日本人がメタボリック症候群になりやすい業種とは?―会社員12万人のデータを解析

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HealthDay News

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 日本人の会社員12万人の解析から、メタボリックシンドローム(MS)の有病率は業種間で大きく異なり、男性では「建設業」「運送業・郵便業」「学術研究、専門・技術」「協同組合」の4つの業種で、女性では「医療・介護」「協同組合」でMS有病率が高いことが、福島県立医科大学衛生学・予防医学講座の日高友郎氏と福島哲仁氏らの検討でわかった。保健指導を行う際には、業務内容も考慮に入れた指導が求められるとしている。詳細は、「PLOS ONE」オンライン版に4月15日掲載された。

 近年では、業種によってMSの有病率に差がみられることが報告されているが、業種間で有病率を比較した検討は少なかった。今回、同氏らは、12万人の日本人会社員を対象に、MSの有病率を業種別に比較し、それぞれの特徴を調べる大規模な横断研究を行った。

 同氏らは、全国健康保険協会のデータベースを用いて、2012年に福島県内で健康診断を受診し、ウエスト周囲長、血圧、血糖、脂質、MSの判定に関するデータが得られた35~75歳の会社員男女約12万人のデータを収集。質問票への回答から業種を判断し、北米産業分類システム(NAICS)に準じて、18の業種に分類した。

 その結果、男性会社員では4人に1人がMSを保有していたが(有病率22.2%)、女性の有病率は4.4%にすぎなかった。男女を合わせた全体のMS有病率を業種別にみると、「運送業・郵便業」(25.7%)、「建設業」(21.0%)、「鉱業・採石業」(20.5%)が高く、「医療・介護」(8.7%)、「公務」(11.4%)、「娯楽業」「飲食店・宿泊業」(12.1%)が低かった。

 MSの標準化有病比(Standardized Prevalence Ratio;SPR)を業種別に比較したところ、男性では「建設業」「運送業・郵便業」「学術研究、専門・技術」「協同組合」の4つの業種で高く、女性では「医療・介護」「協同組合」で高かった。なかでも「運送業・郵便業」の男性はMSに加えて、ウエスト周囲長の異常、高血圧、耐糖能異常、脂質異常症の有病率も高かった。

 また、各MSリスク因子のSPRに基づいた階層的クラスター分析により、類似のリスク傾向をもつ業種を統計的に整理し、男女別に3つのグループに分類した。これにより、「肥満・脂質異常症の傾向はみられるが、高血圧・耐糖能異常は少ない」などのグループの特徴がより明確となり、リスク因子の詳細を追究できるという。

 その結果、男性では「製造業」「運送業・郵便業」「金融業」「協同組合」が、女性では「鉱業・採石業」「運送業・郵便業」「金融業」「飲食店・宿泊業」「協同組合」が、肥満・高血圧・耐糖能異常・脂質異常症のすべての有病率が高い特徴を有し、MSを保有するリスクが有意に高いことがわかった。

 日高氏はHealthDayの取材に応じ、「本研究は業種をクラスター化することにより、業種別の健康予測を可能としている。性別や業種に基づき、的を絞ったメタボリックシンドローム対策、保健指導ができるようになると期待される」とコメントしている。

[2016年05月02日/HealthDayNews]Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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