冠動脈手術時のトラネキサム酸はアウトカムを改善するか/NEJM

合併症リスクのある冠動脈手術患者に対し、トラネキサム酸を投与しても、死亡や血栓性合併症のアウトカムは改善しない。トラネキサム酸を投与した群では、プラセボ群に比べ、大出血や再手術を要する心タンポナーデのリスクは減少したものの、痙攣発生率は増大が示された。オーストラリア・モナシュ大学のPaul S. Myles氏らが行った、無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果、明らかにした。トラネキサム酸は、冠動脈手術の際に出血リスクを減少することは知られていたが、アウトカムを向上するかどうかは不明だった。また、トラネキサム酸の持つ血栓形成促進性や痙攣誘発性効果についての懸念も指摘されていた。NEJM誌オンライン版2016年10月23日号掲載の報告。