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ロシア科学アカデミーウラル支部のMikhail F Borisenkov氏らは、冬の季節性感情障害(SADW、冬季うつ病)と地理座標との関連を検討し、SADWの有無により若者の睡眠特性やクロノタイプ(日周指向性;いわゆる朝型・夜型)について比較を行った。Journal of sleep research誌オンライン版2014年11月28日号の報告。 著者らは、10~20歳の若者3,435人(男性1,517人、女性1,918人)を対象に、Munich クロノタイプ質問票(MCTQ)と季節パターン評価質問票(SPAQ)を用い、自己申告による睡眠特性、クロノタイプ、冬季うつ病について調査する横断的研究を実施した。 主な結果は以下のとおり。・対象集団におけるSADWの有病率は8.4%、サブSADWは11.8%であった。・若者におけるSADWの予測変数は、女性(OR:1.87、p<0.0001)、より年長(OR:1.09、p<0.001)、北半球のより高緯度地域(OR:1.49、p<0.029)、タイムゾーンのより西側地域(OR:1.61、p<0.001)であった。・SADWでは、睡眠や目覚めが遅い、睡眠潜時が長い、睡眠慣性がより重度、総睡眠時間が短い、睡眠効率が低いことが、男女問わずに観察された。・睡眠特性へのSADWの影響は、学生時代により顕著であった。・睡眠覚醒リズムと重度の社会的時差ぼけ(週末と平日の睡眠相中間点の差)の有意な位相後退は、SADWを有する女性で観察されたが、男性では見られなかった。・SADWの有無は、睡眠特性やクロノタイプに有意差をもたらすことが示された。・居住地の緯度とタイムゾーン内の位置はどちらも、北部に住む若者におけるSADWの有意な予測因子であることが示された。関連医療ニュース 若年男性のうつ病予防、抗酸化物質が豊富な食事を取るべき うつ病や不安障害患者は、季節性の症状変化を実感 うつ病治療、概念や診断方法の相違が課題 担当者へのご意見箱はこちら