皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:54

上海の小児の8.5%がアトピー性皮膚炎、そのリスク因子とは

 中国・上海の3~6歳児のうち、8.5%がアトピー性皮膚炎(AD)を有しており、そのリスク因子として、家の改築/改装、新調した家具や室内のカビ、都心の住宅、遺伝的素因、食物アレルギーが考えられることを、復旦大学のFeng Xu氏らが報告した。アンケート断面調査の結果であるという。上海の就学前小児においてADの頻度が高いことは知られていたが、研究グループは今回、発症のリスク因子を特定することを目的に本調査を行った。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2016年5月27日号の掲載の報告。

皮膚有棘細胞がんになりやすい職業

 皮膚有棘細胞がん(皮膚扁平上皮がん、以下cSCC)の職種間の相対危険度の差は社会経済的要因に関連し、職業性曝露にある程度関連する可能性があることが、ノルウェー・National Institute of Occupational HealthのJose Hernan Alfonso氏らによるフィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンでの45年間の追跡調査で明らかになった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年6月1日号に掲載。

アトピー性皮膚炎にはやはりステロイド外用薬か

 アトピー性皮膚炎の治療において、カルシニューリン阻害外用薬はステロイド外用薬の代替となり得るが、コストが高く、皮膚熱感およびそう痒感などの有害事象が多い。オーストラリア・Royal North Shore HospitalのJoris A. Broeders氏らが、システマティックレビューとメタ解析を行い明らかにした。著者は、「アトピー性皮膚炎には、ステロイド外用薬が推奨されることをエビデンスレベル-1aで支持する結果である」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年5月11日号の掲載報告。

認知症発症リスクが高い酒さ高齢患者

 酒さは、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)や抗菌性ペプチド(AMPs)の発現上昇が観察される慢性炎症性皮膚疾患である。とくに、炎症、MMPs、AMPsは、アルツハイマー病(AD)などの認知症を含む神経変性疾患の病因とも関連している。いくつかの臨床観察に基づき、デンマーク・コペンハーゲン大学のAlexander Egeberg氏らは、ADを含むデンマークのレジスタより、酒さと認知症との関連を調査した。Annals of neurology誌2016年6月号の報告。

新生児期の皮膚バリア機能が食物アレルギー発症予測の指標に?

 食物アレルゲンへの経皮曝露が、食物感作/食物アレルギーを引き起こす可能性がある。アイルランド・コーク大学のMaeve M. Kelleher氏らは、経表皮水分蒸散量(TEWL)を指標とした皮膚バリア機能と食物アレルギーとの関連を調べる出生コホート研究を行い、新生児期の皮膚バリア機能障害が、アトピー性皮膚炎の有無にかかわらず2歳時の食物アレルギー発症を予測することを明らかにした。