが報告されている(N Engl J Med. 2021; 384: 1191-1203.)。米国・ベイラー医科大学医療センターのRonan Joseph Kelly氏は、既報の結果も含め有効性、安全性およびQOLに関する追加解析の結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表。ニボルマブ群で無遠隔転移生存期間(DMFS)、無増悪生存期間2(PFS2;無作為化から2次治療の増悪、3次治療の開始または死亡までの期間)を延長したことを報告した。・対象:術前補助化学放射線療法および完全切除後に病理学的残存病変を認めたStageII~III食道/食道胃接合部がん患者、PS 0~1、794例・試験群:ニボルマブ240mgを2週間ごと16週間、その後480mgを4週間ごと投与(ニボルマブ群、532例)・対照群:プラセボ(プラセボ群、262例)・評価項目:[主要評価項目]DFS[副次評価項目]全生存期間(OS)、1年OS率、2年OS率、3年OS率[探索的評価項目]安全性、DMFS、PFS2、QOL 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値24.4ヵ月であった。・DMFS中央値は、ニボルマブ群28.3ヵ月、プラセボ群17.6ヵ月であった(HR:0.74、95%CI:0.60~0.92)。・遠隔再発はニボルマブ群29% vs.プラセボ群39%、局所再発は12% vs.17%で、いずれもニボルマブ群で低頻度であった。・PFS2中央値は、ニボルマブ群未到達(95%CI:34.0~NE)、プラセボ群32.1ヵ月(95%CI:24.2~NE)であった(HR:0.77、95%CI:0.60~0.99)。・ニボルマブの忍容性は良好で、ほとんどの治療関連有害事象(TRAE)はGrade1/2であった。重篤なTRAEの発現率は、全Gradeでニボルマブ群8%、プラセボ群3%、TRAEによる治療中止は同様に全Gradeでそれぞれ9%、3%であった。・ニボルマブ群における主な免疫関連TRAEは、ほとんどがGrade1/2でありGrade3/4は1%以下で、Grade5はなかった。免疫関連TRAEは早期に発現し(発現までの期間中央値6〜13週)、ほとんどの患者は確立された管理アルゴリズムにより回復した(回復までの期間中央値3~21週間)。 Kelly氏は、「術前補助化学放射線療法と完全切除を受けても病理学的完全奏効が得られなかった食道/食道胃接合部がん患者に対し、ニボルマブによる術後補助療法は新たな標準治療となり得る」とまとめた。

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進行胃・食道がん1次治療、ニボルマブ+化学療法でOS延長/Lancet

 未治療の進行胃がん・胃食道接合部がんまたは食道腺がんの1次治療について、ニボルマブ+化学療法の併用療法は化学療法単独に対して、全生存(OS)期間および無増悪生存(PFS)期間を有意に延長し、許容可能な安全性プロファイルが示された。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのYelena Y. Janjigian氏らが、第III相国際多施設共同無作為化非盲検試験「CheckMate 649試験」の結果を報告した。進行または転移のあるHER2陰性の胃がんまたは胃食道接合部腺がんにおける、1次化学療法のOS期間中央値は1年未満である。CheckMate 649試験は、胃がん・胃食道接合部がん/食道腺がんの1次治療としての、抗PD-1阻害薬ベースの化学療法の評価を目的に行われた。本論はニボルマブ+化学療法vs.化学療法単独の有効性および安全性に関して初となる報告で、結果を踏まえて著者は、「ニボルマブ+化学療法は、これらの患者における1次治療の新たな標準治療である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2021年6月4日号掲載の報告。主要評価項目はPD-L1 CPS≧5の患者のOS、PFS CheckMate 649試験は29ヵ国175病院・がんセンターから、18歳以上の未治療で切除不能でありHER2陰性の胃がん・胃食道接合部がんまたは食道腺がんの患者を登録して行われた。PD-L1の発現は問わなかった。 被験者はウェブシステム(ブロックサイズ6)を介して、非盲検下で無作為に1対1対1の割合で次の3群に割り付けられた。(1)ニボルマブ(360mg[3週ごと]または240mg[2週ごと])+化学療法(カペシタビン+オキサリプラチン[XELOX、3週ごと]またはロイコボリン+フルオロウラシル+オキサリプラチン[FOLFOX、2週ごと])、(2)ニボルマブ+イピリムマブ、(3)化学療法単独。 主要評価項目は、PD-L1 CPS≧5の患者における、ニボルマブ+化学療法の併用療法vs.化学療法単独のOSまたはPFSであった。 安全性の評価は、割り付け治療を少なくとも1回受けた全患者を対象とした。OS、PFSを有意に延長、PD-L1 CPS≧1集団や全無作為化集団でも有益 2017年3月27日~2019年4月24日に、2,687例の患者が適格性の評価を受け、そのうち1,581例が無作為に治療に割り付けられた(ニボルマブ+化学療法群[789例、50%]、化学療法単独群[792例、50%])。OSに関する追跡期間中央値は、ニボルマブ+化学療法群13.1ヵ月(IQR:6.7~19.1)、化学療法単独群11.1ヵ月(5.8~16.1)であった。 最短追跡期間12.1ヵ月時点で、PD-L1 CPS≧5の患者において、ニボルマブ+化学療法群は化学療法単独群と比べて、OS(ハザード比[HR]:0.71、98.4%信頼区間[CI]:0.59~0.86、p<0.0001)およびPFS(HR:0.68、98%CI:0.56~0.81、p<0.0001)を有意に延長した。OS期間中央値は14.4ヵ月(95%CI:13.1~16.2)vs.11.1ヵ月(10.0~12.1)、PFS期間中央値は7.7ヵ月(7.0~9.2)vs.6.0ヵ月(5.6~6.9)であった。 また、PD-L1 CPS≧1の患者集団における解析でも、OSの有意な延長が示され(HR:0.77、99.3%CI:0.64~0.92、p<0.0001)、PFSにもベネフィットがあることが示された(HR:0.74、95%CI:0.65~0.85)。同様に全無作為化集団においても、OSの有意な延長が示され(HR:0.80、99.3%CI:0.68~0.94、p=0.0002)、PFSへのベネフィットも示された(HR:0.77、95%CI:0.68~0.87)。 治療を受けた全患者におけるGrade3/4の治療関連有害事象の発現は、ニボルマブ+化学療法群462/782例(59%)、化学療法単独群341/767例(44%)であった。最も頻度の高い全グレードの治療関連有害事象(25%以上)は、両群ともに悪心、下痢、末梢神経障害であった。 ニボルマブ+化学療法群16例(2%)の死亡、化学療法単独群4例(1%)の死亡が治療に関連していると見なされた。なお、新たな安全性シグナルは確認されなかった。

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進行TN乳がんIMサブタイプの1次治療にfamitinib+camrelizumab+nab-パクリタキセルが有望(FUTURE-C-PLUS)/ASCO2021

 immunomodulatory(IM)サブタイプの進行トリプル(TN)乳がんの1次治療として、中国で複数のがんに承認されている抗PD-1抗体camrelizumabとnab-パクリタキセルの併用に、VEGFR-2、PDGFR、c-kitを標的とした経口チロシンキナーゼ阻害薬famitinibを追加することにより、有望な抗腫瘍活性および管理可能な毒性プロファイルを示したことが、前向き単群第II相試験のFUTURE-C-PLUS試験で示された。中国・Fudan University Shanghai Cancer CenterのZhi-Ming Shao氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表した。 camrelizumabおよびnab-パクリタキセルは、転移を有するIMサブタイプのTN乳がんに有望な抗腫瘍活性を示すことが報告されている(第Ib/II相アンブレラ試験のFUTURE試験で、複数の抗がん剤治療歴のある患者における奏効率52.6%)。一方、血管新生阻害薬は免疫チェックポイント阻害薬への反応を増強することが知られていることから、IMサブタイプのTN乳がんに対するfamitinib+camrelizumab+nab-パクリタキセルの3剤併用の有効性と安全性を評価した。・対象:治療歴のない切除不能な局所進行もしくは転移を有するIMサブタイプのTN乳がん・介入:camrelizumab(200mgを1、15日目に静注、4週ごと)+nab-パクリタキセル(100mg/m2を1、8、15日目に静注、4週ごと)+famitinib(20mg 1日1回を1~28日目に経口投与、4週ごと)を病勢進行もしくは耐容不能な毒性の発現まで継続(nab-パクリタキセルは最低6サイクル投与)・評価項目:[主要評価項目]奏効率(ORR)[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏効期間(DOR)、安全性 主な結果は以下のとおり。・2019年10月~2020年10月に48例が登録された。・奏効率は、ITT集団で81.3%(48例中39例、95%信頼区間[CI]:70.2~92.3)、per protocol集団で84.8%(46例中39例、95%CI:74.4~95.2)だった。・2021年4月30日時点で観察期間中央値は11.5ヵ月、PFS中央値は未到達で、9ヵ月でのPFS率は60.2%(95%CI:43.2~77.3) 、10ヵ月でのPFS率は53.5%(95%CI:37.6~69.3)だった。・奏効までの期間の中央値は 1.8ヵ月(95%CI:1.8~2.0)だった。・重篤な治療関連有害事象(TRAE)は2例(4.2%)、投与中止に至ったTRAEは3例(6.3%)に発現し、治療関連死亡はなかった。・Grade 3/4の有害事象として、好中球減少症(33.3%)、貧血(10.4%)、発熱性好中球減少症(10.4%)、血小板減少症(8.3%)、高血圧症(4.2%)、甲状腺機能低下症(4.2%)、末梢感覚ニューロパチー(2.1%)、ALT/AST上昇(2.1%)、蛋白尿(2.1%)、敗血症(2.1%)、免疫関連心筋炎(2.1%)がみられた。・バイオマーカー分析から、次世代シークエンサーパネルで検出されたBACA1、KAT6A、PKD1の体細胞変異が免疫療法の効果を予測できる可能性が示唆された。 現在、無作為化比較試験のFUTURE-SUPERが進行している。

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高リスク尿路上皮がんの術後補助療法、ニボルマブが有効/NEJM

 根治手術を受けた高リスクの筋層浸潤性尿路上皮がん患者の術後補助療法において、ニボルマブはプラセボと比較して、6ヵ月後の無病生存率が統計学的に有意に高く、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)発現率≧1%の患者集団でも無病生存(DFS)率が優れることが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのDean F. Bajorin氏らが実施した「CheckMate 274試験」で示された。NEJM誌2021年6月3日号掲載の報告。29ヵ国156施設の国際的な無作為化第III相試験 研究グループは、高リスク筋層浸潤性尿路上皮がん患者の術後補助療法におけるニボルマブの有用性を評価する目的で、二重盲検無作為化対照比較第III相試験を行った(Bristol Myers Squibb、Ono Pharmaceuticalの助成による)。2016年4月~2020年1月の期間に、日本を含む29ヵ国156施設で参加者の無作為化が行われた。 対象は、根治手術を受けた再発リスクの高い尿路上皮がん(膀胱、尿管、腎盂を原発とする)で、全身状態(ECOG PS)が0または1の患者であり、シスプラチンベースの術前補助化学療法の有無は問われなかった。被験者は、術後補助療法としてニボルマブ(240mg、静脈内投与)またはプラセボを2週ごとに投与する群に1対1の割合で割り付けられた。投与期間は最長1年間であった。 主要エンドポイントは、intention-to-treat(ITT)集団およびPD-L1発現率≧1%の集団におけるDFS期間(無作為化の日から、初回再発[尿路・尿路外の局所再発または遠隔再発]までの期間、あるいは死亡)であった。尿路外の無再発生存期間を副次エンドポイントとした。尿路外再発は、骨盤内の軟部組織の再発または大動脈分岐部下の骨盤内リンパ節に関連する再発とした。DFS期間が約2倍に延長、治療関連の肺臓炎死が2例 本試験には709例が登録され、ニボルマブ群に353例(平均年齢65.3歳[範囲30~92]、男性75.1%)、プラセボ群に356例(65.9歳[42~88]、77.2%)が割り付けられた。PD-L1発現率≧1%の患者は、ニボルマブ群が140例(39.7%)、プラセボ群は142例(39.9%)であり、術前補助化学療法を受けていた患者はそれぞれ153例(43.3%)および155例(43.5%)であった。 ITT集団における無病生存期間は、ニボルマブ群が20.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:16.5~27.6)、プラセボ群は10.8ヵ月(8.3~13.9)であった。6ヵ月時の無病生存率は、ニボルマブ群が74.9%と、プラセボ群の60.3%に比べ有意に高率であった(再発または死亡のハザード比[HR]:0.70、98.22%CI:0.55~0.90、p<0.001)。また、PD-L1発現率≧1%の集団の6ヵ月無病生存率は、ニボルマブ群が74.5%であり、プラセボ群の55.7%に比し有意に良好だった(HR:0.55、98.72%CI:0.35~0.85、p<0.001)。 ITT集団における尿路外の無再発生存期間中央値は、ニボルマブ群が22.9ヵ月(95%CI:19.2~33.4)、プラセボ群は13.7ヵ月(8.4~20.3)であった。6ヵ月時の尿路外無再発生存率は、ニボルマブ群が77.0%、プラセボ群は62.7%であった(尿路外の再発または死亡のHR:0.72、0.59~0.89)。また、PD-L1発現率≧1%の集団の6ヵ月時の尿路外の無再発生存率は、ニボルマブ群が75.3%、プラセボ群は56.7%だった(HR:0.55、95%CI:0.39~0.79)。 Grade3以上の治療関連有害事象は、ニボルマブ群が17.9%、プラセボ群は7.2%で発現した。ニボルマブ群で最も頻度の高い有害事象は、そう痒(23.1%)、疲労(17.4%)、下痢(16.8%)であり、Grade3以上ではリパーゼ上昇(5.1%)、アミラーゼ上昇(3.7%)、下痢(0.9%)、大腸炎(0.9%)、肺臓炎(0.9%)の頻度が高かった。治療関連の肺臓炎による死亡が、ニボルマブ群で2例認められた。 著者は、「無再発生存期間のサブグループ解析では、膀胱がん患者は腎盂がんや尿管がん患者よりも、また術前補助化学療法を受けた患者は受けていない患者よりも効果量が大きかったが、試験デザインを考慮すれば、これらは仮説生成的な知見と考えるべきである」としている。

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PSMA標的治療薬ルテチウム-177、去勢抵抗性前立腺がんの予後改善(VISION)/ASCO2021

