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第28回 生菌製剤は本当に抗菌薬関連下痢症に効果があるのか【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 抗菌薬(antibiotics)と生菌製剤(probiotics)の併用は日常的に見掛ける定番処方だと思います。双方の英語の語源からも対になっているイメージがあります。抗菌薬は腸内細菌叢を障害し、Clostridium difficile(以下、CD)感染症を含む抗菌薬関連下痢症を引き起こすことがありますので、生菌製剤によって腸内細菌叢のバランスを改善し、下痢症を予防することを期待した処方です。健康成人ではとくに併用しなくても問題ないことが多いですが、安価ですのでよく用いられています。今回は、抗菌薬とよく併用される生菌製剤の効果について紹介します。まず代表的な生菌製剤として、耐性乳酸菌製剤(商品名:ビオフェルミンR、ラックビーR)があります。「耐性」とあるように、商品名の「R」はresistanceの頭文字で、普通錠にはない抗菌薬への耐性が付加されています。これらはとにかく多用されていますので、適応のないニューキノロン系やペネム系などとの誤併用に対して疑義照会をした経験がある方は多いのではないかと思います。そのような場合、代替薬として何を提案すべきか迷いますよね。「R」の製剤ではなく普通錠を提案しがちですが、普通錠で抗菌薬投与時の下痢を予防できるのでしょうか?この疑問に関するエビデンスとして、PLACIDEという多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験を紹介します。生菌製剤の抗菌薬関連下痢症の予防効果を検証した、それまでになかった大規模な試験です1)。対象は1剤以上の抗菌薬を投与された65歳以上の入院患者2,941例(99.9%が白人)です。対象患者は、乳酸菌2株とビフィズス菌2株を含む生菌製剤(総菌数6×1010)群またはプラセボ群に1:1で無作為に割り付けられ、1日1回21日間服用しました。主要評価項目は、8週以内の抗菌薬関連下痢症または12週以内のCD関連下痢症でした。8週以内の抗菌薬関連下痢症の発現率は、生菌製剤群10.8%(159例)、プラセボ群10.4%(153例)であり、有意差はありませんでした(RR:1.04、95%信頼区間[CI]:0.84~1.28、p=0.71)。また、CD関連下痢症の発現率はそれぞれ0.8%(12例)、1.2%(17例)であり、こちらも有意差はありませんでした(RR:0.71、95%CI:0.34~1.47、p=0.35)。抗菌薬の内訳はペニシリン72%、セファロスポリン24%、カルバペネムまたは他のβラクタム2%、クリンダマイシン1%、キノロン13%でした。ただし、検出力を考慮すると、本当は有意差があるのに有意差なしとなるβエラーが生じている可能性があり、実際には生菌製剤の効果があるのに無効と判断されているケースも除外できないので、乳酸菌とビフィズス菌には抗菌薬関連下痢症の予防効果がないと判断するのは注意が必要かもしれません。酪酸菌には抗菌薬関連下痢症を減少させるエビデンスありでは、他の菌株ではどうなのでしょうか? 酪酸菌(宮入菌)製剤(商品名:ミヤBM)を用いた研究がありますので紹介します。上気道感染症または胃腸炎の小児110例を、(1)抗菌薬のみ服用する群27例、(2)抗菌薬治療の中間時点から酪酸菌製剤を併用する群38例、(3)抗菌薬治療の開始と同時に酪酸菌製剤を併用する群45例の3グループに分けて腸内細菌叢の変化を調査しています2)。抗菌薬のみを服用した群では下痢が59%で観察され、総糞便嫌気性菌とくにビフィズス菌が減少していました。一方で、抗菌薬治療の中間時点または開始時から酪酸菌製剤を併用した群では、酪酸菌製剤が嫌気性菌を増加させるとともにビフィズス菌の減少を防ぎ、下痢の発現率はそれぞれ5%および9%に減少しました。本剤は酪酸菌の芽胞製剤で、胃酸によって死滅せず、腸で発芽して効果を発揮するため効果が期待できるというのは製剤特性からも説明できます。酪酸菌に加えて、糖化菌とラクトミンを配合した酪酸菌配合剤(商品名:ビオスリー配合錠)も同様に有効であるものと推察されます。薬局にいたときは、これらの生菌製剤を併用処方される患者さんもよく見掛けました。もしこれらの生菌製剤が無効の場合は、ラクトミン+ガゼイ菌で抗菌薬関連下痢症およびCD関連下痢症の頻度が減ることを示唆した研究も参考になります3)。抗菌薬関連下痢症は頻度が高く、治療継続への影響も大きいので、より適切な生菌製剤を提案できるようにしておくとよいかと思います。1)Allen SJ, et al. Lancet. 2013;382:1249-1257.2)Seki H, et al. Pediatr Int. 2003;45:86-90.3)Gao XW, et al. Am J Gastroenterol. 2010;105:1636-1641.

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第22回 患者・市民参画(PPI)の動きが高まっています【患者コミュニケーション塾】

要望が増えてきた「医療を受ける立場の者」の意見ここ数年、医療を取り巻くさまざまな分野で「患者・市民参画」が求められるようになってきました。COMLにも、1990年代後半から、事務所の拠点を置いている大阪府や神戸市などの行政から、医療に関するさまざまな委員会に委員として参加してほしいという要請が入るようになり、次第に、病院の外部評価委員会や厚生労働省や文部科学省といった国の審議会・検討会などからの依頼へと拡がっていきました。都道府県で6年ごと(2017年までは5年ごと)に作成されている医療計画には、06年から、「医療を受ける立場の者」が作成メンバーに加わることが求められています。さらに、大学や病院などで実施されている治験や臨床研究の倫理審査委員会でも、一般の人が外部委員として参加していますが、単なる構成要件ではなく、一般外部委員が出席していない倫理審査委員会は開催を認めないという「開催要件」になっています。相次ぐ医療事故により、2015年3月に東京女子医科大学病院と群馬大学病院で特定機能病院の承認が取り消され、それを機に、特定機能病院の医療安全に関する承認要件が見直されました。その結果、17年から特定機能病院では医療安全に関する監査委員会の設置が求められています。監査委員会は、外部委員が半数以上を占めていなければならず、そのなかに「医療を受ける立場の者」の必要性が明記されています。最近では、学会が作成している診療ガイドラインでも、作成段階から一般の人の意見を採り入れることが推奨されています。ガイドライン作成に関わっている医師の方であれば、そのような話もご存じなのではないでしょうか。イギリスのPPIという概念を導入して2015年に設立したAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)でも、17年から患者・市民参画の取り組みを進めようとしています。AMEDは内閣総理大臣、厚生労働大臣、文部科学大臣、経済産業大臣が主務大臣を務め、医療における基礎から実用化に至るまでの研究開発が切れ目なく実施されるように、大学や研究機関などを支援しています。つまり、研究開発のための環境整備に取り組んでいる機関です。私もアドバイザリーボードの委員としてAMEDに関わってきました。そのAMEDで、医療における研究開発を推進するうえで、患者・市民参画は必須の概念として、2017年に「臨床研究等における患者・市民参画に関する動向調査」委員会を立ちあげ、調査や話し合いを重ね、19年に『患者・市民参画(PPI)ガイドブック』という研究者向けの冊子を作成しました。私も委員の一人ですが、患者・市民参画の必要性をまずは研究者が理解することが必要ということで作成されたものです。PPIというのは、Patient and Public Involvementの頭文字を取ったもので、「患者・市民参画」と訳されています。各国に先駆けてイギリスで採り入れられてきた政策で、医学研究や臨床試験だけでなく、医療政策全般において、その意思決定の場に患者・市民の関与を求めています。医学部の入学試験の合否判定に、患者・市民が参画している大学もあると聞きます。欧米では患者・市民参画が早くから進められていて、カナダや米国ではPE(Patient Engagement)と呼ぶこともあるようです。ちなみに、日本の製薬業界では、患者中心ということでPatient Centricityという用語がよく使われています。的確に意見を述べる人を養成、バンク化患者・市民参画というと、現在の医療界では、治験や臨床研究への参画と受け止められがちです。しかしCOMLでは、これまでの経験から、イギリスと同様に広く医療における諸問題や政策に患者・市民として参画することと捉えて活動してきました。1992年から活動している模擬患者も、学生や医療者のコミュニケーション能力向上や医療面接試験に参画しているPPIの一つです。医療機関の改善のために参画しているという意味では、94年から取り組んできた<病院探検隊>も同様だと考えています。また、私が年間100を超える厚生労働省の審議会・検討会や、さまざまな委員会にメンバーとして出席していることも、PPIの活動です。日本ではPPIという考えのもとに進められてきたわけではありませんが、1990年代後半あたりから、医療の問題を考える際に、利用者である患者・市民の声を聞く必要性が少しずつ認識されてきました。それがここにきて、一気にさまざまな医療に関する分野で高まってきたという印象です。これはCOMLの創始者である故・辻本好子が2000年代半ばから予想していたことで、「これから患者・市民への委員要請が必ず増えてくると思う。でもある程度医療のことを理解していないと、冷静かつ客観的な意見は言えない。きちんと意見を述べることができる人を養成するような活動をCOMLでやろう」と私に持ち掛けました。その結果、09年度から始めた「医療で活躍するボランティア養成講座」(1回3時間×5回)が誕生しました。この講座を修了した人のなかには、電話相談スタッフや模擬患者、患者情報室スタッフなどとして活躍している人はたくさんいます。しかし、修了しただけでは意見を述べる委員として推薦できるかどうかの判断ができないことに歯痒い思いも抱いていました。そこで2017年度から始めたのが、「医療関係団体の一般委員養成講座」(1回3時間×7回)です。「医療で活躍するボランティア養成講座」を「医療をささえる市民養成講座」に改称して基礎コースと位置付け、全回修了した人を対象に委員を養成するアドバンスコースを始めたわけです。「医療関係会議の一般委員養成講座」の目的は、一般委員の役割を理解し、適切なタイミングで、わかりやすく意見を述べる能力を養うことです。患者・市民の視点を生かし、自分の関心事だけに固執するのではなく、バランスよく意見を述べることも大切です。そこで、第1回目は一般委員としてどのような会議体からの要請があるのか、何を大切にしなければいけないのかなどを解説し、講座に参加した動機や意気込みをディスカッションします。そして、終了時に指定した会議の資料や議事録を読み、そこで一般委員が果たしていた役割や、自分ならどのタイミングで、どのような意見を述べようと思うかを考えてきてもらい、第2回目で発表します。第3・4回目は、立教大学の松本茂教授に外部講師をお願いし、会議の場できちんと発言できる能力に力点を置いたディベートセミナーを実施。第5回目までに主に厚生労働省の2種類以上の検討会を傍聴し、第5回目で傍聴報告会を開催します。そして総仕上げは、第6・7回目の模擬検討会です。専門委員役(教授や医師会の役員など)や事務局役(厚生労働省技官)の協力を得て模擬検討会で議論し、専門委員役と事務局役、私とCOMLオブザーバーで採点をして、委員としての資質の合否判定を行います。そして合格者には、COML委員バンクに登録できる資格を付与するというものです。この合格率は約27%で、現在、12名がCOML委員バンク登録会員です。バンク化してまだ1年余りにもかかわらず、20を超える委員に就任して活躍し始めています。登録会員は委員として派遣するだけでなく、さまざまなPPI活動へと発展することができるのではと、大きな期待を寄せています。そして、夢は全国の地域ブロックでのバンク化です。そうすることで、医療と冷静に向き合う賢い患者が増えることにつなげていきたいと思っています。

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私流の“衝動買い”でマイホームを購入した話【医師のためのお金の話】第24回

私流の“衝動買い”でマイホームを購入した話こんにちは、自由気ままな整形外科医です。私は勤務医ですが、2000年頃から不動産や金融資産投資を通じて資産形成を開始しました。親からの相続もなくゼロからのスタートだったのですが、2013年には実質的に無借金となり、経済的自由を得られる状況に到達しています。2019年現在、私の不動産投資の状況としては、都市中心部に10物件を所有・運営しています。私の不動産投資戦略は、「地価の高い好立地の優良物件を購入する」こと、そして「空室に悩まされることなく、ストレスフリーで運営すること」です。とはいえ、好立地の物件は低利回りなので、通常の銀行融資を利用して購入するには多額の現金を用意しなければなりません。これを回避するためにうってつけなのが、「住宅ローン」を利用することです。住宅ローンは「自分が住むための物件を購入するための融資」なので、収益性が低くても融資を受けることが可能だからです。このような戦略にのっとって、先日、2軒目の収益マイホームを購入しました。マイホームを所有している方は多いと思いますが、今回は一般的な感覚と比べてかなり異質な購入でした。そもそも、マイホームといえども、私の中では立派な不動産投資です。マイホームを購入するに際し、立地や価格、間取りなどを綿密にプランニングするのが普通でしょう。しかし、今回の私はほぼ“衝動買い”だったのです。医療系スタートアップの営業で遠方に出張している時、懇意の不動産業者から「新規物件が出ました」と連絡が来たのです。物件情報はいつなんどき出てくるか予想ができません。仕事などで手が離せないことも多いのですが、そんなことは物件を購入できない言い訳にはなりません。電話で10分ほど担当者と話をした私は、現地に赴くことなく、「その場」で購入を決断しました。なぜ、1億円近い物件購入を現地調査もなしに即決できたのだと思いますか?物件購入を即決できる理由不動産投資の基本としては、物件購入の際には、現地調査が必須です。投資対象として利回りなどの数字が合うことは最低条件ですが、その条件をクリアしても数字だけを根拠に購入することはご法度です。しかし、今回はその基本原則を無視しています。実は私の所有物件の半数は、同様に担当者との電話だけで購入を即決しています。そんな芸当ができる理由は、下記の4つです。1.自宅から徒歩圏内のごく狭いエリアに特化している2.建物ではなく土地を購入する3.工務店や各種職人のチームを確保している4.ファイナンス(資金工面)をできる自信がある順番にご説明します。1)まず、物件を購入するエリアを自宅から徒歩圏内のごく狭い範囲に絞っています。その理由は、そのエリアは地価が高値安定していて、利便性が高いからです。私自身が長年そのエリアに住んでいるため、物件周辺の雰囲気は熟知しており、改めて現地調査に赴くまでもありません。Googleストリートビューで場所を確認するだけで、現地調査の代わりにできます。つまり、毎日そのエリアで暮らしていることが、そのまま精度の高い現地調査になっているのです。2)物件購入の目的が建物ではなく土地であることも、現地調査を省略できる要因の一つです。「土地値物件(ほぼ土地の値段だけで売買される物件)」に狙いを定めているため、購入価格は単純に「面積×坪単価」で決まります。そして土地の価値は立地と形状に依存しますので、住所・間口(道路に接している側の長さ)・前面道路の幅員(道路幅によって土地用途に制限が出る場合がある)の3つの情報さえあれば、大ハズレすることはありません。住所がわかれば駅からの距離も確認できます。このように押さえておくべき項目が少ないため、迅速な判断が可能となるのです。3)建物の躯体に関しては、物件情報からある程度予想がつきます。そして物件種類にもよりますが、ある程度費用をかければ再生できることがほとんどです。鉄骨造や鉄筋コンクリート造ではリカバリーが効きにくいので慎重な躯体調査が必要ですが、木造物件に関しては「どんな物件でも再生可能」と言ってもよいでしょう。このため、親しい工務店や職人グループを確保していれば、安心して物件の買い付けを入れられるのです。4)物件購入において最大の問題はファイナンスです。買い付けを入れたにもかかわらずファイナンス面で購入不可能になると、それまで築き上げてきた不動産業者との信頼関係が破綻します。不動産投資は人脈がすべて、と言っても過言ではないので、このような事態は絶対に避けなければいけません。この解決策としては、確実に購入できるように資金源を確保しておくことです。確実に銀行融資を利用できる方法はありませんが、銀行口座に物件価格以上の見せ金を入れておくだけで絶大な力を発揮します。数億円の銀行預金は非現実的に感じるかもしれませんが、物件購入を即決できる不動産投資家には、このような手法を採っている人もいます。最初のうちは夢のような話かもしれませんが、多くの競合を抑えて優良物件を購入するためのキラーアイテムと言ってよいでしょう。優良物件購入はハードルが高いここまで現地調査なしで物件購入を決断できる理由を説明しましたが、決して現地調査はしなくてもよい、と言っているわけではありません。基本的には現地調査は必須ですし、実際の物件を目の前にして多くのことを検討すべきです。しかし、よほどの不況時でない限り、優良物件ほど競争が激しいことも事実です。多くの競合を抑えて優良物件を購入するためには、迅速な決断と確実なファイナンスが不可欠なのです。繰り返しになりますが、不動産投資は立地と買値がすべてです。今回は、実例を交えて私が実践している手法をご紹介しました。かなり特異な手法かもしれませんが、不動産投資のスピード感をつかんでもらえれば幸いです。

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ケアネットDVD サンプル動画リンク集(2019年9月版カタログ掲載)

インデックスページへ戻るケアネットDVD 新刊・おすすめのサンプル動画をご覧いただけます。(※YouTube「ケアネット公式チャンネル」にリンクします)Dr.長尾の胸部X線クイズ 初級編Dr.長尾の胸部X線クイズ 中級編Dr.長尾の胸部X線クイズ 上級編Dr.長尾の胸部X線ルネッサンスDr.徳田のすぐできるフィジカル超実技Dr.志賀のパーフェクト!基本手技ナベちゃん先生のだれでも撮れる心エコーナベちゃん先生のだれでも読める心エコーネッティー先生のわかる!見逃さない!CT読影術スーさんの急変エコー裏ワザ小ワザ人のハいで読める!Dr.山口の胸部写真読影 免許皆伝〈上巻〉人のハいで読める!Dr.山口の胸部写真読影 免許皆伝〈下巻〉小三J読影法でわかる!Dr.佐藤の胸部写真の楽しみ方〈上巻〉小三J読影法でわかる!Dr.佐藤の胸部写真の楽しみ方〈下巻〉プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】Dr.香坂のアカデミック・パスポート 「文献の引き方」から「論文の書き方」まで肩腰膝の痛みをとるDr.究のあなたもできるトリガーポイント注射Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(下巻)骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科〈上巻〉骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科〈下巻〉骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科2志水太郎の診断戦略ケーススタディ志水太郎の診断戦略エッセンス「の」の字2回走査法で出来る!超音波手技大原則〈第1巻〉「の」の字2回走査法で出来る!超音波手技大原則〈第2巻〉「の」の字2回走査法で出来る!超音波手技大原則〈第3巻〉ドクター力丸の人工呼吸管理のオキテ長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.1長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.2長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.3民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.1民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.2民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.3Dr.林の笑劇的救急問答14〈上巻〉Dr.林の笑劇的救急問答14〈下巻〉Dr.たけしの本当にスゴい症候診断Dr.たけしの本当にスゴい症候診断2Dr.たけしの本当にスゴい症候診断3Dr.たけしの本当にスゴい高齢者身体診察Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(上巻)Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(下巻)出直し看護塾〈第1巻〉出直し看護塾〈第2巻〉Dr.野原のナルホド!接触・嚥下障害マネジメント~キュアからケアへ~すべての作品のサンプル動画はこちらからご覧いただけます。

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第3回 医師の働き方改革の主役は薬剤師?【噂の狭研ラヂオ】

動画解説薬局や薬剤師が変われば日本の医療も変わるんじゃないだろうか?薬局経営に戻ってきた頃の狭間先生の直感はいまや確信に変わっています。高齢化と働き方改革によって医療のマンパワー不足が差し迫る今、日本の医療を救うことができるのは薬局薬剤師しかいません。これから医師が見ることのできなくなる患者さん、これまでも気づくことができていない薬害、それを見られるのは薬学知識のある薬剤師だけですよね?

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消費増税に伴う薬価改定で懸念されること【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第32回

「薬価改定は2年に1回・偶数年」とインプットされている方は多いと思います。直近では2018年4月に薬価改定が行われました。では次は2020年4月…となるところですが、2019年10月に行われることがすでに厚生労働省から告示されています。また、告示と同日に、製薬会社や医薬品卸会社に対して、医療に支障を来さないよう安全供給を求める課長通知が出されています。医療用医薬品等の製造販売業者、卸売販売業者等においては、例えば、今般の薬価・材料価格改定の適用日前に、医療機関等における在庫の積み増しをあおり、限度を超えた買いだめに応ずること等により、結果として医療用医薬品等の供給不足等を招き、国民医療に支障を来すことのないよう厳に留意されたいこと。(2019年8月19日 厚生労働省医政局経済課長・厚生労働省保険局医療課長通知)イレギュラーな薬価改定の理由は、消費増税によって医療機関が医薬品の購入時に支払う消費税が増加するため、市場実勢価格相当額に消費税相当額を上乗せして、医療機関が損をしないように補てんするためです。これまでの薬価改定では薬価が引き下げられる医薬品がほとんどでしたので、改定前は買い控えが発生していました。しかし、10月からは新薬創出加算品目や希少疾病薬などを中心とする37%もの品目の薬価が引き上げられるため、通常とは異なる「買いだめ、買い占め」現象が生じていることが報じられています。10月以降に薬価が引き上げられた医薬品を患者さんに調剤した場合は、引き上げられた薬価で一部負担金が計算されるため、9月の低い薬価のときに仕入れておくと、薬局は多少の利益を得ることができるためです。しかし、医薬品の大量の買いだめや買い占めが横行すると、本当に必要な病院や薬局に医薬品が供給されなくなる懸念があります。そのような混乱を避けるため、薬価や流通を管理する医政局経済課長と保険医療を管理する保険局医療課長の連名で、冒頭の通知が発出されました。「そんなこと言っても、安いんだったらやっぱり9月中に大量に仕入れたほうがいい」と思われるかもしれません。しかし、そのひと月の仕入れが急激に増えて支払額が大きくなるというのは、逆に経営の負担になることも考えられます。個人的には、このような価格改定にはあまり翻弄されず、必要なときに必要な量を仕入れる、という原理原則を守ることが大切ではないかと思います。今後は毎年改定を念頭に入れた仕入れ計画を2018年4月と2019年10月に薬価改定があるのなら、6ヵ月後の2020年4月の改定はないのでは? と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「2019年10月の薬価改定は改定の回数にカウントしない」と明確に位置付けられています。よって、2020年4月の薬価改定は通常どおり行われるでしょう。2018年度から2020年度は3年連続で改定があり、さらに2021年度からは一部の医薬品では毎年改定が予定されています。頻回の改定があるのに在庫を多く抱えていると、経営の負担になる可能性もありますから、仕入れの際は長期的な視点が大切かと思います。また、薬価が改定されると、患者さんの一部負担金にも変更が生じる場合がありますので患者さんへの説明が必要でしょう。今回のような薬価引き上げはまれですが、薬価が引き上げられた医薬品を服用されている患者さんでは負担が大きくなるためトラブルになりかねません。過去にはアセトアミノフェンの原薬問題、抗インフルエンザウイルス薬の供給問題など、さまざまな理由によって医薬品の買いだめや買い占めが懸念されましたが、薬価改定でも起きるとは…。医療機関は本当にいろいろなことを考慮しながら仕入れをしなければいけないんだなぁ、としみじみ思ったうさこでした。

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第11回 陰部・肛門部の痛み【エキスパートが教える痛み診療のコツ】

第11回 陰部・肛門部の痛み陰部や肛門部の痛みを訴えられる難治性の患者さんも、少なからず見られます。しかも、座位などを取ることで、常に圧迫刺激が加わるため、仕事に影響を及ぼすことも多くなります。そのため、愁訴が複雑になることもありますので、治療に苦労することも珍しくありません。今回は、この陰部・肛門部痛を取り上げたいと思います。陰部・肛門部の痛みを5分類で考える陰部・肛門部の痛みは、感染症に伴う痛み、がんに由来する痛み、不対神経節に由来する痛み、仙骨硬膜外癒着に由来する痛み、身体表現型疼痛障害に由来する痛みに分類されます。1)感染症に伴う痛み痔ろうなどの感染によって生じる炎症痛が挙げられます。臀部の圧迫などによって生じた、褥瘡の炎症症状に由来する陰部・肛門部の痛みも存在します。2)がんに由来する痛み直腸がんや、大腸がんなどの悪性腫瘍による皮膚浸潤転移、Douglas窩転移、仙骨転移などの由来によって生じる陰部・肛門部の痛みが代表的なものです。手術歴や、再発所見があれば診断できます。3)不対神経節に由来する痛み不対神経節は、人体の交感神経節の中で最も尾側に位置しており、仙骨と尾骨の接合部の前面正中の後腹膜腔に存在しています。上位から連なって、腰仙骨の前面へと左右に走行してきた交感神経幹が、ほぼ仙尾関節の前面の高さで1つになるため、不対神経節という名称が付いています。この神経節由来の痛みとして考えられるのは、痔疾や、直腸がん手術後および同部位の外傷後に持続する陰部・肛門部の痛みです。肛門からの内診によって、仙骨部に痛みを再現できることがあります。4)仙骨硬膜外癒着に由来する痛みその他、気を付けなければならない陰部・肛門部の痛みとしては、仙骨硬膜外癒着に由来する痛みがあります。スケートなどで尻もちを着くなどして、陰部・肛門部・臀部の痛みが生じ、2~3ヵ月経過しても痛みが緩和されない場合に、仙骨硬膜外腔組織の癒着が原因となることがあります。5)身体表現型疼痛障害に由来する痛み陰部や肛門部の痛みを訴える患者さんの中には、精神的ストレスが原因になることがあります。特別な器質的な原因もなく、座位での保持が困難で、一般のベッドではうまくフィットしないため、睡眠障害も認められます。このような場合には、心理社会的な要因が存在する、身体表現型疼痛障害に由来する痛みが認められることがありますので注意が必要です。次回は、痛みの治療について述べます。1)花岡一雄ほか監修. 痛みマネジメントupdate 日本医師会雑誌. 2014;143:S148-149

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75歳以上でスタチンを中止した場合の心血管リスク/EHJ

 入院や施設への入所、がんなど他疾患の発症をきっかけに、高齢者が一次予防のために服用していたスタチンを中止した場合、継続した場合と比較して心血管イベントによる入院リスクが増加した。フランス・ピティエ-サルペトリエール病院のPhilippe Giral 氏らは、75歳まで一次予防目的でスタチンを服用していた高齢者の心血管転帰に対するスタチン中止の影響を、大規模コホート研究により評価した。European Heart Journal誌オンライン版2019年7月30日号掲載の報告より。 本研究は、フランスの国民医療データベースを使用した人口ベースのコホート研究。2012~14年に75歳になり、CVDの既往がなく、過去2年間にスタチンの総投薬量に対する実服薬量の割合(medication possession ratio:MPR)が80%以上だったすべての人が対象とされた。 スタチンの中止は3ヵ月連続の服用なしと定義され、アウトカムとして心血管イベントによる入院が設定された。スタチンを中止した場合と継続した場合を比較するハザード比は、ベースライン時点と時間依存共変量(心血管薬の使用、併存疾患、フレイル指標)の両者を調整する周辺構造モデルを用いて推定された。 主な結果は以下のとおり。・12万173人が平均2.4年追跡され、うち1万7,204人(14.3%)がスタチンを中止し、5,396人(4.5%)が心血管イベントのために入院した。・スタチン中止に関連した要因は、フォローアップ期間中の入院(調整オッズ比[aOR]:最大3.28)、高度看護施設への入所(aOR:2.66)、転移性の固形がん(aOR:2.22)、経管あるいは経口栄養摂取の開始(aOR:2.13)などであった。・スタチンを中止した場合の調整ハザード比は、全心血管イベント(1.33、95%信頼区間[CI]1.18~1.50)、冠動脈イベント(1.46、95%CI:1.21~1.75)、脳血管イベント(1.26、95%CI:1.05~1.51)、その他の血管イベント(1.02、95%CI:0.74~1.40)であった。・ベースライン時の糖尿病の有無によって、スタチン中止の心血管イベントによる入院への影響をサブグループ解析した結果、糖尿病有(3万3,617例、うち中止3,857例)の調整ハザード比は1.14(95%CI:0.89~1.44)、糖尿病無し(8万6,566例 、うち中止1万3,347例)は1.41(95%CI:1.23~1.62)であり、糖尿病有の場合のスタチン中止による影響は統計的に有意ではなかった。 75歳以上が一次予防として服用していたスタチンを中止することは、心血管イベントによる入院リスクが33%増加することに関連していた。研究者らは、本研究が後ろ向きの観察研究である点を限界として挙げ、ランダム化比較試験を含むさらなる研究が必要としている。また、糖尿病患者におけるサブグループ解析結果については、ベースライン時点で糖尿病があった場合にもともと心血管リスクが高いことで部分的に説明できる可能性があるとし、より詳細な研究が必要とまとめている。

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家族性高コレステロール血症の基礎知識

 8月27日、日本動脈硬化学会は、疾患啓発を目的に「家族性高コレステロール血症」(以下「FH」と略す)に関するプレスセミナーを開催した。 FHは、単一遺伝子疾患であり、若年から冠動脈などの狭窄がみられ、循環器疾患を合併し、予後不良の疾患であるが、診療が放置されている例も多いという。 わが国では、世界的にみてFHの研究が進んでおり、社会啓発も広く行われている。今回のセミナーでは、成人と小児に分け、本症の概要と課題が解説された。意外に多いFHの患者数は50万人超 はじめに斯波 真理子氏(国立循環器病研究センター研究所 病態代謝部)を講師に迎え、成人FHについて疾患の概要、課題について説明が行われた。FHは大きくヘテロ結合体とホモ結合体に分類できる。 FHのヘテロ結合体は、LDL受容体遺伝子変異により起こり、200~500例に1例の頻度で患者が推定され、わが国では50万人以上とされている。生来LDL-C値が高い(230~500mg/dL)のが特徴で、40代(男性平均46.5歳、女性平均58.7歳)で冠動脈疾患などを発症し、患者の半数以上がこれが原因で死亡する。 診断では、(1)高LDL-C血症(未治療で180mg/dL以上)、(2)腱黄色腫あるいは皮膚結節性黄色腫、(3)FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(2親等以内)の3項目中2項目が確認された場合にFHと診断する。 また、診断では、LDL-C値に加えて、臨床所見ではアキレス腱のX線画像が特徴的なこと(アキレス腱厚をエコーで測定することも有用)、角膜輪所見が若年からみられること、家族に高コレステロール血症や冠動脈疾患患者がみられることなど、詳細なポイントを説明するとともに、診断のコツとして「『目を見つめ よく聴き、話し 足触る』ことが大切」と同氏は強調した。 FH患者は、健康な人と比較すると、約15年~20年早く冠動脈疾患を発症することから、早期より厳格な脂質コントロールが必要となる。 本症の治療フローチャートでは、生活習慣改善・適正体重の指導と同時に脂質降下療法を開始し、LDL-C管理目標値を一次予防で100mg/dL未満あるいは治療前の50%未満(二次予防70mg/dL未満)にする。次に、スタチンの最大耐用量かつ/またはエゼチミブ併用し、効果が不十分であればPCSK9阻害薬エボロクマブかつ/またはレジンかつ/またはプロブコール、さらに効果が不十分であればLDL除去療法であるLDLアファレシスを行うとしている。医療者も社会も理解しておくべきFHの病態 次に指定難病であるホモ結合体について触れ、本症の患者数は100万例に1例以上と推定され、本症の所見としてコレステロール値が500~1,000mg/dL、著明な皮膚および腱黄色腫があると説明を行った。確定診断では、LDL受容体活性測定、LDL受容体遺伝子解析で診断される。 治療フローチャートでは、ヘテロ受容体と同じように生活習慣改善・適正体重の指導と同時に脂質降下療法を開始し、LDL-C管理目標値を一次予防で100mg/dL未満(二次予防70mg/dL未満)にする。次に、第1選択薬としてスタチンを速やかに最大耐用量まで増量し、つぎの段階ではエゼチミブ、PCSK9阻害薬エボロクマブ、MTP阻害薬ロミタピド、レジン、プロブコールの処方、または可及的速やかなるLDLアファレシスの実施が記載されている。ただ、ホモ結合体では、スタチンで細胞内コレステロール合成を阻害してもLDL受容体の発現を増加させることができず、薬剤治療が難しい疾患だという。その他、本症では冠動脈疾患に加え、大動脈弁疾患も好発するので、さらに注意する必要があると同氏は指摘する。 最後に同氏は「FHは、なるべく早く診断し、適切な治療を行うことで、確実に予後を良くすることができる。そのためには、本症を医療者だけでなく、社会もよく知る必要がある。とくにFHでPCSK9阻害薬の効果がみられない場合は、LDL受容体遺伝子解析を行いホモ接合体を見つける必要がある。しかし、このLDL受容体遺伝子解析が現在保険適応されていないなど課題も残されているので、学会としても厚生労働省などに働きかけを行っていく」と展望を語り、説明を終えた。小児の治療では成長も加味して指導が必要 続いて土橋 一重氏(山梨大学小児科、昭和大学小児科)が、次のように小児のFHについて解説を行った。 小児のヘテロ接合体の診断では、「(1)高LDL-C血症(未治療で140mg/dL以上、総コレステロール値が220mg/dL以上の場合はLDL-Cを測定する)、(2)FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(2親等以内)の2項目でFHと診断する(小児の黄色腫所見はまれ)」と説明した。また、「小児では、血液検査が行われるケースが少なく、本症の発見になかなかつながらない。採血の機会があれば、脂質検査も併用して行い、早期発見につなげてほしい」と同氏は課題を指摘した。 治療では、確定診断後に早期に生活習慣指導を行い、LDL-C値低下を含めた動脈硬化リスクの低減に努め、効果不十分な場合は10歳を目安に薬物療法を開始する。 とくに生活習慣の改善は、今後の患児の成長も考慮に入れ、できるだけ早期に食事を含めた生活習慣について指導し、薬物療法開始後も指導は継続する必要がある。食事療法について、総摂取量は各年齢、体格に応じた量とし、エネルギー比率も考慮。具体的には、日本食を中心とし、野菜を十分に摂るようにする。また、適正体重を維持し、正しい食事習慣と同時に運動習慣もつける。そして、生涯にわたる禁煙と周囲の受動喫煙も防止することが必要としている。 薬物療法を考慮する基準として、10歳以上でLDL-C値180mg/dL以上が持続する場合とし、糖尿病、高血圧、家族歴などのリスクも考える。第1選択薬はスタチンであり、最小用量より開始し、肝機能、CK、血清脂質などをモニターし、成長、二次性徴についても観察する。 管理目標としては、LDL-C値140mg/dLとガイドラインでは記載されているが、とくにリスク因子がある場合は、しっかりと下げる必要があるとされているとレクチャーを行った。

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転倒前に調整できなかったベンゾジアゼピン系薬の減量提案【うまくいく!処方提案プラクティス】第4回

 今回は、残念ながら転倒を起こす前にベンゾジアゼピン系睡眠薬の調整ができなかった反省症例です。高齢者では転倒・骨折がその後の生活に大きな影響を与えるため、転倒を予測した用量の検討や、家の動線など生活背景を読み解く力が必要だとあらためて実感しました。患者情報80歳、男性、独居、要介護3現 病 歴:アルツハイマー型認知症、高血圧、不眠症短期記憶が乏しく、物忘れや受診忘れなどの認知機能低下あり。原因は不明だが、訪問当初から左下肢の動きがやや悪い(脳梗塞や脳出血などの既往はなし)。服薬状況:服薬カレンダーで薬を管理している。用法は就寝前で統一しているが、週2~3回内服を忘れる。介護状況:訪問看護師が毎週金曜日に訪問している。それ以外の通所介護、通院介助などはなし。処方内容1.アムロジピン錠5mg 1錠 分1 就寝前2.ドネペジル錠5mg 1錠 分1 就寝前3.トリアゾラム錠0.25mg 1錠 分1 就寝前本症例のポイントこの患者さんは高齢にもかかわらず、トリアゾラムを0.25mgという高用量で服用していました。高齢者でのベンゾジアゼピン系睡眠薬の懸念事項は、過鎮静と筋弛緩作用による転倒リスクです。服用忘れがある日も含めて入眠は良好で、日中の眠気やふらつきがないことは訪問看護師とも情報共有していました。しかし、この患者さんは左下肢を引きずって歩くなど、より転倒リスクが高いと考えられます。<高齢者におけるベンゾジアゼピン系睡眠薬の注意点>ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、過鎮静、身体機能低下、認知機能低下、筋弛緩作用による転倒・骨折、CYP活性低下による血中濃度上昇などのリスクがあるため、高齢者では成人と同等量用いることのリスクを検討しなければならない。また、トリアゾラムがCYP3A4で代謝された活性代謝物であるα-ヒドロキシトリアゾラムには、トリアゾラムと同等か1/2程度の活性があるといわれており、とりわけ高齢者(肝機能低下、CYP活性低下)では薬理作用が遷延しやすいという懸念がある。そのため、高齢者では筋弛緩作用の比較的弱いゾルピデムやエスゾピクロンのほうが、安全性が高いと考えられる。転倒によるトリアゾラムの減量提案この患者さんは、週2~3回服用忘れがあっても入眠は良好でした。一方で、独居のため家の片付けが不十分で寝室からトイレまでの動線に不安がありました。高齢者は転倒すると、ADL(日常生活動作)や認知機能の低下が加速することが多いとされています。これらの理由を示し、医師にトリアゾラムの減量を提案しましたが、現状は状態が安定しているということを理由に採用はされず、継続となりました。ところがある日、患者さんが背中をさすりながら布団で横になっているのを発見しました。転倒して背中を打ったとのことです。整形外科を受診したところ、腰椎圧迫骨折の診断でした。この転倒を機に再度トリアゾラムの減量を医師に提案し、半量の0.125mgに減量する承認を得ることができました。その後は訪問の都度、医師に腰椎圧迫骨折の疼痛管理とトリアゾラム減量後の状況を報告することで安心していただくことができました。アドヒアランス不良によるトリアゾラムの中止提案一方、この患者さんに関してアドヒアランス不良という問題も徐々に顕在化してきました。訪問開始当初から服薬カレンダーで薬の管理を行っていましたが、週2回程度であった服用忘れが4~5回と増加してきたのです。ケアマネジャーに状況を話し、ヘルパーさんの訪問介護で服薬確認ができないか相談したところ、就寝前の薬を朝に変更できれば可能との返答でした。しばらく様子を見ていると、服用忘れがあっても入眠は依然として良好で、中途覚醒などの問題がないことが確認できました。これらをレポートでまとめて再再度医師へ報告したところ、トリアゾラム中止の承認を得ることができました。また、服薬確認のための朝のヘルパー訪問についても相談して、すべての薬を朝食後にまとめてもらうことができました。処方変更のタイミングでヘルパーさんによる毎朝の服薬確認とともに、食事の準備、入浴介助も開始となり、その後の服用忘れはなくなりました。また、トリアゾラム中止後の睡眠トラブルもなく、現在の経過は安定しています。

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添付文書改訂:ベージニオ錠に安全性速報発出/抗コリン薬の禁忌が閉塞隅角緑内障に限定/トリプタンに薬物乱用頭痛に関する注意追加 ほか【下平博士のDIノート】第32回

ベージニオ錠に間質性肺疾患に関する安全性速報が発出画像を拡大する<Shimo's eyes>本剤は、これまでも重大な副作用として間質性肺疾患が報告されていましたが、市販直後調査中の2018年11月~2019年5月に本剤を使用した患者において、間質性肺疾患の重篤な症例が14例報告され、このうち3例が死亡に至ったことから、安全性速報(ブルーレター)1)が発出されました。今回、「警告」に下記の注意喚起が追加され、それに伴い「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」が改訂されました。【警告】間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例も報告されているので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。本剤を服用する患者さんやご家族に対して、もし間質性肺疾患の初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱など)が発現した場合には、速やかに医師・薬剤師に連絡するようしっかりと伝える必要があります。抗コリン薬の禁忌が閉塞隅角緑内障に限定画像を拡大する<Shimo's eyes>これまで、多くの抗コリン作用を有する薬剤(抗コリン薬)は「緑内障」が禁忌であったため、本来安全性に懸念のある閉塞隅角緑内障患者のみならず、緑内障の95%を占める開放隅角緑内障患者にも使用できませんでした。そのため、開放隅角緑内障患者では、大きな影響がなくても使用できないという不利益や、疑義照会によって医療者の時間がとられることなどが問題となっていました。今回、薬事・食品衛生審議会で、抗コリン薬の添付文書の「禁忌」に記載されている緑内障にかかわる記載の変更が了承され、閉塞隅角緑内障のみが禁忌となりました2)。しかし、実際には患者自身が自身の緑内障のタイプを正確に把握していない場合も多く、今後の疑義照会の是非については、薬剤師側が難しい判断を迫られることになるかもしれません。今回の改訂の対象薬剤は、感冒薬、鎮痙薬、抗アレルギー薬、向精神薬、抗不整脈薬、パーキンソン病治療薬、AD/HD治療薬など多岐にわたりますが、眼科用製剤は含まれないことに留意しましょう。トリプタン系薬剤に薬物乱用頭痛に関する注意追加画像を拡大する<重要な基本的注意>トリプタン系薬剤により、頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善を認めない場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。<Shimo's eyes>薬剤を過剰に使用することで起こる薬物乱用頭痛(MOH)は、緊張型頭痛、片頭痛に次いで3番目に多い頭痛といわれています。MOHの原因となる薬物には、トリプタン系薬剤以外にも、NSAIDsやエルゴタミン製剤などがありますが、トリプタン系薬剤は少ない服薬回数でMOHを発症する傾向があるとの報告があるため、今回の改訂3)に至ったと考えられます。片頭痛治療中の患者さんがMOHに陥らないために、頭痛治療薬の正しい服用タイミングや生活指導を含めた適切な服薬指導を心掛けましょう。メトホルミン含有製剤、重度の腎機能障害患者のみを禁忌へ画像を拡大する<Shimo's eyes>これまで、メトホルミン含有製剤について、乳酸アシドーシスに対するリスク回避の観点などから、1日最高投与量が2,250mgの製剤では「中等度以上」、1日最高投与量が750mgの製剤では「軽度~重度」の腎機能障害の患者に対して禁忌となっていました。今回の改訂4)では、海外の最新の科学的知見に基づいて使用制限が見直され、禁忌がeGFR30mL/min/1.73m2未満の重度腎機能障害の患者に限定されることとなりました。軽度~中等度の腎機能障害患者は「慎重投与」となり、eGFR値に応じた1日最高投与量の目安が添付文書に記載されています。製剤ごとに内容が異なるため、それぞれの薬剤の添付文書をしっかり確認しましょう。参考1)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 ベージニオ錠50mg/100mg/150mgによる重篤な間質性肺疾患について(安全性速報)2)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 抗コリン作用を有する薬剤における禁忌「緑内障」等に係る添付文書の「使用上の注意」改訂について(薬生安発0618)3)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 トリプタン系薬剤の「使用上の注意」の改訂について4)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 使用上の注意改訂情報(令和元年6月18日指示分)

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IV期でも積極的な局所治療を?その2―オリゴメタのコンセンサスレポート【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第9回

第9回 IV期でも積極的な局所治療を?その2―オリゴメタのコンセンサスレポート1)Dingemans AC, et al. Definition of synchronous oligo-metastatic non-small cell lung cancer – a consensus report. J Thorac Oncol 2019 Aug 6.[Epub ahead of print]IV期でも腫瘍量の少ない「オリゴメタ」に対する積極的な局所治療の可能性について前回紹介したが、その後もいくつか興味深い追加報告がなされている。一方で、いつも議論されるのが「オリゴメタをどう定義付けるのか」という話題。今回EORTCを中心としたグループからJ Thoracic Oncol誌にコンセンサスレポートが報告されているので、成立過程とともに紹介する。1)について本報告は欧州においてEORTCが主導した、オリゴメタに関するコンセンサスレポートであるが、議論が割れる対象だけにその成立過程にいくつかの工夫がみられる。また、少数派の意見も存分に記載されている。検討内容は大きく3本立てで進んでいる。王道であるシステマティックレビューに加え、webベースでのクリニカルクエスチョン作成とこれに関するサーベイ、さらには学会でのケースディスカッションを加え、最終的にコンセンサス会議でひとまずの合意形成がなされたとのこと。内科・外科・放射線科といった多職種が参加した中でWebを活用した体制構築もさることながら、2017年10月から開始され翌2018年には最終の会議まで持ってきているというスピードも素晴らしい。検討事項の詳細は以下の通り。1.システマティックレビュー;1125報から最終的に21報(総患者数1215人)を抽出。2.インターネットサーベイ;34か国から423人が参加。3.ケースディスカッション;24施設から26人の研究者が参加し、10症例について検討した。100%の合意が得られたのは1例のみ。3例で90%以上の合意が得られた一方で、その他の症例での合意形成は30~60%台と専門家間でもかなり意見が割れた様子がうかがえる。最終的なコンセンサスの内容について1.オリゴメタに対する治療は、すべての転移巣について根治的局所治療が技術的に可能かつ毒性が許容可能と考えられる場合に検討する。2.オリゴメタの定義は「転移巣5つ、転移臓器3つまで」。胸水や骨髄への転移はオリゴメタからは除外する一方で、脳・副腎転移は特別視しない。同一肺葉内転移(T3)、原発巣と同一肺内転移(T4)、縦郭リンパ節転移は転移巣としてカウントしない。一方でインターネットサーベイでは転移巣は3個までという意見が最多であった。3.画像評価として、PET-CT・頭部MRIは必須とする。これについては100%の賛同が得られた。4.将来的な検討事項として、組織型や遺伝子変異をどのように組み込むか、また転移巣だけではなく腫瘍量も考慮すべきなのかが議論された。また、転移巣の個数を元にしたより詳細な検討が可能か、などの意見が出た。解説局所治療の発展とともに「やろうと思えば施術はできる、しかしどの程度のメリットがあるのかわからない」というジレンマに悩む場面が増えてきた。全体からすると多くない集団ではありながら、オリゴメタに対する臨床試験が続々と報告されていることからも、世界的に重要なクリニカルクエスチョンとしてとらえられている事がわかる。一方で前向き試験の対象も一定ではなく、定義付けが明確でない事が一番の課題でもあった。それなら皆が同じ土俵で議論するためのたたき台としてコンセンサスを作ろう、というのが今回の試みである。ありきたりなシステマティックレビューのみでなく、多くの職種・国をまたいだインターネットサーベイ、実際の症例を用いたケースディスカッションを含めつつ、短期間でコンセンサスを形成し論文の形まで持ってきたところに関係者の熱意を感じる。ちなみに、本文中に記載されているが、最終的なとりまとめには若手が多く関わっているようであり、わが国でもこのような試みができるはずでは、と思ってしまった。本筋に戻るが、この論文の白眉は臨床医の実感とエビデンスをうまく融合させて落としどころを付けている点である。転移巣の数については「最新の技術を用いれば多くの転移巣にも施術が可能」という意見も紹介しつつ、「システマティックレビューでは5つ以内が最多であった」とバランスよく結論付けている(転移巣を有する患者については、今回定義したものとは別の集団として考えるべきでは、という意見も紹介されていた)。脳転移は特別視しない一方で、肺内転移・縦郭リンパ節転移をすべからくカウントしなくてよいのか、などやや違和感はあるものの、おおむね本邦の臨床医も納得できる内容になっていると思われる。現在米国を中心に第III相試験が進行中であるが、欧州では大規模レジストリー(EORTC-RP-1822)を行っているようである。一筋縄ではいかないクリニカルクエスチョンをどのように解決していくか、体制作りが有効に機能していることをうかがわせる報告である。

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全国の医療施設、災害対策の実情はいかに!?

 地震大国の日本において、異常気象の常態化によるスコール、それに伴う洪水・土砂災害などが後を絶たない。このような災害時には、DMAT(災害急性期に活動できる機動性を持った トレーニングを受けた医療チーム)と呼ばれる災害派遣医療チームにより医療支援が行われる場合がある。 しかし、医療者一人ひとりが日頃から災害を意識し準備を行っていなければ、家族や患者、ましてや自らの命は救えないだろう。 そこで、ケアネットでは2019年7月に会員医師約200名を対象とし、「院内の災害対策」に関するアンケート調査を実施。医師たちの災害に対する意識や対策状況などの実態について、実情や意見を聞いた。アンケート回答者の内訳 アンケートは2019年8月1~7日、ケアネット会員の医師を対象にインターネット上で実施。回答者の年代別内訳は50代が31%と最も多く、40代(28%)、30代(20%)、60代(14%)と続いた。このように今回のアンケートでは責任世代の回答が多く、具体的な対策を行っていると回答したのも、この年代が多かった。病床数別内訳は、200床以上が58%で最も多く、0床(20%)、100~199床(12%)、20~99床(6%)、1~19床(3%)、NA(2%)だった。早めの休診連絡で患者を外の危険から守る 「自施設で災害対策を行っている」と回答した方の具体策内訳は、休診連絡(29%)が最も多く、その他(25%)、備蓄(20%)、処方対応(15%)、災害拠点病院(6%)、スタッフの保護(5%)と続いた。 具体的な対策の一例を以下に示す。・インターネットで休診状況発表・避難経路の確立・備蓄食料、非常電源、災害対応チームの訓練・薬剤の処方日数を10日分ほど増やした・入院患者のための食料、飲料水の備蓄を増やした・泊まれるように寝袋を用意した また、大規模災害の場合、特定施設の問題ではなく地域の問題に発展するため、医療施設間、さらには地方自治体との連携が要求される。これを踏まえ、地域での災害対策の話し合い実施状況と実施時に話し合われた内容についても調査した。 この結果を含む、今回のアンケート調査の詳細データや自由記述で挙げられた具体的な理由は、CareNet.comに掲載中。

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災害対策、周りの施設はどうしている?-アンケート結果発表

9月1日は「防災の日」。皆さまの施設は災害時に備え、万全の対策を行っているでしょうか? 自然災害時には医師も被災者の1人。しかし、自らの家族だけではなく、経営者や勤務医としての立場から患者や従業員の命を守ることが求められます。今後、いつなんどき発生するかわからない災害に備え、全国の医師の災害に対する認識や自施設での取り組みについて、CareNet.com会員医師約200人に調査しました。結果概要「自施設において、検討または実施している対策はあるか?」という問いに対し、半数以上の施設で対策をしていないという結果に。画像を拡大する対策を行っていない回答者の中には、「災害拠点病院ではない」という理由も見られたが、災害拠点病院以外でもスタッフや患者への配慮が必要となるため、スタッフとの話し合いは欠かせないと考えられる。医師が考える具体的な対策とは…?自施設での対策を実施していると回答した69人(うち、4人は無効)における主な対策の内訳を『スタッフの安全確保』『休診対応』『災害拠点病院としての対応』『(日々の診療における)薬剤処方に関する対応』『備蓄』『その他』の6つに区分したところ、グラフのような結果になった。画像を拡大する具体的な回答として、「スタッフの出勤方法と出勤時間の確認」「緊急連絡用の掲示板整備やホームページでの休診連絡」「災害拠点病院として他院に連絡をとる」「日頃から薬剤の処方日数を1週間分増やす」「缶詰、米、水、燃料を備蓄する」などが挙がった。また、『その他』としては、「自家発電機を準備」「行政と連携し障害者や老人の存在を把握する」「在宅酸素療法の会社に災害時の態勢を確認」「院内放送で津波の有無を連絡」などがあった。具体策を講じている回答者で最も割合が高かった年代は、50代(34%)と40代(26%)であった。また、所属施設で最も割合が高かったのは、200床以上の病院(60%)で、続いて0床のクリニックなどが15%だった。画像を拡大する地域での話し合いは14%にとどまる「近隣のクリニックや病院、地域医師会などで対策を話し合ったことはあるか?」については、あると回答したのは14%のみで、ほとんどの施設が「地域間での話し合いの経験がない」と回答した。画像を拡大する地域の話し合いがあると回答した30人(14%)には、自施設での対策を行っていない12人が含まれていた。「ない」の理由は“機会がない”だけ?話し合われた内容としては、「患者の情報提供」「受け入れ状況の伝達」「避難経路や連絡・中継場所」「患者さんへの説明方法」「地震発生時の拠点病院、地域の医療ケア児の対策」「スプリンクラーの設置について」などが挙がった。一方で、「ない」と答えた医師の主な回答として「話し合いの機会がない」が最も多く(23%)、「自治体に委ねられている」「役員・立場ではない」「近隣のクリニックとは対象疾患が異なるから」などがあった。また7%と少数意見ではあるが、「大きな災害の想定がない」など危機感の乏しさも明らかになった。画像を拡大する設問詳細Q1.自施設において、検討または実施している対策はありますか?あるないQ2.設問1で「ある」と答えた方にお伺いします。それはどのような対策ですか?(自由記述)例)「薬剤の処方日数を1週間分増やした」「患者ごとにインスリンなどの対策を説明」「スタッフや来院患者の被害を防ぐため、早めに休診を決定し、患者にその旨を連絡する」などQ3.災害対策について、近隣のクリニックや病院、地域医師会などで対策を話し合ったことはありますか?あるないQ4.設問3で「ある」と答えた方は主な対策内容を、「ない」と答えた方はその理由をお答えください(自由記述)。画像を拡大する

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医療・介護・福祉のMIRAIをテーマに開催【ご案内】

 医療機関のパートナーとして医療の質を向上させる基礎を育み医療機関の健全経営を図る、認定登録医業経営コンサルタントの研究発表と養成を兼ねた第23回日本医業経営コンサルタント学会が名古屋で開催される(主催:公益社団法人 日本医業経営コンサルタント協会)。 「医療・介護・福祉のMIRAI-少子高齢化社会への挑戦-」をテーマに、少子高齢化に必須のロボットやAIなど新規技術の専門家ならびに医療機関による講演、産業振興のための国・愛知県の取り組みの紹介など、参加者にとっても有意義となるような内容を届ける。 なお、9月13日までに申し込むと事前割引が適用される。第23回日本医業経営コンサルタント学会の概要■日時 2019年10月17日(木)13:00 ~ 18日(金)16:00■会場 名古屋東急ホテル■内容17日(木)・特別講演:「医療・介護現場におけるICT・ロボット利用の未来」 (講師)国立長寿医療研究センター副院長/同健康長寿支援ロボットセンター     センター長 近藤 和泉氏・特別講演:「ロボット産業拠点の形成を目指す愛知県の取組」 (講師)愛知県 経済産業局 産業部 産業振興課 次世代産業室長     白井 節氏・シンポジウムI:「少子高齢化とICT・AIの活用」 (演者)国際医療福祉大学 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部      学部長・教授 高橋 泰氏 (演者)社会医療法人 石川記念会 理事長 石川 賀代氏 (演者)社会医療法人 名古屋記念財団 理事長 太田 圭洋氏18日(金)・演題発表19題・シンポジウム2:「地域包括ケアシステム実現のための多職種連携」 (演者)公益社団法人 愛知県医師会 理事 野田 正治氏 (演者)公益社団法人 愛知県看護協会 会長 鈴木 正子氏 (演者)一般社団法人 愛知県薬剤師会 会長 岩月 進氏 (演者)一般社団法人 愛知県歯科医師会 常務理事 渡邊 俊之氏・市民公開講座:「人工知能研究者が語る男女脳」 (演者)感性アナリスト、随筆家、人工知能研究者 黒川 伊保子氏■参加費 10,000円(9/13までの振り込み分は、8,000円)■認定 日本医師会 生涯教育講座 認定講演会 6.5単位(2日間)■申し込み 日本医業経営コンサルタント協会の学会ページよりお申し込みください。     https://www.jahmc.or.jp/cgi-bin/training/convention/■主催 公益社団法人 日本医業経営コンサルタント協会■後援 厚生労働省、愛知県ほか■問い合わせ先 公益社団法人 日本医業経営コンサルタント協会 事業部 事業第一課 フリーコール:0088-21-6996 TEL:03-5275-6996 メール:gakkai@jahmc.or.jp

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第2回 0402通知は薬剤師の職を奪うのか?【噂の狭研ラヂオ】

動画解説「薬剤師以外でも調剤可能」という内容のいわゆる0402通知。国は薬剤師の仕事を奪うつもりなのか?という噂についてハザケンが論じます。狭間先生いわく「これは薬剤師が本来やりたかった対人業務を行うための時間と気力と体力を温存するための段取りの1つ」。非薬剤師との共同について前向きに考えてみましょう!

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アトピー性皮膚炎、FLG変異に人種差

 アトピー性皮膚炎(AD)とフィラグリン遺伝子(FLG)変異との関連について、米国・ペンシルベニア大学のDavid J. Margolis氏らは、軽症~中等症アトピー性皮膚炎児のコホートにおいて、FLG機能欠損(LoF)変異は人種による顕著な違いがみられること、そしてそれがADの持続と関連していることを明らかにした。ADとFLG変異の関連に関しては4つの変異が最もよく評価に使われている。今回の結果を踏まえて著者は、「従来の4つの変異を調べるだけでは不十分である。ADについてFLG LoF変異に基づく遺伝子診断テストを計画する場合は包括的に行うべきであり、最もよく試験されている変異に依存すべきではない」と指摘している。JAMA Dermatology誌オンライン版2019年7月31日号掲載の報告。 研究グループは、アフリカ系とヨーロッパ系の小児におけるFLG LoF変異を包括的に詳述し、ターゲットシーケンスの結果を比較するとともに、それらの変異とADの持続との関連を調べる前向きコホート試験を行った。Pediatric Eczema Elective Registry(PEER)を用いてサブコホートの遺伝子を評価し、軽症~中等症のAD児が解析に包含された。Massively parallel sequencing(MPS)を用いて、白人種およびアフリカ系アメリカンの小児のFLG LoF変異に着目した。2005年6月~2017年7月に患者登録し、データは2019年1月25日~5月10日に解析された。主要評価項目は、FLG LoF変異と白人種およびアフリカ系アメリカンとの関連性、有するリスク、ADの持続とした。 主な結果は以下のとおり。・計741例の小児が解析に包含された。女児394例(53.2%)、男児347例(46.8%)、発症時の平均(SD)年齢は1.97(2.72)歳であった。・包含対象のうち、白人種394例(53.2%)、アフリカ系アメリカン326例(44.0%)、その他21例(2.8%)であった。・MPSにより、AD児と関連する23個のFLG LoF変異が見つかった。・全コホートにおいて、FLG LoF変異の保有児は177例(23.9%)であり、124例が白人種(白人種に占める割合31.5%)、50例がアフリカ系アメリカン(同15.3%)であった。・アフリカ系アメリカン小児と比較した白人種小児におけるあらゆるFLG LoF変異の保有オッズ比(OR)は、2.44(95%信頼区間[CI]:1.76~3.39)であった。・数種のFLG LoF変異が人種に特有のものとして見つかった(たとえば、p.S3316*とp.R826*は、白人種では認められなかった)。・FLG LoF変異保有児は、持続するADを有する傾向が認められた(OR:0.67、95%CI:0.56~0.80)。

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「医薬品の販売情報提供活動に関するGL」薬剤師への影響は?【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第31回

厚生労働省が適切な診療、医薬品の処方を確保するために策定した「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」の運用が、一部を除いて2019年4月から開始されています。残りの一部であった、製薬会社内の情報提供活動を監視する部門の設立に関しては10月までの猶予期間がありましたので、本ガイドラインはいよいよすべての項目がスタートします。薬剤師として気になるのは、「情報提供の何が変わるの?」ということだと思いますので、今回は薬局に関係するポイントをピックアップして紹介します。なぜガイドラインが作られたのか?端的に言うと、医療用医薬品のプロモーション活動は自主ルールが定められているにもかかわらず、不適切な広告、プロモーション活動が横行していたためです。厚生労働省は2016年より、全国の医療機関の中からモニター医療機関を選定し、医療用医薬品の広告などの適切性に関する調査を実施していますが、製品説明会などのいわゆるクローズドな場において、不適切な情報提供(事実誤認の恐れのある表現やデータ加工、未承認の効能効果の情報提供など)の事例が多く報告されています。そのため、広告を適正化することで医療用医薬品の適正使用を確保し、保健衛生の向上を図るためにガイドラインが策定されました。何が変わったのか?今までは、MRが製品説明を行う際に、MR個人が作成したプレゼン資料を用いることがありました。しかし、それでは情報提供の内容や質を製薬会社として担保できず、不適切な情報提供が発生する可能性があるため、現在では原則として、しかるべき部門が作成した資材のみ使用可能です。また、記載できる内容は、科学的および客観的な根拠に基づく情報のみで、試験の設計や結果を正確に明示し、医薬品の品質、有効性、安全性に関してネガティブな情報であっても積極的に記載することが求められるようになりました。今後は、これらの内容を確認して情報提供活動の適切性を監督する部門(販売情報提供活動監督部門)による審査をクリアした資材でのみ情報提供活動を行うことになります。プレゼン資料だけでなく、パンフレット、ホームページ、MRのプレゼン自体まで監視の対象です。なお、製薬会社の情報提供活動について苦情があった場合のために、窓口を設置して事実関係の調査や必要な措置を講じることも求められています。この監督部門の設立や窓口の設置には準備が必要であるため、2019年10月1日からスタートすればよいとされています。今までどおり、医薬品に関する情報はもらえるのか?上記のように、製薬会社の社内チェックは厳しくなりますが、基本的には今までと同様に情報提供をする製薬会社がほとんどだと思います。ただし、未承認薬、適応外の用法用量や明確に添付文書に記載されていない内容などについてはかなり厳格化されます。医療者から情報を求められた場合は提供が可能ですが、販売部門であるMR以外からの回答が望ましいとされているため、タイムラグが生じると予想できます。また、製薬会社のホームページから資材を直接ダウンロードするという簡易的な提供方法ではなくなる企業が増えるかもしれません。必要になることがわかっている資料や情報は、時間に余裕を持って入手するとよいでしょう。患者さんに影響はあるのか?製薬会社から一般の方向けの情報提供に若干影響がありそうです。当然のことですが、疾患啓発では、医療用医薬品による治療のみを推奨することや特定の製薬会社の薬剤へ誘引するような内容は禁止されています。また、ガイドラインやQ&Aでもかなりあいまいな文言なので解釈次第ではありますが、製薬会社が今回のガイドライン策定の背景を鑑み、誤解されないよう新聞や雑誌などの一般紙の取材を受けない、などとなれば、一般の方が入手できる情報が減る可能性はあります。ざっくりとではありますが、「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」のポイントをまとめました。製薬会社が医薬品の情報を一番多く持っていることは確かですが、待っていても添付文書やインタビューフォーム以上の情報は提供されませんので、これまで以上に必要な情報は自発的に収集する必要がありそうです。

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