州による敗血症治療のプロトコール導入は、成人敗血症の院内死亡の減少に寄与したか(解説:吉田敦氏)-1141
12歳の男児が敗血症で死亡したことを受け、ニューヨーク州は2013年に「Rory’s Regulations」を定めた。この規則はすべての急性期病院に対し、敗血症の早期診断と治療開始に関するプロトコールを導入し(たとえば抗菌薬ならば3時間以内に開始)、診療にあたること、ならびにその順守に関して職員の教育を行うとともに、順守割合と臨床的転帰について報告を求めたものである。本研究はプロトコール導入が実際に成人の院内死亡の減少に寄与したかを、本規則が定められていない対照4州と比較して明らかにしようとした。プライマリーアウトカムは30日院内死亡率で、ニューヨーク州では規則導入の前後で26.3%から22.0%であったのに対し、対照4州では該当期間の変化は22.0%が19.1%となっており、ニューヨーク州では患者・病院特性と規則導入前からの傾向を調整しても、対照州に比べその減少幅は有意に大きかった。