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ウパダシチニブ、中等~重症クローン病に有効/NEJM

 中等症~重症のクローン病患者において、ウパダシチニブによる寛解導入療法および維持療法はプラセボと比較し優れることが、43ヵ国277施設で実施された第III相臨床開発プログラム(2件の寛解導入療法試験「U-EXCEL試験」「U-EXCEED試験」と1件の維持療法試験「U-ENDURE試験」)の結果で示された。米国・Mayo Clinic College of Medicine and ScienceのEdward V. Loftus氏らが報告した。ウパダシチニブは経口JAK阻害薬で、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、関節症性乾癬、アトピー性皮膚炎および強直性脊椎炎に対して承認されており、クローン病治療薬としても開発中であった。NEJM誌2023年5月25日号掲載の報告。ウパダシチニブvs.プラセボ、寛解導入療法と維持療法の有効性および安全性を比較 研究グループは、中等症~重症のクローン病で18~75歳の患者を対象とし、「U-EXCEL試験」では1剤以上の既存治療または生物学的製剤で効果不十分または不耐容の患者を、「U-EXCEED試験」では1剤以上の生物学的製剤で効果不十分または不耐容の患者を、ウパダシチニブ45mg群またはプラセボ群に2対1の割合で無作為に割り付け、1日1回12週間投与する寛解導入療法試験を行った(二重盲検期)。さらに、両試験において臨床的奏効が認められた患者は、維持療法試験「U-ENDURE試験」に移行し、ウパダシチニブ15mg、同30mgまたはプラセボ群に1対1対1の割合で無作為に割り付けられ、1日1回52週間の投与を受けた。 主要エンドポイントは、寛解導入療法(12週)、維持療法(52週)のいずれにおいても、臨床的寛解および内視鏡的改善とした。臨床的寛解は、クローン病活動指数(CDAI、スコア範囲:0~600、高スコアほど疾患活動性が重症であることを示す)のスコアが150点未満と定義した。内視鏡的改善は、中央判定による簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD、スコア範囲:0~56、高スコアほど重症度が高いことを示す)が、ベースラインから50%超減少(ベースラインのSES-CDが4点の患者ではベースラインから2点以上の減少)と定義した。 U-EXCEL試験では526例、U-EXCEED試験では495例、U-ENDURE試験では502例が各群に無作為に割り付けられた。臨床的寛解、内視鏡的改善ともにウパダシチニブが有意に優れる 臨床的寛解を達成した患者の割合(ウパダシチニブ45mg群vs.プラセボ群)は、U-EXCEL試験で49.5% vs.29.1%、U-EXCEED試験で38.9% vs.21.1%、同じく内視鏡的改善は、U-EXCEL試験で45.5% vs.13.1%、U-EXCEED試験で34.6% vs.3.5%であり、プラセボ群と比較してウパダシチニブ45mg群で有意に高かった(すべての比較でp<0.001)。 また、U-ENDURE試験の52週時において、臨床的寛解を達成した患者の割合はウパダシチニブ15mg群37.3%、同30mg群47.6%、プラセボ群15.1%、同じく内視鏡的改善はそれぞれ27.6%、40.1%、7.3%であり、いずれもウパダシチニブの両用量群がプラセボ群より有意に高かった(すべての比較でp<0.001)。 安全性については、帯状疱疹の発現率は、ウパダシチニブ45mg群および30mg群がプラセボ群より高く、肝障害ならびに好中球減少症の発現率は、ウパダシチニブ30mg群が他の維持療法群より高かった。消化管穿孔が、ウパダシチニブ45mg群で4例、ウパダシチニブ30mg群ならびに15mg群で各1例に発現した。

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乳児期のRSV感染が小児喘息発症に関連/Lancet

 正期産の健常児で、生後1年目(乳児期)に重症呼吸器合胞体ウイルス(RSV)に感染していない場合は感染した場合と比較して、5歳時点の小児喘息の発生割合が大幅に低く、乳児期のRSV感染と小児喘息には年齢依存的な関連があることが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのChristian Rosas-Salazar氏らが実施した「INSPIRE試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年4月19日号で報告された。米国テネシー州の大規模な出生コホート研究 INSPIRE試験は、2012年6月~12月または2013年6月~12月に正期産で生まれた非低出生体重の健常児を対象とする大規模な住民ベースの出生コホート研究であり、米国テネシー州中部地域の11の小児科診療所で参加者の募集が行われた(米国国立衛生研究所[NIH]の助成を受けた)。 乳児期のRSV感染状況(感染なし・感染あり)を、受動的サーベイランスと能動的サーベイランスを併用して調査し、分子生物学的手法と血清学的手法によりウイルスを同定した。主要アウトカム(5歳時点の喘息)を前向きにフォローアップし、5年間のフォローアップを完了したすべての子供について解析が行われた。 1,946例(年齢中央値55日[四分位範囲[IQR]:16~78]、女児48%)が登録され、このうち1,741例(89%)で生後1年目のRSV感染状況のデータが得られた。乳児期に944例(54%)がRSVに感染し、797例は感染しなかった。RSV感染回避により、15%で喘息が予防 5歳時点で喘息を発症していた子供の割合は、RSV感染群が21%(139/670例)であったのに対し、RSV未感染群は16%(91/587例)と有意に低かった(p=0.016)。補正後リスク比は0.74(95%信頼区間[CI]:0.58~0.94、p=0.014)であり、乳児期のRSV感染回避によって予防可能な5歳時点の小児喘息の割合は15%(95%CI:2.2~26.8)と推定された。 また、子供の年齢で層別化したモデルでは、喘鳴の年間再発リスクは、1~4歳のいずれの時点においても、RSV感染群に比べRSV未感染群で低かったが、有意差は1歳時(p<0.0001)と2歳時(p=0.043)でのみ認められた。 アトピー型喘息を、5歳時の喘息と3歳時の空中アレルゲン感作で定義した場合、5歳時の非アトピー型喘息の頻度はRSV感染群に比べRSV未感染群で有意に低かった(p=0.010)が、アトピー型喘息との関連はなかった。また、アトピー型喘息を、医師が5歳までにアレルギー性鼻炎またはアトピー性皮膚炎と診断し、親によって報告された場合と定義しても、同様の結果であった。 著者は、「乳児期のRSV感染と小児喘息との因果関係を明確に示すには、初回RSV感染の予防、遅延、重症度の軽減が、喘息に及ぼす影響について検討する必要がある」としている。

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アトピー性皮膚炎、抗IL-13抗体薬lebrikizumabが有効/NEJM

 インターロイキン13(IL-13)を標的とするIgG4モノクローナル抗体lebrikizumabは、中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)の成人・青少年患者を対象とした2つの第III相試験において、16週の導入療法期間での有効性が確認された。米国・ジョージ・ワシントン大学のJonathan I. Silverberg氏らがNEJM誌2023年3月23日号で報告した。 研究グループが実施した「ADvocate1試験」と「ADvocate2試験」は、個別にデザインされた52週の国際共同第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、いずれも16週の導入療法期間と36週の維持療法期間で構成された。 中等症~重症ADの成人(18歳以上)および青少年(12歳以上18歳未満、体重40kg以上)を対象とし、lebrikizumab群とプラセボ群に2対1の割合で割り付けた。lebrikizumabの用量は、ベースライン時と2週目に500mgの負荷投与、以降は250mgとし、隔週皮下投与した。 本稿では、16週までに評価された導入療法期間の結果が報告されている。主要アウトカムは、16週時におけるIGA(Investigator's Global Assessment)スコア0または1(皮膚病変の消失またはほとんど消失)かつベースライン時からの2点以上減少とした。副次アウトカムは、16週時におけるEczema Area and Severity Indexスコアの75%改善(EASI-75)、2、4、16週時におけるそう痒NRS(Numerical Rating Scale)、16週時におけるそう痒による睡眠障害などであった。安全性も評価された。 主な結果は以下のとおり。・ADvocate1試験において、主要アウトカムを達成した患者の割合は、lebrikizumab群(283例)が43.1%、プラセボ群(141例)が12.7%であり、有意差が認められた(p<0.001)。EASI-75達成率はそれぞれ58.8%、16.2%であり、有意差が認められた(p<0.001)。・ADvocate2試験において、主要アウトカムを達成した患者の割合は、lebrikizumab群(281例)が33.2%、プラセボ群(146例)が10.8%であり、有意差が認められた(p<0.001)。EASI-75達成率はそれぞれ52.1%、18.1%であり、有意差が認められた(p<0.001)。・そう痒およびそう痒による睡眠障害の評価結果は、lebrikizumab治療による改善を示唆するものであった。・結膜炎の発生率が、プラセボ群(ADvocate1試験:2.8%、ADvocate2試験:2.1%)よりlebrikizumab群(それぞれ7.4%、7.5%)で高率であった。・導入療法期間中にみられた有害事象のほとんどは軽度または中等度で、試験中止に至ったものはなかった。

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乳児期アトピーの“早期治療介入”、鶏卵アレルギーの発症予防に/国立成育医療研究センター

 国立成育医療研究センターの大矢 幸弘氏らの研究グループは、2023年4月10日のプレスリリースで、食物アレルギーの発症リスクが高い、乳児期早期発症のアトピー性皮膚炎の乳児に対する早期の積極的治療が食物アレルギーの発症を予防することを世界で初めて実証したと発表した。 大矢氏らは、食物アレルギー予防のためにアトピー性皮膚炎の乳児に対して早期に治療を行う臨床研究「アトピー性皮膚炎への早期介入による食物アレルギー発症予防研究/多施設共同評価者盲検ランダム化介入平行群間比較試験:PACI(パッチー)Study(スタディ)」を実施し、研究対象となるアトピー性皮膚炎の生後7週~13週の乳児を、標準的な治療を行う群と、ステロイド外用薬などを使った積極的な治療を行う群に分け、生後28週時点で鶏卵アレルギーがあるかどうかを調べた。その結果、積極的な治療を行った群は標準的な治療の群と比較し、鶏卵アレルギーの発症を25%削減できることがわかった。これは、皮膚への早期の治療介入が食物アレルギーの予防につながるという二重抗原曝露仮説を実証する世界で初めての研究成果である。 今回の研究により、乳児期のアトピー性皮膚炎の発症早期からの速やかな治療開始と、湿疹ゼロを目標とした治療強化により、食物アレルギーの発症を予防できること、アトピー性皮膚炎は食物アレルギーとの関連性が高く、食物アレルギー予防のためには乳児期の発症早期からしっかり湿疹を治療し、経皮感作のリスクを低下させることが重要であることが明らかになった。 大矢氏らは、食物アレルギー予防のためには、乳児期のアトピー性皮膚炎の発症早期からしっかり湿疹を治療し、湿疹ゼロを目標にすることが重要だと語った。ただし、実臨床では、患者さんの症状や重症度などに合わせて、適切な強さのステロイド外用薬の選択を行い、個々の患者さんごとに使用期間と減量のスケジュールを組み立てて副作用を回避し、湿疹ゼロの寛解状態を実現・維持していくことが求められる、と述べている。

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IL-13を特異的に中和するアトピー性皮膚炎治療薬「アドトラーザ皮下注」【下平博士のDIノート】第117回

IL-13を特異的に中和するアトピー性皮膚炎治療薬「アドトラーザ皮下注」今回は、アトピー性皮膚炎治療薬「トラロキヌマブ(遺伝子組換え)製剤(商品名:アドトラーザ皮下注150mgシリンジ、製造販売元:レオファーマ)」を紹介します。本剤は、アトピー性皮膚炎の増悪に関与するIL-13を特異的に中和するモノクローナル抗体であり、中等症~重症のアトピー性皮膚炎患者の新たな治療選択肢となることが期待されています。<効能・効果>既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎の適応で、2022年12月23日に製造販売承認を取得しました。本剤は、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの抗炎症外用薬による適切な治療を一定期間受けても十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ患者に使用します。<用法・用量>通常、成人にはトラロキヌマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与します。本剤による治療反応は、通常使い始めてから16週までには効果が得られるため、16週までに効果が得られない場合は投与の中止を検討します。<安全性>全身療法が適用となる中等症~重症のアトピー性皮膚炎患者を対象とした臨床試験において、5%以上の頻度で認められた副作用は、上気道感染(上咽頭炎、咽頭炎を含む)、結膜炎、注射部位反応(紅斑、疼痛、腫脹など)でした。重大な副作用として、重篤な過敏症(頻度不明)が設定されています。<患者さんへの指導例>1.アトピー性皮膚炎の増悪に関与し、過剰に発現しているインターロイキン-13(IL-13)を特異的に中和するモノクローナル抗体です。2.この薬を投与中も、症状に応じて保湿外用薬などを併用する必要があります。3.寒気、ふらつき、汗をかく、発熱、意識の低下などが生じた場合は、すぐに連絡してください。<Shimo's eyes>本剤は、末梢での炎症を誘導する2型サイトカインであるIL-13を選択的に阻害することで、中等症~重症のアトピー性皮膚炎(AD)に効果を発揮する生物学的製剤です。IL-13は皮膚の炎症反応の増幅、皮膚バリアの破壊、病原体の持続性増強、痒みシグナルの伝達増強などに作用し、IL-13の発現量とADの重症度が相関するとされています。そのため、IL-13を阻害することによって、皮膚のバリア機能を回復させ、炎症や痒み、皮膚肥厚を軽減することが期待されています。現在、ADの薬物療法としては、ステロイド外用薬およびタクロリムス外用薬(商品名:プロトピックほか)が中心的な治療薬として位置付けられています。近年では、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害作用を有するデルゴシチニブ外用薬(同:コレクチム)、ホスホジエステラーゼ(PDE)4阻害作用を有するジファミラスト外用薬(同:モイゼルト)も発売されました。さらに、これらの外用薬でも効果不十分な場合には、ヒト型抗ヒトIL-4/IL-13受容体モノクローナル抗体のデュピルマブ皮下注(遺伝子組換え)(同:デュピクセント)、ヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体のネモリズマブ皮下注(遺伝子組換え)(同:ミチーガ)、JAK阻害薬のバリシチニブ錠(同:オルミエント)などが発売され、治療選択肢が広がっています。本剤は、医療施設において皮下に注射され、原則として本剤投与時もADの病変部位の状態に応じて抗炎症外用薬を併用します。IL-13を阻害することにより2型免疫応答を減弱させ、寄生虫感染に対する生体防御機能を減弱させる恐れがあるため、本剤を投与する前に寄生虫感染の治療を行います。また、本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないため避けます。臨床効果としては、16週目にEASI75(eczema area and severity index[皮膚炎の重症度指標]が75%改善)を達成した割合は、ステロイド外用薬+プラセボ群では35.7%でしたが、ステロイド外用薬+本剤併用群では56.0%でした。また、32週目のEASI-75達成率は92.5%でした。16週時までのステロイド外用薬の累積使用量はステロイド外用薬+プラセボ群では193.5gでしたが、ステロイド外用薬+本剤併用群では134.9gでした。初期投与期間での主な有害事象はウィルス性上気道感染、結膜炎、頭痛などですが、アナフィラキシーなど重篤な過敏症の可能性があるので十分注意する必要があります。投与は大腿部や腹部、上腕部に行い、腹部へ投与する場合はへその周りを外し、同一箇所へ繰り返しの注射は避けます。遮光のため本剤は外箱に入れたまま、30℃を超えない場所で保存し、14日間以内に使用します。使用しなかった場合は廃棄します。本剤は、海外ではEU諸国、イギリス、カナダ、アラブ首長国連邦、アメリカ、スイスで承認を取得しており、中等度~重度のAD療薬として使用されています(2022年8月現在)。参考1)Silverberg JI. et al. Br J Dermatol. 2021;184:450-463.2)レオファーマ社内資料:アトピー性皮膚炎患者を対象とした国際共同第III相TCS併用投与試験(ECZTRA3試験)

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SLEへのバリシチニブ、第III相SLE-BRAVE-I試験の結果/Lancet

 オーストラリア・モナシュ大学のEric F. Morand氏らは、活動性全身性エリテマトーデス(SLE)患者を対象としたバリシチニブの無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「SLE-BRAVE-I試験」の結果、主要エンドポイントは達成されたものの、主要な副次エンドポイントは達成されなかったことを報告した。ヤヌスキナーゼ(JAK)1/JAK2の選択的阻害薬であるバリシチニブは、関節リウマチ、アトピー性皮膚炎および円形脱毛症の治療薬として承認されている。SLE患者を対象にした24週間の第II相試験では、バリシチニブ4mgはプラセボと比較して、SLEの疾患活動性を有意に改善することが示されていた。Lancet誌オンライン版2023年2月24日号掲載の報告。SLE患者760例をバリシチニブ4mg群、2mg群、プラセボ群に無作為化 SLE-BRAVE-I試験は、アジア、欧州、北米、中米、南米の18ヵ国182施設で実施された。 研究グループは、スクリーニングの24週間以上前にSLEと診断され、標準治療を行うも疾患活動性が認められる18歳以上の患者を、バリシチニブ4mg群、バリシチニブ2mg群またはプラセボ群に1対1対1の割合で無作為に割り付け、標準治療との併用で52週間1日1回投与した。グルココルチコイドの漸減が推奨されたが、プロトコールで必須ではなかった。 主要エンドポイントは、52週時のSLE Responder Index-4(SRI-4)レスポンダーの割合で、ベースラインの疾患活動性、コルチコステロイド量、地域および治療群をモデルに組み込んだロジスティック回帰分析により、バリシチニブ4mg群とプラセボ群を比較した。 有効性解析対象集団は修正intention-to-treat(ITT)集団(無作為化され少なくとも1回治験薬の投与を受けたすべての患者)、安全性解析対象集団は無作為化され少なくとも1回治験薬を投与され、ベースライン後の最初の診察時に追跡調査不能の理由で試験を中止しなかったすべての患者とした。 760例が無作為に割り付けられ、修正ITT集団はバリシチニブ4mg群252例、バリシチニブ2mg群255例、プラセボ群253例であった。52週時のSRI-4レスポンダー率はバリシチニブ4mg群57%、プラセボ群46% 52週時のSRI-4レスポンダー率は、バリシチニブ4mg群57%(142/252例)、プラセボ群46%(116/253例)であり、オッズ比(OR)1.57(95%信頼区間[CI]:1.09~2.27)、群間差10.8(95%CI:2.0~19.6)で有意差が認められた(p=0.016)。バリシチニブ2mg群は50%(126/255例)で、プラセボ群との有意差はなかった(OR:1.14[95%CI:0.79~1.65]、群間差:3.9[95%CI:-4.9~12.6]、p=0.47)。 初回の重度SLE flareが発現するまでの時間やグルココルチコイド漸減など主要副次エンドポイントに関しては、バリシチニブ群のいずれにおいてもプラセボ群と比較して有意差は認められなかった。 重篤な有害事象は、バリシチニブ4mg群で26例(10%)、バリシチニブ2mg群で24例(9%)、プラセボ群で18例(7%)に発現した。SLE患者におけるバリシチニブの安全性プロファイルは、既知の安全性プロファイルと一致していた。

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紅皮症性アトピー性皮膚炎にもデュピルマブが有効

 紅皮症性アトピー性皮膚炎は、広範な皮膚病変によって定義され、合併症を引き起こし、場合によっては入院に至る重症アトピー性皮膚炎である。米国・ノースウェスタン大学のAmy S. Paller氏らは、デュピルマブの有効性と安全性を検討した6つの無作為化比較試験の事後解析において、紅皮症性AD患者に対するデュピルマブ治療は、全体集団と同様にアトピー性皮膚炎の徴候・症状の迅速かつ持続的な改善をもたらし、安全性は許容できるものであったと報告した。JAMA Dermatology誌オンライン版2023年2月1日号掲載の報告。紅皮症性アトピー性皮膚炎がデュピルマブで有意に改善 中等症~重症のアトピー性皮膚炎患者を対象にデュピルマブの有効性と安全性を検討した6つの国際共同、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照比較試験について、事後解析が行われた。対象は、アトピー性皮膚炎の病変が体表面積(BSA)の90%以上かつ全般症状スコア(Global Individual Sign Score)の紅斑のスコアが1以上を満たした患者とした(紅皮症性アトピー性皮膚炎)。 対象患者は、デュピルマブ(週1回または隔週)またはプラセボを、単剤または局所コルチコステロイド(TCS)との併用で投与された。 16週目における有効性(病変のBSAに対する割合、Eczema Area and Severity Index[EASI]スコア、Peak Pruritus Numerical Rating Scale[そう痒NRS]スコア)、血清中バイオマーカー(TARC[thymus and activation-regulated chemokine]、総IgE、LDH[乳酸脱水素酵素])の変化、安全性(有害事象の発現頻度)などを評価した。 データはレジメンごとにプールされ、デュピルマブ単剤投与とTCS併用投与で層別化された。 主な結果は以下のとおり。・無作為化された3,075例中、209例がベースライン時に紅皮症性アトピー性皮膚炎の基準を満たした。・紅皮症性アトピー性皮膚炎患者集団の年齢中央値はデュピルマブ単剤群31歳、TCS併用群39歳で、全体集団(それぞれ34歳、36歳)と類似していた。また、紅皮症性アトピー性皮膚炎患者集団の男性の割合は、デュピルマブ単剤群71.3%(97例)、TCS併用群74.0%(54例)であった(全体集団はそれぞれ58.7%、60.6%)。・紅皮症性アトピー性皮膚炎患者集団において、デュピルマブ投与群(週1回投与、隔週投与)はプラセボ群と比べて、有効性の指標がいずれも有意に改善した。・病変のBSAに対する割合(最小二乗平均変化率[標準誤差[SE]]):デュピルマブ単剤群は週1回投与-42.0% [7.7]、隔週投与-39.9%[6.5]であったのに対し、プラセボ群は-17.2%[11.0]であった(いずれもp=0.03)。TCS併用群は週1回投与-63.2% [6.7]、隔週投与-56.1%[9.1]であったのに対し、プラセボ群は-14.5%[7.3]であった(いずれもp<0.001)。・EASIスコア(最小二乗平均変化率[SE]):デュピルマブ単剤群は週1回投与-58.5% [9.0]、隔週投与-58.3%[7.9]であったのに対し、プラセボ群は-22.3%[12.4]であった(それぞれp=0.004、p=0.003)。TCS併用群は週1回投与-78.9%[7.8]、隔週投与-70.6%[10.1]であったのに対し、プラセボ群は-19.3%[8.2]であった(いずれもp<0.001)。・そう痒NRSスコア(最小二乗平均変化率[SE]):デュピルマブ単剤群は週1回投与-45.9% [7.8]、隔週投与-33.9%[6.6]であったのに対し、プラセボ群は-0.6% [9.4]であった(いずれもp<0.001)。TCS併用群は週1回投与-53.0% [8.1]、隔週投与-55.7%[10.8]であったのに対し、プラセボ群は-26.0%[8.8]であった(それぞれp=0.006、p=0.01)。・名目上の統計学的に有意な改善は、早ければ1週目からみられた(デュピルマブ単剤群のEASIスコアとそう痒NRSスコア[それぞれp<0.05、p<0.001])。・バイオマーカー値はプラセボと比べて有意に低下した(いずれもp<0.001)。・デュピルマブ治療を受けた患者で最もよくみられた有害事象は、注射部位反応、結膜炎、上咽頭炎であった。

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2月20日 アレルギーの日【今日は何の日?】

【2月20日 アレルギーの日】〔由来〕1966(昭和41)年の今日、石坂 公成氏、石坂 照子氏がIgE(免疫グロブリン)を発見したことにちなみ、日本アレルギー協会により制定。同協会では今日を中心とした1週間を「アレルギー週間」と定め、この期間を中心にアレルギーに関する各種啓発活動を行っている。関連コンテンツアトピー性皮膚炎診療の最新知見【診療よろず相談TV】その症状もアナフィラキシーですよ!【Dr.山中の攻める!問診3step】じんましん【患者説明用スライド】IgEってなあに?【患者説明用スライド】アナフィラキシーなどの治療を非専門医向けに/アレルギー総合ガイドライン改訂

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076)あせもになってしまったら?~対策と肌ケア~【Dr.デルぽんの診察室観察日記】(ブログより転載)

第76回 あせもになってしまったら?(『デルマな日常』より転載)アロ~ハ☆今日も元気なデルぽんで~す☆あせもシリーズ第三弾。成り立ち、予防法、ときて今回は汗疹になってしまった場合の対策についてです!どうぞ~~~あせもはほっとくと(特に小児の場合)かきこわし~からのトビヒ~そして全身へ。。という魔のサイクルに陥らないとも限らない。なので、痒みがありかきこわしてしまう場合は早めの受診と適切な治療が大事です☆逆にぜんぜん痒くないで小さい赤ポチがプツプツしてるだけの場合、汗をかかない環境づくり・汗を溜めない工夫で自然に治ることも。いずれにしても、あせもの予防対策(⇒あせも②)適切な肌ケアをすることは大事~☆適切な肌ケアとは?これは汗疹以外にも大事な皮膚科の基本ですが爪を短く切って、かかないよう注意する毎日、清潔に(お風呂)保湿(とくに乾燥肌のひと)をすること。夏場は汗をかくから、肌がしっとりしますね。健康な肌のひとはよいですが、アトピー性皮膚炎・乾燥肌のひとは夏でも保湿をしよう★乾燥しやすいひとの肌の表面は夏でも乱れがち。保湿剤を全体に塗って、皮膚を保護しよう!保湿剤は何を塗るかよりも、しっかりたっぷり毎日塗れたかのほうが大事です。※でも、できれば余分な成分(香料とか食物蛋白とか)が入ってないほうがよい~夏場は汗ばむのでローションタイプの保湿剤が塗りやすいかとおもいま~す☆でも使いやすいものが一番です!爪切ってかかないのは皮膚科の基本★むしろ痒いようなら、きちんと治療を!おいでませ皮膚科。でわね!バーイ☆※この記事は、Dr.デルぽんのご厚意により『デルマな日常』から転載させていただきました。(転載元:『デルマな日常』2017年07月09日 あせもになってしまったら?~対策と肌ケア~)

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075)あせもの成り立ち~汗疹はどうやって出来る?~【Dr.デルぽんの診察室観察日記】(ブログより転載)

第75回 あせもの成り立ち(『デルマな日常』より転載)アロ〜ハ☆今日も元気なデルぽんで〜す☆夏だ!プールだ!あせもが真っ赤だー!!(©ロート)ということで本日は汗疹の漫画でーす☆どうぞー!あせもは、どうやって出来る?それは、作られすぎた汗が蒸発しきれずに、汗の通り道に溜まってしまい作られます!汗をかきやすい夏(高温多湿)に多く、最も季節の影響を受ける皮膚疾患とも言えるっ腕の内側、膝の裏、おなか背中、にできやすいよ☆赤ちゃんやこどもは、顔にもよくできるよ〜はじめは赤くプツプツ小さくて、ひっかいたり放っておくうちに湿疹になってボコボコ赤みが増してくるよ(かゆい)とくに、こんな方はあせもに要注意☆アトピー性皮膚炎肥満の方暑い職場で働く方多汗症の方赤ちゃんこども赤ちゃんやこどもは皮膚が薄い&弱い。そして、汗をたくさん、かきやすい!とくにケアが必要です!あせものケアは、予防も大事☆明日はあせもの予防についてお送りする予定でーす☆でわね!バーイ☆※この記事は、Dr.デルぽんのご厚意により『デルマな日常』から転載させていただきました。(転載元:『デルマな日常』2017年07月07日 あせもの成り立ち~汗疹はどうやって出来る?~)

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アトピー性皮膚炎、抗IL-13抗体薬のステロイドへの上乗せは有用か?

 中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)の青少年・成人患者において、インターロイキン13(IL-13)をターゲットとする高親和性モノクローナル抗体lebrikizumab(LEB)と局所コルチコステロイド(TCS)の併用は、TCS単独と比べてアウトカムの改善が認められた。米国・オレゴン健康科学大学のEric L. Simpson氏らが第III相無作為化試験「ADhere試験」の結果を報告した。安全性は先行試験の報告と一致していた。LEB単剤の有効性と安全性は、第IIb相試験の16週単独投与期間中および2件の52週の第III相試験で示されていた。JAMA Dermatology誌オンライン版2023年1月11日号掲載の報告。 ADhere試験は、第III相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、2020年2月3日~2021年9月16日に、ドイツ、ポーランド、カナダ、米国の54の外来施設において16週間の期間で実施された。青少年(12歳以上18歳未満、体重40kg以上)と成人の中等症~重症AD患者を対象とした。 全体で211例が2対1の割合で、LEB+TCS群(ベースラインと2週目に500mgを投与、その後隔週で250mg投与)またはプラセボ+TCS群に無作為に割り付けられ、TCSとの併用投与を16週間受けた。 16週時点で有効性解析が行われ、主要エンドポイントは、Investigator's Global Assessmentスコア0または1(IGA[0、1])を達成かつベースラインから2以上改善した患者の割合であった。主要な副次エンドポイントは、Eczema Area and Severity Indexの75%改善(EASI-75)を達成した患者の割合(欧州医薬品庁[EMA]では本項目も主要エンドポイントに設定)、Pruritus Numeric Rating Scaleに基づくかゆみ、睡眠へのかゆみの影響、QOLなどであった。安全性評価には、有害事象(AE)のモニタリングが含まれた。 主な結果は以下のとおり。・被験者211例の平均年齢(SD)は37.2(19.3)歳で、女性が48.8%(103例)であった。人種はアジア系が14.7%(31例)、黒人/アフリカ系のアメリカ人が13.3%(28例)であった。・16週時点で、IGA(0、1)達成患者の割合は、プラセボ+TCS群が22.1%(66例)であったのに対し、LEB+TCS群は41.2%(145例)であった(p=0.01)。EASI-75達成患者の割合は、それぞれ42.2%、69.5%であった(p<0.001)。・LEB+TCS群は、主要な副次エンドポイントすべてで、統計学的に有意な改善を示した。・治療中に発現した有害事象(TEAE)のほとんどが、重篤ではなく、重症度は軽症または中等症であった。・LEB+TCS群で報告頻度が高かったTEAEは、結膜炎(7件、4.8%)、頭痛(7件、4.8%)、ヘルペス感染(5件、3.4%)、高血圧(4件、2.8%)、注射部位反応(4件、2.8%)であった。これらのTEAEのプラセボ+TCS群での発現頻度は、いずれも1.5%以下であった。・患者の報告に基づく重篤なAEの発現頻度は、LEB+TCS群(2件、1.4%)とプラセボ+TCS群(1件、1.5%)で同程度であった。

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074)水いぼの何が困る?こんなところ【Dr.デルぽんの診察室観察日記】(ブログより転載)

第74回 水いぼの何が困る?こんなところ(『デルマな日常』より転載)アロ~ハ☆今日も元気なデルぽんで~す☆連日の水いぼスイマセン!自然治癒する水いぼ。どうせいつか治るなら何が問題なの?というお話。どうぞ~~!水いぼは何が困るか?まとめると、湿疹化することがあるかきこわしから細菌が入りとびひになることも見た目の問題プールに入れない(プール問題についてはまた次回・・)そもそも、肌の弱い子は水いぼがうつりやすい。もともと乾燥肌のある子、湿疹になりやすい子。アトピー性皮膚炎と言われている子は、要注意。肌がうつりやすい状態なので、全身に広がりやすかったり湿疹やかきこわしで苦労することがある。(この状態は治療が必要!)様子を見ていたら体中にできましたなんていうことも・・・こうした子は、しっかり保湿をすること(皮膚を保護してポックスちゃんから守る)湿疹の治療をすること(かきこわし・とびひ注意)かかりつけをもち、困ったことがあったら相談することが大事です。水いぼを取る場合は湿疹が治ってから。実際は、見た目が悪い、気持ち悪いプールに入れないという理由で水いぼを取りにくるパターンが多いです。水いぼがあったらプールは入れないの?という問題については、また次回★でわね!バーイ☆※この記事は、Dr.デルぽんのご厚意により『デルマな日常』から転載させていただきました。(転載元:『デルマな日常』2017年07月01日 水いぼの何が困る?こんなところ)

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皮膚科の次世代型医療:Z世代の医学部生を中心に開発

 東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野では、志藤 光介氏の研究グループの協力のもと、医学部5年生の柳澤 祐太氏が主体となり、スマートフォンなどで簡便に撮影された画像から病変部位を認識し、その病変部位を検出し着目させる病変部抽出システムを、深層学習を用いて開発することに成功した。デジタル環境で育ったZ世代の医学部生の目線で作成された皮膚科関連AI研究である。東北大学 2023年1月26日付プレスリリースの報告。 近年、皮疹の画像を撮影しAIで解析をするシステムは世界中で開発されており、病院内でも実用化されている。患者が利用するAIでは、専用の画像撮影機器などを用いずに、スマートフォンなどを使って簡便に撮影した画像から画像解析を行えることが望ましいものの、スマートフォン撮影では一定の条件下で撮影されないため、被写体との距離が一定せず、同じ皮膚病変であっても撮影距離によって皮疹の様子が異なるという問題があった。このような撮影バイアスは疾患判別精度に大きく影響することがあり、深層学習を用いた画像解析を行ううえで技術的な課題であった。 とくにアトピー性皮膚炎は慢性疾患であり、治療が長期化することでさまざまな合併症を併発する。その中でも早期の対応が必要な細菌感染症やウイルス感染症、早期発見が予後に影響する悪性腫瘍の発見が遅れると重症化し、生命予後に関わることもある。そのため、アトピー性皮膚炎患者自身が病変の変化に気が付くのを助け、医療機関への受診を促すために気軽に使用できる疾患判定AIツールの普及が望まれていた。 そこで、柳澤氏は、志藤氏らのグループの協力のもと、デジタル機器で撮影された病変の部位を認識し、自動的に病変部位を着目して画像をトリミングする病変部抽出システムを開発した。病変部抽出システムを利用して病変部位を着目させる解析と、疾患判定画像診断解析の2段階の画像解析を行うことで、さまざまな拡大率で撮影された画像でも安定した深層学習による画像解析が可能となる。 さらに、この病変部抽出システムを利用して、アトピー性皮膚炎に合併しやすい疾患(感染症並びに悪性腫瘍)を対象に、深層学習モデルを利用したアトピー性皮膚炎合併疾患判定AIソフトウェア(AD-AI)を開発した。アトピー性皮膚炎に合併しやすい、単純ヘルペスウイルス感染症、カポジ水痘様発疹症、伝染性膿痂疹(とびひ)、菌状息肉症を対象に解析モデルの検証を行った。アトピー性皮膚炎への感染症や悪性転化を画像から判定する課題において、研究グループが開発したシステムで自動的にトリミングした画像と皮膚科専門医がトリミングした画像を用いて深層学習モデルを作成し精度を比較したところ、同程度に疾患が判定できることがわかった。 今回開発したアトピー性皮膚炎合併疾患判定AIソフトウェア(AD-AI)によって、患者が気になったときにスマートフォンで皮疹を撮影し、AIで感染症の合併が起きていないか判定ができると、これまで以上の早期発見と早期治療介入が可能となることが期待される。今後は、このAD-AIをアプリに実装し、広く一般の患者に利用してもらえるように、さらなる精度の向上ならびに使用上の規制への対応を目指し開発を進める方針とのこと。 本研究は、Journal of Dermatological Science誌オンライン版2023年1月11日号に掲載された。

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ルキソリチニブクリーム、アトピー性皮膚炎への長期安全性・有効性は?

 アトピー性皮膚炎(AD)に対するヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬ルキソリチニブ(本邦では骨髄線維症、真性多血症の適応で承認)のクリーム製剤の安全性・有効性について、長期評価の結果をカナダ・Clinical Research and Probity Medical ResearchのKim Papp氏らが報告した。必要に応じて投与が行われた(as-needed)44週の治療期間中の疾患コントロールと忍容性は本治療が有効であることを示すものであったという。ルキソリチニブクリームのAD治療については、2つの第III相二重盲検無作為化プラセボ対照試験(TRuE-AD1試験とTRuE-AD2試験)で検討が行われ、8週時に安全性と有効性が示されていたが、著者は「今回の試験で8週の結果を確認することができた」とし、また「安全性の所見では、ルキソリチニブの血漿中濃度は低く既知のリスク因子が反映されており、生理学的に重大な全身性のJAK阻害の可能性は非常に低いと考えられる」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2022年11月26日号掲載の報告。ルキソリチニブクリームのアトピー性皮膚炎に対する有効性を1,072例で確認 TRuE-AD1試験とTRuE-AD2試験は北米と欧州で行われ、12歳以上、AD罹病期間2年以上、IGAスコア2または3、病変が体表面積(BSA)の3~20%の患者が参加した。 被験者は、0.75%ルキソリチニブクリーム群、1.5%ルキソリチニブクリーム群、溶媒群に、二重盲検下で無作為に2対2対1の割合で割り付けられ、1日2回の塗布を8週間受けた(VC期間)。被験者は、ベースラインで認められたすべてのAD病変部の改善または消失が認められても治療し続けるよう指示された。 8週時点で、溶媒群は1対1の割合で実薬群のいずれかに割り付けられ、44週間治療が続けられた(LTS期間)。同被験者には疾患活動性のADが認められる病変部のみ治療すること、病変消失3日後に治療を中止すること、再発の最初の兆候が認められたら治療を再開することが指示された。皮膚軟化剤以外のレスキュー治療は許可されなかった。 安全性と忍容性は、治療中に発現した有害事象(TEAE)、治療関連AE(TRAE)、重篤なAEの種類と頻度、および治療中止に至ったAEの頻度などが含まれた。疾患コントロールは、IGAスコア0または1を達成した患者割合で定義し、BSAの平均割合も評価(4週ごと)された。 ルキソリチニブクリームのアトピー性皮膚炎治療の有効性を調べた主な結果は以下のとおり。・1,249例が無作為化を受け、1,119例(89.6%)が8週のVC期間を完了。このうち1,072例(95.8%)がLTS期間に組み込まれた。・1,072例(ルキソリチニブクリーム群872例[0.75%群426例、1.5%群446例]、溶媒からルキソリチニブクリーム切り替え群200例)のうち、831例(77.5%)がLTS期間を完了した。ベースラインの人口統計学的特性および臨床特性は、治療群間で類似していた。・52週時点で、有害事象の報告は、0.75%ルキソリチニブクリーム群(426例)67.4%、1.5%群(446例)62.6%、溶媒→0.75%群(101例)53.5%、溶媒→1.5%群(99例)57.6%であった。・最もよくみられたAEは、上気道感染(各群10.3%、11.4%、5.9%、7.1%)、上咽頭炎(8.9%、9.9%、7.9%、14.1%)であった。・重篤なAEの報告は、0.75%ルキソリチニブクリーム群12例(2.8%)、1.5%群8例(1.8%)、溶媒→0.75%群5例(5.0%)、溶媒→1.5%群1例(1.0%)であったが、1例の奇胎妊娠を除き、ルキソリチニブクリームとは関連していないとみなされた。・適用部位反応はまれであった(各群3.8%、1.8%、1.0%、1.0%)。・LTS期間を通じて疾患コントロールは達成された。52週時点でIGAスコア0または1の患者は74.1~77.8%であり、平均BSAは低値(1.4~1.8%)であった。

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072)ピュアガールと皮膚科医【Dr.デルぽんの診察室観察日記】(ブログより転載)

第72回 ピュアガールと皮膚科医(『デルマな日常』より転載)おっはよ~☆今日も元気なデルぽんでーす!デルぽんこないだね、お母さんに連れられた高校生を診たんだけどね、とっても明るくてピュアな子だったよ☆今日はそんなピュアガールとの外来の一コマです!どうぞ〜☆同じところで何年も皮膚科をやっていると、何年かぶりに会う人や、1年ぶり、ってひとがたまに来るよー梅雨になると水虫で来るひととか。夏になると汗疹で来るひととか。冬だけ乾燥肌で来るひとなどなど。たまにだけで良いというのは皮膚が健康で良い証拠。だがしかし。来るべき必要があるのに、年一回のひとも、いるよォォ圧倒的外用不足ッ口惜しや…とくにアトピーなんかは定期的な通院がとっても大事。きちんと適切に塗れば良くなるのにな…と思いながら口を酸っぱくして1ヶ月後に来るよう言ったんだけど来月来てくれるかなー!?いいともーーーーーーーってみんなが言ってくれたらいいのにな。ハイ、本日のデル日はこれにておしまいっバイチャーお☆※この記事は、Dr.デルぽんのご厚意により『デルマな日常』から転載させていただきました。(転載元:『デルマな日常』2016年08月02日 ピュアガールと皮膚科医)

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デュピルマブ、12歳以上の好酸球性食道炎にも有効/NEJM

 好酸球性食道炎患者において、デュピルマブ週1回皮下投与は組織学的寛解率を改善するとともに、嚥下障害症状を軽減することが、オーストラリア(4施設)、カナダ(4施設)、欧州(25施設)および米国(63施設)の96施設で実施された第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験で認められた。米国・ノースカロライナ大学のEvan S. Dellon氏らが報告した。デュピルマブは、好酸球性食道炎に重要な役割を果たしているインターロイキン(IL)-4とIL-13のシグナル伝達を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体で、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎や気管支喘息、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の治療薬として承認されている。NEJM誌2022年12月22日号掲載の報告。デュピルマブ300mgを週1回または隔週皮下投与とプラセボを比較 本研究の対象は、内視鏡生検で好酸球性食道炎と診断され(高倍率1視野当たり好酸球数が15以上)、ベースライン時の嚥下障害症状質問票(DSQ)スコアが10以上(スコアの範囲:0~84、スコアが高いほど嚥下障害症状が高頻度または重度)の12歳以上の患者である。パートAとして、適格患者81例をデュピルマブ群(300mgを週1回)とプラセボ群に1対1の割合で(それぞれ42例、39例)、パートBとして240例をデュピルマブ300mgの週1回または隔週、またはプラセボ群に1対1対1の割合で無作為に割り付け(それぞれ80例、81例および79例)、24週まで皮下投与した。 その後は引き続きパートCとして、パートAを完遂した適格患者は全例52週までデュピルマブ300mgを週1回皮下投与し(パートA-C群)、パートBでプラセボ群に割り付けられた患者は、デュピルマブ300mg週1回または隔週群に1対1の割合で無作為に割り付け、パートBでデュピルマブを投与された患者は同じ用法用量で、それぞれ52週まで皮下投与を継続した。なお、パートCは現在進行中である。 パートAおよびBの主要評価項目は、24週時の組織学的寛解(高倍率1視野あたりの好酸球数が6以下と定義)を達成した患者の割合(組織学的寛解率)、およびDSQスコアのベースラインからの変化量であった。週1回皮下投与で、組織学的寛解率60%、嚥下障害症状も有意に改善 組織学的寛解率は、パートAではデュピルマブ群60%(25/42例)、プラセボ群5%(2/39例)で、デュピルマブ群が有意に高かった(補正後群間差:55ポイント、95%信頼区間[CI]:40~71、p<0.001)。パートBでは、デュピルマブ週1回群59%(47/80例)、隔週群60%(49/81例)、プラセボ群6%(5/79例)であり、デュピルマブ週1回群はプラセボ群との比較で有意差が認められたが(補正後群間差:54ポイント、95%CI:41~66、p<0.001)、デュピルマブ隔週群とプラセボ群との比較では階層的検定で有意差はなかった(56ポイント、43~69)。 ベースラインの平均(±SD)DSQスコアは、パートAで33.6±12.41、パートBで36.7±11.22であった。24週時のDSQスコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均変化量)は、パートAではデュピルマブ週1回群がプラセボ群と比較して有意に大きかった(-21.92 vs.-9.60、群間差:-12.32[95%CI:-19.11~-5.54]、p<0.001)。パートBでも、デュピルマブ週1回群がプラセボ群と比較して有意に大きかったが(-23.78 vs.-13.86、-9.92[-14.81~-5.02]、p<0.001)、デュピルマブ隔週群とプラセボ群との間に有意差は認められなかった(-14.37 vs.-13.86、-0.51[-5.42~4.41]、p=0.84)。 重篤な有害事象は、パートAまたはBにおいて9例(デュピルマブ週1回群7例、デュピルマブ隔週群1例、プラセボ群1例)、パートA-Cにおいて1例(パートAではプラセボ群、パートCではデュピルマブ週1回投与群)に発現した。

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070)皮膚科外来を通して感じる季節感【Dr.デルぽんの診察室観察日記】(ブログより転載)

第70回 皮膚科外来を通して感じる季節感(『デルマな日常』より転載)デルにちは〜☆ 今日も元気なデルぽんでーす!今日も皮膚科勤務医のさり気ない日常風景を漫画にしたよ!本日のデル日は…!『皮膚科外来で感じる四季の移り変わり』です☆どうぞ〜〜〜↓↓えー他科も多少あるかと思いますが、皮膚科はかなーり季節と天候の影響を受けます!!汗とか!乾燥とか!湿気とか!虫とか紫外線の影響を、たぶんに受けまくる皮膚という臓器。耳鼻科・眼科も花粉の季節は忙しいかな?泌尿器は年中変わらないのかな、、、精神科は春かな?ニュースでへんな事件ふえる季節、春…皮膚科はいつが忙しいかっていうとね、がぜん夏!!!!皮膚科の夏ッ!!!夏の環境って皮膚にはあんまり宜しくないんだよね。ムレたりなんだり。あと虫とか活発になるねん。蜂刺され虫刺され等々。プールが始まると水イボが流行り(と言うかこの時期になると幼稚園・保育園に言われて連れてくる親多し。出来たらすぐ取る、これ秘訣)水虫も湿気を味方に水を得た魚のように息を吹き返し。蚊に刺されては掻きむしりとびひになって病院へ来るという(爪は短く・清潔にね☆)。えー。夏場は汗をかいてじっとりするから保湿は要らないかっていうと実はそんなことはない。汗っていうのは乾燥肌には刺激になるのです。ほらしょっぱいでしょ。痒くなるでしょ。夏場こそシャワーの後にはさっぱり保湿してほしいなとデルぽんはおもいます。肌弱い子はね。夏は行水!そして保湿!これに限る。夏は紫外線も強いし夏休みレジャーで日焼けしすぎたとか。蕁麻疹が増えるのも夏。沖縄でシュノーケリング一時間したって言って両足けっこうな潰瘍作ってきたひといたよね…みんな沖縄レジャーはちゃんと日焼け止めしような。そいで気候が落ち着き秋になると少しホッとした時間が持て、冬場になると今度は乾燥で悪化した老人やアトピーが増えるという、そんな仕組みになっております。あとなんか年末年始は帯状疱疹が多い!!一年の疲れが出るのか?!とまあそんな具合に。外来やってると、四季の移り変わりを感じますよというお話でしたーん☆ではでは。まったねー!アデュー!※この記事は、Dr.デルぽんのご厚意により『デルマな日常』から転載させていただきました。(転載元:『デルマな日常』2016年06月30日 皮膚科外来を通して感じる季節感)

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中等症~重症アトピー性皮膚炎、抗OX40抗体rocatinlimabの効果/Lancet

 中等症~重症のアトピー性皮膚炎(AD)の成人患者に対し、開発中のヒト型抗OX40モノクローナル抗体rocatinlimabは、プラセボと比較して症状スコアの有意な改善を示し、投与終了後もほとんどの患者で改善が維持された。忍容性は良好であった。米国・マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のEmma Guttman-Yassky氏らが国際多施設第IIb相二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。Lancet誌オンライン版2022年12月9日号掲載の報告。4用量設定で対プラセボの有効性と安全性を評価 試験は、中等症~重症AD成人患者におけるrocatinlimabの有効性と安全性を評価することを目的とし、米国、カナダ、日本、ドイツの65の2次または3次医療センターで行われた。試験適格は、ADが確認された(American Academy of Dermatology Consensus Criteriaまたは各国診断基準による)中等症~重症の患者。重症度はEczema Area and Severity Index(EASI)スコア16超、検証済みInvestigator's Global Assessment for Atopic Dermatitisスコア3(中等症)または4(重症)で定義し、スクリーニングとベースラインにおいて皮疹が体表面積の10%以上にみられ、局所治療では効果不十分または局所治療が不適当の治療歴(1年以内)がある患者とした。 適格患者は二重盲検下で無作為に5群に割り付けられ(1対1対1対1対1)、rocatinlimabを4週ごと(150mgまたは600mg)もしくは2週ごと(300mgまたは600mg)あるいはプラセボの皮下投与を18週目まで受けた(最終投与は16週目)。被験者は18週時点で、18週間の延長試験(18~36週目)に組み込まれ実薬が投与された(rocatinlimab群に割り付けられていた被験者は同じ用量を、プラセボ群に割り付けられていた被験者は2週ごと600mgを投与)。さらに、投与中止後に20週間のフォローアップを受けた。 主要エンドポイントは、16週時点で評価したEASIスコアのベースラインからの変化率(%)。EASIスコアは延長試験期間、フォローアップ中にも評価した。評価対象は、無作為化を受け試験薬を投与され、ベースライン後(16週時点またはそれ以前で)EASIスコアが得られた全無作為化患者とした。 安全性は、無作為化を受け試験薬を投与された全患者を対象に評価(無作為に割り付けられた試験群で解析)した。16週時のEASIスコアの変化率、プラセボ群-15.0%、rocatinlimab群-61.1~-48.3% 2018年10月22日~2019年10月21日に、274例(女性114例[42%]、男性160例[58%]、平均年齢38.0歳[SD 14.5])がrocatinlimab群(217例[79%])またはプラセボ群(57例[21%])に無作為に割り付けられた。 ベースラインから16週のEASIスコアの最小二乗平均%変化は、プラセボ群(-15.0%[95%信頼区間[CI]:-28.6~-1.4])と比較して、rocatinlimab全用量群で有意に低かった。rocatinlimab各用量群の同変化率は、4週ごと150mg投与群-48.3%(-62.2~-34.0、p=0.0003)、4週ごと600mg投与群-49.7%(-64.3~-35.2、p=0.0002)、2週ごと300mg投与群-61.1%(-75.2~-47.0、p<0.0001)、2週ごと600mg投与群-57.4%(-71.3~-43.4、p<0.0001)。 二重盲検試験期間中にrocatinlimab群で最も一般的にみられた有害事象(rocatinlimab全投与群の患者の5%以上でプラゼボ群よりも一般的にみられた有害事象)は、発熱(36例[17%])、鼻咽頭炎(30例[14%])、悪寒(24例[11%])、頭痛(19例[9%])、アフタ性潰瘍(15例[7%])、悪心(13例[6%])であった。死亡例はなかった。

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068)皮膚が教えてくれること。【Dr.デルぽんの診察室観察日記】(ブログより転載)

第68回 皮膚が教えてくれること。(『デルマな日常』より転載)デルにちわー!今日はちょっと頭痛いデルぽんだよ~☆このブログは、皮膚科勤務医デルぽんの正直どうでもいい日常をたまに熱っぽく語るお気楽絵日記漫画ブログです!以後お見知りおきを~☆さてさて。本日のデル日は。なんかちょっとメロドラマ風の三文記事タイトルにしてみました~☆どうぞ~~~えー。前回ちょっぴりいじけた漫画を描いてしまいましたが。皮膚は実に色んな物事を雄弁に語ってくれます。その人の癖や趣味、職業、年齢、幼少期の既往、生活環境や体調、この1週間に何をした・何処へ行った等々…長年皮膚と向き合っていると、色んなことがわかるようになり、それが皮膚科の楽しみのひとつかなあとおもっています。まあ、もちろんわかんないことも、沢山あるけどね!!!電車のなかとかは、比較的暇なので、気がついたら皮膚観察をしていることがままあります。美容師さんというのは本当にわかりやすく。パーマ液やシャンプーでなかなか治りにくい手湿疹をお持ちの方が多いです。まあ皮膚以前に見た目でわかるだろ、というツッコミは甘んじて受けます☆あと看護師さんや介護士さんなど手をとくに使うかたはそう。※とくにオペ看さん(たぶんストレスもある)アトピーの方というのは大人になり全身が綺麗になってきても手湿疹だけが残るという人がけっこう多い。この人はどんな背景を持った人かな~と思いながら皮膚を診ると、きっと皮膚科はもっと楽しくなるは・ず・・・☆ああ!頭痛いからこの辺で!それではまた~☆★ BYE~~☆※この記事は、Dr.デルぽんのご厚意により『デルマな日常』から転載させていただきました。(転載元:『デルマな日常』2016年06月23日 皮膚が教えてくれること。)

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