循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:312

薬物溶出ステント後のDAPTの投与期間は何ヵ月?/JAMA

 ゾタロリムス溶出ステント(エンデバー)留置術後の2剤併用抗血小板療法(DAPT)の実施期間について、3ヵ月実施が12ヵ月実施に対して非劣性であることが実証された。ブラジル・Instituto Dante Pazzanese de CardiologiaのFausto Feres氏らが、3,000例超について行った多施設共同オープンラベル無作為化比較試験で明らかにした。薬剤溶出性ステント留置後の2剤併用抗血小板療法は現在、12ヵ月間とすることが推奨されている。しかし一部の薬剤溶出性ステントについては、2剤併用抗血小板療法の最適な期間が判明していなかった。JAMA誌オンライン版2013年10月31日号掲載の報告より。

急性心筋梗塞にも早期に抗凝固薬を?(コメンテーター:後藤 信哉 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(145)より-

 日本では、心筋梗塞症例の圧倒的多数はPCIを受ける。血栓は動的なので、搬送中であっても強力な抗血栓薬が作用すれば、内因性の線溶反応が勝って冠動脈の閉塞血栓が溶解し、再灌流する可能性はある。現在、心房細動症例の脳卒中予防に使用されている新規経口抗凝固薬は、経静脈的なアルガトロバン同様、単一凝固因子の可逆的酵素機能阻害薬であるため、急性冠症候群のように局所の血栓性が亢進している症例では効果を期待できない。

糖尿病患者へのベスト降圧薬は?/BMJ

 糖尿病患者における腎保護効果はACE阻害薬のみで認められ、ARBがACE阻害薬と比べて良好な効果を示すというエビデンスはみつからなかったことが、台湾・亜東記念医院のHon-Yen Wu氏らによるシステマティックレビューとベイズネットワークメタ解析の結果、報告された。結果を踏まえて著者は「薬剤コストを考慮した場合、今回の知見において、糖尿病患者の降圧薬の第一選択はACE阻害薬とすることを支持するものであった。そして十分な降圧が得られない場合は、ACE阻害薬+Ca拮抗薬の併用療法とするのが好ましいだろう」と結論している。BMJ誌オンライン版2013年10月24日号掲載の報告より。

変形性関節症への全人工関節置換術、心血管保護効果を確認/BMJ

 股関節または膝関節の中等度~重度変形性関節症患者に対する待機的全人工関節置換術により、重症心血管イベントの発生リスクが低下することが、カナダ・トロント大学のBheeshma Ravi氏らの検討で示された。身体活動性の低下は心血管リスクを増大させる因子であることが示唆されている。65歳以上の40%以上に身体活動性の低下がみられ、その原因の多くを変形性関節症が占める。全人工関節置換術は変形性関節症患者の疼痛、運動能、歩行能、QOL、全般的な身体機能を改善するが、心血管リスクへの影響は不明であった。BMJ誌オンライン版2013年10月30日号掲載の報告。

PCI施行患者への搬送中の抗トロンビン薬投与/NEJM

 プライマリ経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行患者に対するビバリルジン(国内未承認)の投与について、搬送中からの投与のベネフィットをヘパリン+GP IIb/IIIa阻害薬と比較検討した無作為化試験の結果、ビバリルジン単独群のほうが重大出血を有意に抑制し30日時点の臨床アウトカムを改善することが示された。急性ステント血栓症の発生は有意に高かった。フランス・ビシャ・クロード・ベルナール病院のPhilippe Gabriel Steg氏らEUROMAX研究グループが検討を行い報告したもので、NEJM誌オンライン版2013年10月30日号で発表された。同患者に対してビバリルジンが、ヘパリン+GP IIb/IIIa阻害薬よりもアウトカム(出血と死亡)の改善に優れることは先行研究で示されていたが、搬送中からの投与については明らかではなかった。

インフルエンザワクチン接種者で心血管イベント減少/JAMA

 心血管疾患リスクの高い患者に対するインフルエンザワクチンの接種により、心血管イベントが抑制されることが、カナダ・トロント大学のJacob A Udell氏らの検討で示された。非古典的な心血管リスク因子のうち、気道感染症の原因となるインフルエンザやインフルエンザ様感染が、致死的および非致死的なアテローム血栓性イベントと関連することが指摘されている。また、インフルエンザワクチン接種により心血管イベントが抑制されることが、いくつかの疫学試験で示唆されている。JAMA誌2013年10月23日号掲載の報告。

CABGとPCI、健康状態もCABGのほうが良好-糖尿病の多枝冠動脈疾患患者-/JAMA

 糖尿病を有する多枝冠動脈疾患患者の血行再建戦略では、冠動脈バイパス移植術(CABG)のほうが薬剤溶出ステント(DES)を用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)よりも、中期的な健康状態やQOLが良好なことが、米国Saint Luke’s Mid America Heart InstituteのMouin S Abdallah氏らが行ったFREEDOM試験のサブ解析で示された。本試験ではすでに、CABGはDESによるPCIに比べ死亡率や心筋梗塞の発生率は低いが、脳卒中の頻度が高いことが報告されている。JAMA誌2013年10月16日号掲載の報告。