EGFR陽性NSCLC、アミバンタマブ+ラゼルチニブのOS最終解析(MARIPOSA)/NEJM

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2025/09/22

 

 未治療のEGFR遺伝子変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、アミバンタマブ+ラゼルチニブはオシメルチニブと比べて、全生存期間(OS)を有意に延長したことが示されたが、Grade3以上の有害事象のリスク増加との関連が認められた。National Taiwan University HospitalのJames Chih-Hsin Yang氏らMARIPOSA Investigatorsが、アミバンタマブ+ラゼルチニブとオシメルチニブの有効性と安全性を比較した第III相無作為化試験「MARIPOSA試験」の結果を報告した。同試験では主要解析時(追跡期間中央値22.0ヵ月)に、無増悪生存期間がアミバンタマブ+ラゼルチニブ群で有意に延長したことが報告されている(中央値23.7ヵ月vs.16.6ヵ月、病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.70、p<0.001)。事前に規定された最終OS解析の結果は報告されていなかった。NEJM誌オンライン版2025年9月7日号掲載の報告。

MARIPOSA試験の重要な副次評価項目であるOS最終結果

 MARIPOSA試験は、未治療のEGFR遺伝子変異陽性(exon19delまたはL858R)で、局所進行または転移のあるNSCLC患者を、アミバンタマブ+ラゼルチニブ治療群、オシメルチニブ治療群またはラゼルチニブ治療群に2対2対1の割合で無作為に割り付けた。

 試験は2020年11月~2022年5月に行われ、計1,074例が無作為化された。このうち、アミバンタマブ+ラゼルチニブ群とオシメルチニブ群にはそれぞれ429例が無作為化された。

 オシメルチニブ群と比較したアミバンタマブ+ラゼルチニブ群のOS(無作為化から全死因死亡までの期間の解析で評価)は、重要な副次評価項目であった。また、追加評価項目には安全性が含まれた。

追跡期間中央値37.8ヵ月、死亡HRは0.75で有意差、新たな安全性の懸念なし

 プロトコール規定の最終解析において、全体の追跡期間中央値は37.8ヵ月(範囲:0.0~48.1)であった。治療期間中央値は、アミバンタマブ+ラゼルチニブ群27.0ヵ月(範囲:0.2~47.2)、オシメルチニブ群22.4ヵ月(0.2~48.5)。クリニカルカットオフ日において、割り付け治療が継続していたのは、アミバンタマブ+ラゼルチニブ群161例(38%)、オシメルチニブ群118例(28%)であった。

 規定最終解析の時点で、アミバンタマブ+ラゼルチニブ群では173例が死亡、オシメルチニブ群では217例が死亡していた。3年OS率はそれぞれ60%(95%信頼区間[CI]:55~64)と51%(46~55)。OS中央値はアミバンタマブ+ラゼルチニブ群でオシメルチニブ群と比べて有意に延長したことが示された(未到達vs.36.7ヵ月、死亡HR:0.75、95%CI:0.61~0.92、p=0.005)。

 アミバンタマブ+ラゼルチニブ群の安全性プロファイルは、主要解析時の結果と一致していた。少なくとも1つのGrade3以上の有害事象発現頻度は、アミバンタマブ+ラゼルチニブ群のほうがオシメルチニブ群よりも高く(80%vs.52%)、とくに皮膚関連事象、静脈血栓塞栓症、注入に伴う事象が認められた。新たな安全性上の懸念は認められなかった。

(ケアネット)