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血液検査で多発性硬化症の悪化リスクを予測できる?

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/06/30

 

 血液検査で多発性硬化症(MS)が悪化するリスクを予測できる可能性が、カロリンスカ研究所(スウェーデン)のAli Manouchehrinia氏らにより報告された。MS患者では、神経細胞が死滅した際に血液中に現れる神経タンパク質である血漿ニューロフィラメント軽鎖(pNfL)の濃度が高いと、1年以内にEDSS(総合障害度スケール)で示される障害度が悪化するリスクが高いことが判明したという。Manouchehrinia氏は「MSの病勢の変化は、予測が非常に難しい上に、患者によって大きく異なる。MSの治療は早期に開始するのが最も有効なことを考えると、このような非侵襲的な血液検査の価値は極めて高い」と話している。この研究結果の詳細は、「Neurology」5月20日オンライン版に発表された。

 MSは体の免疫系が中枢神経系を攻撃し、視力障害や運動障害、排尿障害などが生じる疾患で、大半は増悪期と寛解期を繰り返す再発寛解型MSとして発症する。この研究では4,385人のMS患者と、性別および年齢をマッチさせた1,026人のMSではない男女(対照群)を対象に、血液検査を実施してpNfLの濃度を測定。同時に病状を追跡調査し、障害度をEDSSで評価した。さらに、障害の悪化が、徐々にではあるが止まらなくなる二次進行型MSの兆候も確認した。

 その結果、MS患者では対照群と比べて、pNfLの濃度が大幅に高かった(中央値で11.4pg/mL対7.5pg/mL)。5年間にEDSSスコア3.0(中等度の障害)となったのはMS患者全体の15.5%(525人)で、EDSSスコア4.0(障害はかなり重いが介助や休憩なしで500m歩行可能)となったのは9.1%(352人)であった。MSの罹病期間など、障害を悪化させ得る要因を調整して解析した結果、pNfLの濃度が対照群の80、95、99パーセンタイルを超える患者では、それぞれの濃度未満の患者と比べると、1年以内に障害度が悪化するリスクは40~70%、EDSSスコアが3.0または4.0となるリスクは双方とも約50%、それぞれ高かった。一方、5年の間に、再発寛解型MS患者3,824人のうち279人(7.3%)が二次進行型MSに移行したが、pNfLの濃度の高さは、二次進行型MSへの移行リスクと一貫して関連しているわけではなかった。

 米レノックス・ヒル病院の神経内科医であるAsaff Harel氏は、「pNfLを使ってMSの長期予後を予測するための知見は集積されつつあるが、今回の研究結果により、それはさらに厚みを増すことになった」と述べ、MRI検査や診察による現行のMSの病状把握手段の一翼を、このような血液検査が担うようになるかもしれないと期待を示す。

 一方、全米多発性硬化症協会の研究部門の副会長であるMark Allegretta氏は、Manouchehrinia氏らの研究の規模の大きさについて言及し、「この研究により、MSにはpNfL検査が役に立つという信頼感が、大いに高まった」としている。

 また、現在はMSの経過観察にはMRI検査が使われているが、Allegretta氏は「将来的には、こうした検査と血液検査をセットにして実施することになるだろう」との見方を示し、「MSのモニタリングで使用される各種検査から得られる情報は補助的なものであり、一つの検査からのみの情報に頼ることはできない」と説明。さらに、画像検査よりも血液検査の方が標準化されやすく、より頻回に実施でき、費用も抑えられるといったメリットについても言及している。

 そのほか、Allegretta氏は、臨床試験でも治療効果の有無の評価にこの血液検査を活用できる可能性があると期待を示している。ただし、その実現は「少なくとも数年先になるだろう」としている。

[2020年5月21日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら