喫煙歴なしのCOPD患者でも肺がんリスクが高い?

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/05/01

 

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は、たとえ喫煙歴がなくても肺がんになるリスクが高い可能性があることが、サムスン医療センター臨床疫学センター(韓国)のJuhee Cho氏らが行った研究で示された。喫煙歴のないCOPD患者の肺がんリスクは、COPDのない喫煙者と同程度であることが分かったという。研究結果の詳細は「Thorax」4月2日オンライン版に掲載された。

 COPDとは、慢性気管支炎や肺気腫などの呼吸器疾患の総称で、気管支に慢性的な炎症が生じて狭まることにより呼吸が困難となる。COPDの主な原因は、肺がんと同様に長期にわたる喫煙だが、患者のうち最大39%には喫煙習慣がないとの報告がある。しかし、このような喫煙歴のないCOPD患者の肺がんリスクについては、これまで十分に研究が行われてこなかった。

 そこでCho氏らは今回、韓国の大規模な国民健康保険データベースを用いて、喫煙歴とCOPDの有無別に肺がんリスクを分析し、比較検討した。対象は、2002年から2013年の間に健康診断を1回以上受けた40~84歳の男女のうち、ベースライン時に肺がんと診断されていた人などを除外した33万8,548人。中央値で7年間追跡した。

 追跡期間中、1,834人が肺がんを発症し、そのうち290人はCOPD患者であった。これらの患者を分析した結果、喫煙歴もCOPDもない人と比べた肺がんリスクは、COPDのない喫煙者では1.97倍、喫煙歴のないCOPD患者では2.67倍であった。このことから、Cho氏らは「喫煙歴のないCOPD患者の肺がんリスクは、COPDのない喫煙者と同程度であることが示された」と述べている。一方で、喫煙歴のあるCOPD患者の肺がんリスクは6.19倍に上っていた。

 Cho氏らは「COPD患者は肺機能が低下しており、治療に関連した疾患リスクが高く、これが最適な肺がん治療の障壁となる場合が多い。今回の研究から、COPD患者において肺がんを早期発見することで、治療に関連した合併症リスクを低減できる可能性を示唆している」と説明している。

 その上で、Cho氏らは「この研究結果は、喫煙の有無にかかわらず、COPDが肺がんの独立した強力なリスク因子になり得ることを示唆している。COPD患者は、喫煙歴がなくても肺がん検診を積極的に受けるべきかどうか、さらなる研究で検証する必要がある」と述べている。

[2020年4月8日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら