お知らせがあります。
- 2022/08/188月25日(木)午前1時30分~午前4時、アマゾン社のシステムメンテナンスのため、ポイント交換の受け付けおよび発行済み各種ギフト券の確認を停止させていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
お知らせがあります。
現在のところ完璧な避妊薬はまだ存在せず、研究者によって、より安全で効果的な避妊方法の探究が続けられている。その方法の一つとして、ゲル状の精液の中に精子を閉じ込めるという、これまでにない避妊方法の開発が、米ワシントン州立大学のJoy Winuthayanon氏らによって進められている。その研究の進捗状況が、「Biology of Reproduction」に1月29日掲載された。
通常、精液は射精後にしばらくすると「液化」と呼ばれる現象によって粘度が低下し、精子が女性の生殖器の中を泳いでいき、卵子にたどり着く。精液の液化には、前立腺特異抗原(PSA)が関与している。PSAは、セメノゲリンというゲル形成タンパク質を分解して、精液を液化する。よってPSAの作用をブロックすればセメノゲリンは分解されず、精液は厚いゲルの状態に保たれ、精子はそのゲルの中にとどまることになる。Winuthayanon氏らは、このようなメカニズムを避妊薬に応用することを目指して研究を継続している。
Winuthayanon氏らの研究グループは以前、別の生殖関連の研究を進める過程で、PSAの働きをブロックする、非特異的セリンプロテアーゼ阻害剤(AEBSF)によって、雌マウスの妊娠回数が減少することを見いだしていた。さらに、AEBSFがヒトの精子の運動率を低下させることも確認した。ただし、ヒトの精子の運動率が低下したのは、AEBSFの持つ毒性のためである可能性も否定できない。そこで新たにPSAの活性を阻害する抗体を作成して、実験を行った。その結果、PSAに対する抗体も、セメノゲリンの分解を抑制することが分かった。
この結果は、ホルモンへの作用を介さない、新しいタイプの避妊薬の開発につながる可能性を示唆している。Winuthayanon氏は、「われわれの目標は、この技術を、女性がオンデマンドで簡便に利用できる避妊薬に発展させることにある。コンドームと併用すれば、避妊失敗率(妊娠率)を大きく低下させることができるだろう」と、大学発のプレスリリースで述べている。また、現在使われている殺精子剤に関しては、その使用によって腟の過敏性を高めてしまい、HIVのような性感染症の感染リスクが上昇するのではないかとの指摘もあるが、精子をゲルに閉じ込めるという方法であれば、この問題を回避できる可能性があるという。
ただし、実用化にはさらなる研究が必要とされる。「副作用のリスクを評価するため、開発はまだ長いプロセスを経ることになる。この技術が避妊薬として応用された場合、多くの女性が利用することも考えられる。そのため、安全であり、副作用のない薬剤を目指していきたい」とWinuthayanon氏は語っている。
コンドームや殺精子剤を用いた避妊法では、平均失敗率が13~21%に上ると報告されている。子宮内避妊用具やホルモンベースの避妊薬の場合の失敗率はそれよりも低いが、副作用の懸念があり、価格も手頃とは言えない。Winuthayanon氏は、「それらの障壁が、世界の妊娠の48%は意図しないものという現実の背景にあるのではないか」と語り、安価で簡便な、新たな避妊法開発の必要性を指摘している。
[2022年2月9日/HealthDayNews]Copyright (c) 2022 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら
[ 最新ニュース ]
コロナ罹患後症状、約13%は90~150日も持続/Lancet(2022/08/18)
重度頭蓋内アテローム性動脈硬化による脳卒中、薬物+PTA/ステントは支持されず/JAMA(2022/08/18)
心筋炎リスクを天秤にかけても新型コロナワクチンは接種したほうがよいようだ(解説:甲斐久史氏)(2022/08/18)
COVID-19パンデミック中の長期抑うつ症状の予測因子(2022/08/18)
第3世代EGFR-TKI耐性NSCLCに対するHER3標的ADC U3-1402の第III相試験開始/第一三共(2022/08/18)
『がん医療における患者-医療者間のコミュニケーションガイドライン』 、作成の狙いは?(2022/08/18)
2cm以下の末梢非小細胞肺がん、肺葉切除 vs.縮小手術(CALGB140503) /WCLC2022(2022/08/18)
日本人高齢者は「高めの普通体重」が最適の可能性―説明可能なAIの分析(2022/08/18)