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781.

統合失調症に対するメタ認知トレーニングの有効性

 メタ認知トレーニング(MCT)は、統合失調症患者の精神症状や認知バイアスを改善するためのグループプログラムであるが、入院中の回復初期段階の統合失調症患者への介入効果は、あまりわかっていない。長野県・千曲荘病院の芳賀 彩織氏らは、日本の精神科救急病棟に入院している統合失調症患者の回復初期段階におけるMCTの有効性を調査した。その結果、MCTは精神症状、自己内省の不良、再入院の予防に有効である可能性が示唆された。Frontiers in Psychology誌2022年4月11日号の報告。 20~65歳の統合失調症患者24例を対象に、非盲検パイロットランダム化比較試験を実施した。患者を作業療法(OT)+MCT群とOTのみを行う群(OT群)にランダムに割り付けた。ベースライン時と介入後の認知機能、精神症状、認知的洞察、内発的動機付けの変化を両群間で比較するため、2要因反復測定分散分析(ANOVA)を用いた。さらに、退院後1年間の再入院率を両群間で比較した。 主な結果は以下のとおり。・一部の患者は本研究から除外されたため、最終分析には各群ともに8例が含まれた。・ANOVAでは、対象患者のいくつかのドメインで、認知機能に有意な差が認められた。・対象患者間での有意な差は認められなかった。・個々の患者において、精神症状の有意な改善が認められ、精神病理学との相互関係が確認された(p=0.03)。・認知的洞察および自己内省の値は、患者間で有意な違いが認められた(p=0.03)。・内発的動機付けに有意な差は認められなかった。・1年以内の再入院率は、OT+MCT群(25%、8例中2例)のほうがOT群(75%、8例中6例)よりも有意に低かった(p=0.046)。

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双極性または単極性うつ病患者の季節による臨床的特徴

 双極性障害のうつ症状(双極性うつ病)と単極性うつ病の鑑別は、誤診しないために重要である。中国・上海交通大学のShuqi Kong氏らは、双極性うつ病および単極性うつ病の初回入院患者における季節的な症状および非酵素性酸化ストレスの特徴を調査した。その結果、単極性うつ病患者と比較し、双極性うつ病患者は季節的な特徴を有している可能性が示唆された。著者らは、「季節性の単極性うつ病と双極性うつ病を鑑別するうえで、臨床症状や酸化ストレスの指標は有用である可能性がある」とし、「15~35歳の比較的若い年代では、冬期に双極性うつ病を発症する可能性が高い」と併せて報告している。Frontiers in Psychiatry誌2022年4月6日号の報告。 対象は、双極性うつ病患者450例および単極性うつ病患者855例。うつ症状の急性発症で入院した季節に応じて、春、夏、秋、冬の4群に患者を分類した。DSM-Vに基づいた双極性障害の特徴的な症状は医療記録から収集し、酸化ストレスを反映した臨床生化学的指標も併せて収集した。双極性うつ病患者または単極性うつ病患者における季節的リスク因子を分析し、冬期発症の患者では年齢や性別との関連も調査した。 主な結果は以下のとおり。・春期発症(双極性うつ病:124例、単極性うつ病:233例)では、メランコリックな特徴、非定型の特徴、抱合型ビリルビンに両群間で有意な差が認められた。・夏期発症(同:115例、260例)では、メランコリックな特徴、尿酸、抱合型ビリルビンに両群間で有意な差が認められた。・秋期発症(同:122例、211例)では、メランコリックな特徴、不安や疼痛、非定型の特徴、尿酸、総ビリルビン、抱合型ビリルビン、アルブミンに両群間で著しい差が認められた。・冬期発症(同:89例、161例)では、抱合型ビリルビン、プレアルブミンに両群間で有意な差が認められた。・双極性うつ病と比較した単極性うつ病の季節的な独立したリスク因子は、夏期発症のメランコリックな特徴および尿酸、秋期発症のメランコリックな特徴、尿酸、総ビリルビンであった。・冬期発症では、両群間で年齢に有意な差が認められ、15~35歳の若年層で、冬期に双極性うつ病を発症する可能性が高かった。

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産後うつ病と母乳育児との関連~メタ解析

 産後うつ病に対する母乳育児の影響については、あまり知られていない。また、産後うつ病のマネジメントにおいて、母乳育児の役割に関連するガイドラインは作成されていない。中国・Taizhou UniversityのMengjie Xia氏らは、産後うつ病と母乳育児との関連を明らかにするため、メタ解析を実施した。その結果、母乳育児が産後うつ病リスクの低下に寄与することが示唆された。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2022年4月20日号の報告。 産後うつ病と母乳育児との関連について報告した研究をPubMed、Cochrane Library、EMBASE(~2021年12月)より検索した。プールされたオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)の算出には、ランダム効果モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・8研究より、1万8,570例が抽出された。・母乳育児により、産後うつ病リスクが14%低下していた(OR:0.86、95%CI:0.77~0.94、I2=51.78%)。・母乳育児の期間が1ヵ月超では産後うつ病リスクが37%低下し(OR:0.63、95%CI:0.47~0.79、I2=34.98%、p=0.19)、1ヵ月未満では6%低下していた(OR:0.94、95%CI:0.89~0.99、I2=0.00%、p=0.61)。・母乳育児を行わなかった場合と比較し、母乳のみで育児を行った場合では、産後うつ病リスクが53%低下した(OR:0.47、95%CI:0.27~0.66、I2=0.00%、p=0.98)。・部分的に母乳育児を行った場合と比較し、母乳のみで育児を行った場合では、産後うつ病リスクが8%低下した(OR:0.92、95%CI:0.86~0.98、I2=13.86%、p=0.31)。・本研究のサブグループは、異質性の原因である可能性が示唆された。

