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マスク着用により新型コロナウイルスの飛沫感染を制限できるものの、十分な感染防止には、飛沫を出す人から少なくとも6フィート(約1.8m)離れていなければならない可能性が報告された。研究結果の詳細は、「Physics of Fluids」に12月22日掲載された。
一般的に、たとえ新型コロナウイルス保持者と近距離で対面接触していても、くしゃみや咳により放出された飛沫による感染は、マスク着用により大部分防げると考えられている。しかし、この通説がどの程度、事実を反映したものであるのかは、明らかにされていない。
そこで、米ニューメキシコ州立大学機械・航空工学部准教授のKrishna Kota氏らは、この通説を検証するために、人間のくしゃみや咳を再現する装置を作った。これは、空気発生器を利用して装置内に微細な液体粒子の流れを作り、マスクを通した流れの変化をレーザーシート上で可視化して撮影するものである。液体粒子は、くしゃみや咳により吐き出された飛沫を想定している。
マスクの飛沫防御効果については、構造や素材の異なる5種類の製品を使って検証された。具体的には、通常の布マスク、PM2.5フィルターを装着した2層構造の布マスク、濡れたPM2.5フィルターを装着した2層構造の布マスク、サージカルマスク、医療従事者向けのN-95マスクである。
その結果、それぞれのマスクがほとんどの飛沫を捕獲することが明らかになった。N-95マスクは100%の飛沫をブロックしたのに対し、サージカルマスクは0.06%、濡れたPM2.5フィルターを装着した2層構造の布マスクは0.03%、PM2.5フィルターを装着した2層構造の布マスクは1.70%、布マスクは3.61%の飛沫を通過させた。
3.61%という数字は小さく見える。しかし、相手との距離が6フィート未満の場合には、疾患を広めるには十分な量である。特に、感染力の強い新型コロナウイルスの場合には、罹患者が数回くしゃみや咳をしただけでも感染する可能性がある。Kota氏は、「マスクがなければ、感染リスクの高い人が多くの飛沫を吸い込んで感染してしまうことは、ほぼ確実だ」と述べている。
ウイルス保持者の疾患重症度にもよるが、一度のくしゃみにより放出されるウイルス粒子は最大で2億個にも及ぶ。マスクがそれらの粒子の大部分をブロックしたとしても、ウイルス保持者の近くにいる人を感染させるのに十分な量のウイルスは残存し、空中に漂っている。
Kota氏は、「マスクは間違いなく役に立つ。だが、完璧ではない。人と人との間の距離が非常に近い場合には、ウイルスを拡散させたり、ウイルスに感染してしまう可能性がある。また、感染防止に役立つのはマスクだけではない。マスク着用と、ソーシャルディスタンスを保つこと、その両方が大切だ」と結論付けている。
なお、この研究では、マスクを正しく着用しているか否かについては考慮されていない。そのため、ウイルス保持者がマスクを正しく着用していない場合には、空気中に放出される飛沫の量が増える可能性があるという。
[2020年12月23日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら
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