命を脅かす慢性疾患を抱えている人に対する緩和ケアは、電話で行っても効果があるようだ。慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心不全(HF)、および間質性肺疾患(ILD)の患者を対象にした臨床試験で、看護師やソーシャルワーカーが電話を通して症状の管理や心理社会的ケアを行ったところ、患者の生活の質(QOL)が有意に改善したことが明らかになった。米コロラド大学医学部教授のDavid Bekelman氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に1月16日掲載された。
Bekelman氏は、「われわれは、これらの病気に対する治療では良い成果をあげているが、患者のQOL向上に対してはもっとできることがある。多くの患者は、持続的な抑うつ、不安、息切れ、睡眠障害などの症状に悩まされ、病気を抱えながら生きることに大きな困難を感じている。これらの症状は早期死亡とも関連している」と話す。