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統合失調症患者の入院率減少に対するセンサー付き錠剤の可能性

 統合失調症患者の精神科病棟への入院は、経済的な負担を引き起こす。そのため、服薬アドヒアランスは重要な因子であるが、依然として難しい問題である。米国・Hassman Research InstituteのElan A. Cohen氏らは、センサー付きアリピプラゾール錠(システムに摂取可能なセンサー、シグナル検出用パッチ、スマートフォンアプリを含む)が、標準的な経口抗精神病薬と比較し、精神科入院数の減少に寄与するかを評価した。その結果、センサー付きアリピプラゾール錠は、標準的な経口抗精神病薬と比較し、軽度から中等度の成人統合失調症患者の精神科入院率を低下させることが示された。本システムにより、統合失調症患者の薬物摂取の支援および症状改善を通じて、急性期治療の必要性を減少させることが期待される。The Journal of Clinical Psychiatry誌2022年4月11日号の報告。 本試験は、6ヵ月間の標準的な経口抗精神病薬治療期間(レトロスペクティブ期)があり、過去48ヵ月間に1回以上の入院を経験した成人統合失調症患者を対象とした、第IIIb相ミラーイメージ臨床試験(実施期間2019年4月29日~2020年8月11日)である。すべての対象患者に対し、3~6ヵ月間のセンサー付きアリピプラゾール錠による治療を行った。主要評価項目は、レトロスペクティブ期と比較した1~3ヵ月目の修正ITT集団(mITT:113例)における精神科入院率とした。副次評価項目は、投与対象となる日数の割合とした。安全性の評価には、服薬またはパッチと自殺傾向に関連する有害事象を含めた。 主な結果は以下のとおり。・センサー付きアリピプラゾール錠は、対応するレトロスペクティブ期と比較し、mITT集団の1~3ヵ月目(-9.7%、p≦0.001)および1~6ヵ月目(-21.3%、p≦0.001)の入院を有意に減少させた。・センサー付きアリピプラゾール錠の使用により、確認された薬物摂取が1~3ヵ月目で26.5ポイント改善され(p≦0.001)、PANSSスコアは低下した。・パッチは忍容性が高く、試験参加者の報告による自殺リスクの変化は認められなかった。

785.

抗精神病薬の多剤併用から単剤療法に切り替え後の再発率と精神症状への影響

 抗精神病薬の多剤併用療法について、支持するエビデンスはほとんどなく、安全性や副作用に対する懸念が存在する。それにもかかわらず、多剤併用療法は、統合失調症の長期入院患者に対し一般的に行われている。オランダ・マーストリヒト大学のMushde Shakir氏らは、第1世代抗精神病薬(FGA)および第2世代抗精神病薬(SGA)の併用療法からいずれかの単剤療法への切り替えが及ぼす、再発率および精神症状への影響を検討した。その結果、統合失調症の長期入院患者においてFGAとSGAの併用療法から単剤療法へ切り替えた場合、再発率は増加することなく、逆に減少することが示唆された。Schizophrenia Research誌オンライン版2022年4月6日号の報告。 SGAとFGAの併用療法を行っている入院中の慢性期統合失調症患者136例を対象にランダム化非盲検試験を実施した。切り替え群はFGAまたはSGAのいずれかを中止し、現状維持群は併用療法をそのまま継続した。再発および精神症状は、ベースライン時、フォローアップ後3ヵ月、6ヵ月、9ヵ月の時点で測定した。精神症状の評価には、簡易精神症状評価尺度(BPRS)を用いた。再発の定義は、(1)BPRSのいずれかの項目における2ポイント以上の増加、または(2)BPRS合計スコア4ポイント以上増加および抗精神病薬の調整とした。 主な結果は以下のとおり。・性別で補正したロジスティック回帰モデルでは、切り替え群の再発率が有意に低いことが示唆された(OR:0.29、95%CI:0.13~0.62)。・単剤療法への切り替えによる保護効果は、単剤療法としてクロザピンを継続している患者で認められた。・再発および脱落しなかった患者では、切り替え群においてBPRS合計スコアの有意な減少が認められた(p=0.0001)。

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統合失調症患者の併存疾患~リアルワールドデータ分析

 米国において統合失調症の影響は320万人超に及ぶとされる。しかし、統合失調症の併存疾患パターンは、リアルワールドでシステマティックに検証されていない。米国・ハーバード大学のChenyue Lu氏らはこの課題を解決するため、米国の健康保険データセットの8,600万例の患者コホートを用いた観察研究を実施した。その結果、統合失調症患者の既知の併存疾患だけでなく、これまであまり知られていなかった併存疾患パターンも特定された。Translational Psychiatry誌2022年4月11日号の報告。統合失調症患者の併存疾患の初期兆候に臨床医が注意を払う 統合失調症患者と非統合失調症患者を年齢、性別、居住地(郵便番号の最初の3桁)でマッチさせた。統合失調症患者とマッチした非統合失調症患者の疾患ごとの有病率を比較し、年齢、性別で層別化したサブグループ分析を行った。 統合失調症の併存疾患パターンを観察研究した主な結果は以下のとおり。・青年および若年成人では、統合失調症診断前に、不安症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、薬物乱用が認められることが多かった。・60歳以上の統合失調症患者の併存疾患として、せん妄、アルコール依存症、認知症、骨盤骨折、骨髄炎の発症リスクが高かった。・統合失調症診断前の女性では、2型糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、摂食障害が認められることが多く、男性では、急性腎不全、横紋筋融解症、発達遅延が多かった。・統合失調感情障害患者では、他の統合失調症患者と比較し、不安症状や肥満の頻度が高かった。 著者らは「これらの併存疾患プロファイルは、同時に発生する疾患の初期兆候に臨床医が注意を払うよう導いてくれるだろう」としている。

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米国のうつ病/物質使用障害成人の喫煙率が有意に低下/JAMA

 大うつ病エピソード(MDE)、物質使用障害(SUD)、あるいはその両方を抱えた米国成人の自己申告による喫煙率は、2006年から2019年にかけて有意に低下している。米国・国立衛生研究所(NIH)のBeth Han氏らが、探索的順次横断研究の結果を報告した。米国における予防可能な疾病・障害・死亡原因である喫煙は、減少傾向にある。しかし、精神疾患患者では喫煙率が高く、2014年までのデータを用いた研究において一般集団でみられた喫煙率低下は、精神疾患患者では観察されなかったことが示されていた。著者は、「精神疾患患者の喫煙率をさらに低下させるため、継続的な取り組みが必要である」とまとめている。JAMA誌2022年4月26日号掲載の報告。全国調査に参加した約56万人のデータを解析 研究グループは、米国において2006~19年の薬物使用と健康に関する全国調査に参加した18歳以上の55万8,960例のデータを用い、DSM-IV-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第4版テキスト改訂版)に基づく過去1年間のMDEおよびSUDを有する人の喫煙率について解析した。 主要評価項目は、社会人口統計学的特性で補正した自己申告による過去1ヵ月間の喫煙である。 55万8,960例のうち、41.4%が18~25歳、29.8%が26~49歳で、女性は53.4%であった。2006年から2019年にかけて、喫煙率はMDEで年間3.2%、SUDで年間1.7%低下 自己申告による過去1ヵ月間の喫煙率は、2006年から2019年にかけてMDEを有する成人では37.3%から24.2%へ(平均年間変化率:-3.2、95%信頼区間[CI]:-3.5~-2.8、p<0.001)、SUDの成人では46.5%から35.8%へ(-1.7、-2.8~-0.6、p=0.002)、MDEとSUDの両方を有する成人では50.7%から37.0%へ(-2.1、-3.1~-1.2、p<0.001)、いずれも有意に低下した。この有意な喫煙率低下は、アメリカ先住民/アラスカ先住民のMDE(p=0.98)またはSUD(p=0.46)では観察されなかったことを除き、年齢、性別、人種/民族のいずれのサブグループでもMDEおよびSUDともに認められた(すべてp<0.05)。 MDEを有する成人と有していない成人との間の喫煙率の差は、全体では11.5%から6.6%に有意に低下し、平均年間変化率は-3.4(95%CI:-4.1~-2.7、p<0.001)であった。平均年間変化率の有意な低下は、男性(-5.1、95%CI:-7.2~-2.9、p<0.001)、女性(-2.7、-3.9~-1.5、p<0.001)、18~25歳(-5.2、-7.6~-2.8、p<0.001)、50歳以上(-4.7、-8.0~-1.2、p=0.01)、ヒスパニック系(-4.4、-8.0~-0.5、p=0.03)、白人(-3.6、-4.5~-2.7、p<0.001)でも同様に確認された。 アメリカ先住民/アラスカ先住民における喫煙率は、2006~12年の間ではMDEの有無で有意差はなかったが、2013~19年の間ではMDEを有する成人で有意に高かった(群間差:11.3%、95%CI:0.9~21.7、p=0.04)。SUDの有無で比較した喫煙率の差は、女性で低下し、平均年間変化率は-1.8(95%CI:-2.8~-0.9、p=0.001)であった。

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中年期の生活環境とその後のうつ病との関連

 大阪大学の小川 憲人氏らは、一般集団における生活環境と精神科医によるうつ病診断との縦断的関連について、調査を行った。その結果、子供と一緒に暮らすことで、男性ではうつ病リスクの低下が認められ、うつ病予防における子供の影響が示唆された。Translational Psychiatry誌2022年4月11日号の報告。 1990年、多目的コホート研究(JPHC Study)において、40~59歳の日本人男性および女性1,254人が登録され、生活環境についてのアンケート調査に回答した。その後、2014~15年にメンタルヘルス検診を実施した。うつ病の診断は、十分な経験を積んだ精神科認定医による診察を通じて評価した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中に、精神科医によるうつ病の診断は105例(64~84歳、男性:36例、女性69例)であった。・男性では、子供と一緒に暮らすことでうつ病リスクの低下が認められたが(多変量OR:0.42、95%CI:0.19~0.96)、女性では認められなかった(同:0.59、95%CI:0.32~1.09)。・これらの関連は、配偶者や親との同居で調整した場合でも、同様であった。

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うつ病とドライアイ症状との関係~DREAM研究

 うつ病患者は、ドライアイ症状を有する割合が高いといわれているが、ドライアイ症状の重症度とうつ病との関連はよくわかっていない。米国・ペンシルベニア大学のYi Zhou氏らは、うつ病とドライアイ症状の重症度、兆候、炎症マーカーとの関連を調査した。その結果、うつ病はドライアイ症状の重症度および全体的な兆候と関連しており、中等度~重度のドライアイ症状を有するうつ病患者では、ドライアイ症状がより重度である可能性が示唆された。JAMA Ophthalmology誌2022年4月1日号の報告。 2014年10月~2016年7月、ドライアイの中等度~重度の症状および兆候を有する患者を対象に実施されたランダム化比較試験「DREAM(Dry Eye Assessment and Management)研究」のデータに基づき、2020年4月~12月に2次的横断および縦断分析を行った。米国17州の眼科および検眼センター27ヵ所で登録された535例を1年間フォローアップした。SF-36の精神的側面サマリー(MCS)スコア42以下をうつ病と定義し、スクリーニングを実施した。ドライアイ症状は眼表面疾患指数(OSDI)およびBrief Ocular Discomfort Index(BODI)、ドライアイの兆候は、涙液層破壊時間(BUT)、Schirmer試験、フルオレセイン角結膜染色、涙液浸透圧、マイボーム腺機能不全(MGD)による評価を、ベースライン時、6ヵ月時点、12ヵ月時点で行った。すべての兆候より、複合ドライアイ兆候スコアを算出した。一部の対象患者に対して、炎症マーカー(涙液中のサイトカイン、結膜表面細胞によるHLA-DR発現)の測定を行った。ドライアイの特徴は、うつ病患者と非うつ病患者で評価し、年齢、性別、人種、受診、ベースライン時の併存疾患で調整を行った。 主な結果は以下のとおり。・対象患者535例の平均年齢は58±13.2歳、女性の割合は81%(434例)、白人の割合は74.4%(398例)であった。・スクリーニングでうつ病と診断された患者では、ドライアイ症状の悪化が認められた。 【OSDI】エフェクトサイズ:0.45、p<0.001 【BODI】同:0.46、p<0.001 【複合ドライアイ兆候スコア】同:0.21、p=0.006・MCSスコアが低い(うつ病重症度が高い)患者では、ベースライン時(Spearman ρ=-0.09、p=0.03)、6ヵ月時(同:-0.20、p<0.001)、12ヵ月時(同:-0.21、p<0.001)のOSDIスコアが高かった。・うつ病患者と非うつ病患者において、炎症マーカーの差は認められなかった。 著者らは「これらの結果は、ドライアイ症状を有する患者のマネジメントにおいて、併存疾患としてのうつ病を考慮すべきであることを示唆している。うつ病とドライアイ症状との関連を明らかにするためにも、さらなる研究が求められる」としている。

790.

日本人精神疾患患者における第2世代抗精神病薬治療後のHbA1cの閾値下変化

 第2世代抗精神病薬(SGA)の種類により糖尿病発症リスクが異なることは、いくつかの研究で報告されている。しかし、HbA1cの閾値下の変化に焦点を当てた研究は、ほとんどない。北海道大学の澤頭 亮氏らは、6種類のSGAのうち、いずれかを使用している日本人患者を対象に、HbA1cの閾値下およびBMIの変化について調査を行った。その結果、糖尿病リスクの高い患者に対しては、ブロナンセリン治療が最も有用な治療法である可能性が示唆された。The Journal of Clinical Psychiatry誌2022年3月30日号の報告。 本研究は、統合失調症患者に対し、日本の血糖モニタリングガイドラインに基づいてフォローアップ調査を実施したプロスペクティブコホート研究である。2013年4月~2015年3月の期間に、ベースライン時およびSGA治療開始3ヵ月後の時点で、患者の人口統計学的データ、薬歴、血液検査値、体重測定値を収集した。対象は、ICD-10に基づく統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害の患者378例。抗精神病薬による治療開始から3ヵ月後のHbA1cの閾値下およびBMIの変化を比較するため、多変量回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・ブロナンセリン開始3ヵ月後のHbA1cの閾値下の変化は、オランザピンと比較し、有意に低かった(B=-0.17、95%CI:-0.31~-0.04)。・ブロナンセリン(B=-0.93、95%CI:-1.74~-0.12)およびアリピプラゾール(B=-0.71、95%CI:-1.30~-0.12)開始3ヵ月後のBMIの変化は、オランザピンと比較し、それぞれ有意に低かった。

791.

睡眠、不安、ビタミンDと周産期うつ病リスク

 周産期うつ病の頻度は高く、死亡率に影響を及ぼす疾患である。米国・サウスカロライナ医科大学のCourtney E. King氏らは、周産期うつ病リスクに影響を及ぼす修正可能な心理学的および生物学的因子を特定するため、検討を行った。その結果、妊娠初期の睡眠、不安および潜在的なビタミンD不足は、周産期うつ病リスクの増加と関連していることが示唆された。Reproductive Sciences誌オンライン版2022年3月29日号の報告。睡眠障害や不安症状、ビタミンD不足とうつ症状スコア 対象は、妊娠中の女性105人。妊娠8~12週および24~28週、産後6~8週および10~12週に、うつ症状、不安症状、睡眠障害の評価と血液検査を実施した。評価尺度として、うつ症状にはエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)、不安症状には全般不安症スコア(GAD)、睡眠障害にはピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)を用いた。 妊娠中の女性105人にうつ症状、不安症状、睡眠障害の評価と血液検査を実施した主な結果は以下のとおり。・研究期間中にうつ病基準を満たした女性は、105例中35例(33.3%)であった。・妊娠8~12週にPSQIスコア(OR:1.17、95%CI:1.04~1.33)またはGADスコア(OR:1.33、95%CI:1.18~1.48)の上昇が認められた女性は、その後の評価でうつ症状スコアが上昇する可能性が高かった。・ビタミンDレベルが20ng/L以下の女性は、フォローアップ期間中にうつ症状スコアが上昇する可能性が高かったが、統計学的な有意差は認められなかった(OR:2.40、95%CI:0.92~6.27)。・産後の評価への参加率は低かった。・本研究の限界として、うつ症状、不安症状、睡眠障害の評価には、自己報告尺度を用いた点が挙げられる。 著者らは「妊娠中の睡眠や不安の問題を軽減させ、適切なビタミンDレベルを確保することを目的とした介入は、周産期うつ病リスクを減少させるために重要である」としている。

792.

不眠症治療に対するプライマリケア患者の好み

 睡眠障害は、プライマリケアにおいて一般的に認められる。主な治療オプションには、不眠症に対する薬物療法および認知行動療法が挙げられる。そして、ベストプラクティス・ガイドラインでは、治療に対する協調的意思決定アプローチが推奨されている。米国・バージニア・コモンウェルス大学のElliottnell Perez氏らは、プライマリケア患者の人口統計学的および臨床的特徴に基づいた不眠症治療に対する好みの違いについて、検討を行った。Clinical Therapeutics誌オンライン版2022年3月28日号の報告。重度の不眠症患者では認知行動療法を好んだ割合が有意に高かった 大学医療センターおよび地域のクリニックより抽出された200例(平均年齢:54.92±12.48歳)を対象に、不眠症、うつ病、不安症、不眠症治療に対する好みについて、簡易アンケートを実施した。不眠症は不眠症重症度質問票、うつ病はPHQ-2、不安症はGAD-2を用いて評価した。群間の不眠症治療に対する好みの有意差を検出するためχ2分析を用いた。 不眠症治療に対する好みについて簡易アンケートを実施した主な結果は以下のとおり。・薬物療法を好んだ患者は46.5%、認知行動療法を好んだ患者は56.0%であった(評価は排他的ではない)。・重度の不眠症患者では、認知行動療法を好んだ割合が有意に高かった(好ましい:15.2%、好ましくない:4.5%、p=0.002)。・不安症状が強い患者では、薬物療法を好んだ割合が高かった(57.3% vs.42.7%、p=0.017)。・うつ病患者の中で、うつ症状の強い患者では、認知行動療法(66.7% vs.33.3%、p=0.012)および薬物療法(56.8% vs.43.2%、p=0.016)を好んだ割合が最も高かった。・治療に対する好みの違いは、認知行動療法において年齢のみで認められた(p=0.008)。・治療を好む割合は、51歳以下の患者で最も高かった(67.2% vs.32.8%)。 著者らは「プライマリケア患者は、不眠症治療に対する認知行動療法および薬物療法を好むことがわかった。また、メンタルヘルスや睡眠の状態が悪化するほど、患者は認知行動療法を好む傾向が示唆された。患者の治療に対する好みを理解することは、意思決定の共有の促進につながり、治療満足度や治療への関与の向上に寄与すると考えられる」としている。

793.

抗精神病薬の治療歴とその後の代謝関連副作用との関係

 抗精神病薬治療によるさまざまな有害事象が報告されているが、重篤な副作用が頻繁に認められるわけではない。中国・Second Xiangya Hospital of Central South UniversityのYe Yang氏らは、抗精神病薬の治療歴が現在の抗精神病薬誘発性代謝関連副作用と関連しているかを確認するため、検討を行った。BMC Psychiatry誌2022年3月21日号の報告。 抗精神病薬未治療患者115例、代謝関連副作用リスクの低い抗精神病薬による治療歴を有する患者65例、同リスクの高い抗精神病薬による治療歴を有する患者88例を対象に、ケースコントロール研究を実施した。すべての患者に対し、オランザピン治療を実施した。体重、BMI、血糖値、脂質パラメータ、ベースラインより7%以上の体重増加が認められた患者の割合、脂質異常症の割合を評価した。すべての評価は、ベースライン時、治療開始4週目および6週目に実施した。 主な結果は以下のとおり。・オランザピン治療により、抗精神病薬未治療患者は他の2群と比較し、体重とBMIの有意な増加が観察された(それぞれp<0.05)。・代謝関連副作用リスクの高い抗精神病薬による治療歴を有する患者では、他の2群と比較し、脂質レベルが有意に高かった(それぞれp<0.05)。・抗精神病薬の治療歴と体重増加との間に有意な関連は認められなかった(すべてのp>0.05)。・抗精神病薬による治療歴を有さない患者と比較し、同治療歴を有する患者では、3.37mmol/L-1以上の高LDLコレステロール値が観察された(aOR:1.75、95%CI:1.07~3.52)。・とくに、代謝関連副作用リスクの高い抗精神病薬による治療歴を有する患者では、他の2群と比較し、3.37mmol/L-1以上の高LDLコレステロール値リスクが高かった(aOR:2.18、95%CI:1.03~3.32)。 著者らは「抗精神病薬治療歴、とくに代謝関連副作用リスクの高い抗精神病薬による治療歴を有する患者では、現在使用している抗精神病薬により誘発される代謝関連副作用との関連が示唆された」としている。

794.

初発統合失調症の再発予防に対する抗精神病薬の用量とその効果

 初発統合失調症患者の再発予防に対する抗精神病薬の投与量として、成功の可能性が最も高い用量は、明らかになっていない。東フィンランド大学のHeidi Taipale氏らは、抗精神病薬の使用および特定用量と精神科再入院リスクについての調査を行い、抗精神病薬の投与量の変化と重度の再発リスクとの関連について、検討を行った。The Lancet. Psychiatry誌2022年4月号の報告。初発統合失調症を5年間/5回の再発エピソードまでをフォローアップ フィンランドにおいて全国レジストリベースコホート研究を実施した。すべての入院患者の情報が記録されているnationwide Hospital Discharge registerより、対象患者を特定した。初発統合失調症と診断された45歳以下の入院患者を、5年間または5回の再発エピソードまでフォローアップした。主に精神科再入院を再発のマーカーとして評価し、退院時診断として記録されたICD-10コード(F20-29)を用いて入院治療を定義した。次の再発と見なす期間の定義は30日以上とした。抗精神病薬の使用に関するデータは、処方レジストリより抽出した。用量は、使用したすべての抗精神病薬の合計とした。再入院予防に対する抗精神病薬の有効性は、個別分析を用いて検討し、選択バイアスを除外し、2回目の再発前と再発後の時間で層別化した。初発統合失調症の再発予防に対する抗精神病薬の有効性は2回目再発後に大幅減 初発統合失調症の再発に対する抗精神病薬の有効性を検討した主な結果は以下のとおり。・対象患者は5,367例(男性:3,444例[64.2%]、女性:1,923例[35.8%])、フォローアップ開始時の平均年齢は29.5±7.8歳であった。・民族性に関するデータは、収集できなかった。・5,367例中3,058例(57.0%)が入院治療を必要とした。・抗精神病薬の平均用量は、最初の再発前で1.22 DDD(defined daily doses)/日(95%CI:1.18~1.26)であり、再発ごとに増加が認められ、5回目の再発前では1.56 DDD/日(95%CI:1.48~1.64)であった。・抗精神病薬の使用を未使用と比較した再入院の調整済みハザード比(aHR)は、2回目の再発前の0.42(95%CI:0.35~0.51)から2回目の再発後には0.78(95%CI:0.62~0.99)に増加しており(p<0.0001)、再発予防効果の著しい低下が認められた。・特定用量のカテゴリ分析では、U字型曲線関係が認められ、標準用量の使用中において入院リスクが最低を示した(0.9~1.1 DDD/日)。これは、2回目の再発前で認められたが、2回目の再発後では認められなかった。・低用量(0.6 DDD未満/日)は、2回目の再発前の標準用量と比較し、実質的に高い再入院リスクと関連が認められたが(aHR:1.54、95%CI:1.06~2.24)、2回目の再発後ではこの関連は認められなかった(aHR:1.11、95%CI:0.76~1.62)。これは、2回目の再発後には、すべての用量において有効性が低下するためであると考えられる。 著者らは「再発予防に対する抗精神病薬の有効性は、2回目の再発後、大幅に減少した。そのため、2回目の再発予防は不可欠であり、最初の再発後には十分な投与量の抗精神病薬の使用と再発予防強化策を治療に組み込む必要がある」としている。

