1人での食事は女性の心疾患リスクを増大させる

提供元:HealthDay News

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公開日:2021/12/09

 

 1人で食事をしている(孤食)高齢女性は心疾患になりやすい可能性のあることが、韓国の研究で示された。孤食は早食いになりやすく、食事内容も不健康になりがちであるため、体重増加や高血圧、コレステロール値の上昇につながり、心疾患リスクが高くなるという。カトリック大学校(韓国)のHan-Gyo Choi氏らによるこの研究結果は、「Menopause」に11月1日掲載された。

 Choi氏らは、今回の研究対象として、2016年の韓国国民健康栄養調査(Korean National Health and Nutrition Examination Survey)のデータから65歳以上の女性590人を抽出した。これらの対象者を、1人で食事をしているか(孤食群)、誰かと一緒に食事をしているか(共食群)で分類し、健康に関わる行動や栄養摂取状況について、群間で比較を行った。なお、孤食は1日に2食以上1人で食事をしている場合、共食は1日に2食以上誰かと一緒に食事をしている場合とした。

 その結果、孤食群では共食群に比べて、食品表示ラベルに対する意識が薄く、表示内容の活用頻度も低く、ラベルから受ける影響も低いことが明らかになった。また、孤食群では共食群よりも、カロリー、炭水化物、食物繊維、ナトリウム、カリウムの摂取量が少なかった。その一方で、冠動脈疾患の症状の1つである狭心症になるリスクは、共食群の2.58倍であることも判明した。

 この研究には関与していない、米レノックス・ヒル病院の産婦人科医であるJennifer Wu氏は、「このような女性の心疾患リスクを増大させる根本原因は、栄養価の乏しい食事である」との考えを示している。「家族がいない人は外食が増え、その結果、脂肪分、糖分、塩分の多い食事を取ることが多くなる」と同氏は説明する。

 一方、Wu氏と同様に今回の研究には関与していない、米ニューヨーク大学ランゴン・ヘルスのSamantha Heller氏は、この研究では、1人で食事をする女性のほぼ8割が配偶者を亡くした女性であった点を指摘。「このような女性は抑うつ状態であることが多く、また、経済的な困窮や外出を恐れる傾向も認められる。同様の問題が、1人暮らしの高齢男性にも当てはまることは十分考えられる」と話す。

 Heller氏は、隣人や地域が手を差し伸べることによって、このような高齢者を助けることは可能だとし、「高齢者センターや図書館などの公共プログラムで、高齢者の社会活動を促す継続的な取り組みを行う必要がある」との考えを示している。実際に、多くの高齢者センターでは、対面またはオンラインでの低価格のフィットネス講座、親睦会、料理の実演、食事の提供などを行っているという。

 Heller氏はまた、「個人レベルでも、隣人や友人宅を訪問して食べ物のお裾分けをする、食事に誘ったりバーチャルな食事会に招待したりする、体に良いレシピを紹介する、散歩に連れ出すなど、できることはたくさんある。可能であれば、ホームレスの人々のための無料食堂や食料配給所などで働いてもらうのも良いだろう」と提案する。また、1人暮らしの高齢者がネットや電話を通して同じ立場の人と交流し、支え合う機会を持つことも重要だと言う。「人助けをすることで、自分の気分も高揚する。このコロナ禍で、私たちは精神面、身体面の健康に社会とのつながりがいかに重要かを、身をもって経験している」と同氏は述べている。

[2021年11月8日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら