多面的な心血管リスク対策で認知症を防げるか?/Lancet
無作為に抽出した高齢者において、看護師主導による心血管リスク因子に焦点を絞った多面的な介入は、認知症発症率の減少には至らなかった。オランダ・Academic Medical CenterのEric P Moll van Charante氏らが、The Prevention of Dementia by Intensive Vascular care trial(preDIVA試験)の結果、報告した。先行研究では、心血管リスク因子の改善が認知症を予防する可能性が示唆されていた。今回の研究で介入の効果を確認できなかった理由について著者は、「ベースライン時、すでに軽度の心血管リスクを有し、プライマリケアで高い水準のリスク管理が行われていたことによる」と考察したうえで、未治療の高血圧患者においては介入により臨床的に意味のある効果が得られていることから、「今後は選択された集団で介入の有効性を評価すべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2016年7月26日号掲載の報告。