糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:159

2型糖尿病コントロール困難例におけるインスリンポンプ療法の有用性(解説:七里 眞義 氏)-231

強化インスリン療法によっても血糖コントロールに難渋する2型糖尿病患者は数多い。OpT2mise試験は1日平均100単位以上のインスリンを使用してもコントロール不良な331例を、インスリンポンプ療法群と頻回注射療法群に割り付けて比較した「無作為化並行群間比較試験」であるが、より少ないインスリン量で低血糖も増やさず、より良好な血糖コントロールを達成でき、CGMで計測した高血糖持続時間も大きく減少させることができた。

スタチン時代にHDL上昇薬は必要か/BMJ

 スタチン治療中の患者に対し、HDL値の上昇効果があるナイアシン、フィブラート系薬、コレステリルエステル転送蛋白(CETP)阻害薬の併用はいずれも、全死因死亡、冠動脈疾患死、また心筋梗塞や脳卒中を減少しないことが示された。英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのDaniel Keene氏らが患者11万7,411例のデータを含む無作為化試験をメタ解析し報告した。「観察研究では、HDL上昇と心血管アウトカム改善の相関性が示されているが、スタチンが広く使用されるようになった現在では、HDL値を上昇するこれら3つの薬剤の有益性を裏付ける試験はなかった」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年7月18日号掲載の報告より。

分子標的治療薬登場で甲状腺がん治療はどう変わる?

 今年6月、甲状腺がんで初めての分子標的治療薬として、ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)が「根治切除不能な分化型甲状腺がん」に対して承認された。これまでは外科医でほぼ完結していた甲状腺がん治療が、分子標的治療薬の登場によってどのように変わっていくのだろうか。7月29日(火)、都内で開催されたプレスセミナー(主催:バイエル薬品株式会社)で、甲状腺がん治療の現状と今後のあり方、ソラフェニブの臨床成績と副作用のマネージメントについて、日本医科大学内分泌外科学分野 教授 杉谷 巌氏と国立がん研究センター東病院頭頸部内科 科長 田原 信氏がそれぞれ講演した。

ランレオチド 腸膵NETのPFS延長/NEJM

 転移性腸膵神経内分泌腫瘍に対し、ソマトスタチンアナログ製剤のランレオチドは無増悪生存期間を有意に延長したことが、英国のロイヤル・フリー病院Martyn E. Caplin氏らによる国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告された。ソマトスタチンアナログ製剤は、神経内分泌腫瘍でホルモン過剰分泌関連症状の治療に用いられることが多い(日本では、商品名ソマチュリンが先端巨大症・下垂体性巨人症を適応症として承認されている)。しかし、その抗腫瘍効果のデータは限定的なものであった。神経内分泌腫瘍は稀少な疾患で、米国における年間発生例は10万人に5例の頻度であるという。NEJM誌2014年7月17日号掲載の報告より。

週1回GLP-1アナログでは初の非劣性/Lancet

 血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において、週1回デュラグルチド(dulaglutide、国内未承認)のHbA1c値の改善効果は1日1回リラグルチド(商品名:ビクトーザ)に劣らないことが、米国・オハイオ州立大学のKathleen M Dungan氏らが行ったAWARD-6試験で示された。両薬はいずれもGLP-1受容体作動薬であり、2型糖尿病患者において血糖コントロールを改善し、体重の減少をもたらすとともに、低血糖のリスクを低減することが報告されている。これまでに、2つの週1回投与のGLP-1作動薬(エキセナチド、アルビグルチド)とリラグルチドの直接比較試験が実施されたが、いずれの長時間作用型製剤もリラグルチドに対する非劣性は確認されていないという。Lancet誌オンライン版2014年7月11日号掲載の報告。

セリアック病の遺伝的発症リスク/NEJM

 小児セリアック病の発症リスクをHLAハプロタイプとの関連で検討した結果、HLAハプロタイプがDR3-DQ2で、とくにホモ接合体を有する場合、小児早期でセリアック病自己免疫およびセリアック病のリスクが高いことが明らかになった。米国・デンバー小児病院のEdwin Liu氏らが前向き研究TEDDYの被験者を評価して報告した。セリアック病リスクとの関連については、HLAハプロタイプDR3-DQ2またはDR4-DQ8が関連していること、また、発症児のほぼ全員が組織トランスグルタミナーゼ(tTG)の血清抗体を有していることは知られていた。NEJM誌2014年7月3日号掲載の報告より。