緑茶とコーヒーで糖尿病患者が長寿に?

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/11/23

 

 緑茶やコーヒーが好きな2型糖尿病患者は長生きするかもしれない――。毎日4杯以上の緑茶と2杯以上のコーヒーを飲むという習慣が、約5年間の追跡期間中の死亡リスクが63%低いことと関連しているという研究結果が、「BMJ Open Diabetes Research and Care」10月21日オンライン版に掲載された。毎日1杯の緑茶またはコーヒーであっても、早期死亡のリスクがそれぞれ15%、12%低いことと関連しているという。

 この論文の筆頭著者である九州大学大学院病態機能内科学のYuji Komorita氏は、「緑茶やコーヒーなどの身近な飲み物に、2型糖尿病の健康増進効果があるかもしれない。これらの摂取量が多いことが、死亡率の低さと関連していた。さらにその効果は相加的であると見られる」と語っている。ただしKomorita氏は、この研究が観察研究であり因果関係には言及できないこと、および教育や収入、家族歴などの、結果に影響を与える可能性のある因子が全て調整されているわけではないことを、研究の限界点として挙げている。

 この研究の対象者は、日本人の成人2型糖尿病患者4,923人。平均年齢は66歳で、男性が2,790人、女性が2,133人だった。中央値で5.3年間追跡し(追跡率99.5%)、普段の緑茶とコーヒーの摂取量と、全ての死因による死亡(全死亡)、がん死、心血管死との関連を検討した。対象者には、緑茶を飲む習慣のない人が607人、コーヒーを飲む習慣のない人が994人含まれていた。

 追跡期間中に309人が死亡。死亡リスクに影響を与える可能性のある因子(年齢、性別、BMI、糖尿病罹病期間、喫煙・飲酒・運動習慣、睡眠時間、HbA1c、尿中アルブミン/クレアチニン比、収縮期血圧、LDL-コレステロール、心血管疾患やがんの既往)で調整後、緑茶やコーヒーを飲む習慣のない人に比べて、習慣的に飲んでいる人の死亡リスクは低いという関係が明らかになった。また、緑茶とコーヒーの両方を飲む人では、死亡リスクがより低かった。全死亡のハザード比(HR)は以下のとおり。

 緑茶を飲まない人に対し、1杯/日以下の緑茶摂取でHR0.85(95%信頼区間0.60~1.22)、2~3杯/日でHR0.73(同0.51~1.03)、4杯/日以上でHR0.60(同0.42~0.85)、傾向性P=0.002。コーヒーを飲まない人に対し、1杯/日未満のコーヒー摂取でHR0.88(同0.66~1.18)、1杯/日でHR0.81(同0.58~1.13)、2杯/日以上でHR0.59(同0.42~0.82)、傾向性P=0.002。緑茶とコーヒーをともに飲まない人に対し、2~3杯/日の緑茶+2杯/日以上のコーヒーでHR0.49(同0.24~0.99)、4杯/日以上の緑茶+1杯/日のコーヒーでHR 0.42(同0.20~0.88)、4杯/日以上の緑茶+2杯/日以上のコーヒーでHR 0.37(同0.18~0.77)。

 この結果について、米レノックス・ヒル病院の内分泌専門医であるMinisha Sood氏は、「緑茶のポジティブな効果は糖尿病の人々に特有のものではない。緑茶を多飲する日本人は、全死亡と心血管死のリスクが低いことが、複数の調査で示されている」と解説。ただ、「この研究の対象者は血圧が比較的よく管理された非肥満患者が多く、解釈には注意が必要」と述べている。

 米ノーザン・ウエストチェスター病院で栄養指導を担当しているPat Talio氏は、日本の緑茶と米国の緑茶では品質が異なる可能性のほか、日本人と米国人の緑茶やコーヒー摂取量の差、およびそれらにクリームや砂糖を加えて飲むか否かなどの違いが存在すると指摘。その上で、「コーヒーや緑茶を飲む場合は、どのように飲むかを考えるべき。それらを甘くして飲んだり、牛乳やクリームを加えて飲むのなら、健康上のメリットは得られないかもしれない」と語っている。

[2020年10月22日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら