生活習慣スコアが+1点で高血圧リスクが-6%

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/10/28

 

 健康的な生活が生活習慣病の回避に有効であることを示す膨大なエビデンスに、さらに新たな知見が加わった。米国心臓協会(AHA)が提唱する「Life’s Simple 7(LS7)」と呼ばれる簡便なリスクスコアが、1点高いごとに高血圧の新規発症リスクが6%低下するという。米バーモント大学ラーナー医科大学のTimothy Plante氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of the American Heart Association」9月15日オンライン版に掲載された。

 LS7は、生活習慣関連項目(BMI、食習慣、喫煙、身体活動)と検査結果(血圧、コレステロール、血糖値)の計7項目から心血管疾患リスクをスコア化する指標。各項目を0点(不良)、1点(どちらでもない)、2点(良好)の3段階で表し、合計点が10~14点であれば理想的、5~9点であれば平均的、4点以下は不良と判定される。Plante氏らは、このLS7スコアと高血圧リスクとの関連を検討した。

 検討対象は、脳卒中リスク因子を探索する疫学研究(REGARDS研究)の登録のため2003~2007年に初回検査を受けた参加者のうち、ベースライン時に45歳以上で高血圧がなく、2013~2016年に行われた2回目の検査も受けた2,930人。高血圧は、130/80 mmHg以上または降圧薬の処方で定義した。対象者の平均年齢は61±8歳で、女性が59%、白人が約8割を占めていた。LS7スコアの中央値は9点(四分位範囲8~10)だった。

 中央値9年の追跡期間中に、1,214人(41.4%)が高血圧を発症した。発症率をLS7スコア別に見ると、4点以下では75%、5~9点では47%、10点以上では33%で、人種・性別では白人の女性37%、男性42%、黒人の女性52%、男性50%だった。

 高血圧発症に影響を与える可能性のある、年齢、性別、人種、教育歴、所得、居住地域、およびベースライン時の収縮期血圧で調整の上、LS7スコアと高血圧発症リスクの関連を解析した結果、LS7スコアが1点高いごとに、高血圧のリスクが6%低下するという有意な関係が明らかになった〔リスク比0.94(95%信頼区間0.92~0.96)〕。この関係は、LS7スコアが不良のレベルから理想的とされるレベルにわたって連続的であり、人種や性別による有意差は認められなかった。

 Plante氏によると、高血圧は米国で最も多い疾患の一つであり、死亡や身体の障害を引き起こし健康寿命の短縮に最大の影響を及ぼしているが、根本的な原因はわかっていないという。そして、「高血圧未発症の中年期の成人がその状態を維持することは、将来の心血管疾患発症を防ぐ上での大きなメリットと言える」とし、本研究の結果を「より良い食事、禁煙、適正体重の維持など、実臨床で現在行われている生活習慣への介入や推奨事項を支持するものだ」と述べている。

 また研究グループは、「米国の黒人は世界で最も高血圧の有病率が高い集団であり、若い頃から血圧が上昇し重症化しやすい。今回得られた知見は、そのような米国黒人の健康維持のため、特に重要と言える」と付け加えている。

[2020年9月16日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら