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BRCA変異HER2-乳がんへのveliparib追加、HR+でもTNでもPFS改善(BROCADE3)/ESMO BC2020

 生殖細胞系列のBRCA遺伝子(gBRCA)変異のあるHER2陰性進行乳がんに対して、カルボプラチン+パクリタキセルへのPARP1/2阻害薬veliparibの上乗せ効果を検討した第III相BROCADE3試験のサブグループ解析で、ホルモン受容体(HR)陽性でもトリプルネガティブ(TN)でも無増悪生存期間(PFS)を改善させることが示された。カナダ・Centre Hospitalier de l'Universite de MontrealのJean-Pierre Ayoub氏が、欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer Virtual Meeting 2020、2020年5月23~24日)で報告した。なお、主要評価項目であるPFSについては、すでに2019年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で有意に改善することが報告されている。また、HRの有無によるPFSの解析は事前に規定されていた。・対象:gBRCA1/2変異陽性のHER2陰性進行乳がん(転移に対する細胞傷害性の抗がん剤治療が2レジメン以下、プラチナ製剤は1レジメン以下、投与終了から12ヵ月以内に進行なし)・試験群:veliparib(120mg 1日2回、Day -2~5)+カルボプラチン(AUC 6、Day 1)/パクリタキセル(80mg/m2、Day 1、8、15)21日ごと 337例・対照群:プラセボ+カルボプラチン/パクリタキセル 172例・主要評価項目:PFS 主な結果は以下のとおり。・ITT集団509例のうち、HR陽性が266例(52%)、TNが243例(48%)であった。・HR陽性患者において、治験責任医師の評価によるPFS中央値は、veliparib群(174例)が13.0ヵ月(95%CI:12.1~16.6)、プラセボ群(92例)が12.5ヵ月(95%CI:10.2~13.2)であった(ハザード比[HR]:0.69、95%CI:0.52~0.93、p=0.013)。2年PFSはveliparib群27.5%、プラセボ群15.3%、3年PFSはveliparib群17.5%、プラセボ群が8.6%であった。・TN患者において、治験責任医師の評価によるPFS中央値は、veliparib群(163例)が16.6ヵ月(95%CI:12.3~22.7)、プラセボ群(80例)が14.1ヵ月(95%CI:11.0~15.8)であった(HR:0.72、95%CI:0.52~1.00、p=0.051)。2年PFSはveliparib群40.4%、プラセボ群25.0%、3年PFSはveliparib群35.3%、プラセボ群13.0%であった。・HR陽性患者において、OS中央値は、veliparib群が32.4ヵ月(95%CI:26.5~37.9)、プラセボ群が27.1ヵ月(95%CI:22.9~35.2)であった(HR:0.96、95%CI:0.68~1.36、p=0.829)。・TN患者において、OS中央値は、veliparib群が35.0ヵ月(95%CI:24.9~NE)、プラセボ群が30.0ヵ月(95%CI:24.5~NE)であった(HR:0.92、95%CI:0.62~1.36、p=0.683)。・HR陽性、TNの両サブグループにおいて、全Gradeの貧血、好中球減少症、悪心、下痢の発現率がveliparib群でプラセボ群より5%以上高かった。

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ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法限定追加レジメン、肺がん1次治療でOS改善(CheckMate9LA)/ASCO2020

 PD-L1とCTLA-4阻害薬は補完的に働く。また、PD-L1阻害薬と化学療法の併用は複数の臨床研究で生存ベネフィットが示されている。非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療において、PD-L1阻害薬ニボルマブとCTLA-4阻害薬イピリムマブに2週間の限定化学療法を追加治療を評価する第III相非盲検無作為化試験CheckMate9LAの中間解析の結果を、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)でMartin Reck氏が発表した。・対象:Stage IVまたは再発NSCLC患者、PS0~1・試験群:ニボルマブ360mg 3週ごと+イピリムマブ1mg 6週ごと+組織型別化学療法(シスプラチン/カルボプラチン+ペメトレキセド+ペメトレキセド維持療法またはカルボプラチン+パクリタキセル)3週ごと2サイクル(NIVO+IPI+Chemo群)・対照群:組織型別化学療法 3週ごと4サイクル(Chemo群)・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価のPFS、BICR評価の全奏効率(ORR)、PD-L1発現別抗腫瘍効果 主な結果は以下のとおり。・対象患者は、NIVO+IPI+Chemo群(361例)とChemo群(358例)に無作為に割り付けられた。・OS中央値はNIVO+IPI+Chemo群14.1ヵ月、Chemo群10.7ヵ月と、NIVO+IPI+Chemo群で有意に改善した(HR:0.69、96.71%CI:0.55~0.87、p=0.0006)。・最低追跡期間12.7ヵ月のアップデートOSの中央値は、NIVO+IPI+Chemo群15.6ヵ月、Chemo群10.9ヵ月であった(HR:0.66、95%CI:0.55~0.80)。・組織別OS中央値のHR比をみると、非扁平上皮がんでは0.69(95%CI:0.55~0.87)、扁平上皮がんでは0.62(95%CI:0.45~0.86)であった。・PD-L1別OS中央値のHR比をみると、PD-L1<1%では0.62(95%CI:0.45~0.85)、PD-L1≧1%では0.64(0.50~0.82)と、PD-L1の発現を問わずNIVO+IPI+Chemo群で良好であった。なお、PD-L1 1~49%では0.61(0.44~0.84)、PD-L1≧50%では0.66(0.44~0.99)であった。・BICR評価のPFS中央値は、NIVO+IPI+Chemo群6.7ヵ月、Chemo群5.0ヵ月であった(HR:0.68、95%CI:0.57~0.82)。・ORRはNIVO+IPI+Chemo群で38%、Chemo群では25%であった。・Grade3/4治療関連有害事象(TRAE)の発現率は、NIVO+IPI+Chemo群47%、Chemo群38%であった。 NIVO+IPI+Chemo群は主要評価項目OSを達成し、より長期の追跡でもOSのさらなる改善がみられた。また、組織型、PD-L1発現を問わず有効性は一貫していた。発表者らは、NIVO+IPI+限定Chemo治療は、進行NSCLCにおける新たな1次治療の選択肢として考慮すべき、との見解を示している。

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切除可能NSCLC、アテゾリズマブ+化学療法は新たな術前治療の選択肢/Lancet Oncol

 切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者の新たな術前補助化学療法として、PD-L1阻害薬アテゾリズマブ+化学療法の有効性と安全性を評価した第II相試験の結果が示された。米国・コロンビア大学のCatherine A. Shu氏らによる多施設共同単群試験で、高い病理学的奏効率が得られ、忍容性も良好であったという。著者は「切除可能NSCLC患者にとってアテゾリズマブ+化学療法は、新たな術前補助化学療法となりうることが示された」と述べている。NSCLCの約25%は切除可能なStageIB~IIIAであり周術期化学療法が標準治療だが、この治療戦略は生存期間をわずかに改善するのみである。一方で免疫チェックポイント阻害薬が転移NSCLCに有効であることから、著者らは本検討を行った。Lancet Oncology誌オンライン版2020年5月7日号掲載の報告。 研究グループは米国の3施設において、切除可能なStageIB~IIIAのNSCLC患者を対象にアテゾリズマブ+カルボプラチン+nab-パクリタキセル併用による術前化学療法の有効性および安全性を評価する第II相多施設共同単群試験を実施した。 ECOG PSが0~1で喫煙歴を有する18歳以上のStageIB~IIIAのNSCLC患者を登録し、1サイクルを21日間として、アテゾリズマブ1,200mgをDay1に、nab-パクリタキセル(100mg/m2)をDay1、8および15に、カルボプラチン(AUC5)をDay1に投与した。2サイクル後に病勢進行を認めなかった患者に、さらに2サイクル投与し、その後手術を行った。 主要評価項目は、病理学的奏効率(major pathological response)で、手術時の残存腫瘍が10%以下と定義された。 主な結果は以下のとおり。・2016年5月26日~2019年3月1日に、30例が登録された。うち23例(77%)はStageIIIAであった。・30例中29例(97%)に手術が行われ、26例(87%)がR0切除に成功した。・データカットオフ日(2019年8月7日)の追跡期間中央値12.9ヵ月において、30例中17例(57%)で病理学的奏効が得られた。・主なGrade3/4の治療関連有害事象は、好中球減少症50%(15/30)、ALT増加7%(2/30)、AST増加7%(2/30)、および血小板減少症7%(2/30)であった。・重篤な治療関連有害事象は、Grade3の発熱性好中球減少症1例(3%)、Grade4の高血糖1例(3%)、およびGrade2の気管支肺出血1例(3%)であった。治療に関連した死亡は報告されなかった。

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FDA、アテゾリズマブ単剤を非小細胞肺がん1次療法に承認/ロシュ

 ロシュ社は、2020年5月19日、米国食品医薬品局(FDA)が、アテゾリズマブを転移を有する成人のPD-L1高発現(TC≧50%またはIC≧10%)非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療として承認したことを発表した。  この承認は、第IIIのIMpower110試験の中間解析の結果に基づくもの。 IMpower110は、PD-L1選択、化学療法未治療のStage IV 非扁平上皮または非扁平上皮NSCLCにおいて、アテゾリズマブ単剤療法と化学療法(シスプラチン/カルボプラチンとペメトレキセド/ゲムシタビンの併用)を比較する第III相無作為化非盲検試験。アテゾリズマブ単剤療法により、PD-L1高発現患者の全生存期間(OS)が化学療法と比較して、7.1ヵ月改善した(OS中央値:20.2ヵ月対13.1ヵ月、HR:0.59、95%CI:0.40〜0.89、p=0.0106)。

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扁平上皮肺がん、1次治療としてのアテゾリズマブ+化学療法は?(IMpower131)/JTO

 進行扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)への1次治療として、アテゾリズマブ+プラチナ併用化学療法は、化学療法単独と比較して、無増悪生存(PFS)期間は有意に改善した。しかし、全生存(OS)期間の有意な延長は得られなかった。米国・ロッキーマウンテンがんセンターのRobert Jotte氏らが、第III相無作為化試験「IMpower131試験」の有効性と安全性の結果を報告した。細胞傷害性抗がん剤には免疫調節作用があり、抗PD-L1抗体アテゾリズマブの作用が化学療法との併用で強化される可能性が示唆され、これまで転移のある非扁平上皮NSCLC患者を対象とした1次治療に関する試験(IMpower130試験、IMpower150試験)でPFS、OSの有意な改善が示されていた。それらの結果を踏まえて欧米では、転移のある非扁平上皮NSCLC患者に対するアテゾリズマブ+プラチナ併用化学療法が承認されていた。Journal of Thoracic Oncology誌オンライン版2020年4月7日号掲載の報告。 研究グループは、化学療法未治療の転移のある扁平上皮NSCLC患者1,021例を、アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(A+CP)群(338例)、アテゾリズマブ+カルボプラチン+nab-パクリタキセル(A+CnP)群(343例)、またはカルボプラチン+nab-パクリタキセル(CnP)群(340例)に、1対1対1の割合で無作為に割り付け、21日を1サイクルとして4または6サイクル投与した。その後、A+CP群またはA+CnP群は、進行またはクリニカルベネフィットがなくなるまで、アテゾリズマブ維持療法を行った。 主要評価項目は2つで、ITT集団における治験責任医師評価によるPFSおよびOS。副次評価項目は、PD-L1発現別サブグループのPFSおよびOS、そして安全性であった。 すでにA+CnP群およびCnP群を比較した、PFS主解析(クリニカルカットオフ日2018年1月22日)およびOS最終解析(同2018年10月3日)は、それぞれ報告されている。 主な結果は以下のとおり。・ITT集団におけるPFS中央値は、A+CnP群6.3ヵ月、CnP群5.6ヵ月と、A+CnP群で有意に改善することが示された(ハザード比[HR]:0.71、95%信頼区間[CI]:0.60~0.85、p=0.0001)。・OS中央値は、A+CnP群14.2ヵ月、CnP群13.5ヵ月で、統計学的有意差は認められなかった(HR:0.88、95%CI:0.73~1.05、p=0.16)。・PD-L1高発現のサブグループのOSは、CnP群に比べ、A+CnP群で良好であった(HR:0.48、95%CI:0.29~0.81)。・Grade3~4の治療関連有害事象、および重篤な有害事象の発現率は、A+CnP群でそれぞれ68.0%および47.9%、CnP群で57.5%および28.7%であった。

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二ボルマブとイピリムマブの併用が悪性胸膜中皮腫の生存期間を延長(CheckMate-743)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、2020年4月21日、未治療の悪性胸膜中皮腫(MPM)を対象とした第III相 CheckMate-743試験において、ニボルマブ(一般名:オプジーボ)とイピリムマブ(一般名:ヤーボイ)の併用療法が、主要評価項目である全生存期間(OS)を延長したことを発表した。 独立データモニタリング委員会であらかじめ計画されていた中間解析で、二ボルマブとイピリムマブの併用療法が、化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)と比較して、統計学的に有意に、臨床的に意義のあるOSの改善を示した。  本試験で認められた二ボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、同併用療法でこれまでに認められているものと一貫していた。

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上部尿路がんに対する術後抗がん化学療法の有効性:POUT trial第III相試験(解説:宮嶋哲氏)-1216

 上部尿路がんは予後不良であるものの、術後補助化学療法の有効性は確認されていない。本研究では腎盂尿管がんで腎尿管全摘除術を施行された患者(261例)を対象に、経過観察群とシスプラチン主体の抗がん化学療法投与群(ゲムシタビン+シスプラチンまたはカルボプラチン)の2群にランダム化してその有効性を前向きに比較検討したものである。 2012年から2017年までに登録された261症例のうち、132例が化学療法群、129例が経過観察群に割り付けられ、観察期間中央値は30.3ヵ月であった。術後化学療法はDFS(HR:0.45、p=0.0001)ならびにMFS(HR:0.48、p=0.0007)を有意に改善した。3年無事象生存率(event-free survival)は化学療法群で71%、経過観察群で46%であった。一方、Grade3以上の有害事象は、化学療法群で44%、経過観察群で4%に認めたが、治療関連死は認めなかった。 以上から、腎盂尿管がんに対する腎尿管全摘除術施行後のシスプラチン主体補助化学療法の有効性がようやく示されたといえる。ただし、対象となったコホートにはリンパ節陽性例が20%以上含まれていたことから、リンパ節陰性例だけ抽出した症例に関する結果に疑問が残る。さらには、リンパ節郭清の意義についても検討課題である。 腎盂尿管がんの術後は単腎となり腎機能は術前に比べ半減するため、投与可能なシスプラチンの量も減少する。したがって、術前抗がん化学療法の有効性に関する検討も必要である。さらには、免疫チェックポイント阻害薬の登場により、シスプラチン主体抗がん化学療法の立ち位置も今後は変化していくものと予測される。

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デュルバルマブの小細胞肺がん、FDA承認/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、3月30日、抗PD-L1抗体デュルバルマブ(一般名:イミフィンジ)が、成人の進展型小細胞肺がんに対する1次治療として標準治療である化学療法(エトポシド+カルボプラチンまたはシスプラチン)との併用療法で、米国において承認されたことを発表した。 今回の米国食品医薬品局による承認は、第III相CASPIAN試験の結果に基づくもの。 CASPIAN試験では2つの主要評価項目を設定し、デュルバルマブと化学療法の併用療法群と化学療法群を比較した。その結果、デュルバルマブと化学療法の併用療法群では、死亡リスクが27%低下し(ハザード比:0.73、95%CI:0.59〜0.91、p=0.0047)、OS中央値は化学療法群の10.3ヵ月に対して13.0ヵ月であった。加えて、デュルバルマブと化学療法の併用療法群において、より高い客観的奏効率が得られたことも示された(化学療法群の58%に対して68%)。なお、デュルバルマブと化学療法の併用療法における安全性および忍容性は、これらの薬剤における既知の安全性プロファイルと一致していた。 また、デュルバルマブと化学療法との併用療法に抗CTLA-4抗体トレメリムマブを追加したもう1つの投与群の解析も完了しているが、こちらの主要評価項目は達成されなかった。詳細なデータは、今後の学会で発表される予定。

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間質性肺炎合併肺がんの新たな治療を探る「TORG1835/NEXT-SHIP試験」【肺がんインタビュー】 第43回

第43回 間質性肺炎合併肺がんの新たな治療を探る「TORG1835/NEXT-SHIP試験」出演:神奈川県立循環器呼吸器病センター 呼吸器内科/臨床研究室 医長 池田 慧氏肺がんの治療が進む中、いまだに治療に苦慮する間質性肺炎合併肺がん。とくに治療オプションの少ない小細胞肺がんに対する新たな選択肢として、カルボプラチンとエトポシドの併用にマルチキナーゼ阻害薬ニンテダニブを加えた3剤併用療法の第II相「TORG1835/NEXT-SHIP試験」が現在進行中である。研究事務局の神奈川県立循環器呼吸器病センター 池田 慧氏に試験実施の背景と試験の内容について聞いた。TORG1835/NEXT-SHIP試験(jCRT)試験に関する問い合せ神奈川県立循環器呼吸器病センター 呼吸器内科池田 慧氏e-mail:isatoshi0112@gmail.comTel:045-701-8581(内線7213)

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早期トリプルネガティブ乳がんに対するペムブロリズマブ+術前化学療法:pCR率が13.6%増加(解説:下村昭彦氏)-1209

 本試験は、臨床病期IIからIIIの早期トリプルネガティブ乳がん(triple negative breast cancer:TNBC)に対して術前化学療法にペムブロリズマブを追加する効果を病理学的完全奏効(pathological complete response:pCR)率と無イベント生存期間を用いて評価した第III相試験であり、ペムブロリズマブ群でpCR率64.3%(95%CI:59.9~69.5)、プラセボ群で51.2%(95%CI:44.1~58.4)と、ペムブロリズマブ群で有意に良好であった。 メラノーマで最初に有効性が示された免疫チェックポイント阻害薬も、あっという間にさまざまながん種で有効性が示され、他がん種ではすでに日常臨床で多く使われるようになった。乳がんにおいてもその有効性が期待されていたが、昨年の欧州臨床腫瘍学会で発表されたKEYNOTE-119が示すように、免疫原性が高いとされるTNBCであっても単剤での有効性は示せていない。転移TNBCにおいてはすでに抗PD-L1抗体であるアテゾリズマブとアルブミン結合パクリタキセルの有効性が示され、国内でも承認されている。また、転移TNBCに対するペムブロリズマブと化学療法併用の有効性もプレスリリースされており、転移TNBCにおいては免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用は重要な選択肢の1つとなっている。 早期乳がんにおいては、TNBCを対象として複数の試験が行われた(行われている)。本試験はその1つである。TNBCにおいてはpCRが予後のサロゲートマーカーとなることが知られており、本試験においてもpCR率においてペムブロリズマブ群で良好であることが示された。EFSは中間解析であるが、ペムブロリズマブ群で良好であった。ほかに早期TNBCの術前化学療法に対するアテゾリズマブの上乗せを検証する試験も行われており、免疫チェックポイント阻害薬は今後早期TNBCの重要な治療選択になってくる。 一方で、早期がんに免疫チェックポイント阻害薬を使うことには一定の注意も必要である。本試験においてはペムブロリズマブ群で甲状腺機能低下が13.7%で認められている。免疫チェックポイント阻害薬による甲状腺機能低下は改善しないことが多く、生涯にわたる甲状腺ホルモンが必要になるケースも少なくない。Grade3を超える副腎機能低下も1.3%に認められている。頻度は低いが、重篤でありマネジメントに注意が必要な有害事象である。論文では報告されていないが、免疫チェックポイント阻害薬では劇症型I型糖尿病など対応を誤ると生命に危険が及ぶ有害事象も発生する。術前化学療法は治癒を目指して行う治療であるからこそ、今後実臨床で行うようになった際には、適応をきちんと決め、薬物療法に習熟した医師が適切に有害事象のマネジメントを行う必要がある。 とはいえ、乳がんにおいては免疫チェックポイント阻害薬の開発はしばらくホットな話題になりそうだ。HER2陽性乳がんに対する術前化学療法との併用や、ホルモン受容体陽性乳がんに対するホルモン療法およびCDK4/7阻害薬との併用など、バイオロジーに基づいたさまざまな臨床試験が行われている。バイオロジーの理解と併せて、今後も注目していきたい。

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乳がん術前治療、BRCA1/2変異患者でpCR率高い/JAMA Oncol

 さまざまなサブタイプの乳がんに対する2つの術前治療レジメンの効果を比較した多施設前向き無作為化試験GeparOctoにおいて、ドイツ・ケルン大学病院のEsther Pohl-Rescigno氏らが遺伝子変異の有無別に2次解析したところ、BRCA1/2遺伝子変異のある患者で病理学的完全奏効(pCR)率が高いことが示された。JAMA oncology誌オンライン版2020年3月12日号に掲載。 GeparOctoは、intense dose-denseエピルビシン+パクリタキセル+シクロホスファミド(iddEPC)とweeklyパクリタキセル+非ペグ化リポソームドキソルビシン(PM)の2つの術前治療レジメンの効果を比較した無作為化試験で、2014年12月~2016年6月に実施された。PM群に割り付けられたトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者にはカルボプラチンが追加された(PMCb)。本試験では2群間に差は認められなかった。今回、著者らはBRCA1/2および他の乳がん素因遺伝子の生殖細胞系列変異の有無による治療効果を検討した。 本研究は2017年8月~2018年12月に、GeparOctoの対象患者945例のうち914例におけるBRCA1/2遺伝子および16種の乳がん素因遺伝子の変異について、ケルンのCenter for Familial Breast and Ovarian Cancerで遺伝子解析を実施した。主要評価項目は、生殖細胞系列変異の有無別にみた術前治療後のpCR(ypT0 /is ypN0)を達成した患者の割合。 主な結果は以下のとおり。・914例の乳がん診断時の平均年齢は48歳(範囲:21~76歳)であった。・pCR率は、BRCA1/2遺伝子変異陽性患者(60.4%)が陰性患者(46.7%)より高かった(オッズ比[OR]:1.74、95%CI:1.13~2.68、p=0.01)。一方、BRCA1/2遺伝子以外の乳がん素因遺伝子の変異はpCR率と関連がみられなかった。・BRCA1/2遺伝子変異陽性のTNBC患者でpCR率が最も高かった。・TNBC患者において、BRCA1/2遺伝子変異陽性は、PMCb群(74.3% vs. 陰性47.0%、OR:3.26、95%CI:1.44~7.39、p=0.005)およびiddEPC群(64.7% vs. 陰性45.0%、OR:2.24、95%CI:1.04~4.84、p=0.04)の両群ともpCR率に関連していた。・BRCA1/2遺伝子変異陽性は、HR陽性ERBB2陰性乳がんにおける高いpCR率とも関連していた。

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高齢NSCLC患者におけるカルボプラチンとペメトレキセドの有用性(JCOG1210/WJOG7813L)/JAMA Oncol

 高齢者の進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1stライン化学療法の中で、ドセタキセル単剤(DOC)は標準療法の1つである。一方、非高齢者の非扁平上皮NSCLCの1次治療としてはカルボプラチン+ペメトレキセドからペメトレキセドの維持療法(CBDCA/PEM)が、広く使われている。そのような中、進行非扁平上皮NSCLCの高齢患者に関して、CBDCA/PEM療法のドセタキセル単剤療法との非劣性を評価する多施設オープンラベル第III相試験が実施された。JAMA Oncology誌2020年3月12日オンライン版掲載の報告。・対象:化学療法未治療の75歳以上のStageIII/IVまたは再発非扁平上皮NSCLC・試験薬:カルボプラチン(AUC5)+ペメトレキセド(500mg/m2)3週ごと4サイクル→ペメトレキセド(500mg/m2)3週ごと病勢悪化まで(CBDCA/PEM群)・対照薬:ドセタキセル60mg/m2 3週ごと病勢悪化まで(ドセタキセル群)・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効割合(ORR)、症状スコア、有害事象などCBDCA/PEM群の非劣性マージンは、OSハザード比(HR)の95%信頼区間(CI)の上限1.154に設定された。 主な結果は以下のとおり。・登録された433例の年齢中央値は78歳であった。・OS中央値は、ドセタキセル群(217例)15.5ヵ月、CBDCA/PEM群(216例)18.7ヵ月であった(HR:0.850、95%CI:0.684~1.056、非劣性p= 0.003)。・PFSもCBDCA/PEM群で長かった(HR:0.739、95%CI:0.609~0.896)。・Grade3/4の白血球減少および好中球減少症の発現率、発熱性好中球減症の発現率はCBDCA/PEM群で低かった(それぞれ28.0%対68.7%、46.3%対86.0%、4.2%対17.8%)・一方、Grade3/4の血小板減少症および貧血の発現率はCBDCA/PEM群で高かった(それぞれ25.7%対1.4%、29.4%対1.9%)・減量の頻度はCBDCA/PEMで少なかった。 カルボプラチン・ペメトレキセド併用とペメトレキセドの維持療法は、高齢の非扁平上皮NSCLCの1次治療においてドセタキセルとの非劣性が証明された。著者らは、同レジメンはこれらの患者集団への有効な選択肢であるとしている。

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非扁平上皮NSCLC、ペムブロリズマブ+化学療法の1次治療第III相試験アップデート(KEYNOTE-189)/JCO

 転移を有する非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療における、ペムブロリズマブ+化学療法の第III相KEYNOTE-189試験の結果が更新された。Journal of Clinical Oncology誌2020年3月9日号オンライン版掲載の報告。 同試験の対象は、再発・転移のある無治療のStageIV非扁平上皮NSCLC患者616例。登録患者は、ペムブロリズマブ(3週ごと最大35サイクル)+化学療法(カルボプラチンまたはシスプラチン+ペメトレキセドの3週ごと4サイクル後、ペメトレキセド3週ごと)群410例とプラセボ+化学療法(ペムブロリズマブ併用群と同一用法・用量)群206例に無作為に割り付けられた。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は23.1ヵ月であった(2018年9月21日時点)。・全生存期間(OS)中央値は、ペムブロリズマブ+化学療法群22.0ヵ月、化学療法群10.7ヵ月で、ハザード比(HR)は0.56(95%CI:0.45〜0.70)であった。・PD-L1発現別のOS HRは、TPS≧50%では0.59、TPS1~49%では0.62、TPS<1%では0.52であった。・無増悪生存期間(PFS)は、ペムブロリズマブ+化学療法群9.0ヵ月、化学療法群4.9ヵ月で、HRは0.48(95%CI:0.40~0.58)であった。・PD-L1発現別のPFS HRは、TPS≧50%では0.36、TPS1~49%では0.51、TPS<1%では0.64であった。・Grade3〜5の有害事象の発現率は、ペムブロリズマブ+化学療法群では71.9%、化学療法群では66.8%であった。 筆者らは、転移を有する非扁平上皮NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブと化学療法併用の生存ベネフィットはPD-L1発現レベル、肝臓/脳転移の有無にかかわらず確認されたとしている。

134.

上部尿路上皮がん、術後化学療法で無病生存率改善/Lancet

 局所進行上部尿路上皮がん(UTUC)患者の治療において、腎尿管全摘除術後のゲムシタビン+プラチナ製剤併用による術後補助化学療法は、これを行わない場合に比べ無病生存(DFS)率を改善することが、英国・ランカシャー州教育病院国民保健サービス(NHS)ファンデーショントラストのAlison Birtle氏らの検討「POUT試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2020年3月5日号に掲載された。UTUCはまれな疾患で、膀胱上皮がんに比べて各病期の予後が不良とされる。UTUC患者の治療では、根治的腎尿管全摘除術後の術後化学療法の有益性に関して、国際的な合意は得られていないという。術後化学療法の有用性を評価する無作為化試験 本研究は、英国の71施設が参加した非盲検無作為化第III相試験であり、2012年6月~2017年11月の期間に患者登録が行われた(Cancer Research UKの助成による)。 対象は、年齢16歳以上、糸球体濾過量(GFR)≧30mL/分で、UTUCの根治的腎尿管全摘除術(画像上または肉眼的に異常と判定されたすべてのリンパ節の郭清を含む)を受け、術後のStageが筋層非浸潤性(pT2~pT4、N any)またはリンパ節転移陽性(pT any、N1~3)で、非転移性(M0)の病変を有し、組織学的に移行上皮がんが主の患者であった。 被験者は、サーベイランスを受ける群、または術後90日以内に、21日を1サイクルとする化学療法を4サイクル受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。化学療法は、シスプラチン(CDDP、70mg/m2)またはカルボプラチン(CBDCA、AUC 4.5または5)が第1日に、ゲムシタビン(GEM、1,000mg/m2)が第1日と第8日に静脈内投与された。 主要評価項目は、intention-to-treat(ITT)集団におけるDFS(割り付け時から初回の再発、転移、死亡までの期間)の割合とした。 本試験は、261例を登録した時点で、事前に規定された中間解析において有効性に関する早期終了の基準を満たしたため、患者登録が中止された。再発/死亡リスクが55%低減 71の参加施設中57施設から261例が登録された。化学療法群に132例、サーベイランス群には129例が割り付けられ、割り付け後にデータの使用への同意を撤回した化学療法群の1例を除く260例(ITT集団)が解析に含まれた。 ベースラインの全体の年齢中央値は68.5歳(IQR 62.0~74.1)、女性が32%含まれた。94%がpT2~pT3、91%がN0で、64%がGFR≧50mL/分であった。腫瘍部位は腎盂が35%、尿管が34%、両方が30%で、術式は開放手術が15%、腹腔鏡手術が82%、ロボット手術が2%であり、顕微鏡的切除断端陽性率は12%だった。フォローアップ期間中央値は30.3ヵ月(IQR:18.0~47.5)。 実際に化学療法を受けたのは126例で、割り付け後にGFRが低下したため76例中16例(21%)がCDDPからCBDCAに、割り付けから治療開始前にGFRが上昇したため50例中1例(2%)がCBDCAからCDDPに切り替えた。 DFS関連イベントの発生率は、化学療法群が27%(35/131例)と、サーベイランス群の47%(60/129例)と比較して有意に低く、相対リスクが55%改善された(ハザード比[HR]:0.45、95%信頼区間[CI]:0.30~0.68、log-rank検定のp=0.0001)。 3年DFS率は、化学療法群が71%(95%CI:61~78)、サーベイランス群は46%(36~56)であり、両群間の推定絶対差は25%(11~38)であった。DFS期間中央値は、化学療法群は未到達、サーベイランス群は29.8ヵ月だった。また、転移または死亡のリスクは、化学療法群で52%低下した(HR:0.48、95%CI:0.31~0.74、log-rank検定のp=0.0007)。 Grade3以上の急性治療関連有害事象は、化学療法群が44%(55/126例、GEM+CDDP 44%[31/71例]、GEM+CBDCA 44%[24/55例])、サーベイランス群は4%(5/129例)で認められた(p<0.0001)。化学療法群では、Grade3以上の好中球数の減少(36%)、血小板数の減少(10%)、悪心(6%)、発熱性好中球減少(6%)、嘔吐(6%)がサーベイランス群よりも多く、重篤な有害事象は32%にみられた。治療関連死の報告はなかった。 QOL(EORTC QLQ-C30、EQ-5D-5L)は、化学療法期間中とその直後(3ヵ月時、p=0.0028)は化学療法群で不良であったが、6ヵ月後にはこの差は解消した。 著者は、「プラチナ製剤ベースの化学療法は、UTUC患者の腎尿管全摘除術後の標準的な補助化学療法と考えられる」としている。

135.

小細胞肺がんの1次治療、アテゾリズマブ+化学療法の患者評価(IMpower133)/Ann Oncol

 進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)へのカルボプラチン+エトポシド(CP/ET)+抗PD-L1抗体アテゾリズマブの併用の1次治療に関する「IMpower133試験」の安全性および患者報告アウトカムの評価結果が、米国・メイヨー・クリニックのA.S. Mansfield氏らにより示された。アテゾリズマブ+CP/ETレジメンはプラセボ+CP/ETと安全性プロファイルが同様であり、患者報告の健康関連QOL(HRQoL)に重大な影響は与えないことが示された。結果を踏まえて著者は、「示されたデータは、ES-SCLC 1次治療としてのアテゾリズマブ+CP/ETのベネフィット・リスクプロファイルを明確に示すもので、同レジメンを新たな標準治療として支持することをさらに裏付けるものであった」とまとめている。Annals of Oncology誌2020年2月号掲載の報告。  IMpower133試験において患者は、CP/ETに加えてアテゾリズマブまたはプラセボの21日/サイクルを4サイクル受け(導入期)、その後アテゾリズマブまたはプラセボを、病勢進行またはベネフィットがなくなるまで投与された(維持期)。有害事象(AE)の評価と、治療期間中3週間ごとにEuropean Organisation for the Research and Treatment of Cancer(EORTC)の生活の質に関する質問票(Core 30[QLQ-C30]とQLQ-LC13)を用いた評価が行われた。  主な結果は以下のとおり。 ・全AEおよびGrade3~4のAE、重篤なAEの発現頻度は、両フェーズ(導入期、維持期)ともに、アテゾリズマブ群とプラセボ群で同程度であった。・免疫関連AEの発現頻度は、両フェーズともにアテゾリズマブ群でより高率であった。導入期は28% vs.17%、維持期は26% vs.15%であった。・免疫関連AEで最も発現頻度が高かったのは、発疹(導入期:11% vs.9%、維持期:14% vs.4%)、甲状腺機能低下症(4.0% vs.0%、10% vs.1%)であった。・生活の質低下に関連した患者報告に基づく治療関連症状の変化は、導入期では概して同程度であり、変化のほとんどは維持期で認められた。・患者報告に基づく機能およびHRQoLは、治療開始後に両群で改善したが、アテゾリズマブ群ではHRQoLの改善がより顕著かつ持続的に認められた。

136.

NSCLCの術後補助化学療法、適正レジメンは?(TORG 0503)/Lung Cancer

 日本発の、非小細胞肺がん(NSCLC)術後補助化学療法の適正レジメンが示された。完全切除されたStage IB、IIおよびIIIAのNSCLCでは、術後補助化学療法が標準治療であるが、これまで最適な化学療法レジメンは決定されていない。日本医科大学呼吸器内科の久保田馨氏らは、これらの患者において望ましいプラチナベースの第3世代レジメンを選択する「TORG0503試験」を実施した。その結果、ドセタキセル+シスプラチン併用療法とパクリタキセル+カルボプラチン併用療法が、術後補助化学療法として安全に施行できることが示された。結果を踏まえて著者は、「次の臨床試験では、対照としてドセタキセル+シスプラチン併用療法を選択する」と述べている。Lung Cancer誌オンライン版2019年3月号の掲載報告。 研究グループは、完全切除されたStage IB、IIA、IIB、IIIAのNSCLC患者を、ドセタキセル(60mg/m2)+シスプラチン(80mg/m2)併用療法を3サイクル行う群(A群)と、パクリタキセル(200mg/m2)+カルボプラチン(AUC 6)併用療法を3サイクル行う群(B群)に無作為に割り付けた。 主要評価項目は2年無再発生存割合、主な副次評価項目は全生存期間(OS)、有害事象(忍容性、毒性)などとした。 主な結果は以下のとおり。・111例(A群58例、B群53例)が無作為に割り付けられた。両群の患者背景は類似していた。・3サイクルの化学療法を完遂した患者の割合は、A群で93%(54/58例)、B群で92%(49/53例)であった。・両群で治療に関連した死亡は認められなかった。・2年無再発生存割合は、A群で74.5%(95%信頼区間[CI]:68.6~80.4)、B群で72.0%(95%CI:65.7~78.3)であった。・また、5年無再発生存割合はA群で61.6%、B群で46.0%であった。・2および5年OSは、A群で89.7%および73.9%、B群で86.9%および67.5%であった。

137.

局所進行NSCLCに対する化学放射線療法とペムブロリズマブの同時併用/JAMA Oncol

 化学放射線療法後のPD-L1阻害薬による地固め療法は、Stage III非小細胞肺がん(NSCLC)の全生存率と無増悪生存率(PFS)を改善する。一方、化学放射線療法開始時のPD-L1阻害薬導入についての評価は明らかではない。そこで、NSCLCの根治的化学放射線療法とPD-1阻害薬ペムブロリズマブの同時併用の安全性と忍容性を決定する目的で前向き多施設非無作為化比較第I相試験が行われた。・対象:局所進行切除不能StageIII NSCLC(ECOG PS0~1)21例・介入: ペンブロリズマブを化学放射線併用療法(カルボプラチン+パクリタキセル毎週投与+放射線60Gy[2Gy/回])と併用。[コホート1]化学放射線療法後2〜6週からペンブロリズマブ 200mg 3週間ごと。[コホート2]化学放射線療法の29日目からペムブロリズマブ 100mg 3週間ごと。[コホート3]化学放射線療法の29日目からペンブロリズマブ 200mg 3週間ごと。[コホート4]化学放射線療法の1日目からペムブロリズマブ 100mg 3週間ごと。[コホート5]化学放射線療法の1日目からペンブロリズマブ 200mg 3週間ごと。・評価項目:[主要評価項目]化学放射線療法との併用によるPD-1阻害薬の安全性と忍容性[副次評価項目]PFS、肺炎発症割合など。 主な結果 は以下のとおり。・対象患者21例の年齢中央値は69.5歳であった。・コホート5の安全性拡大コホートでGrade5の肺炎が1例発現した。・Grade3以上の免疫関連有害事象が4例の患者で発生した(18%)。・ペンブロリズマブを1回以上投与した患者(21例)のPFS中央値は18.7ヵ月。6ヵ月PFS率は81.0%、12ヵ月PFS率は69.7%であった。・ペンブロリズマブを2回以上投与した患者(19例)のPFS中央値は21.0ヵ月であった。 これらの結果から筆者らは、StageIII NSCLCに対するPD-1阻害薬と化学放射線療法の併用療法は忍容性があり、PFSも有望であることから、さらなる研究が必要であると述べている。

138.