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各抗うつ薬に対する患者の主観的満足度の比較

 現在、異なる作用機序を有するさまざまな抗うつ薬が利用可能であるが、その有効性および安全性に有意な差があるかは、よくわかっていない。また、各抗うつ薬に対する主観的な経験に関するデータを組み込んだ検討は、ほとんど行われていなかった。アルゼンチン・AREA(Assistance and Research in Affective Disorders)のSebastian Camino氏らは、各抗うつ薬に対する患者の主観的満足度について、比較検討を行った。Psychological Medicine誌オンライン版2022年3月29日号の報告。使用されている抗うつ薬で満足度が高かった薬剤 薬剤に関する患者評価のWebサイト(www.askapatient.com)から、さまざまな抗うつ薬についての投稿を定性的および定量的に分析した。1,000件の投稿をランダムサンプルとして確認した。 さまざまな抗うつ薬の評価を定性的および定量的に分析した主な結果は以下のとおり。・包含基準および除外基準を適用し、450件の投稿が分析サンプルに含まれた。・450件には、最も使用されている抗うつ薬(セルトラリン、citalopram、パロキセチン、エスシタロプラム、fluoxetine、ベンラファキシン、デュロキセチン、ミルタザピン、bupropion)それぞれの投稿50件が含まれた。・全体的な満足度が高かった薬剤は、bupropion、citalopram、ベンラファキシンであった。・セルトラリン、パロキセチン、fluoxetineでは感情鈍麻の報告が多く、bupropionでは少なかった。・抗うつ薬治療に対する全体的な満足度は、自殺傾向、過敏性、感情鈍麻、認知機能障害、禁断症状などの有害事象との逆相関が認められた。・交絡因子で調整した後、セロトニン作動性薬を使用した患者では、非セロトニン作動性薬と比較し、感情鈍麻のみ報告頻度が高かった。 著者らは「抗うつ薬は薬剤間に違いがあることから、選択する際には、治療中の患者の主観的な経験を考慮すべきであることが示唆された。感情鈍麻を引き起こす可能性の低い薬剤である非セロトニン作動性薬の選択は、患者の満足度の向上につながる可能性がある」としている。

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強迫症患者における統合失調症への診断変更の可能性

 いくつかのエビデンスにおいて、強迫症と統合失調症との関係が報告されている。しかし、強迫症から統合失調症への診断変更を予測する可能性のある因子は、明らかになっていない。この予測因子を特定するため、台湾・国立陽明交通大学のMu-Hong Chen氏らが、検討を行った。European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience誌オンライン版2022年3月24日号の報告。強迫症から統合失調症への粗累積進行率は6%、推定進行率は7.80% 2001~10年に強迫症(ICD-9-CM:300.3)と診断された青少年および成人3万5,255例を対象とし、2011年末まで、新たに統合失調症(同:295)と診断されているかを特定するフォローアップ調査を行った。発生率の推定にはカプランマイヤー法を用い、予測因子の有意性を評価するためCox回帰を用いた。 強迫症から統合失調症への進行の予測因子を検討した主な結果は以下のとおり。・11年間のフォローアップ期間中における、強迫症から統合失調症への粗累積進行率は6%、推定進行率は7.80%であった。・強迫症から統合失調症への診断変更の可能性を上昇させる因子は、以下のとおりであった。 ●男性(ハザード比:1.23) ●肥満(同:1.77) ●自閉スペクトラム症(同:1.69) ●双極性障害(同:1.69) ●心的外傷後ストレス障害(同:1.65) ●クラスターAパーソナリティ障害(同:2.50) ●統合失調症の家族歴(同:2.57) 著者らは「強迫症から統合失調症への診断変更の根底にある病態メカニズムを解明するためには、さらなる研究が求められる」としている。

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元サラリーマンの精神科医が教える 働く人のためのメンタルヘルス術

コロナ禍で増えるメンタル不調、五月病対策にも!働く人の心に寄り添うメンタル回復法とは?「最近、なんだか元気が出ない……」「気持ちが沈んで、何にも興味が持てない……」、そんな状態が続いてはいませんか?メンタル不調には、うつ、抑うつ状態など、いろいろな呼び方がありますが、そうした“心の水位”が下がっている状況とはどういうものなのかを理解し、早めのケアすることが大切です。本書では、〈メンタル不調とは何か?〉〈誰に相談したらいいか?〉にはじまり、〈病院選び〉や〈薬のこと〉、〈復職〉に至るまで、メンタル不調を自覚した段階からよりよい自分を取り戻すまでに、知っておいてほしいことをQ&Aを交えてわかりやすく解説します。元サラリーマンで、年間3,000~4,000人のメンタルケアに向き合ってきた精神科医・産業医の著者がお教えいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    元サラリーマンの精神科医が教える 働く人のためのメンタルヘルス術定価1,650円(税込)判型四六版・ソフトカバー頁数248頁発行2022年3月仕様四六判・ソフトカバー・248ページ著者尾林 誉史

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統合失調症に対する持続性注射剤抗精神病薬の使用推進要因

 米国・Janssen Global ServicesのAlexander Keenan氏らは、精神科医と統合失調症患者との疾患マネジメントに関する考え方の違いを評価し、持続性注射剤(LAI)抗精神病薬の使用要因について、調査を行った。BMC Psychiatry誌2022年3月17日号の報告。 2019年、精神科医と担当する統合失調症患者を対象に実施したリアルワールドの国際的調査「Adelphi Schizophrenia Disease Specific Programme」で収集したデータを分析した。精神科医は、統合失調症のマネジメントに関する調査を完了し、担当する成人患者10例の患者プロファイルを提供した。自己記入式調査票を用いて、対象患者から情報を収集した。症状重症度は医師から報告された臨床全般印象度(CGI)で評価し、患者の治療アドヒアランスは3段階評価で評価した(1:アドヒアランス不良~3:アドヒアランス良好)。 主な結果は以下のとおり。・精神科医466人より統合失調症患者4,345例(LAI治療患者:1,132例、非LAI治療患者:3,105例、未治療患者:108例)のデータが収集された。・LAIは、より重度な統合失調症患者に使用されており、その使用理由はさまざまであった。・精神科医と患者との間で、CGI重症度(k=0.174)と治療改善レベル(k=0.204)について、わずかな一致のみが観察された。・治療アドヒアランスレベルに関しては、中程度の一致が観察された(k=0.524)。・アドヒアランス不良の理由に関しては、明確な示唆を得られるレベルに達しなかった。 著者らは「今回のリアルワールドデータ分析により、LAIは重度の統合失調症患者に使用されることが多く、アドヒアランス改善が使用促進要因であることが明らかとなった。しかし、精神科医は統合失調症患者と比較し、疾患の重症度を過小評価している可能性、逆にアドヒアランスを過大評価する傾向が確認された」としている。

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高齢者のうつ病治療ガイドラインのポイント~日本うつ病学会

 2020年、日本うつ病学会の気分障害の治療ガイドライン検討委員会は、『高齢者のうつ病治療ガイドライン』を作成した。高齢者のうつ病治療ガイドラインは、世界的な専門家の提言や最新のエビデンスに基づいた作成および改訂が行われている。順天堂大学の馬場 元氏らは、高齢者のうつ病治療ガイドラインのポイントについて、報告を行った。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2022年3月11日号の報告。高齢者のうつ病治療ガイドラインに各種療法の有用性 高齢者のうつ病治療ガイドラインの主なポイントは以下のとおり。・高齢者うつ病の診断では、双極性障害や身体疾患および脳器質性疾患を原因とするうつ症状、薬物治療による症状、認知症と慎重に鑑別し、高齢者うつ病と認知症との併存を判断することが重要となる。・高齢者うつ病の臨床的特徴や心理社会的背景の十分な理解、患者の状態の評価、これらの因子に基づいた基本的な介入を行う必要がある。・抑うつ症状の軽減には、問題解決療法、回想療法/ライフレビュー療法、行動活性化療法、その他の心理療法が有効である。・高齢者うつ病に対する薬物療法に関しては、新規抗うつ薬または非三環系抗うつ薬を用い、初めに最小有効用量を決定することが推奨されている。・治療抵抗性患者に対しては、抗うつ薬の切り替えおよびアリピプラゾール増強療法が使用可能である。・高齢者うつ病に対し、電気けいれん療法および反復経頭蓋磁気刺激療法が有用であることが確認されている。・運動療法、高照度光療法、食事療法は、ある程度の有用性が認められている。

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抗精神病薬使用中の患者に対する心電図モニタリングの実践

 急性期および慢性期の精神症状の管理における抗精神病薬の使用は、不整脈による死亡率の増加と関連しているとされるが、心電図(ECG)モニタリングのタイミングや頻度に関するコンセンサスは十分に得られていない。米国・Zucker School of MedicineのLiron Sinvani氏らは、抗精神病薬を使用している成人患者(とくに入院患者)に対するECGモニタリングの現在の実施状況に関して調査を行った。Journal of Psychiatric Practice誌2022年3月3日号の報告。 2010~15年に8施設の医療機関で、入院中に抗精神病薬で治療された成人患者を対象に、マルチサイト・レトロスペクティブ・チャートレビューを実施した。主要アウトカムは、抗精神病薬使用後のECG実施とした。 主な結果は以下のとおり。・調査期間中に抗精神病薬で治療された入院患者数は2万6,353例(平均年齢:61.4歳、女性の割合:50.1%、白人の割合:64.8%)であった。・平均併存疾患スコアは1.4、入院期間の中央値は8.3日であった。・対象患者のうち、入院中にECGを実施した患者は60.6%(1万5,977例)、抗精神病薬使用後にECGを実施した患者は41.2%であった(1万865例)。・ECGのフォローアップを実施した患者の入院期間(中央値:11.3日)は、実施しなかった患者の入院期間(中央値:7.0日)と比較し長かった。・ECGのフォローアップ実施率が高かった患者の特徴は以下のとおりであった。 ●心不全の既往歴(オッズ比[OR]:1.17、95%信頼区間[CI]:1.06~1.30、p=0.002) ●抗精神病薬の多剤併用(OR:1.3、95%CI:1.24~1.36、p<0.001) ●その他のQT間隔延長リスクを有する薬剤の使用(OR:1.09、95%CI:1.07~1.1、p<0.001) ●リスペリドンの使用(OR:1.12、95%CI:1.004~1.25、p=0.04) ●QTcの延長(10ms増加当たりのOR:1.02、95%CI:1.01~1.04、p=0.003)・入院前に抗精神病薬を使用していた患者では、ECGのフォローアップを実施する可能性が低かった(OR:0.93、95%CI:0.87~0.997、p=0.04)。 著者らは「本研究では、抗精神病薬を使用している入院患者に対するECGモニタリングは、十分に行われていない可能性が示唆された。急性期治療環境におけるECGモニタリングにより、最もベネフィットが示される患者を特定するためには、さらなる研究が求められる」としている。

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