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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの接種が一部の国で開始され、国内でも今春の接種開始が見込まれている。1年にわたり、外出自粛やマスク着用などの物理的な手段に限られていた感染予防対策だが、ようやく医学的な手段でウイルスに対抗できることになる。感染後の重症化リスクの高い基礎疾患のある人は、優先的にワクチン接種を受けられる可能性があり、糖尿病患者の期待も大きい。
ワクチン接種さえ受ければ以前の日常を取り戻せると、期待を膨らませている人もいるだろう。しかし、感染症の専門家は、既に供給が開始されているファイザー社やモデルナ社のワクチン、あるいは現在開発中のワクチンのいずれであっても、接種したからといって感染予防策が不要になるわけではなく、引き続きマスクを着用し、社会的距離を維持する必要があると警告している。
専門家によると、これらのワクチンの安全性と有効性を検証した臨床試験では、主にCOVID-19の重症化や死亡を防ぐことができるかどうかに焦点が当てられているという。よって、ワクチン接種を受けた人が感染した場合は無症状で経過することが多いと考えられるものの、その人から周囲の人にウイルスが伝播してしまう可能性の有無は、まだ分かっていない。
米ヴァンダービルト大学医療センターのWilliam Schaffner氏は、「ワクチンを接種していても感染する可能性があり、かつ他者に感染させる可能性もある。COVID-19のワクチン接種後にそのようなことが起きた事例はまだ確認されていないが、それが起きないと否定できる根拠もない」と述べている。
この意見には他の専門家も同意している。米ジョンズ・ホプキンス大学健康安全保障センターのAmesh Adalja氏もその一人だ。「ワクチン接種を受けた後に症状のない状態が続いていたとしても、ウイルスを保持しておらず他者に感染させることはないとの保証はできず、引き続き注意が必要だ」と同氏は語っている。そして、ワクチン接種後にもマスクを着用し社会的距離を保つことで、自分が無症候性の保因者になるリスクを下げられるとしている。同氏はまた、「ワクチン接種後に、もし糖尿病患者や60歳以上などのハイリスクの人をハグしたりすると、その人たちに感染させてしまうかもしれない」と警告を発している。
一方、ワクチンの有効性が十分でないと指摘する声も聞かれる。接種により罹患リスクが低下するが、それでもわずかながらリスクは存在するという。米マウントサイナイ医科大学のWaleed Javaid氏は、「ワクチンの有効性は95%だ。つまり、5%のリスクが残されているということだ」と指摘する。
ワクチンが広く行き渡るまでの期間も問題だ。米フィラデルフィア小児病院のPaul Offit氏は、「米国内のすべてのハイリスク者を守るために必要な、推定3億回分のワクチンを生産するには、2021年の秋までかかる可能性が高い」と述べている。これに関連し、前出のJavaid氏は「今は忍耐の時期だ」と語る。同氏は、「現在われわれは効果的なワクチンを手にし、その供給が急速に広がっている。ワクチン接種者の増加とともに、このパンデミックは終息していくだろう」と、展望を示している。
[2020年12月16日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら
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