泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:74

抗精神病薬誘発性持続勃起症への対処は

 持続勃起症(プリアピスム)は、性的刺激とは関係なく陰茎の勃起状態が、3時間以上続く状態であり、痛みを伴うことが多い。持続勃起症は泌尿器科的な緊急事態で重篤な合併症を引き起こす可能性がある。持続勃起症の発症の25~40%は薬物が原因で、抗うつ薬、降圧薬、抗凝固薬、交感神経α受容体遮断薬ほか精神を活性化する物質(アルコール、コカイン、大麻など)などが含まれるが、薬物関連の持続勃起症の約50%は抗精神病薬に起因するという。モロッコ・Ar-Razi大学精神科病院のJ. Doufik氏らは、抗精神病薬により誘発された持続勃起症とその対処について、症例報告を行った。Encephale誌オンライン版2014年4月4日号の掲載報告。  研究グループは、とくに非安定性の精神疾患患者において、臨床医はこのまれな副作用とその処置の困難さを認知しておくべきであるとして本症例報告を行った。

尿管結石の予測に有用な新たなスコアを開発/BMJ

 尿管結石有無の診断のために新たに開発されたSTONEスコアは、確実にその存在を予測することが、米国・エール大学のChristopher L Moore氏らによる前向きおよび後ろ向きコホート研究の結果、示された。同スコアが高い群で尿管結石が存在する割合が高く、その場合、ほかの急性重大症状を有する確率は低いことも確認された。結果を踏まえて著者は、「さらなる検討により、CT画像診断による放射線曝露、および画像診断そのものの過剰適用を制限するのに役立つことになるだろう」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年3月26日号掲載の報告より。

膣脱への2つの手術、有効性、安全性は同程度/JAMA

 膣尖部脱と腹圧性尿失禁を有した女性に対する、2つの手術法(仙棘靭帯固定術:SSLF、仙骨子宮靱帯挙上術:ULS)および周術期介入(骨盤底筋訓練、BPMT)の有効性、安全性を検討した結果、術後2年時点のアウトカムは、SSLFとULSのいずれも解剖学的、機能的アウトカム、または重大イベントのアウトカムについて有意な差は示されなかったことが明らかにされた。また、BPMTによるアウトカム改善効果(6ヵ月の排尿症状、2年時点の膣尖部脱アウトカム)も示されなかった。米国・クリーブランドクリニックのMatthew D. Barber氏らが無作為化試験の結果、報告した。米国では骨盤臓器脱(子宮脱)に対する手術が年間30万件以上行われており、SSLFとULSはいずれも米国では一般的に行われているが、有効性、安全性についての比較検討、および周術期介入によるアウトカム改善効果についても明らかではなかった。JAMA誌2014年3月12日号掲載の報告より。

ACTH非依存性クッシング症候群の病因解明に大きく前進(コメンテーター:成瀬 光栄 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(188)より-

 ACTH非依存性クッシング症候群は、副腎からのコルチゾールの自律性分泌により高血圧や糖尿病などをきたす疾患で、副腎腺腫と両側が結節性過形成になるACTH非依存性大結節性副腎過形成(AIMAH)が主な病型である。通常、前者では腺腫側の副腎摘出で治癒するのに対して、後者では両側副腎摘出が必要なことが多く、副腎不全による永続的なホルモン補充が必要となる。いずれも成因は不明であったが、本論文により、顕性クッシング症候群の約1/3の例で、プロテインキナーゼA(PKA)の触媒サブユニットをコードするPRKACAのsomatic mutationを認めることが明らかにされた。

早期前立腺がん、根治切除の長期生存ベネフィットが判明/NEJM

 根治的前立腺切除術は、前立腺がん患者の長期的な生存を実質的に改善することが、スウェーデン・ウプサラ大学のAnna Bill-Axelson氏らが進めるScandinavian Prostate Cancer Group Study Number 4(SPCG-4)の最長23年以上に及ぶ追跡調査で確認された。SPCG-4は前立腺特異抗原(PSA)の臨床導入以前に診断された患者を対象とし、すでに15年のフォローアップにおける根治的前立腺切除術の生存ベネフィットが示されている。一方、PSA検査導入初期に行われたProstate Cancer Intervention versus Observation Trial(PIVOT)では、手術による12年後の全死亡、前立腺がん死の改善効果は得られておらず、PSA検診の影響の大きさが示唆されている。NEJM誌2014年3月6日号掲載の報告。

ACTH非依存性クッシング症候群に関与する遺伝子変異が判明/NEJM

 プロテインキナーゼA(PKA)の触媒サブユニットの遺伝子変異が、両側性副腎過形成や片側性コルチゾール分泌副腎皮質腺腫に関与していることが、ドイツ・ヴュルツブルク大学のFelix Beuschlein氏らが行った検討により判明した。副腎皮質の腫瘍や過形成は、コルチコトロピン非依存性のクッシング症候群を引き起こす。しかし、その分子学的発生機序は解明されていなかった。NEJM誌オンライン版2014年2月26日号掲載の報告より。