 複数の治療歴を有し、転移もある去勢抵抗性前立腺がん患者(mCRPC)に対し、前立腺特異的膜抗原(PSMA)に選択的に結合するリガンドに放射線核種のルテチウム-177を結合させた177Lu-PSMA-617を用いた、大規模国際共同試験(VISION試験)の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのMichael J. Morris氏より発表された。 本試験はオープンラベル第III相ランダム化比較試験である。・対象:1レジメン以上の抗アンドロゲン受容体阻害薬、ならびに2レジメン以内のタキサン系薬剤の治療歴を有するmCRPC患者・試験群:177Lu-PSMA-617(7.4GBqを6週ごとに4~6サイクル投与)と標準治療薬(SOC)の併用(LuPSMA群)・対照群:主治医選択のSOC*のみ(SOC群) *化学療法薬、免疫チェックポイント阻害薬、治験薬、ラジウム223は除外・評価項目:[主要評価項目]独立中央判定によるPCWG3基準を用いた画像評価による無増悪生存期間(rPFS)と全生存期間(OS)[副次評価項目]RECIST評価による奏効率、安全性、最初の症候性骨関連事象発現までの期間、病勢コントロール率など 主な結果は以下の通り・2018年6月~2019年10月にPSMA-PET/CTを受けた1,003例のうち、PSMA陽性は869例(86.6%)、陰性は126例(12.6%)だった。・上記対象中831例が無作為に割り付けられた。(LuPSMA群:551例、SOC群:280例)・登録開始から2019年3月までに各群に登録があったが、SOC群で56%の早期脱落例があったため、参加施設を限定したり、試験参加医師への教育強化などを行って試験は継続された。・rPFSは2019年3月~2019年10月までの581例を、OSは2018年6月~2019年10月までの831例を対象に解析された。・両群間に登録症例の偏りは無かったが、白人種が84~88%と主な集団であった。・OS中央値は、LuPSMA群で15.3ヵ月、SOC群11.3ヵ月、ハザード比(HR): 0.62(95%信頼区間[CI]:0.52~0.74)、p<0.001と有意な延長がみられた。・rPFSにおいても、その中央値は、LuPSMA群8.7ヵ月、SOC群3.4ヵ月、HR0.40(99.2%CI:0.29~0.57)、p<0.001と有意な延長が見られた。・奏効率は、LuPSMA群では51%(完全奏効[CR]9.2%、部分奏効[PR]41.8%)で、SOC群では3.1%(CR0%、PR3.1%)であった。PSA奏効については、50%以上の低下が、LuPSMA群で46.0%、SOC群で7.1%、80%以上の低下は33.0%と2.0%であった。・LuPSMA群の忍容性は良好で、新たな有害事象の兆候は見られなかったが、治療関連有害事象(TEAE)は、全GradeでLuPSMA群85.3%、SOC群28.8%に発現した。血小板減少を含むGrade3~5の骨髄抑制がLuPSMA7群で23.4%、SOC群で6.8%、倦怠感はそれぞれ7.0%、2.4%、腎毒性は3.4%、2.9%に発現した。 最後に Morris氏は「今回の試験結果より、177Lu-PSMA-617はmCRPC患者に対する新たなる治療選択肢となり得るだろう」と結んだ。

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ニボルマブ+イピリムマブ+2サイクル化学療法のNCSLS1次治療、2年フォローアップ(CheckMate 9LA)/ASCO2021

 非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療、ニボルマブ+イピリムマブ+2サイクル化学療法の無作為化第III相CheckMate9LA試験の2年間のフォローアップデータが米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表された。結果、同併用による生存ベネフィットが引き続き観察されている。・対象:未治療のStage IVまたは再発NSCLC患者(PS 0~1)・試験群:ニボルマブ360mg 3週ごと+イピリムマブ1mg 6週ごと+組織型別化学療法(シスプラチン/カルボプラチン+ペメトレキセド+ペメトレキセド維持療法またはカルボプラチン+パクリタキセル)3週ごと2サイクル(NIVO+IPI+Chemo群)・対照群:組織型別化学療法 3週ごと4サイクル(Chemo群)・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価の無増悪生存期間(PFS)、BICR評価の全奏効率(ORR)、PD-L1発現別抗腫瘍効果 主な結果は以下のとおり。・追跡期間は最低 24.4ヵ月であった。・NIVO+IPI+Chemo群は40%、Chemo群では47%が全身療法の後治療を受けていた。・OS中央値はNIVO+IPI+Chemo群の15.8ヵ月に対して、Chemo群11.0ヵ月と、NIVO+IPI+Chemo群で良好なOSを維持した (ハザード比[HR]:0.72、95%信頼区間[CI]:0.61~0.86)、2年OS率はそれぞれ、38%と26%であった。・PFS中央値はNIVO+IPI+Chemo群6.7ヵ月に対し、Chemo群では 5.3ヵ月であった (HR:0.67、95%CI:0.56~0.79)。2年PFS率はそれぞれ、20%と8%であった。・ORRは、NIVO+IPI+Chemo群38.0%、Chemo群では25.4%であった。・奏効期間(DoR)中央値はNIVO+IPI+Chemo群13.0ヵ月、Chemo群5.6ヵ月、2年DoR率はそれぞれ、34%と12%であった。・PD-L1発現別にみると、PD-L<1%のOS HRは0.67、PFS HRは0.68、≧1%のOS HRは0.70、PFS HRは0.67、≧50%のOS HRは0.67、PFS HRは0.59と、いずれもNIVO+IPI+Chemo群で良好であった。・有効性はまた、組織形を問わずNIVO+IPI+Chemo群で良好であった。・全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)発現率は、NIVO+IPI+Chemo群92%、Chemo群88%。Grade3/4のTRAE発現率はそれぞれ、48%と38%であった。新たな安全性シグナルは確認されていない。・Post Hoc解析の結果、TRAEによって治療中止となったNIVO+IPI+Chemo群のNIVO+IPI+Chemo群の2年OS率は54%(全集団の2年OS率は38%)と、治療中止による生存への悪影響はみられなかった。 発表者のドイツ・Martin Reck氏は、この2年間のフォローアップ結果は、ニボルマブ+イピリムマブ+2サイクル化学療法が、進行NSCLCに対する有効な1次治療であることを支持するものだと述べた。

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がん通院中患者の新型コロナ抗体量は低値、投与薬剤によって差も/国がん

 国立がん研究センターとシスメックスは、がん患者における新型コロナウイルスの罹患状況とリスクを評価するため、2020年8月から10月にかけて500人のがん患者と1,190人の健常人について新型コロナウイルスの抗体保有率と抗体量を調査した。 その結果、新型コロナウイルスの罹患歴のない対象では、がん患者、健常人共に抗体保有率は低く、両群で差がないことがわかった。一方、抗体の量は、健常人と比較し、がん患者で低いことが明らかになった。これは年齢、性別、合併症の有無、喫煙歴といった因子で調整しても有意な差を認めた。 さらに、がん治療が抗体量に与える影響を検証したところ、細胞障害性抗がん剤を受けている患者では抗体量が低く、免疫チェックポイント阻害薬を受けている患者では高いことが明らかになった。同研究結果から、がんの合併、ならびにがん薬物療法が抗体量に影響を与える可能性が示唆された。 本調査結果は、JAMA Oncology誌2021年5月28日号(オンライン版)に掲載された。

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、悪性胸膜中皮腫に適応拡大/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2021年5月27日、ニボルマブ(商品名:オプジーボとイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法について、切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫に対する効能又は効果に対する製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。 今回の承認は、未治療の切除不能な悪性胸膜中皮腫患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法を標準治療の化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(CheckMate-743試験)であらかじめ計画されていた中間解析の結果に基づいたもの。 同解析において、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、主要評価項目である全生存期間の有意な延長を達成した。また、本試験で認められたニボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、本併用療法でこれまでに認められているものと一貫していた。 悪性胸膜中皮腫に対する標準治療としては、ペメトレキセドとシスプラチンの併用療法が行われているが、今回の承認により、ニボルマブとイピリムマブの併用療法が悪性胸膜中皮腫患者にとって新たな治療選択肢になるものと期待されている。

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ニボルマブ・イピリムマブ併用の肺がん1次治療、ASCO2021で発表される2演題(CheckMate-9LA/227)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年5月19日、2021年米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2021)にて発表されるニボルマブ(商品名:オプジーボ)およびイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の2つの試験結果を発表した。 1つ目は、未治療の進行非小細胞肺がん(NSCLC)において化学療法2サイクルを追加したニボルマブとイピリムマブの併用療法と4サイクルの化学療法を比較した第III相CheckMate-9LA試験の2年間追跡調査結果。CheckMate -9LA試験の2年全生存(OS)率は、同併用療法群で38%、化学療法群は26%あった。追加の追跡調査における同試験の主要評価項目であるOS中央値は、免疫療法薬の2剤併用療法群で15.8ヵ月、化学療法群では11.0ヵ月であった(HR:0.72、95%CI:0.61~0.86)。同併用療法の新たな安全性シグナルや治療に関連する死亡は認められなかった。 そのほかの結果は以下のとおり。・2年PFSにおいて、同併用療法はリスクを33%低減した(HR:0.67;95% CI:0.56 - 0.79)。・ORRは併用療法群38% vs.化学療法群25%であった。・DORは併用療法群13.0ヵ月、化学療法では5.6ヵ月であった。これらのデータは、ASCO2021にて、6月4日、午後1時~4時(米国東部夏時間)、口頭発表される(抄録番号#9000)。 2つ目は、未治療の進行NSCLCにおいてニボルマブを含むレジメンと化学療法を比較した第III相CheckMate -227試験Part1の4年(49.4ヵ月)の追跡調査結果。CheckMate -227試験Part1におけるPD-L1 1%以上の4年OS率は、ニボルマブ・イピリムマブ併用群29%、化学療法群は18%であった(HR:0.76、95%CI:0.65~0.90)。ニボルマブ・イピリムマブ併用療法の新たな安全性シグナルは認められなかった。 そのほかの結果は以下のとおり。・PD-L1 1%未満の探索的解析における4年OS率は、ニボルマブ・イピリムマブ併用群24%に対し、化学療法群10%であった(HR:0.64、95%CI:0.51~0.81)。・PD-L1高発現(50%以上)の4年OS率は、ニボルマブ・イピリムマブ併用群37%、ニボルマブ単剤群では26%であった。 完全なデータは、ASCO2021にて、同日午前9時(米国東部夏時間)にポスター・ディスカッション・セッションで発表される(抄録番号#9016)。

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進行悪性黒色腫患者におけるオプジーボ・イピリムマブ併用療法、6.5年の追跡調査(CheckMate-067)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年5月20日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法およびオプジーボ単剤療法が、イピリムマブ単剤療法と比較して、ファーストライン治療の進行悪性黒色腫患者において生存期間の持続的な改善を示した無作為化二重盲検第III相CheckMate-067試験の新たな6.5年データを発表した。 最短6.5年の追跡調査において、ニボルマブ・イピリムマブ併用療法の全生存期間(OS)中央値は72.1ヵ月であった。これは進行悪性黒色腫に対する第III相試験において報告された最長のOSの中央値である。ニボルマブ単剤群のOS中央値は36.9ヵ月、イピリムマブ単剤群では19.9ヵ月であった。また、ニボルマブ・イピリムマブ併用群の6.5年無増悪生存(PSF)率は34%(中央値11.5ヵ月)、ニボルマブ単剤群では29%(中央値6.9ヵ月)、イピリムマブ単剤群では7%(中央値2.9ヵ月)であった。追跡調査で生存していた併用群患者のうち、77%(145例中112例)が無治療であり、その後の全身療法を受けていなかった。同様の患者の割合は、ニボルマブ単剤群で69%(122例中84例)、イピリムマブ単剤群では43%(63例中27例)であった。 ニボルマブ・イピリムマブ併用群またはニボルマブ単剤群では、BRAF変異陽性、野生型、ベースライン時に肝転移を有する患者を含む関連サブグループ全体で、持続的な臨床ベネフィットが維持された。BRAF変異陽性患者における6.5年生存率は、ニボルマブ・イピリムマブ併用群57%、ニボルマブ単剤群43%、イピリムマブ単剤群25%であった。BRAF野生型患者における生存率は、ニボルマブ・イピリムマブ併用群46%、ニボルマブ単剤群42%、イピリムマブ単剤群で22%であった。肝転移を有する患者における生存率は、ニボルマブ・イピリムマブ併用群38%、ニボルマブ単剤群31%、イピリムマブ単剤群で22%であった。奏効期間(DoR)中央値は、併用療法群とニボルマブ単剤療法群で未達だったのに対し、イピリムマブ単剤療法群では19.2ヵ月であった。 ニボルマブ・イピリムマブ併用療法の安全性プロファイルは、これまでの結果と一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。また、5年時点の解析以降、新たに発生した治療に関連する死亡例はなかった。 CheckMat -067試験の6.5年データは、6月4~8日に開催される2021年米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2021)にて、2021年6月6日、口頭抄録セッションで発表される(抄録番号#9506)。

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