摂取量が同じなら時間制限食に効果なし

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/12/08

 

 減量手段の1つとして、1日のうちで食べ物を口にする時間帯に制限を設ける「時間制限食」が徐々に普及してきている。しかし新たな研究によると、摂取量と栄養バランスが等しければ、摂取時間の違いによる減量効果に差はない可能性があるという。米ジョンズホプキンス大学のNisa Maruthur氏らが、米国心臓協会(AHA)の2020仮想年次集会(AHA Scientific Sessions 2020、11月13日~17日)で報告した。

 Maruthur氏は、この研究の背景を「食事を取る時間帯が、体のエネルギー利用や貯蓄に影響を与えるのではないかと、長いあいだ考えていた。しかしこれまで行われた研究は、食事全体の摂取量をコントロールしていないものが多い。そのため、減量効果が認められても、それが時間制限によるものかどうかは明らかでなかった」と語る。それに対して今回の研究は、「対象間で異なる条件は、食事の摂取時間だけだった」と解説している。

 この研究の対象は、肥満(BMI30~49.9)で、糖尿病前症または糖尿病状態(HbA1c5.7~6.9%)の成人41人。平均年齢は59歳で、黒人の女性が90%以上と大半を占めていた。全体を無作為に2群に分け、1群は1日の総摂取カロリーの80%を午後1時までに摂取する時間制限食群(21人)とし、他の1群は午後5時以降に総摂取カロリーの50%を摂取する通常食群(20人)とした。

 摂取カロリーは、患者ごとにベースライン時に決定され、栄養素比率は統一した。参加者は12週間にわたり、研究者が用意した食事のみを摂取した。主な評価項目は体重と血圧の変化で、4、8、12週時点で計測した。介入中の脱落はなく、参加者全員が12週間、設定された条件の食事を順守した。

 線形混合効果モデルで解析の結果、ベースラインから12週時点までの体重の変化は、時間制限食群が-2.3kg(95%信頼区間-3.6~-0.9)、通常食群が-2.6kg(同-3.5~-1.1)だった。両群ともに有意に減少しており、変化量の群間差は0.3kg(同-1.3~1.9)で有意でなかった。また収縮期血圧は、時間制限食群では-4mmHg(同-11~2)と変化量が有意でなく、通常食群は-10mmHg(同-17~-3)と有意に低下していたが、変化量の群間差は3mmHg(同-4~10)であり有意でなかった。

 著者らの研究開始前の仮説は、「時間制限食群は通常食群よりも12週後に体重がより大きく減少する」というものだったが、それは証明されなかった。Maruthur氏はAHAのニュースリリースの中で、「時間制限食にはもっと体重を減らす効果があると思っていた。ところが、摂取カロリーの大部分を1日の早い時間帯に摂取した人と、遅い時間帯にも分けて摂取した人とで、体重減少効果に違いはなく、血圧への影響にも差が認められなかった」と研究を総括している。

 なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものと見なされる。

[2020年11月10日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら