COVID-19糖尿病入院患者の1割が1週間以内に死亡―フランスの報告

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/07/02

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患し、入院治療が行われた糖尿病患者の10人に1人が入院から1週間以内に死亡したとする、フランス発の論文が「Diabetologia」5月29日オンライン版に掲載された。

 ナント大学病院(フランス)の糖尿病専門医であるBertrand Cariou氏、Samy Hadjadj氏らは、2020年3月10日~31日にフランス国内53カ所の医療機関に、COVID-19のため入院した糖尿病患者の転帰を調べる多施設共同観察研究を実施。呼吸管理のための気管挿管および入院7日以内の死亡を主要エンドポイントとし、関連する因子の解析を行った。二次評価項目は、呼吸管理のための気管挿管、入院7日目までのICU入室・死亡・退院とした。

 解析対象者数は1,317人で、男性64.9%、平均年齢69.8±13.0歳、BMI28.4(中央値)で、糖尿病の病型は2型糖尿病が88.5%、1型糖尿病が3.0%、その他の型が5.4%で、残り3.1%は入院時検査で明らかになった糖尿病。その他の主な患者背景は、糖尿病罹病期間13.6±10.9年、HbA1c8.1±1.9%、細小血管症46.8%、大血管症40.8%など。

 主要エンドポイントは382件(29.0%)発生した。二次評価項目である呼吸管理のための気管挿管は、267人(20.3%)に行われていた。また、入院7日目までに、約1割に当たる140人(10.6%)が死亡、410人(31.1%)がICUに入室し、237人(18.0%)は7日目までに退院していた。

 主要エンドポイントの発生と関連する因子として、単変量解析では、男性、BMI高値、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)降圧薬の使用が該当した。糖尿病の病型、HbA1c、血糖降下薬の種類などは有意な因子でなかった。

 多変量解析の結果、BMI高値のみに主要エンドポイントとの有意な関連が認められた〔対数変換した値の1標準偏差ごとのオッズ比(OR)1.28〕。

 一方、入院7日以内の死亡と関連する因子としては、単変量解析で、年齢、高血圧、心不全、RAAS降圧薬の使用、細小血管症の存在、大血管症の存在が該当した。年齢に関しては、55歳未満を基準とした場合に、75歳以上ではOR14.6、65~74歳でもOR3.22に上った。

 多変量解析の結果、年齢(1標準偏差ごとのOR2.48)、細小血管症(OR2.14)、大血管症(OR2.54)、閉塞性睡眠時無呼吸の治療中(OR2.80)が、入院7日以内の死亡に関連する有意な因子として抽出された。性別、降圧薬や血糖降下薬の種類などは有意な因子でなかった。

 Cariou氏とHadjadj氏は、「糖尿病患者でのCOVID-19重症化リスク因子は、一般集団と同様に、年齢とBMIが重要と考えられる。血糖管理状態は転帰に影響しないようだが、合併症を有することは死亡リスクの上昇に関連している」と述べている。

[2020年5月28日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら