外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:33

進行胃・食道胃接合部がんの1次治療、tislelizumab+化学療法vs.プラセボ+化学療法/BMJ

 進行胃・食道胃接合部がんの1次治療として、抗PD-1抗体tislelizumab+化学療法は化学療法単独との比較において全生存期間(OS)の改善に優れることが示された。中国医学科学院のMiao-Zhen Qiu氏らRATIONALE-305 Investigatorsによる第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「RATIONALE-305試験」の結果で、PD-L1 TAP(tumor area positivity)スコア5%以上の患者集団および無作為化された全患者集団のいずれにおいても、OSの有意な延長が認められた。進行胃・食道胃接合部がんの1次治療として、プラチナ製剤+5-FUの併用化学療法単独では生存転帰が不良であり、抗PD-1抗体の上乗せを検討した先行研究では、一貫したOSベネフィットは示されていない。そのため、抗PD-1療法のOSベネフィットおよびPD-L1発現状況によるOSベネフィットの違いについては、なお議論の的となっていた。BMJ誌2024年5月28日号掲載の報告。

早期乳がん術前Dato-DXd+デュルバルマブ、33%が化学療法をスキップ可(I-SPY2.2)/ASCO2024

 70遺伝子シグネチャー(MammaPrint)で高リスクのStageII/IIIの早期乳がんの術前療法として、抗TROP2抗体薬物複合体datopotamab deruxtecan(Dato-DXd)+デュルバルマブ併用療法を4サイクル投与した第II相I-SPY2.2試験の結果、33%の患者が化学療法を行わずに手術が可能となったことを、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のRebecca A. Shatsky氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2024 ASCO Annual Meeting)で発表した。  I-SPY2.2試験は、高リスク早期乳がんの術前療法を評価する多施設共同第II相プラットフォーム連続多段階ランダム割付試験(Sequential Multiple Assignment Randomized Trials:SMART)で、患者が最大の病理学的完全奏効(pCR)を得るための個別化医療を提供することを目的としている。ブロックAでDato-DXd+デュルバルマブを4サイクル投与し、MRIと生検でpCRが予測された場合は早期に手術を受けることができ、予測されない場合は化学療法や標的療法を行うブロックB/Cに進む。今回は、ブロックAの結果が報告された。

T-DXd治療中の転移乳がん患者、ePROモニタリングがQOLに効果(PRO-DUCE)/ASCO2024

 トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)で治療中のHER2+転移乳がん患者において、通常ケアに加え、電子患者報告アウトカム(ePRO)モニタリングを実施することにより、24週目のglobal QOLスコアのベースラインからの変化が良好だったことが、わが国で実施されたPRO-DUCE試験で示された。関西医科大学の木川 雄一郎氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2024 ASCO Annual Meeting)で発表した。

未治療HER2+進行乳がん、T-DXd±ペルツズマブの12ヵ月PFS率(DESTINY-Breast07)/ASCO2024

 HER2+(IHC 3+またはIHC 2+/ISH+)の進行・転移乳がんの1次療法として、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)単独療法とT-DXd+ペルツズマブ併用療法の有用性を検討した第Ib/II相DESTINY-Breast07試験の中間解析の結果、両群ともに12ヵ月無増悪生存(PFS)率は80%以上であり、薬剤性間質性肺疾患(ILD)による死亡は認められなかったことを、フランス・Gustave RoussyのFabrice Andre氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2024 ASCO Annual Meeting)で発表した。  DESTINY-Breast07試験は、HER2+の進行・転移乳がん患者を対象に、T-DXd単独または他の抗がん剤との併用による安全性、忍容性および抗腫瘍活性を検討する国際共同無作為化非盲検第Ib/II相試験。用量漸増パートと用量拡大パートで構成され、今回は1次療法としてのT-DXd±ペルツズマブを評価した用量拡大パートの中間解析の結果が報告された。

sacituzumab tirumotecan、複数の治療歴のあるTN乳がんのPFSとOSを改善(OptiTROP-Breast01)/ASCO2024

 複数の治療歴がある進行トリプルネガティブ乳がん(TNBC)において、抗TROP2抗体薬物複合体sacituzumab tirumotecan(sac-TMT)が、医師選択による化学療法に比べて無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を有意に改善した。無作為化第III相OptiTROP-Breast01試験の中間解析結果について、中国・Cancer Hospital Chinese Academy of Medical SciencesのBinghe Xu氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2024 ASCO Annual Meeting)で発表した。

がんの臨床試験への参加でOSが延長するか?/JAMA

 カナダ・マギル大学のRenata Iskander氏らは、がんの臨床試験に参加した患者と参加しなかった患者の全生存期間(OS)を比較した研究についてシステマティック・レビューとメタ解析を行い、全体として試験参加群におけるOSの改善が示唆されたが、バイアスや交絡因子を考慮した研究に限定するとOSに対するベネフィットは認められなかったことを示した。がん患者が臨床試験に参加することが、ルーチン治療を受けた場合と比較してOSの延長と関連するかどうかは明らかになっていなかった。JAMA誌オンライン版2024年5月20日号掲載の報告。

HR+/HER2-転移乳がん、SG+ペムブロリズマブvs.SG(SACI-IO HR+)/ASCO2024

 既治療の切除不能な局所進行または転移を有するHR+/HER2-乳がんに対して、sacituzumab govitecan(SG)+ペムブロリズマブを、SG単独と比較した無作為化非盲検第II相SACI-IO HR+試験で、ペムブロリズマブ併用による無増悪生存期間(PFS)の有意な改善は認められなかった。米国・ダナファーバーがん研究所のAna Christina Garrido-Castro氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2024 ASCO Annual Meeting)で発表した。

国内の患者・市民参画(PPI)に光、「患医ねっと」がMade with Patients Award受賞

 欧州で患者中心の医療・医薬品開発に力を注いでいる組織PFMD、EUPATI、EPFが5月23日(日本時間)に開催したイベント『Patient Engagement Open Forum 2024』において、患医ねっと「くすりと生活プロジェクト」(代表:鈴木 信行氏)が、Made with Patients Awardsのファイナリストとしてノミネートされ、審査員特別賞を受賞した。  患医ねっとは2011年に鈴木氏が設立し、より良い患者協働の医療環境を目指し、患者と医療者がともにイベントや研修会の開催を通じて、お互いを深く知る場を作ることを目的として活動を行う団体である。鈴木氏は生まれつき二分脊椎症を抱え、がんサバイバーでもある。「病気の先にあるその人らしい生活、皆で支えられる社会を求め、『患者と医療者をつなぎ、日本のより良い医療環境を実現させる』理念」を掲げ、医療にかかわる人々をつなげる機会や場を創出している。今回ノミネートされた“Made with Patients Award”は、医療における患者参画の優れた模範となる個人や取り組みを表彰するもので、今年は世界中の110もの候補が審査され、日本人として唯一、鈴木 信行氏が団体の代表として審査員特別賞であるJury‘s Special Champion Awardを獲得した。

“アルバイト代”の占める割合、収入・診療科による違いは?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で昨年度のアルバイト代について尋ねたところ、全体の26%が200万円未満と回答、次いで13%が200~400万円未満、9%が300~600万円未満と回答した。一方で、34%はアルバイトをしていないことが明らかとなった。

転移大腸がん1次治療のニボルマブ+イピリムマブ、PFS2も良好(CheckMate 8HW)/ASCO2024

 肺がん、胃がんなど幅広い固形がんで有用性が報告されているニボルマブ+イピリムマブのレジメン。本レジメンの転移大腸がん1次治療における有用性を検証するCheckMate 8HW試験では、2024年1月に行われたASCO-GIにおいて、ニボ+イピが化学療法と比較して無増悪生存期間(PFS)を延長したことがすでに報告されている。5月31日~6月4日に行われた米国臨床腫瘍学会年次総会(2024 ASCO Annual Meeting)では、米国・南カリフォルニア大学のHeinz-Josef Lenz氏が本試験のPFSの追加解析結果を報告した。