まれな不整脈関連遺伝子変異の存在は通知すべきか/JAMA

大規模DNAシーケンス法により、メンデル遺伝病におけるまれであるが疾患リスクの高い変異型(レアバリアント)の存在が特定されたが、任意に抽出した患者集団での、関連臨床所見の発現頻度は明らかになっていない。米国・ヴァンダービルト大学医療センターのSara L. Van Driest氏らは、不整脈関連遺伝子変異の存在と、電子カルテ記録を用いて臨床所見の関連を調べた。その結果、病原性とされる変異遺伝子SCN5A、KCNH2と臨床所見との一致率は低く、任意抽出患者集団では病原性遺伝子と推定される変異型と異常臨床所見との関連を認めることができなかったという。遺伝子検査を受けた場合、既知のレアバリアントの存在は患者に知らせることとされているが、論争の的となっている。著者は「今回の所見は、患者への通知の意義について疑問符を呈するものであった」と報告している。JAMA誌2016年1月5日号掲載の報告。