急性腰痛では第一選択治療に第二選択治療を併用しても回復は早まらない

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ケアネット

急性腰痛では第一選択治療に第二選択治療を併用しても回復は早まらないのイメージ

国際的な急性腰痛治療ガイドラインでは、プライマリケア医(GP)は第一選択の治療法として患者へのアドバイス(活動性を維持、ベッド安静を避ける、予後は良好と話して安心させる)およびパラセタモール(アセトアミノフェン)の投与が推奨されている。非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)および脊椎手技療法(spinal manipulative therapy; SMT)は回復が遅い場合の第二選択治療とされる。
 Mark J. Hancock氏(オーストラリア・シドニー大学背部痛研究グループ)らは、推奨される第一選択治療を受けた急性腰痛患者において、NSAID、SMTもしくはその両方の追加治療により回復が迅速化するかを検討する無作為化対照比較試験を行った。11月10日付Lancet誌掲載の報告から。

第一選択治療を受けた急性腰痛240例を4つの治療群に無作為割り付け




2005年6月~2006年10月までに14施設19名のGPから240例の急性腰痛患者が登録された。これらの対象患者は、アドバイスとパラセタモールの投与を受け、以下の4つの治療群に無作為に割り付けられた。

1)ジクロフェナク50mg(1日2回)+プラセボSMT(60例)、2)SMT+プラセボ薬(60例)、3)ジクロフェナク50mg(1日2回)+SMT(60例)、4)プラセボ薬+プラセボSMT(60例)。

主要評価項目は腰痛からの回復に要する日数とし、評価にはlog-rank検定を用いintention-to-treat解析を行った。

NSAID、SMTを追加しても、回復は早まらない




ジクロフェナク、SMTはともに、それぞれのプラセボに比べ回復までの日数を短縮しなかった(ジクロフェナクのハザード比:1.09、p=0.516、SMTのハザード比:1.01、p=0.955)。240例中237例(99%)は無作為化後12週の時点で回復あるいは打ち切りとなった。

22例に胃腸障害、めまい、動悸などの有害事象がみられ、これらの半数はジクロフェナク、残り半数はプラセボ薬の投与を受けていた。ジクロフェナク投与を受けた1例では過敏反応が疑われたため治療を中止した。

第一選択治療が有効な場合は、GPは自信をもって治療を進めてよい




Hancock氏は、「推奨される第一選択治療を受けた急性腰痛患者に、ジクロフェナクもしくはSMTを併用しても回復は迅速化しない」と結論している。

同氏はまた、「本試験の結果はNSAID、SMTがもたらすリスクおよびコストの点でも重要」とし、「第一選択治療の有効性が高い場合には、GPは患者をこれらのリスクやコストの上昇にさらすことなく、自信をもって治療を進めることができる」と指摘している。

(菅野 守:医学ライター)

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