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超速効 ! 糖尿病診療エクスプレス2010

第5回「インスリン① BOTの考え方」第6回「インスリン② BOTの実践」第7回「インスリン③ 外来で出来る強化療法」 第5回 「インスリン① BOTの考え方」下巻では3回にわたってインスリンを用いた新しい治療法を解説していきます。近年、インスリン治療の選択肢は飛躍的に増加しています。最近では入院よりも外来でのインスリン導入が主流になってきました。そして外来における画期的な治療戦略として、BOT(Basal supported Oral Therapy)という治療法が注目を集めています。BOT を一言で説明すると、インスリンの基礎分泌部分については一日一回の基礎インスリン注射で補い、食事時の追加分泌部分のみを経口血糖降下薬で対処するという方法です。経口血糖降下薬だけでは血糖の値が十分改善しませんが、膵臓のインスリン分泌能はまだある程度残っており、全面的にインスリン治療に移行するには時期尚早・・・そんなケースでBOT は強い威力を発揮し、「実際やってみると、すごく良く効く」と久保田先生は実感しています。その他、治療の適応などの基礎的な話から、超速効型インスリン、持効型インスリン、近年新しく登場したアイテムの紹介など、豊富な内容です。第6回 「インスリン② BOTの実践」従来、なかなか打開策が見付からなかった症例(例えば、合併症が出始めていて、SU 薬の2次無効という症例)にも、BOT(Basal supported Oral Therapy)は非常に有効な手段だと言えます。今回はBOT治療の具体的な進め方を、実際の症例を挙げて解説します。導入時の持続型インスリン「ランタス」の量はどの位にするべきなのか? その後どれ位の期間でどの位の量を増やすべきなのか? その時に経口薬はどう調整すれば良いのか?…など数々の疑問に久保田先生がきわめて具体的に答えていきます。さらにBOT で行き詰まったときの次の一手も紹介。もちろん強化療法に移行することもそのひとつなのですが、「強化療法の前にやれることがある」と久保田先生。他にランタスの効果的な応用例など、様々なお役立ち情報を紹介します。いずれも久保田先生ご自身の症例による実感のこもった解説ばかり。明日からの診療に是非お役立て下さい!第7回 「インスリン③ 外来で出来る強化療法」シリーズ最終回にふさわしく(?)、今回登場するのはかなり重症の高血糖患者の症例です。空腹時血糖は288mg/dl,HbA1c は14.9% (JDS)、夕食をたっぷり食べることが何よりも楽しみで「その分インスリンを打つから、食べたいだけ食べさせてくれ」と言って久保田先生を悩ませたそうです。そんなケースでも治療を可能にしたのが、「ヒューマログミックス50×3回打ち」。インスリンアナログの超速効型と中間型の混合製剤の登場により健常な人のインスリン動態に近い状態を作ることが出来るようになりました。実際の治療経過を交えて詳しく解説します。また、「ヒューマログミックス50×3回打ち」が行き詰まった時の対応方法についても、実際の外来での症例を紹介しながら解説していきます。「我々は現在、個々の生活習慣に応じた幅広い治療手段を持っているのです」と、外来で出来るインスリン治療の可能性について久保田先生が熱く語ります !

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Dr.須藤のやりなおし輸液塾

第3回「輸液に必要な臨床所見・検査の見方」第4回「症例で考える」 第3回「輸液に必要な臨床所見・検査の見方」今回から実戦編として、「輸液に必要な臨床所見・検査の見方」を学んでいきます。教科書にはなかなか書かれていないのに、現場では非常に重要かつ悩ましい事例について、痒いところに手が届く解説でお届けします。  細胞外液量と血管内容量の評価について、いくつかの身体所見を例にとり、体液量の異常は病歴と身体所見でかなり把握できるようになります。また、特に輸液の際に重要な尿所見についての今さら聞けない生理学的な知識のおさらいから、意外と知られていない利尿薬の投与法の基本などについて須藤流の解説で、楽しみながら学べます。第4回「症例で考える」「輸液がこんなに奥深い分野とは!」と好評を博したシリーズ最終回は実戦編の総まとめとして、臨床現場で必ず突き当たる壁と言える症例から、輸液を考えていきます。  今回取り上げる症例は、「脱水症」、「高Na血症における水欠乏」、「乏尿」、「低Na血症の三つのケース」の4つです。これらの症例において、何を、どのくらい輸液していけばいいのかを、須藤先生がこれまでの経験から導き出した輸液の考え方、具体的な方法論をベースに解説します。特に、須藤先生考案の「輸液製剤・マグネット」を貼り付けながら、ビジュアルに理解してもらう試みは要チェックです。是非、明日の診療に役立ててください !

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北米式☆プレゼンテーション上達ライブ

第1回「Presenting a Great Case」第2回「より良いOral Presentation とは!?」第3回「より良いOral Presentation とは!?」 第1回 「Presenting a Great Case」北米の臨床研修で重視される「プレゼンテーション能力」。北米式メソッドを活用し、短時間で、的確な症例プレゼンテーションを行うためのポイントや上達法を解説します。第1回は、英語でそのまま直送 ! より効果的な症例プレゼンテーションを進めるためには、どのような情報を集め、どのような順番で、どのように構成して伝えれば良いか。そこには、基本となる“フレームワーク”があるのです。デシュパンデ先生が様々な例を挙げながらプレゼンテーションの鉄則を解説していきます。この鉄則に従って日々実践すれば、あなたのプレゼンテーション能力は飛躍的に上達することでしょう。ゴールは、です。そして、より良い患者ケアへとつなげましょう !第2回 「より良いOral Presentation とは!?」「オーラルプレゼンテーションの能力は、医師としての能力を反映する」。尊敬するハワイ大学の教授が口にしたその言葉は、岸本先生にとって衝撃的だったと言います。米国臨床研修開始後に遭遇した最初の難関…それが、オーラルプレゼンテーションでした。果たして何を指針に学べばよいのか・・・?日本の卒前・卒後教育において、正式にオーラルプレゼンテーション法を教えてもらった経験がある人は少ないのではないでしょうか。第2回は、様々な文献を参考に、米国での臨床研修の経験を交えて、短時間でより効果的に成果が出るよう、現場ですぐに使える実践的な症例オーラルプレゼンテーションの上達法を伝授します !第3回 「より良いOral Presentation とは!?」身体所見/検査所見/アセスメント・プランなどをオーラルプレゼンテーションする際、だらだらと長くなってしまうことはありませんか?第3回は強調すべき点と省くべき点を、それぞれのステップで整理し、的確かつ簡潔に伝えるためのポイントを解説します。また、聴き手の心をしっかりと掴んで離さない秘訣も紹介。重要なのは“言葉”だけではありません。コミュニケーション能力を飛躍的に高めるコツは意外なところにあるのです。日本の卒前/卒後研修でもプレゼンテーション教育が浸透すると、臨床医学教育とともに患者ケアが一段と向上するでしょう。すぐに使える症例オーラルプレゼンテーション上達法を伝授します !

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一般医療機関における暴言・暴力の予防と対策

◆医療機関における安全衛生マネジメント 総論 ◆医療機関における暴言・暴力対策 総論と各論 ◆まとめ:効果的な暴言・暴力のリスクマネジメント 近年顕在化しつつある患者から医療従事者に向けられる暴言・暴力。理不尽な行為に対して場当たり的な対応しかできず、一貫した取り組みができていない医療機関は多いようです。医療従事者の安全と健康を守ることは医療機関として当然ですが、もし対策を講じていなければ、一般の患者さんからも信頼を損ないかねません。そこで、この問題の第一人者である講師らが豊富な対策事例を紹介しながら、予防・対策のあり方や進め方についてわかりやすく解説します。現場で役立つ、今日からできるアイデアが必ず見つかります !●20歳代看護師のケース50歳代男性患者。治療が順調にいかずイライラしていた。ある日、看護師に対して物を投げ、名札を引きちぎることがあった。その患者には、厳重に注意して対処した。管理者が被害にあった看護師のケアを行ったが、本人が「大丈夫」と繰り返したため、特に介入しなかった。その後、看護師は「眠れない」 「気持ちが沈む」などの症状がでた。●母親から過度な謝罪を求められケース小児科救急外来。タバコの誤飲疑いにて受診した女児(1歳)に付き添った母親。看護師が「誤飲について注意をするよう」に言ったことが、子育てに関する方針を非難したとして、母親は看護師に土下座で謝罪するように要求する。●暴言と過度な要求を求められるケース50歳代男性患者。交通事故後のリハビリ目的で受診。当初より、病院職員に対して「俺をだれだと思っているんだ」、「教育がなっていない。責任者をだせ」など暴言がひどい。次第に要求がエスカレートし、診療時間以外にもリハビリをおこなうよう要求している。医療機関での一部の患者による医療従事者を対象にした暴言暴力が課題となっている。しかしながら、医療機関として様々な予防策が自主的にできるにも関わらず、対策を全く行っていない医療機関やなんとなく対応して包括的な対応ができていない医療機関が多い。本DVDでは、わが国の医療機関ですでに行われている良好な事例や海外での先進的な取り組みを紹介することで医療機関での対策を考えるきっかけを提供するものである。リスクマネジメント委員会など暴言暴力に対応する委員会だけではなく、医師、看護師、コメディカル、事務などの教育用としても使用できる。また、医療機関では一度に集まって講演を聞くということは時間的にも難しいため、数回にわたって受講するようにできることはDVDの利点である。対策を立てる上で最も重要なことは、医療機関のトップが方針として医療機関で暴言や暴力は許さない、医療従事者を組織で守るということを明確にすることから始まる。医療機関のトップとしてどのように進めるかということが求められるようになる。ぜひ医療機関のトップである院長や理事長にもご覧いただき、対策を進めていただきたい。

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これならデキル!内科医のための精神科的対応“自由自在”

第4回「MAPSOとは?その②『不安障害』と『精神病症状』」第5回「治療編 その①『うつと診断したら・・・』」第6回「治療編 その②『自殺を防ぐには・・・』」 第4回「MAPSOとは?その②『不安障害』と『精神病症状』」MAPSOとは、患者さんの心理コンディション(M:うつ・躁エピソードチェック、A:不安5種、P:精神病症状、S:アルコール、O:器質的)の聴取方法のことです。MAPSOをマスターすることにより、まず用語と疾患概念が内科臨床の中で使えるように整理できます。そしてパターン認識により素早く疾患の存在に気づけるようにもなります。第4回では、「M」の後のAnxiety、Psychoses、Substances、Organicについて一気に解説します。内科一般診療で診る精神科疾患を理解するために必要な精神科用語解説もあります。第5回「治療編 その①『うつと診断したら・・・』」前回までのMAPSOによって、患者さんの心理コンディションを把握できるようになったところで、いよいよ治療について解説します。 うつと診断された場合の具体的な指導の仕方や非精神科医にとって最も苦手とされる精神科系の薬物治療などに関して詳細に説明します。翌日からの診療に自信を持って望めるように、パターンをしっかりアタマに入れておきましょう。 今回は、主にうつ病に対する投薬のポイントを解説。内科医にもできる心理療法を、井出先生の実体験に基づいて伝授します。第6回「治療編 その②『自殺を防ぐには・・・』」「自殺を止める責務はプライマリ・ケア医にあります」という井出先生の信念の下に、いかに自殺をブロックするか、有効な説得法を井出先生が自ら体験したリアルな教訓とともに解説します。 その他、「躁転した!」と判断するためのチェックポイントや有効な対処法、“不安の治療”において、その安直な薬剤投与でごまかさないようにするための留意点などについて触れます。特に、井出先生と模擬患者さんによる“自殺をさせないための”ロールプレイング演習は必見です。

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聖路加GENERAL 【がん検診】

第1回「どのがん検診を受けるべき?」第2回「がんを疑う症候」 第1回「どのがん検診を受けるべき?」がん検診編では、癌の検診の是非について様々な角度から検討していきます。厚生労働省の推奨項目として、胃癌検診、肺癌検診、大腸癌検診があげられていますが、その根拠となった日本のデータはランダム化比較試験に基づくものでなく、さまざまなバイアスが指摘され、信頼性が疑問視されています。一方、米国のUSPSTF は多数のランダム化比較試験に基づいたエビデンスレベルの高いデータですが、果たしてそのデータをそのまま日本で当てはめられるのでしょうか。さらに胃癌や肺癌の検査は欧米では有用性が認められず、あまり行われていません。CT で癌の診断率は向上するものの擬陽性の率がかなり高く、最終的に患者のメリットになっているのかは疑問が残るというわけです。この見識をどう捉えたらいいのか。逆に、近年増加傾向にある大腸癌の検診については、欧米において有用性に関する明確なエビデンスが認められていますが、日本では全例に内視鏡検査を行うべきとされています。大腸癌の検診で便潜血が陰性だった場合、除外して大丈夫なのか、どのようなケースで除外できないのか、最終的にどのような精査を行うべきなのかを考えていきます。X 線検査による発がんは日本が最も多いという報告(Lancet) もあり、それでもメリットがデメリットを上回っているのかを考えましょう。その他、乳癌、子宮癌、前立腺癌についても取り上げます。第2回「がんを疑う症候」癌の早期発見のために最も重要なことは日常診療で症候を見逃さないことです。たとえば、あるケースでは痔核のある患者が軟便時に出血していて、適切に出血をスクリーニングしていれば癌を発見できた可能性は高かったにも関わらず見逃したために訴訟になり、敗訴しました。またあるスタディによると、外来フォローの中から一定数の癌患者が確実に見つかっているといいます。今回は、癌の早期発見のための症候の見極め方を伝授します。まず癌が症候を起こす10 の機序、そして癌を疑う4つの主要症候と7つの準主要症候について解説します。不明熱、寝汗、腰痛…など、7つの準主要症候のなかにはすぐには癌に結びつかないものもあり、目から鱗の情報が満載です。

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聖路加GENERAL 【Dr.大曲の感染症内科】

第1回「咽頭炎」第2回「尿路感染症」 第1回「咽頭炎」「のどが痛い」と訴えてくる患者は多数いますが、その原因はさまざま。最も多いのが、急性上気道炎や伝染性単核球症などの感染症。その他に、扁桃周囲膿瘍や急性咽頭蓋炎など、頻度は低いものの緊急性の高いもの、あるいはアレルギー性鼻炎、胃・食道逆流など感染症以外の要因によるものもあります。今回は、咽頭炎をテーマに、緊急性の高い症例の鑑別法をはじめ、風邪と溶連菌の見分け方、Modified Centor Scoreによる溶連菌の判定、溶連菌感染症と伝染性単核球症の見分け方など診断のポイント、治療法について解説します。第2回「尿路感染症」65歳の女性は、発熱が5日経っても下がらず受診するが、それ以外には特に症状はありません。このように、発熱のみで他に症状がほとんどない感染症には、尿路感染、腹腔内感染、稀に循環器系の感染性心内膜炎などがあります。逆に、他に症状がない時にこそ、急性腎盂腎炎など尿路感染症を疑うことがポイント。高齢になるほど増加するのはなぜか?クランベリージュースが予防に効果がある?エストロゲンクリームは?主に急性腎盂腎炎について、その症状の特徴と鑑別法、画像診断、治療法、またリスクのある患者として妊婦が罹患した場合の診断と治療についてもお伝えします。

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心房細動の脳卒中予防について新規抗凝固薬3剤を間接比較/BMJ

 心房細動患者の脳卒中予防について、新規抗凝固薬の間接的な比較解析が、デンマーク・Aalborg UniversityのLars Hvilsted Rasmussen氏らによって行われた。検討されたのは、アピキサバンとダビガトラン(商品名:プラザキサ)またはリバーロキサバン(同:イグザレルト)との比較、リバーロキサバンとダビガトランの比較についてで、相互間の相対的な有効性と安全性について、主として2次予防に焦点を当てて解析が行われた。BMJ誌2012年11月17日号(オンライン版2012年11月5日号)掲載より。2次予防について、3剤間に有効性と大半の安全性に有意差みられず 研究グループは、2012年6月までにアップされたMedline and Centralや臨床試験レジスターなどをデータソースとして、心房細動の脳卒中予防についてリバーロキサバン、ダビガトラン、アピキサバンとワルファリンとを比較した無作為化対照試験を選んだ。 解析は、アピキサバンとダビガトラン(110mgを1日2回投与または150mgを1日2回投与の2つの投与量)の比較試験と、リバーロキサバンとダビガトラン(同2投与量)の比較試験について行い、2次予防コホートの解析を行ったのち、1次予防コホートについても同様に解析を行った。 結果、2次予防(脳卒中既往)群について、アピキサバンとダビガトラン(2投与量)との比較では、有効性および安全性のエンドポイントについて有意差が認められたのは、アピキサバンとダビガトラン150mgとの比較での心筋梗塞(ハザード比:0.39、95%信頼区間:0.16~0.95)に関してのみであった。 アピキサバンあるいはダビガトラン150mgとリバーロキサバンについて、有効性と大半の安全性のエンドポイントに有意差は認められなかった。 ダビガトラン110mgとリバーロキサバンとの比較では、ダビガトラン110mgで出血性脳卒中(ハザード比:0.15、95%信頼区間:0.03~0.66)、血管系による死亡(同:0.64、0.42~0.99)、大出血(同:0.68、0.47~0.99)、頭蓋内出血(同:0.27、0.10~0.73)が少なかった。1次予防は多少の差があるが、直接比較の無作為化試験で確認すべき 1次予防(脳卒中既往なし)群については、アピキサバンがダビガトラン110mgよりも身体障害あるいは致死的脳卒中の発生に関しては優れていた(同:0.53、0.36~0.97)。 またダビガトラン150mgとの比較では、アピキサバンのほうが脳卒中の発生が多かったが(同:1.45、1.01~2.08)、大出血(同:0.75、0.60~0.94)、消化管出血(同:0.61、0.42~0.89)、その他出血(同:0.74、0.58~0.94)は少なかった。 リバーロキサバンとの比較では、ダビガトラン110mgのほうが心筋梗塞イベントの発生が多かった。 ダビガトラン150mgとリバーロキサバンの主要有効性と安全性には有意差はみられなかった。 アピキサバンとリバーロキサバンとの有効性についても有意差はみられなかったが、アピキサバンはリバーロキサバンよりも大出血が少なかった(同:0.61、0.48~0.78)。 これら結果を踏まえて著者は、「アピキサバン、リバーロキサバン、ダビガトランの主要有効性エンドポイントは概して同程度であったが、出血性脳卒中、血管系による死亡、大出血、頭蓋内出血のエンドポイントについて、リバーロキサバンよりもダビガトラン(1日2回110mg)のほうが低かった。また1次予防については3剤間で有効性および出血に関して多少の差異が認められた」とまとめたうえで、「これらの結果は、仮説を生み出したに過ぎず、直接比較の無作為化試験で確認すべきである」と結論している。

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抗凝固療法におけるリスク評価のための計算機アプリがリリース

 心房細動患者に対して抗凝固療法を実施する際には、腎機能、出血リスク、脳卒中発症リスクなどを考慮する必要がある。 バイエル薬品株式会社は、それらを評価するための計算機アプリとして、2012年11月14日、医療従事者向けのiPadおよびiPhoneアプリ「診療計算App」の提供を開始した。 本アプリには、以下の5種類の計算機が内蔵され、オフラインでも使用が可能である。・クレアチニンクリアランス・Child-Pughスコア・HAS-BLEDスコア・CHADS2スコア・CHA2DS2-VAScスコア本アプリの詳細はこちら↓診療計算App for iPad診療計算App for iPhone

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片頭痛と脳病変進行、女性の深部白質病変を除き有意な関連みられず/JAMA

 片頭痛を有する男女のMRI所見を9年前のものと比べて比較した結果、女性では深部白質病変の発生が高率にみられたが、その他のMRIで確認されていた脳病変の進行は有意にはみられなかったことが、また男性ではあらゆるMRI既往脳病変の進行との関連がみられなかったことが報告された。オランダ・ライデン大学医療センターのInge H. Palm-Meinders氏らが、先行研究で片頭痛とMRI脳虚血病変との関連が示されていたことを踏まえて行った検討で、結果について著者は、「脳血管の構造的変化に果たす片頭痛の役割について疑問を呈する所見となった」と述べている。JAMA誌2012年11月14日号掲載報告より。片頭痛のある平均年齢57歳男女を対象にMRI所見を9年前のものと比較 研究グループは、片頭痛を有する(前兆ありなし含む)男女のMRI所見を9年前のものと比べて、新規病変発生が高率にみられるか、病変部位の進行はみられるか、また認知低下との関連を調べた。対象は、オランダで行われている住民ベースの前向き観察研究CAMERA(Cerebral Abnormalities in Migraine, an Epidemiological Risk Analysis)-1スタディの参加者で、片頭痛群[ベースライン平均年齢57歳(範囲:44~71歳)、女性69%]と、対照群(片頭痛・年齢・性で適合)について追跡した。両群被験者は全員、2000年にMRI検査を受け、2009年にも全員に脳病変の進行を確認するためのMRI検査の紹介が行われた。 2回の検査を完了したのは、片頭痛群203/295例、対照群83/140例であり、年齢、性、高血圧、糖尿病、教育レベルで補正後に両群の比較が行われた。 主要評価項目は、MRIで認められた深部脳白質病変、テント下腫瘍病変、後側循環系梗塞様病変であった。認知機能の変化も評価した。テント下腫瘍病変や後側循環系梗塞様病変の進行、認知機能の変化との関連は認められず 片頭痛群の女性145例のうち122例(77%)が、対照群は55例のうち33例(60%)が、深部脳白質病変の進行がみられた[補正後オッズ比(OR):2.1、95%信頼区間(CI):1.0~4.1、p=0.04]。 片頭痛とテント下腫瘍病変進行との有意な関連はみられなかった。片頭痛群では21例(15%)、対照群では57例中1例(2%)で進行がみられた(同:7.7、1.0~59.5、p=0.05)。 新たな後側循環系梗塞様病変の発生は、片頭痛群203例中10例(5%)、対照群は83例中0例(0%)だった(p=0.07)。 片頭痛の回数や頻度と病変進行との関連も認められなかった。 深部脳白質病変がある群での認知機能スコアの変化についても有意な差はみられなかった(片頭痛群-3.7vs. 対照群1.4、95%CI:-4.4~0.2、補正後p=0.07)。

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MMRワクチン2回接種高率地域では、耳下腺炎流行を3回目の接種でコントロール可能

 MMRワクチン2回接種率の高い地域では、耳下腺炎流行時に3回目の接種を行うことで、接種後すみやかに発生率の減少がみられ、流行のコントロールに有用である可能性が示された。米国CDCのIkechukwu U Ogbuanu氏らが、耳下腺炎流行コントロールに対するMMRワクチン3回目接種の影響を評価した初の試験結果として報告した。米国では2009~2010年に北東部の宗教コミュニティにおいて、MMRワクチン2回接種率が高率であったにもかかわらず耳下腺炎の大規模な流行が発生した。その際、同地域の学生に対し、流行のコントロール効果を目的にMMRワクチンの3回目の接種が行われた。Pediatrics誌オンライン版2012年11月5日号の掲載報告。 MMRワクチンの3回目の接種に関する試験は、3校の6~12学年の学生に対して行われた。 ベースライン評価とフォローアップ評価、および医師の症例報告によって、耳下腺炎罹患率(接種前後3週間の期間について算出)をモニタリングした。 主な結果は以下のとおり。・試験適格であった学生2,265例のうち、2,178例(96.2%)に対し追加接種に関する文書を提供した。接種を選択した学生は高率(1,755例、80.6%)であった。・6~12学年全体の耳下腺炎罹患率は、ワクチン接種前は4.93%であったが、接種後は0.13%に低下した(p<0.001)。・コミュニティ全体の罹患率は、介入後75.6%まで低下した。・罹患率の低下は全年齢群でみられたが、ワクチン接種を行った11~17歳群での低下は、その他のどの年齢群よりも有意に大きかった(96.0%)。・有害事象発生の報告は、MMRワクチン接種1回目または2回目の既存報告の範囲内、もしくはより低率であった。

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毎日のマルチビタミン剤服用、がんリスク抑制効果はわずか/JAMA

 毎日のマルチビタミン剤服用の効果は、総合的にみたがんリスク抑制については、わずかであるが有意であることが示された。しかし個別にみると有意差はなく、またがん死亡の抑制も有意差は示されなかった。ブリガム&ウィメンズ病院・ハーバードメディカルスクールのJ. Michael Gaziano氏らが、米国男性(医師コホート)を10年間追跡した無作為化試験「Physicians' Health Study II」の結果、報告した。マルチビタミン剤は最も一般的な栄養補助食品で米国では成人の3人に1人が服用しているという。しかしこれまで、マルチビタミン剤摂取と、総合的あるいは特異的がんの発生率および死亡率との関連を検討した観察研究は行われていなかった。JAMA誌2012年11月14日号掲載報告より。50歳以上男性医師1万4,641例を追跡し、前立腺がん、大腸がんなどとの関連を調査 試験は、マルチビタミンサプリメントの長期服用が男性における総合的あるいは特異的ながんイベントリスクを減少するのかを比較検討した無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、1997年に開始され、2011年7月1日まで追跡した。 登録被験者は米国医師1万4,641例(無作為化時点でがん既往歴のあった1,312例含む)で、試験開始時50歳以上(平均年齢64.3歳、SD 9.2)であった。 主要アウトカムは、すべてのがん(非黒色腫皮膚がんは除く)で、副次アウトカムには前立腺がん、大腸がん、他の部位特異的ながんなどが含まれた。ベースラインでのがん病歴有無でも検討、病歴ありの人では有意に抑制 追跡期間中央値11.2年(範囲:10.7~13.3)の間に、2,669例のがん発生が確認された(前立腺がん1,373例、大腸がん210例含む)。 総合的がんリスクは、毎日のマルチビタミン服用群のほうがプラセボ群と比較して統計的に有意に抑制された[1,000人・年当たりマルチビタミン群17.0 vs. プラセボ群18.3、ハザード比(HR):0.92(95%信頼区間:0.86~0.998)、p=0.04]。  しかし、特異的がんリスク抑制については、いずれも有意な差はみられなかった。前立腺がん(同9.1 vs. 9.2、0.98、0.88~1.09、p=0.76)、大腸がん(同:1.2 vs. 1.4、0.89、0.68~1.17、p=0.39)、その他、肺がん(p=0.26)、血液がん(p=0.10)、膵臓がん(p=0.45)、リンパ腫(p=0.40)、白血病(p=0.33)、黒色腫(p=0.42)であった。 また、がん死亡リスクについても有意な差はみられなかった(同:4.9 vs. 5.6、0.88、0.77~1.01、p=0.07)。 ベースラインでがん病歴のあった1,312例の検討では、マルチビタミン服用群のほうが総合的がんリスクは有意に抑制されたが(HR:0.73、0.56~0.96、p=0.02)、がん病歴のなかった1万3,329例の検討では有意ではなかった(同:0.94、0.87~1.02、p=0.15、相互作用p=0.07)。

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患者負担は本当に減るのか? 高額療養費制度見直しの真相

東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門特任研究員 児玉 有子2012年11月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。11月15日の日経新聞に「高額療養費に年間上限-自己負担減最大60万円 厚労省検討」という記事が掲載されました。私は、2009年から高額療養費制度について研究を続けています。我々の研究結果は様々な方々に注目して頂き、この4月から高額療養費制度の支払いのしくみが変わるのに、少しは貢献できたと感じています。新しい仕組みとなり7ヶ月。今回の新聞報道では、さらに問題解決が進むのかと、期待していました。ところが、日経の新聞報道を知って驚きました。【低所得世帯への配慮】最も驚いたのは、今回、年間上限として示された負担額が、従来の額と殆ど変わらなかったことでした。2010年10月27日、厚労省が社保審医療保険部会に示した試算では、高所得世帯(800万以上)から多く徴収し、300万円以下の世帯では最初の3回は現行の約半額の44,400円、4回目からは35,400円をとることに「改善」しようとしていました。ところが、11月15日の同部会で示された案は、300万円以下の世帯では44, 400?12月。これでは、現制度下と変わりません。日経の記事では、低所得世帯に配慮したことになっていますが、2010年に示された案より負担が増えているのが実情です。なぜ、日経は、このような記事を書いたのでしょうか。【突然減った公費負担】問題は、これだけではありません。従来の主張とは全く違う部分があります。それは、「新規制度を導入した場合、公費負担が20億増える(2012年11月15日日経新聞)」という記載です。厚労省はこれまで、高額療養費制度の見直し案を3年連続で出しています。しかしながら、大きな財政負担が必要になることを理由に、見直しは見送られてきました。その規模は、2010年は2600億(うち公費900億)、2011年(公費)1300億円でした。納得せざるを得ない金額です。ところが、今回の報道では、その金額は20億となっています。多くの患者の年間自己負担額はほぼ横ばい、高額所得者のみ年間60万円減る仕組みなのに、なんでこんなことになるのでしょうか。どのように計算したか、是非、情報を開示して頂きたいと思います。【次政権への期待:疾患ごとの対立を生まない解決策を】この秋、日本ではうれしいニュースがありました。iPSを研究している京大山中伸弥・京大教授のノーベル賞受賞です。臨床研究が進めば、新しい治療が生まれるかもしれません。研究が進み、新しい薬ができても安心してその治療を受けることができることは、誰もが望むことです。先日、MRICに岩田健太郎・神戸大学教授が「HIV感染症を難病指定に」( http://medg.jp/mt/2012/11/vol655hiv.html#more )という論文を寄稿されました。HIV感染者へのサポートには異存はありません。ただ、厚労省が難病に指定するという、これまでと同様の対応でいいのでしょうか。それは、疾患ごとに区切ることで、制度の狭間に苦しむ患者が生まれるからです。新しい疾患概念や新薬が登場するたびに問題が顕在化します。疾患や治療で区切らない医療費助成の方法について冷静な幅広い国民的議論が必要です。ここで重要なのが「高額療養費問題の解決」なのです。この問題、今回の選挙では医療はどう扱われて行くのでしょうか。どのような疾患であっても、よりよい薬を安心してつかえる制度への変更、長期的に高額な負担が必要になる患者への配慮を新政権に期待します。

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メタボ予防にコーヒーが有効か?―本邦での報告―

 日本人において、コーヒーの消費量は、NCEP ATP III基準でメタボリックシンドロームと診断された場合の有病率と負の相関関係があることが、徳島大学大学院 高見栄喜氏らの研究で示された。Journal of Epidemiology誌オンライン版2012年10月6日付の報告。 本研究は、日本多施設共同コホート研究(J-MICC STUDY)のベースライン調査に参加した554人を対象とした横断研究。コーヒー・緑茶の消費量は、アンケートを用いて評価された。メタボリックシンドロームは、National Cholesterol Education Program Adult treatment Panel III(NCEP ATP III)、または日本におけるメタボリックシンドロームの診断基準に基づいて診断された。コーヒー・緑茶の消費量とメタボリックシンドローム有病率との関連はロジスティック回帰分析を用いて評価された。 主な結果は以下のとおり。・NCEP ATP IIIの診断基準に基づいた場合、性別、年齢、その他の潜在的な交絡因子にて調整後、コーヒーの消費量が多いほど、メタボリックシンドローム有病率の有意な減少を認めた(傾向性p =0.03)。・コーヒーをより多く飲んだ参加者ほど、高トリグリセリド値に対し、有意に低いオッズ比を認めたが(傾向性p =0.02)、血圧上昇またはウエスト周囲径増加については当てはまらなかった。・日本におけるメタボリックシンドロームの診断基準に基づいた場合、適度なコーヒー消費量(1日1.5~3杯以下)は、高血漿グルコース濃度値に対し、有意な低いオッズ比を認めた(OR 0.51、95%CI :0.28~0.93)。・緑茶消費量は、メタボリックシンドロームあるいはその要素のいずれの有病率とも関連を認めなかった。

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精製された炭水化物の大量摂取により前立腺がんリスクが増加

 食事における炭水化物の摂取は前立腺がんに関係している。今回、信頼性の高いデータを用いたスウェーデンの大規模研究から、精製された炭水化物の大量摂取が前立腺がんのリスク増加と関連することが示唆された。一方、高リスク前立腺がんとの有意な関連は認められず、精製された炭水化物を多く含む食品がすべて、前立腺がんと関連しているわけではなかった。Isabel Drake氏らがThe American journal of clinical nutrition誌オンライン版2012年11月7日号に報告。 著者らは、Malmo Diet and Cancer cohortにおいて、食事における炭水化物と食物繊維、およびそれらを含む食品の摂取量と前立腺のリスクとの関連について、全体および重症度別に検討した。 解析対象は、がん・心血管疾患・糖尿病の既往がなく、カロリー報告者として適切な45~73歳の男性8,128人。フォローアップ期間(中央値:15年間)の後、817人が前立腺がんと診断された。Cox比例ハザード回帰を用いて、カロリー調整された栄養素や食品の摂取量と前立腺がんの発症リスクとの関係を検討した。 主な結果は以下のとおり。・年齢、その他の既知のリスクまたは可能性のあるリスク因子の調整後、総炭水化物や食物繊維と前立腺がんとの間に関連性は認められなかった。・繊維の少ないシリアルの摂取量と前立腺がん全体および低リスクの前立腺がんとの間に、正の相関が認められた。また、ケーキ・ビスケット・米・パスタの摂取量と低リスクの前立腺がんとの間にも、正の相関が認められた(すべて傾向性のp

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進行性乳がん患者に対するTDM-1、無増悪生存期間、全生存期間を有意に延長/NEJM

 トラスツズマブエムタンシン(TDM-1)は、HER2陽性進行性乳がん患者[トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)とタキサン系薬剤による治療歴のある]に対して、ラパチニブ+カペシタビン療法と比較して無増悪生存期間、全生存期間を有意に延長することが示された。毒性も低かった。TDM-1は、抗体医薬品トラスツズマブと化学療法薬のDM1が安定したリンカーにより結合した抗体薬物複合体である。カナダ・Sunnybrook Odette Cancer CentreのSunil Verma氏らEMILIA試験グループによるTDM-1の有効性と安全性を検討した第3相無作為化試験の結果は、NEJM誌2012年11月8日号(オンライン版2012年10月1日号)で発表された。TDM-1群とラパチニブ+カペシタビン群に割り付け有効性と安全性を評価 EMILIA試験は2009年2月~2011年10月に、26ヵ国213施設から被験者を登録し行われた国際多施設共同無作為化オープンラベル試験。トラスツズマブとタキサン系薬剤による治療歴のあるHER2陽性進行性乳がん患者991例を対象とし、TDM-1群とラパチニブ+カペシタビン群に無作為に割り付け追跡した。 主要エンドポイントは、独立審査委員会が評価した無増悪生存期間、全生存期間、安全性とした。副次エンドポイントは、試験担当医が評価した無増悪生存期間、客観的な奏効率、症状増悪までの期間などだった。全生存期間中の中間解析は2回行った。TDM-1群の増悪・全死因死亡ハザード比は0.65 結果、主要エンドポイントの無増悪生存期間中央値は、TDM-1群9.6ヵ月に対し、ラパチニブ+カペシタビン群は6.4ヵ月で、TDM-1群の増悪・全死因死亡ハザード比は0.65だった[95%信頼区間(CI):0.55~0.77、p<0.001]。 全生存期間中央値(2回目中間解析時点)は有効性の中止基準を超えるものだった(30.9ヵ月vs. 25.1ヵ月、全死因死亡ハザード比:0.68、95%CI:0.55~0.85、p<0.001)。 客観的奏効率はTDM-1群のほうが有意に高く(43.6%vs. 30.8%、p<0.001)、試験担当医が評価した無増悪生存期間(p<0.001)、症状増悪までの期間(12.6ヵ月vs. 6.5ヵ月)などその他の副次エンドポイントもすべてTDM-1群のほうが良好だった。 安全性については、グレード3または4の有害事象発生率はラパチニブ+カペシタビン群のほうが高かった(57%vs. 41%)。TDM-1群の発生が高率だったのは、血小板減少症、血清アミノトランスフェラーゼ値上昇で、下痢、悪心、嘔吐、手掌・足底発赤知覚不全発生率はラパチニブ+カペシタビン群で高率だった。

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全心血管疾患生涯リスクは、あらゆる人で>30%と高い/JAMA

 全心血管疾患生涯リスクは、あらゆる人で高い(>30%)ことが、米国・ノースウエスタン大学ファインバーグ医学校のJohn T. Wilkins氏らによるプール生存解析の結果、明らかにされた。これまで、そうした疾患負担の可能性は示唆されていたが、解析報告はなかった。今回示された生涯リスクには、中高年のリスク因子を有する人も含まれるのだが、著者らによる解析で、それらリスクを有する人々でもメンテナンスでリスクを至適に維持すれば、かなり長期にわたって非疾患生存を達成していたことも明らかにされた。JAMA誌2012年11月7日号掲載より。45、55、65、75歳時点でのすべての心血管疾患の生涯リスクを推定 心血管疾患の生涯リスク推定は、医師と患者間のリスクをめぐるコミュニケーションを助ける役割を担う可能性がある。研究グループは、全心血管疾患の生涯リスクを年齢指標(45、55、65、75歳)、リスク因子ごとに算出し、また全リスク因子にわたる非心血管疾患生存の推定を行った。 1964~2008年の間にNHLBIが資金提供して行われた5つの住民ベース試験コホート(Framingham Heart Study、Framingham Offspring Study、Atherosclerosis Risk in Communities Study、Chicago Heart Association Detection Project in Industry Study、Cardiovascular Health Study)の計90万5,115人・年のデータをプール生存解析し検討した。被験者は全員ベースラインでは非心血管疾患であったがリスク因子に関するデータ[血圧(BP)値、総コレステロール(TC)値、2型糖尿病、喫煙状況]と総心血管疾患アウトカムのデータは有していた。 主要評価項目は、あらゆるすべての心血管疾患イベント(致死的・非致死的冠動脈疾患、全発症型の脳卒中、うっ血性心不全、その他心血管疾患死)だった。リスク因子至適でも55歳時の心血管疾患生涯リスクは男性40%、女性30% 年齢指標45歳時における、すべての総心血管疾患生涯リスクは、男性60.3%(95%信頼区間:59.3~61.2)、女性55.6%(同:54.5~56.7)であった。 男性は女性よりも、すべての年齢指標において生涯リスクが高値であった。 55歳時、65歳時では、男女とも95歳までの生涯リスクについて、「1つ以上リスク因子上昇がある(BP:140~149/90~99mmHg、TC:200~239mg/dL、糖尿病と喫煙はなし)」「1つの重大リスク因子(BP:≧160/100mmHgまたは治療中、TC:≧240mg/dLまたは治療中、糖尿病、喫煙)がある」「2つ以上の重大リスク因子がある」がいずれも50%を超えていた。 リスク因子が至適値であっても(BP:<120/80mg、TC:<180mg/dL、非喫煙、非糖尿病)、55歳時の生涯リスク(85歳までの)は、男性40%、女性30%であった。 2つ以上の重大リスク因子を有する人との比較で、リスク因子が至適値であった人は、14年長く無心血管疾患で生存すると推定された。

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インフルエンザの乳児、細菌性髄膜炎と菌血症のリスクは非常に低い

 乳児のインフルエンザ罹患症状は重篤な細菌感染症と似通っており、腰椎穿刺のような侵襲的検査が行われる。しかし、インフルエンザが細菌性髄膜炎を併発するとのエビデンスは限られており、それでも腰椎穿刺が行われるのは、実施が考慮される時点でインフルエンザの診断が確立されていない場合がほとんどであるからとされる。オーストラリア・国立ワクチン予防接種疾患研究・サーベイセンターのGulam Khandaker氏らは、腰椎穿刺の実施およびその必要性を考慮するにあたって、インフルエンザを有した小児と、その他の呼吸器感染症を有した小児とを比較する後ろ向き研究を行った。 研究グループは、オーストラリア シドニーのウェストミード小児病院で、冬季1シーズン中に検査確認されたインフルエンザまたはその他の呼吸器ウイルス感染症(ORVIs、RSウイルスは除外)を有したすべての小児について、後ろ向きカルテレビューを行った。 侵襲的検査(主として腰椎穿刺、血液培養も対象とする)の実施例をインフルエンザ群と非インフルエンザ群で比較し、その必要性を検討した。 また、細菌性髄膜炎または菌血症の同時罹患率も調べた。 主な結果は以下のとおり。・対象患児294例中、51%が検査確認されたインフルエンザ患児であり、49%がORVIs(パラインフルエンザウイルス34%、アデノウイルス15%)患児であった。・インフルエンザ群のうち、18%が腰椎穿刺を、71%が血液培養を受けていた。一方、ORVIs群はそれぞれ6.3%、55.5%であった(いずれもp<0.01)。・インフルエンザ群のほうがORVIs群よりも、入院中に腰椎穿刺を受けている傾向が認められた。ORVIsと比較するとインフルエンザのケースでは、入院時に腰椎穿刺を行う可能性は3倍以上に上った。・多変量解析の結果、インフルエンザの診断は、腰椎穿刺(p=0.02)、血液培養(p=0.05)を実施に関してそれぞれ強力な因子であった。・インフルエンザを有した患児で、菌血症を伴ったのは1例(0.9%)であった。髄膜炎を有した患児はいなかった。・インフルエンザが入院時にベッドサイド検査で確認されている場合は、臨床医は安心感から腰椎穿刺を行わない傾向がある。一方で、もし髄膜炎が臨床的に疑われるようであれば、それに応じた対応をしなければならない。・しかし、インフルエンザやORVIsで入院した小児では、細菌性髄膜炎と菌血症のリスクは非常に低いことが認められた。本知見について、大規模な試験設定でのシステマティックレビューを行う必要がある。

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医療のメイドインジャパンへの展望を探る/GEヘルスケア・ジャパン

10月23日(火)GEヘルスケア・ジャパン株式会社が主催する同社の創立30周年記念シンポジウム「医療のメイドインジャパンへの展望を探る」が、東京国際フォーラム(東京・千代田区)において開催された。はじめに創立30周年に寄せて同社アメリカ本社のプレジデント/CEOであるJohn Dineen氏が「日本は高齢化(シルバー)社会をゴールドな社会に変えるよい機会であり、弊社はこれからも日本の高齢者の健康維持や介護、在宅での医療などに幅広く貢献していきたい。日本の市場は、約1.5兆円の経営規模でチームワークや協調性ではどこよりも飛びぬけてよく、グループ内で範となっている。これから高齢化を迎える国々への模範としての役割に期待する」と開会の挨拶を行った。基調講演(1) 青森から世界へ基調講演(1)として三村申吾氏(青森県知事)が、「青森から世界へ~次世代のヘルスケア地域モデルをめざして~」と題し、青森県が抱える少子高齢化の中での慢性的な医師不足や地域による医療格差の現状を伝えるとともに、これからの医療・福祉政策の実現のために掲げられている「青森ライフイノベーション戦略」について詳細を説明した。この戦略は、青森県の強みである産業を活かしつつ、医療と福祉にその効果を及ぼそうというもの。すでに多くの企業との産業連携を行い、県独自の健康製品開発なども行っている。今後は、県内の地域特性に合わせた振興を行い、成果を世界に向けて発信していきたいと抱負を述べた。基調講演(2) 医療イノベーションをどう進めるべきか基調講演(2)として加藤益弘氏(アストラゼネカ株式会社 代表取締役会長)が、「医療イノベーションをどう進めるべきか:医学の進歩を医療の現場へ」をテーマに、創薬の現状やわが国における産学協同開発の取り組みなどを述べた。最初に医薬品の社会貢献の具体例としてアメリカでの事例を紹介し、「健康投資とその効果」として糖尿病薬1ドルの投資で約3.77ドルの健康効果が得られたことなどを説明、続いてまだ実現できていない医薬品ニーズとしてNTDs(顧みられない熱帯病)、NCDs(非感染性疾患)、Rare disease(希少疾患)の3つがあり、今後これら疾病に対する創薬・供給を行っていくことは、企業責任としても大切なことであると展望を語った。次に、現代は創薬スピードが進化している一方で、新薬の承認では苦戦していること、研究開発費が高騰していることなど、旧来のビジネスモデルの限界が語られた。そのうえで新しい創薬研究の方法論の見直しが図られているとし、研究・開発では、産学協同モデルを視野に日本型のモデルの作成、モデルのツールや施策の開発、開発の司令塔の確立と国家予算の再配分が重要な要素となると、これからの期待を述べた。パネルディスカッション 医療が患者さんに近づく「医療が患者さんに近づく~プライマリ・ケアへの期待と展望~」をテーマに5名のパネリストを迎え、パネルディスカッションを行った。■参加パネリスト(50音順・敬称略)草場鉄周氏(北海道家庭医療学センター理事長/日本プライマリ・ケア連合学会副理事長)阪本雄一郎氏(佐賀大学付属病院 救急医学講座 教授・救命救急センター長)徳田安春氏(筑波大学附属病院 水戸地域医療教育センター教授)林 恭弘氏(祐ホームクリニック院長) 平方 眞氏(愛和病院副院長)■ファシリテーター川上 潤氏(GEヘルスケア・ジャパン株式会社 代表取締役社長兼CEO)はじめにファシリテーターの川上氏より次の質問が投げかけられ、パネルディスカッションは始まった。―― プライマリ・ケアの重要性を含め、今後医療の現場はどう変わっていくでしょう? 草場氏 15年プライマリ・ケア医をしてきたが、医療側が昔と大きく変わった。プライマリ・ケアという領域への認識ができてきたと思う。また、病院の医療から家庭の医療へとプライマリ・ケアに光が当たりつつある。よりプライマリ・ケアが発展するために3つの課題があり、(1) プライマリ・ケアの診療能力の幅と質の維持の問題、(2) 個別ケアへの対応、(3) 地域を基盤にしたプライマリ・ケアに対応する必要 があると感じている。阪本氏 千葉から佐賀に帰り感じたことは、地方の医療は熱意のある医師だけで支えられているということ。人材の新陳代謝が、地方では起きないのが問題であり、今後地方毎でどういう医療をしていくか考えなくてはならない。同時に研修医への教育も大切で、研修医には「きちんと診断ができる医師になってくれ」と指導している。徳田氏 医学教育も卒前と卒後の両方で、イノベーションが必要だと思う。これからの医師は、打ってよし、守ってよしの守備範囲の広いイチロー型選手のようなプライマリ・ケア医を養成する必要がある。こうした医師がこれからの超高齢社会の医療を支える担い手となる。具体的には卒前教育ならば、「座学からベッドサイドへ、系統講義から臨床実習中心へ」と移る必要がある。私が所属している病院では、医学生にも研修参加型実習を行っていて、救急応答から参加をさせている。――この超高齢社会の中で、将来在宅での看取りが増えると予想されています。在宅や終末期医療の実際についてご紹介ください。林氏 過去300名の在宅患者を診療(9割が高齢者)してきた。現在年間で125万人が死亡しているが、2020年には250万人に上ると言われている。(寿命が延びているため)患者が増えているのに、医師の数が追いつかない。しかも寝たきりの患者も多く、今後高齢者の胃ろうや終末期の診療などの議論が必要となる。また、在宅診療をされている医師の多くは50歳以上で、今後中心となる医師の年齢や以前のように個人連携ではまわらない状況をいかに改善するのかが問題となる。ICT(情報通信技術)を活用して在宅医療を充実させる取り組みや20年後在宅医療ができる医師の養成が不可欠。――緩和ケアの視点からではどうでしょうか?平方氏 私は20年間で2,000人の方の看取りをしてきた。病院のベッド数が増えない環境で、どこで看取るか、その看取りに必要な医師の養成はどうするかは課題となる。まず、一般生活の中に「死」のコンセプトを取り戻すことが大事。医療は万全ではないことを認知してもらう必要がある。そして、老衰で寝たきりの患者への対応の仕組みづくりとスポットでも頼める緩和ケアチームの創設や、このチームと地域とのネットワーク構築などが急務だと思う。――プライマリ・ケア医や現在の診療科に進まれたきっかけや動機はなんですか?草場氏 「診療の広さ」に惹かれてプライマリ・ケア医になった。目指しても研修する科がなくて困った。全国を回ったが、その時に家庭医療を知り、患者を全人的に診る医療ということで選択し、北海道家庭医療学センターで研修を受けた。阪本氏 私は外科医がスタートで、千葉の病院で外傷の研修に行った。研修をしているうちに他の科との連携で診療が面白かった。幅広く関われるということで救急に興味をもって選択した。――プライマリ・ケア医に必要な技術とはなんですか?徳田氏 沖縄には離島勤務があるので自然とプライマリ・ケア医にならざるを得ないし、プライマリ・ケア医が尊敬されるカルチャーがある。プライマリ・ケア医は、救急でも役割を発揮するので、医学教育でレールを作る必要がある。将来は、プライマリ・ケア医の認定まで発展させたい。――ハードウェアからみた在宅診療を教えてください。林氏 300人分の患者カルテが、電子カルテとタブレット型コンピュータ等のICTを活用して見ることができるのが魅力。緊急対応もICTでできるのが、紙ではできないメリットだと思う。これは在宅診療では、求められるハードウェア。――在宅での看取りに関連して日本モデルの死生観を教えてください平方氏 日本人は、はっきりした宗教観がないわりに、自分の死生観を持っている人が多い。その理由は不明だが、看取りをしていて思うことは「上手に生き切る」、「何かを次の世代に残す」ことを成している人が多いように思う。こうした事柄を私はすべて記録として残しているので、これを看取りの医療関係者と共有し、日本に「看取りの文化」ができないかと考えている。続いて、会場との質疑応答が行われ、医学生や医師からの質問に対し、各パネリストが回答した。その後、川上氏よりパネリストへの謝辞があり、約1時間にわたるパネルディスカッションが終了した。■GEヘルスケア・ジャパン株式会社(http://japan.gehealthcare.com/)

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