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有給の出産休暇は母子だけでなく社会にも有益

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/04/03

 

 米国では、産休を有給とすることに対する反対意見で、しばしばコストが問題として挙げられる。しかし、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のChristina Mangurian氏らが行った新たな研究で、有給の産休を増やすことは家族のみならず、社会にとっても有益であることが示唆された。有給の産休を12週間取得した母親は、精神や身体の健康状態が良好である可能性が高く、乳児死亡率が低く、マターナル・アタッチメント(母親の自分の子に対する愛着)が形成されやすく、母乳育児率が高まり、予防接種も順調に進むことが分かったという。この研究は「Harvard Review of Psychiatry」3月/4月号に掲載された。

 米国では、出産または養子の受け入れ後、12週間の休暇を取得できるが、給料は支給されない。女性は米国の全労働人口の47%を占めるにもかかわらず、全体のわずか16%しか有給の産休を取得できず、働く母親の23%もが出産後10日以内に職場復帰しているという。

 Mangurian氏らは、有給の産休およびその期間が及ぼす影響に関する国内外の26件の研究をレビューした。得られた主な知見は以下の通り。

・西欧9カ国を対象に2000年に実施された研究では、平均的な有給の産休期間に10週間の有給休暇を追加すると、乳児死亡率が約5%低減した。
・1,907人の母親を対象とした2005年の米国の研究では、有給の産休を12週間以上取得した母親は、子どもにスケジュール通り予防接種を受けさせている率が高く、問題行動が少なく、母乳育児を行う率およびその期間も長かった。
・1,507人の母親を対象にした2011年のオーストラリアの研究では、有給の産休を取得した女性において、パートナーから精神的・身体的虐待を受ける率が58%低下していた。
・3,350人の母親を対象とした2012年の米国の研究では、有給の産休が8週間未満の場合、健康状態の悪化や抑うつ症状の増加が見られた。
・3,850人を対象とした2018年の米国の研究では、有給の産休期間が長いほど、良好な母子相互作用が築かれ、それが着実なアタッチメントおよび共感につながり、子どもの学校での成績も良かった。

 さらにMangurian氏らは、有給の産休は、個人にとっても社会にとっても、労働力の定着、賃金の安定、公的支援の利用の減少などの実質的な便益をもたらすことが過去の研究で示唆されていることを指摘し、経済に損害を与えるというより、むしろ支える可能性があるとしている。

 研究チームは、米国の有給休暇制度の問題点として、二層構造を生み出しやすいことを挙げている。今回の研究の主題である産休を例に取ると、高所得の女性は12週間以上の休暇を取得できる一方で、低所得の女性は早々に仕事に復帰せざるを得ない状況になりがちである。実際、産休を取っていなかった女性の割合は、年間所得が3万ドル(約320万円)未満の群では62%であったのに対し、7万5,000ドル(約800万円)を超える群では26%であった。Mangurian氏は「データでは12週間以上の有給の産休が母子双方の精神的・身体的健康に有益であることが示されているのだから、こうした現状は問題だ」と述べている。

 論文の筆頭著者である生殖精神科医のMaureen Sayres Van Niel氏は、「米国以外の先進国では、何十年も前から12週間以上の有給の出産休暇制度が整っている。米国でも、そうした有給の産休制度を整えて、雇用形態や社会経済的立場にかかわらず、全ての母親が乳児と過ごす時間を十分に取れるようにするべきだ」と結論付けている。

[2020年3月12日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら