サイト内検索|page:5

検索結果 合計:3059件 表示位置:81 - 100

81.

コーヒーは片頭痛のリスク因子か?

 コーヒー摂取と頭痛との関連性については、依然として議論が続いている。カフェインは、鎮痛作用と血管収縮作用を有しているが、過剰摂取は頭痛の有病率上昇と関連しているといわれている。台湾・高雄医学大学のPin-Rong Chen氏らは、台湾の大規模コホートにおいて、コーヒー摂取と頭痛の関連性を調査するため、横断研究を実施した。International Journal of Medical Sciences誌2026年1月1日号の報告。 台湾バイオバンクより30〜70歳の2万7,109例の参加者からデータを取得した。頭痛の状態とコーヒー摂取パターン(種類、頻度、1日当たりの摂取量など)は、構造化質問票を用いて評価した。関連性の評価には、多変量ロジスティック回帰モデルを用いた。 主な内容は以下のとおり。・参加者のうち、頭痛を訴えた例は19.7%であった。・コーヒーの摂取は、頭痛のオッズ比増加と有意な関連が認められた(オッズ比:1.21、95%信頼区間:1.14〜1.29、p<0.001)。・ブラックコーヒー、ノンデイリークリーマー入りコーヒー、ミルク入りコーヒーを含むすべての種類のコーヒーは、頭痛リスクの上昇と関連していた。・1日1杯、2杯、3杯以上のコーヒーの摂取も、頭痛のオッズ比増加と関連していた。・コーヒーの頻繁な摂取(毎日または毎週)は、頭痛のオッズ比増加と関連していたが、毎月の摂取は関連していなかった。・サブグループ解析では、65歳以上、糖尿病、高血圧、うつ病、アルコールや紅茶の摂取歴のある例において、コーヒーの摂取と頭痛の間に有意な関連は認められなかった。 著者らは「コーヒーの摂取量と頻度の両方が頭痛の発症率増加と関連していることが示唆された。とくに、頭痛を起こしやすい例にとっては、個別のカフェイン摂取の推奨が重要である」としている。

82.

日本における統合失調症、患者と介護者の負担は?

 統合失調症は重篤な精神疾患であり、臨床的、経済的、そして人道的に大きな影響を及ぼす。日本ベーリンガーインゲルハイムのFumiko Ono氏らは、日本における統合失調症患者と介護者への負担を評価するため、文献レビューを行った。Schizophrenia誌オンライン版2026年1月20日号の報告。 2013~23年のPubMed、医中誌、CiNii、J-STAGE、Cochraneデータベースおよび2018~23年の医師会、政府機関、患者団体からの補足資料から該当データを収集した。本レビューでは、統合失調症患者と介護者が経験する疫学、臨床管理、社会的、人道的、そして経済的負担に焦点を当てた。 主な内容は以下のとおり。・本レビューでは、156件の学術雑誌論文、73件の会議録、37件の追加データソースを特定した。・頻発する併存疾患として肥満、うつ病、2型糖尿病が注目されていた。・統合失調症における認知機能障害は、統合失調症簡易認知評価(BACS)によって評価され、zスコア-2.1で重度の機能障害を示した。・社会的孤立や退院後サポートの不足など、長期入院に関連する問題も報告されていた。・認知機能の改善、セルフケアの促進、地域社会との連携強化を目的とした介入が、早期再入院リスクを低下させる重要な因子として特定された。・介護者は、とくにプレゼンティーイズム(出勤しているが業務遂行能力が低下している状態)により、著しい生産性の低下を経験しており、年間約240万円の損失につながったと推定された。・さらに、統合失調症の包括的な負担に対処するための啓発キャンペーン、教育プログラム、多職種連携アプローチといった、関係者主導の取り組みが十分でないことが明らかとなった。 著者らは「日本における統合失調症の多面的な負担が明らかとなり、患者、介護者、医療従事者、政策立案者など多様な関係者が関与する、協調的かつエビデンスに基づいた対策の緊急の必要性が示唆された。統合失調症に伴う負担を軽減し、医療を改善するためには、必要な介入と関係者の関与とのギャップを埋めるためのさらなる研究が求められる」としている。

83.

中年日本人男性における就寝前の水分摂取が睡眠や抑うつ症状に及ぼす影響

 日中の適切な水分摂取はメンタルヘルスを向上させることが知られている。しかし、就寝中への影響はいまだ明らかになっていない。産業技術総合研究所の甲斐田 幸佐氏らは、就寝前の白湯摂取が睡眠パラメーターおよび抑うつ気分に及ぼす影響を明らかにするため、本研究を実施した。PLoS One誌2026年1月6日号の報告。 本研究は日本人2,000人を対象に、就寝前の水分摂取とうつ病自己評価尺度(CES-D)を用いて測定した抑うつ気分との関連を明らかにするため、質問票を用いて調査を行った(Study1)。また、就寝直前に280mLの白湯を摂取した場合と、就寝前2時間以上何も摂取しない場合の影響を比較した(Study2)。 主な内容は以下のとおり。・Study2の結果、就寝直前の白湯摂取は、翌朝の抑うつ気分を軽減し、レム睡眠潜時を延長させ、レム睡眠時間を短縮させることが示唆された。・しかし、白湯摂取は夜間頻尿の可能性を増加させた。 著者らは「メリットとデメリットのバランスを取ることは重要ではあるものの、就寝前に普通の水を飲む習慣は、主観的ウェルビーイングを高めるシンプルで効果的な手段である」としている。

84.

抗精神病薬誘発性体重増加に最も有効な介入は〜ネットワークメタ解析

 統合失調症は、思考、感情、行動に影響を及ぼす重篤な精神疾患であり、世界人口の0.32%が罹患していると報告されている。抗精神病薬による治療は統合失調症の症状管理に不可欠であるが、患者の約半数が体重増加を経験しており、治療アドヒアランスの低下やさらなる健康合併症につながる可能性がある。エジプト・Zagazig UniversityのMohamed Ezzat M. Mansour氏らは、抗精神病薬誘発性体重増加に対する薬理学的および非薬理学的介入の安全性および有効性を明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2025年12月24日号の報告。 本研究は、PRISMAステートメントに基づき実施した。公表された研究をPubMed、Scopus、Web of Science、Cochrane Libraryから2025年7月まで検索した。対象研究は、ランダム化プラセボ対照試験のみとした。身体測定値と安全性プロファイルに焦点を当て評価した。主要アウトカムは体重変化とし、副次的アウトカムはウエスト/ヒップ比、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径とした。 主な結果は以下のとおり。・55件(2,977例)の研究をメタ解析に含めた。・通常治療群と比較し、体重減少に最も効果的な治療法である可能性が高い上位3つの介入は、セマグルチド(平均差[MD]:-13.5、95%信頼区間[CI]:-17.3~-9.57)、メトホルミン+NutriEx(MD:-6.34、95%CI:-9.85~-2.9)、ニザチジン(MD:-5.46、95%CI:-7.77~-2.76)であった。・非薬理学的介入では、すべての介入において有意な体重減少が認められた(p<0.05)。 著者らは「体重増加とBMIの減少において、セマグルチドが最も効果的な治療法である可能性が高いことが明らかとなった。リラグルチドは、軽度の副作用との関連が認められた。非薬理学的アプローチにより焦点を当てた追加試験が今後求められる」としている。

85.

迷走神経刺激療法が治療抵抗性うつ病の症状を長期にわたり改善

 治療抵抗性うつ病は、埋め込み型デバイスによって脳と内臓を結ぶ迷走神経に電気刺激を送る迷走神経刺激療法(VNS)により改善する可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。このデバイスによる治療で症状の改善が認められた患者の約80%が2年後もその状態を維持し、さらに20%以上は、2年後には抑うつ症状がほぼ消失していたという。米ワシントン大学セントルイス校治療抵抗性気分障害センター所長のCharles Conway氏らによるこの研究結果は、「International Journal of Neuropsychopharmacology」に1月13日掲載された。研究グループによると、VNSは以前からうつ病治療に有望とされており、米食品医薬品局(FDA)は、てんかんおよびうつ病の治療としてVNSを承認済みである。 Conway氏は、「2年後に5人に1人の患者が実質的に寛解状態であったことには、われわれも驚いた。うつ病のような複雑な疾患でこうした結果が得られたことから、この治療法の将来には大きな希望を感じている」とニュースリリースで語っている。さらに同氏は、「重度の治療抵抗性うつ病を対象とした研究では、効果が長期的に持続することは非常にまれであり、まして2年後まで続く例などなかったことを考えると、今回の結果は極めて異例だ。症状が改善した患者が、その状態を維持しているのだ」と付け加えている。 今回の研究では、4種類以上の抗うつ薬による治療に反応しなかった中等度から重度のうつ病を有する成人患者214人(平均年齢55.2歳)を対象に、補助療法としてのVNSの効果が検討された。患者は、英国のLivaNova USA社が製造した「VNS Therapy System」と呼ばれる埋め込み型デバイスを装着し、盲検下で12カ月間、さらにオープンラベル条件下で12カ月間、VNSを受けた。研究グループは、治療から12カ月時点で、抑うつ症状(3種類の指標で評価)、日常生活機能、生活の質(QOL)、これら3領域を統合した三領域複合指標、および全般的改善度(CGI-I)の改善が、18カ月時点および24カ月時点でも維持されているのかを評価した。 その結果、12カ月時点で意味のある改善(少なくとも30%改善)以上を達成した対象者の割合は、指標ごとに差があり、最も低かったのは抑うつ状態の評価尺度の1つであるモンゴメリー・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)での43.6%、最も高かったのは三領域複合指標での80.0%であった。12カ月時点で意味のある改善を達成した対象者のうち、18カ月時点および24カ月時点でもその改善を維持していた割合は、18カ月時点で78.0〜89.2%、24カ月時点で79.2〜89.6%であった。7種類の指標を統合して見ると、12カ月時点で意味のある改善を達成した対象者のうち、その改善を維持していた割合の中央値は、18カ月時点で83.1%、24カ月時点で81.3%であった。 なお、研究グループによると、本研究の目的の一つは、米国メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)が、将来的なVNSの保険適用を判断するためのエビデンスを提供することだという。VNSは、現状では治療費が非常に高額であり、多くの患者にとって利用が難しい。CMSがこの治療をカバーすれば、多くの民間保険会社も追随すると研究グループは見ている。 Conway氏は、「この試験で対象とされた治療抵抗性うつ病患者の重症度は、過去の臨床試験の対象患者と比べてはるかに重症だと思われる。こうした患者には、現状では他に治療選択肢がないため、有効な治療法が切実に求められている。慢性的で重度の障害を伴うこのような疾患では、たとえ部分的な改善であってもそれが人生を大きく変える。今回、VNSによりその改善効果が持続することが示された」と述べている。

86.

6種類のSSRIの安全性プロファイル比較

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、現在のうつ病の薬物治療において中心的な薬剤であるが、実臨床における安全性プロファイルの比較に関しては、依然として情報が不足している。エビデンス不足は、臨床の意思決定や患者アウトカムに深刻な影響を及ぼす。中国・Bayer PharmaceuticalsのAdrian Chin Yan Chan氏らは、主要な6つのSSRIに関する安全性を分析するため、グローバルファーマコビジランス分析を実施した。Cureus誌2025年12月8日号の報告。 WHOの個別症例安全性報告データベースであるVigiBaseを用いて、主要な6つのSSRI(セルトラリン、fluoxetine、パロキセチン、citalopram、エスシタロプラム、フルボキサミン)に関する34万2,000件超の報告を含む包括的なファーマコビジランス分析を実施した。臨床的に関連する7つの安全性ドメイン(抗コリン作用、性機能障害、代謝作用、錐体外路症状、睡眠障害、離脱症候群、心伝導異常)について、情報成分(IC)値を用いた不均衡解析を実施した。 主な内容は以下のとおり。・各SSRI間で安全性プロファイルに有意な異質性が認められた。また、薬力学的特性と有害事象パターンの間には明らかな相関が認められた。・パロキセチンは、抗コリン作用、性機能障害、体重増加、離脱症候群の発生率が最も高かった。これは、ムスカリン性M1受容体への高い結合親和性(Ki:108nM)と相関していた。・citalopramは、心伝導異常の増加を示した。・fluoxetineは、錐体外路症状の増加を示した。・SSRIの半減期と離脱症候群の報告数との間に強い逆相関が認められた。 著者らは「本解析により、SSRIはそれぞれ異なる安全性プロファイルを示しており、それが薬力学的特性と相関していることが明らかとなった。この結果は、同クラスのSSRIを均質な治療薬群としてみなす従来の考え方に疑問を投げかけるものであった。これらの知見は、個々の患者のリスク因子に基づいた精密な処方アプローチを支持するものであり、エビデンスに基づいたSSRI選択のためのメカニズムに関する知見となりうる」と結論付けている。

87.

うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法、不安レベルにより有効性に違いはあるか

 うつ病患者でよくみられる不安症状は、治療反応の低下と関連している。ブレクスピプラゾールの8週間第IV相オープンラベル試験「ENGAGE試験」において、抗うつ薬への治療反応が不十分なうつ病患者に対するブレクスピプラゾール0.5~2mg/日補助療法により、ライフ・エンゲージメント、抑うつ症状、不安症状の改善が認められた。大塚カナダファーマシューティカルのFrancois Therrien氏らは、臨床的に関連するサブグループにおけるブレクスピプラゾール補助療法の有用性を、ベースライン不安レベル別に明らかにするため、ENGAGE試験の事後解析を実施した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2025年12月29日号の報告。 ベースラインの不安に関するサブグループは、7項目の全般性不安障害評価尺度(GAD-7)の総スコアに基づき、なし/軽度(10未満)、中等度(10~14)、重度(14超)に分類した。各サブグループにおいて、10項目の自己記入式うつ症状尺度(IDS-SR10)のライフ・エンゲージメントサブスケールスコア、IDS-SR総スコア、その他の有効性アウトカムの変化を評価した。安全性についても解析した。 主な結果は以下のとおり。・ブレクスピプラゾール補助療法を受けた患者120例のうち、ベースライン時点での不安症状が、なし/軽度は30例(25.0%)、中等度は43例(35.8%)、重度は47例(39.2%)であった。・IDS-SR10ライフ・エンゲージメントサブスケールスコアおよびIDS-SR総スコアは、ベースラインから8週目までの全サブグループにおいて改善が認められた(nominal p<0.001)。・その他の有効性エンドポイントについても改善が認められた(全サブグループでnominal p<0.05)。・治療下での有害事象の発現率は、76.7%(なし/軽度)、72.1%(中等度)、57.4%(重度)であった。・新たな安全性シグナルは認められなかった。 著者らは「ブレクスピプラゾール補助療法は、ベースラインの不安レベルにかかわらず、患者のライフ・エンゲージメントおよび抑うつ症状の8週間にわたる改善と関連していた。この観察結果は、不安症状の有無にかかわらず、うつ病患者の治療におけるブレクスピプラゾール補助療法の臨床的意思決定を支持している」としている。

88.

生成AIの使用頻度が高いほどうつや不安の重症度が高い

 生成AIの使用頻度が高いほどうつの重症度が高く、不安やイライラについても同様の傾向であったことが、米国成人における大規模インターネット調査でわかった。米国・マサチューセッツ総合病院のRoy H. Perlis氏らが生成AIの使用頻度と陰性感情症状との関連を調査した結果が、JAMA Network Open誌2026年1月2日号に掲載された。 本研究は、2025年4~5月に米国50州とコロンビア特別区で実施された18歳以上を対象としたインターネット調査のデータを使用した。参加者全員にAIの使用頻度を質問した(選択肢:「まったく使用しない」「1~2回」「月に1回程度」「週に1回程度」「週に複数回」「1日1回」「1日に複数回」)。陰性感情は、DSM-5の大うつ病性障害の個別の診断基準を含む9項目の患者健康質問票(PHQ-9)を用いて測定した。 主な結果は以下のとおり。・2万847人が参加し、平均年齢は47.3歳(SD:17.1)、女性が1万327人(49.5%)、男性が1万386人(49.8%)、ノンバイナリーが134人(0.6%)だった。・「1日1回」以上を選択した参加者は2,152人(10.3%)で、「1日1回」は1,053人(5.1%)、「1日に複数回」は1,099人(5.3%)だった。・「1日1回」以上使用している参加者のうち、1,033人(48.0%)が仕事、246人(11.4%)が学校、1,875人(87.1%)が個人利用目的で使用していると回答した。・重み付け回帰モデルでは、「1日1回」以上使用している参加者は、男性、若年成人、高学歴・高収入者、都市部在住者で有意に多かった。・社会人口統計学的に調整された回帰モデルにおいて、生成AIの使用頻度が高いほどうつ症状の重症度が高く(「1日1回」:β=1.08、95%信頼区間[CI]:0.55~1.62、「1日に複数回」:β=0.86、95%CI:0.35~1.37)、毎日使用する人は非使用者と比べ、中等度以上のうつ症状を報告する可能性が高かった(オッズ比:1.29、95%CI:1.15~1.46)。不安やイライラについても同様の傾向が観察された。・年齢別では、25~44歳(β=1.22、95%CI:0.70~1.74)または45~64歳(β=1.38、95%CI:0.72~2.05)でAI使用がうつ症状の悪化と有意に関連していた。

89.

アリピプラゾールLAIへの切り替えは患者満足度を向上させるのか?

 統合失調症は、治療アドヒアランスの低さを特徴とする慢性精神疾患であり、再発や機能低下につながることが少なくない。アリピプラゾール月1回投与(AOM)などの長期作用型注射剤(LAI)は、アドヒアランスを改善し、再発率を低下させることで、潜在的な解決策となる可能性がある。イタリア・University of ChietiのGianluca Mancusi氏らは、6ヵ月かけて標準治療の経口非定型抗精神病薬からAOMに切り替えた統合失調症患者における臨床的有効性、安全性、忍容性、患者満足度を評価した。Frontiers in Psychiatry誌2025年12月3日号の報告。 本研究は、非盲検単群ミラーイメージ試験として実施した。対象は、経口抗精神病薬による治療で少なくとも2ヵ月間症状が安定していた統合失調症成人患者40例。6ヵ月間の経口抗精神病薬治療期間をレトロスペクティブに評価した後、AOMへの切り替え後6ヵ月間、プロスペクティブにフォローアップ調査を実施した。臨床評価には、Investigator's Assessment Questionnaire(IAQ)、臨床全般印象度-重症度(CGI-S)、治療満足度アンケート(TSQM 1.4)を用いた。副作用は、自己申告および医師による評価ツールを用いてモニタリングした。 主な結果は以下のとおり。・最初のフォローアップ診察を完了した患者は25例。・IAQスコアは、経時的に統計的に有意な改善が認められ、全般的な臨床効果の向上が示された(6ヵ月時点:p=0.010)。・CGI-Sスコアも有意な低下が認められ、疾患重症度の低下を示した(6ヵ月時点:p<0.001)。・TSQMで測定した患者満足度は、3ヵ月および6ヵ月時点で有意な増加が認められた(p<0.001)。・AOMは忍容性が良好であり、体重増加、錐体外路症状、プロラクチン値に軽微な変化がみられたが、統計学的に有意な差は認められなかった。・とくに、陰性症状スコアの統計的に有意な改善が認められた(p=0.032)。・有害事象を報告した患者は5例(18%)であり、その多くが中等度で、治療中止には至らなかった。 著者らは「統合失調症患者における経口抗精神病薬からAOMへの切り替えは、臨床転帰、症状の重症度、治療満足度の有意な改善と関連しており、良好な安全性および忍容性プロファイルを示した。これらの知見は、早期統合失調症におけるAOMの使用を支持しており、長期的な服薬順守と機能回復を促進する可能性を示唆している。これらのベネフィットの持続性、再発予防、生活の質への影響を評価するには、さらに長期にわたる研究が求められる」としている。

90.

双極症におけるベネフィットを最大化させるアリピプラゾールLAI使用のタイミングは?

 双極症I型(BP-I)は、慢性かつ再発性の精神疾患であり、躁/軽躁状態およびうつ状態の両極端の気分スペクトルを交互に呈する特徴を有している。2015年、米国におけるBP-Iの推定年間総コストは2,000億ドルを超え、一般人口の約2.5倍に達した。これは主に急性期医療サービスの利用増加によるものであった。アリピプラゾールなどの長時間作用型注射剤(LAI)抗精神病薬が開発されたことにより、経口剤と比較して、治療順守に関する患者の負担を大幅に軽減し、一貫した投与量および治療成績の向上が可能となった。これまでのリアルワールドエビデンス研究では、統合失調症患者において、アリピプラゾール月1回注射剤(AOM)を早期に開始することによるベネフィットが示されている。しかし、BP-I患者集団における早期AOM開始の有効性は、いまだ不明であった。米国・大塚ファーマシューティカルD&CのShivanshu Awasthi氏らは、MarketScanメディケイドデータベースの請求データを用いたレトロスペクティブ解析により、リアルワールドにおけるBP-I成人患者に対するAOM 400mg(AOM 400)の有効性を診断後早期開始(180日未満)と遅延開始(365日超)の場合で比較した。Journal of Managed Care & Specialty Pharmacy誌2026年1月号の報告。 アウトカムは、1年間における救急外来、入院、外来、薬局の受診回数と関連コストとした。遅延開始者対照群として、早期、中期、遅延治療開始者における年間コストの比較には、一般化線形モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・BP-I患者866例(年齢中央値:36歳)のうち、早期開始群は161例、後期開始群は591例であった。・早期開始群は、後期開始群と比較し、救急外来受診(発症率比:0.76、95%信頼区間[CI]:0.61〜0.94)、外来薬局受診(発症率比:0.82、95%CI:0.73〜0.93)のリスクが有意に低かった。・早期開始群は、後期開始群と比較し、薬局受診コスト(1万8,787ドルvs.2万3,503ドル、p=0.03)および医療コスト(1万3,898ドルvs.1万8,277ドル、p=0.01)も低かった。・全体として、フォローアップ期間中の総医療コストは、早期開始群が後期開始群よりも大幅に低かった(3万1,086ドルvs.4万599ドル、p<0.001)。・早期開始群は、中期開始群と比較し、総医療コストが有意に低かった(3万1,086ドルvs.4万892ドル、p=0.01)。 著者らは「BP-I患者におけるAOM 400の早期開始は、後期開始と比較し、医療資源利用と関連コストの低減という大きなベネフィットをもたらす可能性がある」と結論付けている。

91.

うつ病予防に最適な睡眠時間が判明!

 睡眠時間とうつ病の関係は、公衆衛生上の重要な懸念事項である。中国・四川農業大学のHansen Li氏らは、米国成人における平日と週末の睡眠時間がうつ病の有病率とどのように関連しているかを調査した。International Journal of Behavioral Medicine誌オンライン版2025年12月19日号の報告。 対象は、パンデミック前の最新の米国国民健康栄養調査(NHANES)2017~20年3月より抽出された、20歳以上の成人4,089人。睡眠時間とうつ病指標との関連を調査するため、相関分析および非線形回帰分析を実施した。さらに、性別による差異の可能性を調査するため、性別ごとに層別化し、分析した。 主な結果は以下のとおり。・スピアマン相関係数および制限付き3次スプライン解析の結果、週末の睡眠時間はうつ病の有病率と相関していた。しかし、うつ病の総スコアやアノイアンスとは相関は認められなかった。・制限付き3次スプライン解析では、睡眠時間とうつ病の有病率、総スコア、アノイアンスとの間にU字型の関連が認められた。・うつ病の有病率の変曲点は、平日で約7.7時間、週末で約8.3時間であった。・睡眠時間中央値を基準とした期待オッズ比に基づくと、より良い睡眠時間は、平日7.5~7.8時間、週末8.0~8.7時間であると特定された。・この関連性には、男女差も認められた。 著者らは「本研究結果は、これまでの知見を裏付け、さらに発展させ、睡眠不足と睡眠過剰の両方がうつ病の有病率の上昇と関連していることを明らかにした。特定された睡眠時間は、性別によって若干の差異はあるものの、うつ病のリスク低減に役立つ可能性がある。また、今回の結果は、睡眠とメンタルヘルスの複雑な関係をさらに強調し、睡眠行動の週内変動にも注意を払う必要性があることを示唆している。これらの知見が、今後より洗練され、個別化されたメンタルヘルス促進戦略の開発に役立つ可能性がある」とまとめている。

92.

2月3日 不眠の日【今日は何の日?】

【2月3日 不眠の日】〔由来〕「不眠」について、記念日を通して不眠の改善の適切な情報発信を行うことを目的に「ふ(2)み(3)ん」(不眠)と読む語呂合わせから治療薬などの販売を行うエスエス製薬が制定した。また、同じ語呂合わせから毎月23日も「不眠の日」と制定。関連コンテンツ睡眠時無呼吸症候群アップデート【診療よろず相談TV】看護師の不眠に解決策!? シフト勤務に特化したデジタル認知行動療法の効果【論文から学ぶ看護の新常識】外来ベンゾジアゼピン減少戦略、入院中の不眠症治療標準化がポイント睡眠障害を有するうつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法の有効性眠気の正体とは?昼間の眠気は異常?/日本抗加齢医学会

93.

チルゼパチドは肥満症患者などの精神症状のリスクとならない

 肥満症の患者にチルゼパチドを処方した場合、何らかの精神症状を伴うのであろうか。このテーマについてアメリカのペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院精神医学科のThomas A. Wadden氏らの研究グループは、SURMOUNT試験の事後解析を行った。その結果、既往の精神症状のない過体重または肥満症患者にはチルゼパチドはうつなどのリスクと関連しないことがわかった。この結果は、Obesity誌2026年1月15日オンライン版に公開された。チルゼパチドの使用で精神疾患の有害事象はプラセボとおおむね同等 研究グループはチルゼパチドの臨床試験であるSURMOUNT試験1~3より既往の主要精神病理を伴わない肥満成人を対象に、チルゼパチド投与に伴う精神科的変化を事後解析で評価した。 方法としてプラセボ対照群と比較したチルゼパチド投与群(5/10/15mgまたは最大耐容量10/15mg)の4,056例について、抑うつ症状は患者健康質問票-9(PHQ-9)により、自殺念慮(SI)および自殺行動(SB)はコロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)により測定し、神経系および精神疾患の有害事象(AE)を収集した。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時のPHQ-9スコアの平均値(SD)は、チルゼパチド群で2.7(SD3.0)、プラセボ群で2.6(SD3.1)であり、うつ病の症状は皆無またはごくわずかだった。・72週時点のスコアは、チルゼパチド投与群で1.9(SD2.7)、プラセボ群で2.4(SD3.3)だった(推定治療差[SE]:-0.6[0.1])、p<0.001。・チルゼパチド投与群では、より重症なPHQ-9カテゴリーへの移行率が低かった(18.2%vs.24.3%、p<0.001)。・C-SSRSでは、各群の0.6%がSIを報告したが、そのほとんどは低リスクと評価された。・非致死性SBは、チルゼパチド投与群で0.1%、プラセボ群では0.0%に発生した。・AEは各群でおおむね同様だった。 研究グループは、この結果から「既往の主要精神病理を伴わない過体重または肥満症患者において、チルゼパチドはプラセボと比較し、うつ病リスクの増加と関連していないことが示唆された。チルゼパチド投与群で観察された自殺念慮/自殺行為の発生率は、他のインクレチン系治療薬と同程度だった。重篤な精神疾患を有する患者におけるチルゼパチドの安全性に関しては、さらなる研究が必要」と結論付けている。

94.

前立腺肥大症はうつ病および不安症のリスクと関連

 前立腺肥大症(BPH)はうつ病および不安症のリスク上昇と関連しており、うつ病に対する因果関係が遺伝的根拠によって支持されるとする研究結果が、「International Journal of Psychiatry in Clinical Practice」に11月5日掲載された。 中南大学湘雅第三医院(中国)のJinjing Guo氏らは、UKバイオバンクから得られた横断的・縦断的・遺伝的データを用いて、22万9,001人を対象にBPHとメンタルヘルスとの関連を検討した。ベースラインでの関連を評価したうえで、7年間追跡した5万1,805人および14.9年間追跡した17万1,228人における前向きリスク(ハザード)も評価した。因果関係の特定にはメンデルランダム化解析を用いた。 その結果、ベースラインにおいて、BPHはうつ病および不安症のオッズ上昇と関連していることが分かった(オッズ比はそれぞれ1.42、1.44)。前向きの追跡では、BPHは7年後のうつ病および不安症の発症を予測し(同1.41、1.48)、さらに14.9年間にわたるうつ病および不安症のリスク上昇とも関連した(ハザード比はそれぞれ1.38、1.45)。サブグループ解析では、特に60歳未満、就労中、高所得、身体活動が少ない層でBPHがうつ病および不安症のリスクを有意に上昇させることが示された。双方向メンデルランダム化解析では、BPHはうつ病の原因となることが示されたが(オッズ比1.003〔95%信頼区間1.000~1.006〕)、不安症には因果関係は認められず、むしろ不安症はBPHリスクをわずかに抑制することが示された(同0.998〔0.997~1.000〕)。 著者らは、「遺伝学的解析の結果は、BPHがうつ病に及ぼす因果的寄与はごくわずかであることを示唆しており、慎重に解釈されるべきである。これらの知見は、BPHの心理的負担に関する不確実性を解消するとともに、臨床管理においてメンタルヘルスのスクリーニングおよび支援を組み込むことの重要性を強調するものである」と述べている。

95.

うつ病から双極症への転換リスク比較、SSRI vs.SNRI

 抗うつ薬、とくに選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の使用に伴う単極性うつ病から双極症への診断転換リスクの潜在的比較については、依然として議論が続いている。韓国・翰林大学校Ka Hee Yoo氏らは、SSRIおよびSNRIの使用と診断転換リスクとの関連性を調査した。International Journal of Psychiatry in Clinical Practice誌オンライン版2025年12月14日号の報告。 国際標準規格であるObservational Medical Outcomes Partnership-Common Data Model(OMOP-CDM)韓国版を用いて、レトロスペクティブコホート研究を実施した。対象コホートは、SNRI使用患者で構成され、比較コホートはSSRI使用患者で構成した。主要アウトカムは、抗うつ薬投与開始6ヵ月以上経過後における双極症の新規診断とした。 主な結果は以下のとおり。・傾向スコア調整後、SSRI使用患者とSNRI使用患者との間で診断転換リスクに有意な差は認められなかった。・分散ネットワーク解析では、1:1傾向スコアマッチング(ハザード比[HR]:1.28、95%信頼区間[CI]:0.90〜1.82、I2=24.1%)および1:2傾向スコアマッチング(HR:1.16、95%CI:0.88〜1.53、I2=0%)のいずれにおいても、SNRI使用患者はSSRI使用患者と比較し、診断転換リスク上昇に有意な関連が認められなかった。 著者らは「本研究では、SSRI使用患者とSNRI使用患者との間で双極症への診断転換リスクに有意差は認められなかった」としている。

96.

統合失調症患者における遺伝と性差との関係

 親が統合失調症の場合、世代を超えてメンタルヘルスリスクに影響を及ぼすが、性別による伝播パターンは、依然として十分に定量化されていない。中国・北京大学のZhi Sheng氏らは、中国における統合失調症患者の子供における、親が報告した伝播率と家族性のリスク因子を調査した。The Lancet Regional Health誌2025年12月号の報告。 統合失調症患者2万7,315例とその子供3万5,772例を対象に横断研究を実施した。子供の精神疾患の診断は、親が報告し、その後、医療管理システムを通じて確認した。年齢と性別で標準化した伝播率は、2020年の中国国勢調査を参照した。ロバストポアソン回帰分析により、調整伝播率比(aRR)を算出した。多変量ロジスティックモデルを用いて、若年子孫のリスク因子を特定した。 主な結果は以下のとおり。・親が報告した子供における伝播率は2.68%(95%信頼区間[CI]:2.52〜2.85)であり、統合失調症スペクトラム障害(1.42%)が大部分を占めた。・人口統計学的標準化後の標準化率は2.53%(95%CI:2.01〜3.05)であった。・親の疾患発症後に妊娠した場合では、子供のリスクが86.0%増加することが示された。・リスク上昇と有意な関連が認められた因子は、第1子(aRR:1.67)、低所得世帯(aRR:1.43)、男児(aRR:1.14)であった。・親の年齢の影響も性別特異性が認められた。・未成年(17歳未満)の子供を対象としたサブグループ解析では、母子間での影響は、親の発症後の出産(オッズ比[OR]:2.48、p<0.001)、世帯収入の低さ(OR:2.32、p<0.001)、出生前の抗精神病薬の使用(OR:1.69、p<0.001)と関連が認められた。・父子間での影響は、父親のみによる養育(OR:2.15、p<0.001)、世帯収入の低さ(OR:1.97、p<0.001)、男児(OR:1.79、p=0.001)と関連していた。・両親による養育は、母子および父子の統合失調症群の両方において、強力な保護効果であることが示唆された(OR:0.75、95%CI:0.51〜1.10)。 著者らは「本研究の結果は、家族集積、性別によって異なる周産期曝露、そして養育環境の間に重要な相互作用があることを浮き彫りにした。政策の優先事項としては、性別に基づいた遺伝カウンセリング、出生前の薬物モニタリング、そして養育の不平等を解消するための家族支援プログラムを統合する必要がある」としている。

97.

コロナワクチン接種を躊躇する理由を大規模解析についてのコメント(解説:栗原宏氏)

特徴・ワクチン接種に関して「どの階層」が「どんな理由で」ためらったかを明らかにし、経時的な変化と実際の接種行動を調査している。・自己申告ではなく、本当に接種したかまでNHSワクチン記録で追跡している。 本調査は、イギリスの一般住民を対象とした大規模COVID-19モニタリングプログラムに参加した成人113万人を対象として、COVIDワクチンに対する態度(ためらいや拒否など)とその後実際にワクチンを接種したかどうかをNHSワクチン記録と照合して分析したコホート研究である。 この研究のポイントは、ワクチン接種への考え方が変化しやすい群と拒否や不信が強く接種に至りにくい群を、理由・属性と併せて定量的に示した点にある。 多変量ロジスティック回帰の結果では、接種を躊躇する傾向が強いのは、若年層(18~24歳)、女性、白人以外の民族(とくに黒人)、社会経済的な不利、低学歴、失業・非労働人口、COVID既感染、うつ病・不安症、喫煙者であった。最終的に接種しなかったことと関連した要因として・学歴が低い・失業・非労働人口・COVID既感染歴・喫煙者・うつ病、不安症などの精神疾患(自己申告)が挙げられている。未接種の理由としては、・ワクチン全般に反対・COVIDの影響が誇張されていると認識している・ワクチン開発者を信頼していない・COVIDは自分にとってリスクではないと感じているといった回答と強く結びついていた。 COVIDワクチンへの躊躇の多くは「効果」「安全性」「長期的影響」に関する具体的な懸念に由来しており、これらは時間経過、情報提供によって解消されやすい。これに対して、「ワクチン全般への拒否感」「COVIDそのものへのリスク認識の低さ」「政府・専門科・情報への不信」を背景にした人たちは最後まで接種しない傾向が強い。 本研究よりも小規模な調査が日本国内でも実施されており、ほぼ同様に若年層や女性、低学歴・低所得・既感染・不信感の強い層では接種に躊躇する傾向が報告されている。イギリスでの調査ではあるが、日本においても属性による経時的な考えの変化があると推測される。ワクチン接種を推奨するに当たり、一律の情報提供では不十分で、理由・属性ごとに「変わりやすさ」が異なることを踏まえた対応が求められる。

98.

うつ病か?せん妄か?うつ病の過剰診断の現状

 精神科以外の臨床医によるうつ病とせん妄の誤診は一般的である。うつ病の過剰診断は、正常な情緒反応へのスティグマやせん妄への対応遅延につながる可能性がある。米国・クリーブランド・クリニックのMolly Howland氏らは、精神科以外の医療サービスとコンサルテーション・リエゾン精神科(CLP)サービスとの間における診断の一致率を調査するため、多施設におけるレトロスペクティブカルテレビューを実施した。Journal of Psychosomatic Research誌2026年2月号の報告。 クリーブランド・クリニックの2施設における入院患者を対象に、うつ病およびせん妄の紹介について調査した。紹介理由とCLPサービスの診断の一致率を評価した。従属変数として、うつ病の過剰診断、うつ病と誤診されたせん妄を、独立変数として、チームの主要専門分野、人口統計学的、臨床的変数を用いて、多変量ロジスティック回帰モデルを実施した。 主な結果は以下のとおり。・診断一致率は、せん妄で88%、厳密なうつ病診断で67%、広義のうつ病診断で80%であった。・CLP精神医学的診断を受けなかったうつ病で紹介された患者のうち、適応障害が49%、不安症/強迫症が18%、せん妄が16%、神経認知障害が4%で診断された。・高齢、過去の精神医学的診断は、うつ病の過剰診断の可能性を低下させた。・向精神薬の使用は、せん妄がうつ病と誤診される可能性を高めた。 著者らは「プライマリケアでは、うつ病が過剰診断されており、せん妄はより正確に診断されていた。しかし、代替診断のほとんどが不安症/強迫症であったことを考えると、プライマリケアは心理的苦痛の特定に長けているように思われ、これは精神科医によるスティグマ解消の啓発や教育活動に関連している可能性がある。プライマリケアでは、過去の精神疾患診断をうつ病のリスク因子として認識し、高齢者の症状にも配慮していたが、過去の向精神薬の使用はバイアスをもたらす可能性が示唆された。直接的な知識や態度の評価を含む、さらなる研究が今後求められる」としている。

99.

コロナ禍で新規診断が増えた疾患・減った疾患/BMJ

 英国・キングス・カレッジ・ロンドンのMark D. Russell氏らによる、OpenSAFELY-TPPを用いたコホート研究の結果、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以降、うつ病、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬、骨粗鬆症の新規診断は予測値を下回ったのに対し、慢性腎臓病は2022年以降に診断数が急増し、サブグループ解析ではとくに認知症に関して民族および社会経済的状況により新規診断数の回復パターンに差があることが示された。著者は、「本研究は、日常診療で収集される医療データを用いた疾病疫学のほぼリアルタイムのモニタリングの可能性を示すとともに、症例発見の改善や医療の不平等を検討するための戦略立案に寄与する」とまとめている。BMJ誌2026年1月21日号掲載の報告。イングランドの約3千万例対象、COVID-19パンデミック前後の慢性疾患の新規診断と有病率を解析 研究グループは、2016年4月1日~2024年11月30日に、OpenSAFELY-TPPプラットフォームにデータを提供している一般診療所に登録され、かつ診療所に対して直接の医療に関与しない組織への個人データの共有を希望しない旨の登録をしていない患者2,999万5,025例を対象として、19の慢性疾患について年齢・性別標準化発症(新規診断)率および有病率の経時推移を検討した。 19の慢性疾患は、喘息、アトピー性皮膚炎、冠動脈心疾患、慢性腎臓病(ステージ3~5)、セリアック病、COPD、クローン病、認知症、うつ病、2型糖尿病、てんかん、心不全、多発性硬化症、骨粗鬆症、リウマチ性多発筋痛症、乾癬、関節リウマチ、脳卒中/一過性脳虚血発作、潰瘍性大腸炎。 COVID-19パンデミックが、これら慢性疾患の診断に与えた影響を評価する目的で、パンデミック前のパターンから予測された期待診断率に基づく季節変動自己回帰和分移動平均(seasonal autoregressive integrated moving average:SARIMA)モデルを用い、パンデミック発生後の予測診断率と実際の観察診断率の差を比較した。パンデミック初年度に新規診断が急減、4年後もうつ病などは減少したまま パンデミック発生後の新規診断率はパンデミック前と比較し、初年度(2020年3月~2021年2月)に19疾患のすべてで急減した。ただし、その後の回復傾向は疾患ごとに異なった。 2024年11月時点でも、いくつかの疾患では新規診断数が予測値を下回っており、とくにうつ病(予測より-73万4,800件[-27.7%]、95%予測区間[PI]:-76万6,400~-70万3,100)で減少幅が最も大きく、喘息(-15万2,900件[-16.4%]、95%PI:-16万8,300~-13万7,500)、COPD(-9万100件[-15.8%]、-9万8,900~-8万1,400)、乾癬(-5万4,700件[-17.1%]、-5万9,200~-5万100)、骨粗鬆症(-5万4,100件[-11.5%]、-6万1,100~-4万7,100)も大きく減少した。 一方、慢性腎臓病の診断数は、パンデミック初期に減少したものの、2022年以降はパンデミック前の水準を上回る増加を示した(予測より35万9,000件[34.8%、95%PI:33万3,500~38万4,500]増加)。 人種および社会経済的状況で層別化したサブグループ解析の結果、パンデミック初期の減少後、白人および社会経済的困窮度が低い地域では、認知症の診断率がパンデミック前の水準を上回って増加したが、他の人種および困窮度が高い地域では増加しなかった。

100.

睡眠障害やうつ病は急性冠症候群リスクと関連するか?~メタ解析

 精神疾患と急性冠症候群との関連を評価したシステマティックレビューおよびメタ解析により、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、不安障害、睡眠障害、うつ病が急性冠症候群のリスク増加と関連し、PTSDと睡眠障害は睡眠の質が心血管疾患アウトカムに潜在的に関与する可能性があることが、カナダ・カルガリー大学のArnav Gupta氏らによって示された。JAMA Psychiatry誌オンライン版2026年1月14日号掲載の報告。 これまでの研究により、精神疾患は従来の心血管リスク因子と関連し、それらを介して急性冠症候群のリスクを高める可能性が示唆されているが、精神疾患ごとのリスクについては十分明らかにはなっていなかった。そこで研究グループは、精神疾患のない患者と比較して、精神疾患を有する患者における急性冠症候群との関連性を評価するためにシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。MEDLINE、EmbaseおよびPubMedを用いて、精神疾患と急性冠症候群との関連性を調査した観察研究またはランダム化試験を抽出した。データはランダム効果メタ解析で統合した。 主な結果は以下のとおり。●25件の研究が包含基準を満たした。参加者は2,204万8,504例で、年齢中央値は48.0歳、男性は1,301万9,897例(59.1%)であった。●PTSD、不安障害、睡眠障害、うつ病は急性冠症候群のリスク増加と関連していた。ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)は以下のとおり。 ・PTSD HR:2.73、95%CI:1.94~3.84、p<0.001、エビデンスの確実性:中  ・不安障害 HR:1.63、95%CI:1.40~1.89、p<0.001、エビデンスの確実性:低 ・睡眠障害 HR:1.60、95%CI:1.22~2.10、p<0.001、エビデンスの確実性:低 ・うつ病 HR:1.40、95%CI:1.11~1.78、p=0.01、エビデンスの確実性:非常に低●双極症および精神病性障害は、急性冠症候群のリスク増加との有意な関連は認められなかった。 ・双極症 HR:1.48、95%CI:0.47~4.61、p=0.28、エビデンスの確実性:非常に低 ・精神病性障害 HR:0.97、95%CI:0.01~178.30、p=0.06、エビデンスの確実性:非常に低 研究グループは「本システマティックレビューとメタ解析の結果は、うつ病、不安障害、PTSD、睡眠障害が急性冠症候群のリスク増加と関連していることを示唆している。とくに、PTSDと睡眠障害は急性冠症候群の重要なリスク因子として浮上し、睡眠の質が心血管疾患のアウトカムに潜在的に関与する可能性がある」とまとめた。

検索結果 合計:3059件 表示位置:81 - 100