皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:53

抗PD-L1抗体アベルマブ、メルケル細胞がんに国内承認

 メルクセローノ株式会社(代表取締役社長:レオ・リー)とファイザー株式会社(代表取締役社長:梅田一郎)は2017年9月27日、両社が共同開発を行っている抗PD-L1抗体アベルマブ(商品名:バベンチオ点滴静注200mg)について、「根治切除不能なメルケル細胞癌」の効能・効果で厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表。

epacadostat・ペムブロリズマブ併用で進行性メラノーマのPFSが12ヵ月に(ECHO-202試験)/ESMO2017

 2017年9月9日Incyte CorporationとMerck & Co., Inc.,は、スペイン・マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)における、選択的IDO1阻害薬epacadostatと、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の進行性悪性黒色腫に対する併用療法を検討する第I/II相臨床試験ECHO-202(KEYNOTE-037)の最新データを発表した。

5-FUクリーム、肌の光老化への効果は?

 長期にわたる紫外線曝露による皮膚の老化(光老化)は、多くの患者にとって審美的な問題である。米国・ブラウン大学のKaveri Korgavkar氏らは、日光角化症の治療に用いられるフルオロウラシルクリーム5%(5-FUクリーム)の光老化に対する効果を、写真数値化スケール(photonumeric scale)を用いて検討したが、光老化の改善は認められなかった。著者は結果について、「光ダメージに対し本当に効果がないのか、もしくは効果を測る写真数値化スケールに限界があるのかもしれない」との見解を示し、「ほくろ、色素沈着および毛細血管拡張など、シワ以外の光老化の徴候を含む写真数値化スケールの開発を考えなければならない」と報告をまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2017年9月6日号掲載の報告。

うつ病患者の多い診療科はどこか

 うつ病や抑うつ症状は、患者の健康関連QOLや医療満足度に大きな影響を及ぼす一般的な精神疾患であるが、どの程度まん延しているかは、公表された研究間で大きく異なる。中国・中山大学のJinghui Wang氏らは、異なる臨床専門分野における外来患者のうつ病または抑うつ症状の有病率について的確な推定値を導き出すため、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。BMJ open誌2017年8月23日号の報告。

アトピー性皮膚炎へのPDE4阻害薬軟膏、長期安全性を確認

 慢性炎症性皮膚疾患のアトピー性皮膚炎(AD)に対しては、しばしば長期にわたる局所治療が必要となるが、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬のcrisaborole軟膏は、長期投与においても治療関連有害事象の発現率が低いことが示された。米国・カリフォルニア大学のLawrence F. Eichenfield氏らが、2件の第III相試験を完遂後のAD患者を対象とした48週間の延長試験で明らかにした。なお、本試験では、長期有効性については解析されていない。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年8月17日号掲載の報告。

米国の開業皮膚科医、グループ診療が増加

 米国皮膚科学会(AAD)では、皮膚科医の労働力需給の傾向を評価する目的で診療プロファイル調査を10年以上行っている。米国・ジョージ・ワシントン大学のAlison Ehrlich氏らは最新の解析結果として、新たな技術に基づいた医療記録の実現による部分的な間接費の増大に関連して診療環境の変化がみられ、電子カルテの普及とともに遠隔診療の実施が進んでいることを示した。著者は、「回答バイアスや報告の曖昧さがある可能性があり、調査で得られた回答がすべての地域を代表するわけではない」と調査の限界を述べたうえで、「皮膚科医療への需要は高いままである」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年8月4日号掲載の報告。

進行メラノーマ、ペムブロリズマブかイピリムマブか/Lancet

 進行性黒色腫患者に対する、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の有効性および安全性をイピリムマブ(同:ヤーボイ)と比較し検証したKEYNOTE-006試験の全生存期間(OS)の最終解析結果を、イスラエル・Sheba Medical CenterのJacob Schachter氏らが報告した。中間解析で示されていたOSに関するペムブロリズマブのイピリムマブに対する優越性は、最終解析でも維持されており、ペムブロリズマブの投与スケジュールによる違いは確認されなかった。著者は、「この結果は進行悪性黒色腫の標準治療として、ペムブロリズマブの使用をさらに支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年8月16日号掲載の報告。

PDE5阻害薬で皮膚がんリスク増大か

 ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬とメラノーマとの関連が議論の的となっているが、米国・インディアナ大学のHuilin Tang氏らは、観察研究のメタ解析を行い、PDE5阻害薬の使用がメラノーマおよび基底細胞がんの発症リスク増加とわずかだが有意に関連していることを明らかにした。なお、結果について著者は、「潜在的な交絡因子のコントロールが一貫していない、異質性のある観察研究のみが解析対象となっていることに、研究の限界がある」と述べている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年7月17日号掲載の報告。

悪性黒色腫とパーキンソン病、相互に発症リスク高

 米国・メイヨークリニックのLauren A. Dalvin氏らは、ロチェスター疫学プロジェクト(Rochester Epidemiology Project:REP)のデータを解析し、悪性黒色腫(皮膚および結膜、ブドウ膜)患者はパーキンソン病(PD)の、PD患者は悪性黒色腫の発症リスクが高く、両者に関連があることを明らかにした。著者は、「さらなる研究が必要であるが、今回の結果に基づき医師は、悪性黒色腫患者にはPDのリスクについてカウンセリングを行い、PD患者に対しては皮膚および眼の悪性黒色腫についてサーベイランスを行うことを検討すべきだろう」とまとめている。Mayo Clinic Proceedings誌2017年7月号掲載の報告。

アトピー性皮膚炎とHBV感染は逆相関する

 韓国・カトリック大学のHee Yeon Kim氏らは、韓国国民健康栄養調査のデータを解析し、B型肝炎抗原(HBs抗原)陽性とアトピー性皮膚炎との間に有意な逆相関があることを報告した。これまで、アトピー性皮膚炎とB型肝炎ウイルス(HBV)感染との関連は明らかになっていない。ある研究ではHBV保有者でアトピー性皮膚炎のリスク増加が報告され、他の研究ではHBV血清陽性はアレルギー疾患と逆の関連があることが示されている。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2017年6月24日号掲載の報告。