早期TN乳がん、ペムブロリズマブ+術前化学療法が有望/NEJM

 早期トリプルネガティブ乳がん患者に対し、ペムブロリズマブ+術前化学療法はプラセボ+術前化学療法に比べ、手術時の病理学的完全奏効率が約14%ポイント有意に高いことが、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のPeter Schmid氏らが行った第III相無作為化比較試験の結果、示された。追跡期間中央値15.5ヵ月後の病勢進行を認めた被験者の割合も、ペムブロリズマブ+術前化学療法を行った群で低かったという。先行試験で早期トリプルネガティブ乳がん患者における、ペムブロリズマブの有望な抗腫瘍活性と忍容可能な安全性プロファイルが示されていたが、術前化学療法へのペムブロリズマブ追加が、手術時の病理学的完全奏効(浸潤がんなし・リンパ節転移陰性と定義)を得られる患者割合を有意に増大するかについては不明であった。NEJM誌2020年2月27日号掲載の報告。4サイクルのペムブロリズマブ3週間ごと+パクリタキセルとカルボプラチン投与 試験は、未治療のStageIIまたはIIIのトリプルネガティブ乳がん患者を2対1で無作為に2群に割り付けて行われた。一方の群には、術前補助療法として4サイクルのペムブロリズマブ(200mg)3週間ごと+パクリタキセルとカルボプラチンを投与(784例)。もう一方の群には、同サイクルのプラセボ3週間ごと+パクリタキセルとカルボプラチンを投与した(390例)。その後、両群に、4サイクルのペムブロリズマブまたはプラセボの追加投与と、ドキソルビシン-シクロホスファミドまたはエピルビシン-シクロホスファミドの投与を行った。 根治手術後にも術後療法として、ペムブロリズマブまたはプラセボの3週間ごと投与を最大9サイクル行った。 主要評価項目は、intention-to-treat集団における根治手術時における病理学的完全奏効と無イベント生存期間だった。病理学的完全奏効の推定治療差は約14%ポイント 初回中間解析では、無作為化された最初の患者602例のうち、根治手術時における病理学的完全奏効が認められたのは、ペムブロリズマブ群64.8%(95%信頼区間[CI]:59.9~69.5)、プラセボ群51.2%(44.1~58.3)だった(推定治療群間差:13.6%ポイント、95%CI:5.4~21.8、p<0.001)。 追跡期間中央値15.5ヵ月後(範囲:2.7~25.0)において、根治手術不能の病勢進行や局所/遠隔再発または2次原発がんの発生、全死因死亡のいずれかを認めたのは、ペムブロリズマブ群784例中58例(7.4%)、プラセボ群390例中46例(11.8%)であった(ハザード比[HR]:0.63、95%CI:0.43~0.93)。 全治療段階において、Grade3以上の治療関連有害事象の発生は、ペムブロリズマブ群では78.0%、プラセボ群が73.0%であり、うち死亡例はそれぞれ3例(0.4%)と1例(0.3%)であった。

139.

ペムブロリズマブ併用、転移TN乳がん1次治療でPFS延長/MSD

 MSD株式会社は2020年2月21日、転移を有するトリプルネガティブ乳がん(mTNBC)に対する初回治療として、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)と化学療法の併用療法が、化学療法単独と比較して無増悪生存期間(PFS)を延長したと発表した(第III相KEYNOTE-355試験)。 KEYNOTE-355試験は、化学療法歴のない、手術不能な局所再発または転移を有するトリプルネガティブ乳がん患者を対象に、ペムブロリズマブと化学療法併用の有効性を評価する無作為化比較試験。本試験は2パートからなり、パート2では登録患者847例が、ペムブロリズマブ+3種類の化学療法のうちの1つ(ナブパクリタキセル、パクリタキセルまたはゲムシタビン/カルボプラチンから医師が選択)の併用療法群と、プラセボ+同3種の化学療法のうちの1つの化学療法単独群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、全患者およびPD-L1陽性(CPS≧1およびCPS≧10)患者における全生存期間(OS)とPFS。 今回、独立データ監視委員会(DMC)の中間解析により、CPS≧10のPD-L1陽性患者において、併用療法群で統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるPFSの改善が認められた。ペムブロリズマブの安全性プロファイルはこれまでに報告されている試験で認められているものと一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されていない。 同社はプレスリリースの中で、データは今後の学術集会において発表予定としている。また、DMCの推奨に基づき、もう一つの主要評価項目であるOSについても、変更なく評価を継続する。

140.

肺がんuncommon EGFR変異に対するアファチニブの有効性/JTO

 uncommon EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対するアファチニブの有効性を検討した知見が示された。uncommon EGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者におけるEGFR-TKIの有効性に関する臨床データは限られている。国立台湾大学病院のJames Chih-Hsin Yang氏らは、さまざまな臨床試験のプール解析から、アファチニブは、主要なuncommon EGFR遺伝子変異および複合変異を有するNSCLCに対して有効性を示すことを明らかにした。Journal of Thoracic Oncology誌オンライン版2020年1月10日号掲載の報告。 研究グループは、無作為化臨床試験、拡大治験(人道的使用および拡張アクセスプログラム)、第IIIb相試験、非介入試験および症例集積研究においてアファチニブによる治療を受けたuncommon EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者計693例のプール解析を行った。 対象患者は、EGFR遺伝子変異により次のように分類された。(1)T790M、(2)exon 20挿入、(3)主要uncommon遺伝子変異(T790Mおよびexon 20挿入を除くG719X、L861Q、S768I、その他)、(4)複合変異、(5)その他のuncommon遺伝子変異である。 主要評価項目は、全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、治療成功期間(TTF)であった。 主な結果は以下のとおり。・解析対象のEGFR-TKI未治療患者は315例であった。・主要uncommon遺伝子変異群では、TTF中央値は10.8ヵ月、ORRは60.0%、DoR中央値は17.1ヵ月であった。・複合変異群では、TTF 14.7ヵ月、ORR 77.1%、DoR 16.6ヵ月であった。・その他のuncommon遺伝子変異群では、TTF 4.5ヵ月、ORR 65.2%、DoR 9.0ヵ月であった。・exon 20挿入群では、TTF 4.2ヵ月、ORR 24.3%、DoR 11.9ヵ月であった。

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