ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース

PREVENT-ASCVD式に石灰化スコア追加、予測能への影響/JAMA

 45~79歳の米国成人において、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の10年リスク推定式であるPredicting Risk of cardiovascular disease EVENTs(PREVENT)-ASCVDに、冠動脈石灰化(CAC)スコアを追加しても、すべてのリスク群全体でモデルの識別能および再分類能の改善はわずかであり、一部の群では変化がみられなかった。米国・ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部のXiaoning Huang氏らが、同国6施設で実施された縦断的コホート研究「Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis:MESA試験」の解析結果を報告した。

ブンディブギョ型エボラ出血熱に承認済みワクチンは有効か?/Lancet

 米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のMegan Halbrook氏らは、ブンディブギョ型エボラウイルス(BDBV)によるエボラウイルス病の過去最大の流行(2026 outbreak)が続いているコンゴ(旧ザイール)における縦断的コホート研究の結果、エボラウイルス(EBOV)によるエボラウイルス病に対して承認されている組み換え水疱性口内炎ウイルス-ザイールエボラウイルス糖タンパク質(rVSVΔG-ZEBOV-GP)ワクチンは、BDBVに対して交差反応性抗体反応を示したことを報告した。ただし、地域によってその反応性は異なっていた。BDBVによるエボラウイルス病に対して承認されたワクチンは存在しない。これまでに、rVSVΔG-ZEBOV-GPワクチン接種後にBDBVに対する交差反応性抗体反応が生じることはヒトにおいて示されているが、BDBV流行中に同ワクチン接種を受けた集団における反応の持続性や経時的な動態は不明であった。著者らは、「血清反応性に地域による違いがみられたことから、関連する疫学的および免疫学的要因についてさらなる研究が必要である。今回の知見は、現在のBDBV流行地の居住集団における、承認済みエボラウイルス病ワクチン接種後のBDBV血清反応性を明らかにした初めてのデータであり、本流行中にrVSVΔG-ZEBOV-GPワクチンの厳密な臨床評価を行うことを支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年8月25日号掲載の報告。

進行肝細胞がん、アテゾリズマブ+ベバシズマブ後の肝切除追加でTTF延長/Lancet

 未治療の大血管浸潤を伴う局所進行肝細胞がん(HCC)患者において、アテゾリズマブ+ベバシズマブによる治療後に肝切除術を行って術後に同療法を再開することは、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法を継続する場合と比較して、治療成功期間(TTF)を有意に延長させたことが、中国・復旦大学のHui-Chuan Sun氏らによる多施設共同非盲検無作為化第III相試験「TALENTOP試験」の結果で示された。進行HCC患者に対して全身療法後に肝切除術を行うことは、さらなる治療効果をもたらす可能性が示されているが、この治療方針を支持する質の高いエビデンスが不十分である。そこで、研究グループは全身療法で病勢コントロールが得られた進行HCC患者において、肝切除術の追加の有効性と安全性を検討した。Lancet誌2026年8月22日号掲載の報告。

在胎不当過小児、生後14日以内開始の多面的介入が発育を改善/JAMA

 在胎不当過小(SGA)児において、生後14日以内に開始した多面的介入が、12ヵ月齢時の体重および年齢別体重Zスコアの改善に結びついたことが、インド・Society for Applied StudiesのRanadip Chowdhury氏らSmall Babies Trial Study Groupによる無作為化試験の結果で示された。世界中で年間約2,300万児がSGA児として生誕しており、南アジアにおける有病率は40%だという。SGA児は低栄養や発達遅滞のリスクが高く、成長や神経発達を促す多面的介入が必要と示唆されており、研究グループは、正期産生誕SGA児の乳児期に実施する、母子への多面的介入の有効性を検証した。JAMA誌オンライン版2026年7月27日号掲載の報告。

心臓手術前の貧血患者への鉄剤補充、術後在宅日数を延長/BMJ

 待機的心臓手術を受ける予定で貧血がみられる患者において、術前鉄剤投与はプラセボと比較して、術後90日間における自宅での生存日数のわずかな改善をもたらし、赤血球輸血の機会が減少することを、オーストラリア・アルフレッド病院のPaul S. Myles氏らAustralian and New Zealand College of Anaesthetists Clinical Trials Network and the ITACS investigatorsが「ITACS試験」において示した。貧血や輸血は、心臓手術後の合併症リスクの増加や入院期間の長期化と関連しており、術前の静脈内鉄剤補充投与はヘモグロビン濃度を上昇させ、赤血球輸血の必要性を減らす可能性が指摘されている。研究の成果は、BMJ誌2026年8月19日号で報告された。

限局性前立腺がん治療、5分割SBRT vs.中程度寡分割IMRT/JAMA

 前立腺がんの治療では、近年、放射線治療の使用が増加し、照射の期間や毒性に対する社会的関心も高まっている。NRG Oncologyの研究グループは、期間を短縮した照射法の安全性と有効性を確立するために一連の無作為化試験を進めている。米国・サウスフロリダ大学のRodney J. Ellis氏らNRG-GU005 Collaborative Authorsは、その1つである「NRG-GU005試験」で、中間リスクの限局性前立腺がんの治療において、5分割の体幹部定位放射線治療(SBRT)は中程度寡分割強度変調放射線治療(MH-IMRT)と比較して、腸管症状の悪化が少なく、尿失禁や性機能は良好だが、尿路刺激/閉塞症状の悪化に差はなく、無病生存期間(DFS)に関しては有意に低いことを示した。

心臓手術時の血小板輸血、長期冷蔵保存血液でも止血効果/JAMA

人工心肺装置(CPB)の使用を伴う心臓手術を受ける患者は、出血に対する血小板輸血を要することが多いという。血小板は通常、室温(20~24℃)で最長5~7日間保存されるが、冷蔵保存(1~6℃)により、止血機能を損なわずに保存期間を延長できる可能性が示唆されている。米国・ピッツバーグ大学のPhilip C. Spinella氏らCHIPS Investigator Groupは「CHIPS試験」において、心臓手術を受ける患者では、手術中の活動性出血の制御に関して、最長21日間保存された冷蔵保存血小板(CSP)は、室温保存血小板(RTP)と同程度の止血効果が期待できることを示した。研究の成果はJAMA誌オンライン版2026年8月17日号で報告された。

オピオイド処方率、抜き打ち審査が影響/BMJ

 米国では1996年、「痛みは第5のバイタルサイン」との概念が導入され、それ以降、疼痛を測定・治療するための体系的な取り組みが、オピオイドの処方行動にどの程度の影響を及ぼすかについて議論がなされてきたが、これを実証的に研究することは困難とされる。米国・マサチューセッツ総合病院のDavid C. Cron氏らは、病院医療の質と安全に関する認証機関であるThe Joint Commission(TJC)による、抜き打ち訪問審査の期間中に教育病院に入院した患者では、退院時のオピオイド処方率が、同審査のない期間に比べて高いのに対し、非教育病院ではこのような差は生じないことを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年8月19日号に掲載された。

鎌状赤血球症へのアルギニン療法、疼痛発作時間を短縮せず/JAMA

 鎌状赤血球症に伴う急性疼痛発作を有する小児および若年成人において、アルギニン療法はプラセボと比較し、疼痛発作消失までの時間を短縮しなかった。米国・エモリー大学のClaudia R. Morris氏らPediatric Emergency Care Applied Research Network(PECARN)が、同国の小児病院10施設で実施した第III相無作為化二重盲検比較試験「Sickle Cell Disease Treatment With Arginine Therapy trial:STArT試験」の結果で示された。鎌状赤血球症患者において、急性疼痛発作は救急外来受診や入院の主な原因であるが、米国食品医薬品局(FDA)により承認された治療薬は存在しない。急性疼痛発作中に患者は急性アルギニン欠乏を呈し、発作消失までの時間の延長や非経口オピオイドの総投与量が増加する。単施設で行われた複数の第II相無作為化試験では、アルギニンは安全でオピオイド使用量を減少させ、心肺機能を改善し、入院期間を短縮することが示されていた。JAMA誌オンライン版2026年8月19日号掲載の報告。

禁煙中の妊婦、産後禁煙維持支援の有効性は?/BMJ

 禁煙維持支援プログラム「BabyBreathe」は通常ケアと比較して、妊娠中に禁煙していた妊婦の産後禁煙維持率を有意に増加させることはなかったが、計画どおり支援プログラムを受けた妊婦のみを対象としたper-protocol解析では有意な増加が示された。英国・University of East AngliaのCaitlin Notley氏らBabyBreathe site research associatesが、プラグマティックな多施設共同無作為化非盲検比較試験の結果を報告した。結果を踏まえて著者は、「今後なすべきは、プログラムを忠実に実施することや、社会経済的地位の低い集団への適用に重点を置くことだろう」とまとめている。BMJ誌2026年8月18日号掲載の報告。

非分節型白斑、ウパダシチニブの有効性・安全性を確認/Lancet

 12歳以上の非分節型白斑患者において、ウパダシチニブ15mgの1日1回経口投与によりプラセボと比較し、顔面および全身の臨床的に意味のある色素再沈着が認められ、新たな安全性に関する懸念は確認されなかった。フランス・コート・ダジュール大学のThierry Passeron氏らが、アジア、欧州、北米および南米の18ヵ国138施設で実施した第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「Viti-Up試験」の48週時の主要解析結果を報告した。非分節型白斑は、皮膚の色素脱失を引き起こす自己免疫疾患で、全身療法として承認されたものはなく、新たな治療選択肢が求められていた。Lancet誌2026年8月15日号掲載の報告。

結核治療へのデジタル服薬支援の導入、治療成功率・脱落率を改善/BMJ

 薬剤感受性結核患者の治療において、多面的双方向性のデジタル服薬支援ツール「結核治療支援ツール(TB-TST)」は治療成功率および脱落率を改善させ、とくに若年層や女性でその効果が大きく、資源の限られた環境下での結核治療の服薬順守支援における実現可能性と有効性が示された。アルゼンチン・Instituto de Efectividad Clinica y SanitariaのFernando Rubinstein氏らが、ブエノスアイレスにある公立基幹病院4施設において実施したプラグマティックな無作為化比較試験の結果を報告した。著者は、「今後の研究では、アプリの利用状況、新型コロナウイルス感染症の流行などの状況的要因、費用対効果、および結核以外の慢性疾患の管理における本ツールの活用について評価すべきである」とまとめている。BMJ誌2026年8月6日号掲載の報告。

TP53変異を伴うEGFR陽性NSCLC、オシメルチニブ+化学療法が有効(TOP)/JAMA

 上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者に有望な治療法として併用療法が注目されているが、最も大きな恩恵を受ける可能性が高い患者の特定が未解決の臨床的課題とされる。中国・Guangdong Provincial Clinical Research Center for CancerのTing Zhou氏らは、TP53遺伝子変異を伴うEGFR遺伝子変異陽性進行NSCLC患者の1次治療では、オシメルチニブと化学療法の併用療法はオシメルチニブ単独と比較して、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長し、Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)の頻度が高いものの新たな安全性シグナルは認められないことを示した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年8月10日号に掲載された。

双極性障害の個別化治療の意思決定に、EBI-BDツールが有用/BMJ

 双極性障害は、平均余命の短縮や治療順守率の低さと関連しており、その一因として薬剤の忍容性の低さや患者の意思決定への関与が不十分であることが挙げられるが、共有意思決定の改善に寄与する、エビデンスに基づく意思決定支援ツールは限られているという。スペイン・バルセロナ大学のMichele De Prisco氏らは、U-REACH(living umbrella review, evaluation, analysis, and communication hub)計画の枠組みに基づいて開発されたEBI-BD(evidence based interventions for bipolar disorder)のツールが、双極性障害の個別化治療の意思決定に有益であることを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年8月11日号で報告された。

PSMA陽性前立腺がん、177Lu-PSMA-617併用が有用(PSMAddition試験)/Lancet

 PSMA陽性の転移のあるホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)患者において、177Lu-PSMA-617(ルテチウム[177Lu]ビピボチドテトラキセタン)を、標準治療のアンドロゲン除去療法(ADT)+アンドロゲン受容体経路阻害薬(ARPI)併用に追加することで、画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)が延長した。米国・Weill Cornell MedicineのScott T. Tagawa氏らPSMAddition Investigatorsが、世界20ヵ国169施設で実施している第III相無作為化非盲検優越性試験「PSMAddition試験」の中間解析結果を報告した。著者は、「有害事象の発生割合は高かったものの、177Lu-PSMA-617と標準治療の併用に関連する新たな安全性の懸念は認められなかったことから、177Lu-PSMA-617の追加はmHSPCに対する新たな治療選択肢となりうる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年8月6日号掲載の報告。

非心臓大手術、全静脈麻酔vs.揮発性吸入麻酔/JAMA

 非心臓大手術を受ける高齢患者において、全静脈麻酔(TIVA)は揮発性吸入麻酔と比較し、術後30日時点の在宅日数(days alive and at home;生存し、自宅で過ごした日数)を改善しなかった。英国・Institute of Cancer ResearchのShaman Jhanji氏らVITAL Trial Teamが、「Volatile vs Total Intravenous Anesthesia for Major Non-Cardiac Surgery(VITAL)」試験の結果を報告した。非心臓大手術を受ける高齢者は、術後合併症を呈し医療サービスを利用することが多く、これらに麻酔手技が関係する可能性がある。TIVAと吸入麻酔は意識消失をもたらすが、薬理学的特性、術中の生理学的影響および周術期の安全性プロファイルは顕著に異なる。しかし、回復および安全性に関する両者間の比較は行われていなかった。JAMA誌オンライン版2026年8月12日号掲載の報告。

COPD増悪予防、アジスロマイシンvs.roflumilast:標的試験エミュレーション/BMJ

 増悪を経験した慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の維持療法として、アジスロマイシンはroflumilastと比較し、中等度~重度COPD増悪の発生リスク低下と関連していることを、米国・ハーバード大学医学大学院のGerard T. Portela氏らが、同国の大規模な健康保険データベースを用いて実施した標的試験エミュレーション(target trial emulation)研究の結果で明らかにした。アジスロマイシンとroflumilastは、COPDの長期管理における増悪リスクの低減に有用であり、国際ガイドラインである「GOLD」において増悪を経験した患者への使用が推奨されているが、これまで臨床医がいずれを選択すべきかを判断するデータはほとんど存在していない。

既治療の進行腎細胞がん、ベルズチファン+レンバチニブがPFS改善(LITESPARK-011)/Lancet

 抗PD-1/PD-L1療法後に増悪した進行淡明細胞型腎細胞がん患者において、ベルズチファン+レンバチニブはカボザンチニブと比較し、全生存期間(OS)に有意差はなかったものの無増悪生存期間(PFS)を有意に延長し、安全性プロファイルは単剤投与の場合と同程度であったことが、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのRobert J. Motzer氏らLITESPARK-011 Investigatorsが実施した「LITESPARK-011試験」で示された。著者は、「ベルズチファン+レンバチニブは、抗PD-1/PD-L1療法後の進行淡明細胞型腎細胞がん患者に対する新たな標準治療となりうるだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年8月12日号掲載の報告。

HIV-1感染者、1日1回の標準治療から週1回配合剤への切り替えは?/Lancet

 ウイルス学的抑制を維持しているHIV-1感染者において、週1回投与の配合錠イスラトラビル/レナカパビル(ISL/LEN)は1日1回経口投与の標準治療に対して、有効性に関して非劣性であり、忍容性はおおむね良好であることが示された。米国・Cambridge Health AllianceのAmy E. Colson氏らISLEND-2 Study Teamが、日本を含む14ヵ国100施設で実施した第III相の非盲検無作為化実薬対照非劣性試験「ISLEND-2試験」の48週時点の主要解析の結果を報告した。著者は、「本試験の結果と、ISLEND-1試験(1日1回投与の配合錠ビクテグラビル/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド[B/F/TAF]と比較)の結果(ジャーナル四天王「HIV-1感染者への週1回配合剤、1日1回薬に非劣性/NEJM」2026年8月6日公開https://www.carenet.com/news/journal/carenet/63367)を併せたデータは、ISL/LENがHIV-1感染者への初となる週1回経口治療薬となりうることを示唆するものであった」と述べている。Lancet誌オンライン版2026年8月12日号掲載の報告。

待機的心臓手術後のAKI発生、周術期ダパグリフロジン投与で抑制/JAMA

 待機的心臓手術を受ける患者において、SGLT2阻害薬ダパグリフロジン(10mg)の周術期における4回投与(手術日前日~術後2日目まで1日1回経口投与)はプラセボと比較して、術後7日間の急性腎障害(AKI)の発生を減少させたことが示された。オランダ・アムステルダム大学医療センターのMaartina J. P. Oosterom-Eijmael氏らMERCURI-2 Study Groupが、同国で行った多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果を報告した。待機的心臓手術を受ける患者の2~50%でAKI発生が認められるが、これを予防する薬物療法は確立されていない。