自宅そばにファストフード店があると糖尿病になりやすい?

提供元:HealthDay News

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公開日:2021/11/26

 

 ファストフード店が近くにあると時間に追われている時の食事には便利かもしれないが、2型糖尿病のリスクが高くなる可能性を示唆するデータが報告された。反対に、郊外や農村のスーパーマーケットの多い地域の住民は、糖尿病リスクが抑制されているかもしれないとのことだ。

 この研究は、米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン・ヘルスのRania Kanchi氏らが行った、退役軍人対象縦断的コホート研究の結果であり、詳細は「JAMA Network Open」に10月29日掲載された。論文の筆頭著者であるKanchi氏は、「食料の選択肢が限られておらず多くの食品を入手可能な環境は、個人の健康にとっても、国家レベルの公衆衛生においても非常に重要だ」と語っている。

 Kanchi氏らの研究の対象は、2008~2016年の研究参加登録時点で糖尿病でなかった米国の退役軍人410万650人(平均年齢59.4±17.2歳、男性92.2%、非ヒスパニック系白人76.3%)。居住地域を、人口密度の高い都市と低い都市、および、郊外、農村という4タイプに分類。加えて、国勢調査のデータなどに基づき、研究参加者の居住地周辺の全てのレストランに占めるファストフード店の割合、および、スーパーマーケットの店舗数と他の業態の食料品店の店舗数の比をスコア化。その上で、2018年まで追跡して、2型糖尿病の新規発症リスクとの関連を検討した。

 中央値5.5年(四分位範囲2.6~9.8)の追跡で、53万9,369人(13.2%)が2型糖尿病を新規発症した。年齢、性別、人種/民族、所得、近隣の社会・経済環境などの交絡因子を調整後、4タイプのコミュニティーの全てで、ファストフード店の密度が高いほど2型糖尿病発症リスクが高いという、正の相関が認められた。また、郊外や農村ではスーパーマーケットの密度が高いほど2型糖尿病発症リスクが低いという、負の相関が認められた。

 具体的には、人口密度の高い都市では、ファストフード店の密度が10%高いごとに2型糖尿病発症の調整ハザード比(aHR)が1.01(95%信頼区間1.00~1.02)であり、人口密度の低い都市はaHR1.01(同1.01~1.01)、郊外はaHR1.02(同1.01~1.03)、農村はaHR1.01(同1.01~1.02)だった。一方、スーパーマーケットの密度が10%高いごとに、郊外ではaHRが0.97(同0.96~0.99)、農村はaHR0.99(同0.98~0.99)だった。都市では人口密度の高低にかかわらず、スーパーマーケットの密度と2型糖尿病発症リスクとの間に有意な関連は認められなかった。

 この結果から著者らは、「ファストフード店の店舗数を制限したり、スーパーマーケットを増やしたりする政策は、2型糖尿病リスクの抑制に役立つかもしれない」と述べている。

 本研究に関与していない専門家は、居住地の環境が食生活に影響を与えるという考え方には同意を示しているが、それだけが健康を左右するものではないと強調している。米レノックス・ヒル病院のMinisha Sood氏もその一人で、同氏は、「自宅で料理をする頻度を増やすことと、ファストフード店での注文時に賢明な選択をすることは、ともに健康状態の改善と糖尿病の予防に役立つ可能性がある」と述べている。そして、例えばファストフード店では揚げ物ではなく、できるだけ植物性食品を使ったメニューを選ぶことを提案している。

 米ニューヨーク市で栄養士として働くJoy Bauer氏も同様に、「フライドポテトをどうしても食べたいのであれば、最も小さいサイズを選んだ方が良い」とし、さらにより具体的に「カロリー、炭水化物、脂質、砂糖、塩分を考慮するなら、キッズメニューの中から注文するのが現実的な対策だ」とアドバイスする。また同氏は、「旬の食材は常に安く買える」と述べ、できるだけ自分で食材を買い整えて料理することを勧めている。

[2021年10月29日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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