「在宅心リハ」は優れた選択肢、専門団体が声明

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HealthDay News

「在宅心リハ」は優れた選択肢、専門団体が声明のイメージ

 心筋梗塞などの心疾患後の回復を促す心臓リハビリテーション(心リハ)を患者の自宅で行う「在宅心リハ」に関する声明を、米国心臓協会(AHA)と米国心臓病学会(ACC)、米国心臓・呼吸器リハビリテーション協会が合同で作成し、それぞれの学会誌で発表した〔「Circulation」、「Journal of the American College of Cardiology」(いずれも5月13日オンライン版)および「Journal of Cardiopulmonary Rehabilitation and Prevention」(5月10日オンライン版)〕。声明では、在宅心リハは一部の患者に有益な可能性がある一方で、保険でカバーされていないなどの理由で多くの患者が受けられていない現状が指摘されている。

 心リハとは、心筋梗塞や心不全、冠動脈バイパス術などの心臓手術後の患者が体力を回復し、家庭生活や社会生活に復帰したり、再発を予防したりするために行うリハビリテーションを指す。プログラムには運動療法や栄養指導、カウンセリングなどが含まれ、一般には医療施設で専門スタッフの管理のもとで実施される。

 心リハを受けた後には心筋梗塞の発症リスクが低下し、QOL(生活の質)が向上することが分かっている。しかし、声明の作成委員会の委員長を務める米メイヨー・クリニックのRandal Thomas氏によれば、米国では心リハが有益と考えられる患者の約80%が実際にはプログラムを受けていないという。

 同クリニックの心リハプログラムの医療責任者であるThomas氏は「患者が必要とする心リハを受けるのを妨げる大きな障壁がある。また、米国には全ての患者のニーズを満たすのに十分な心リハのプログラムがないのが実情だ」と指摘する。その上で、「患者に心リハを提供する新たな方策を見出すことは喫緊の課題だ。その一つとして、在宅心リハは、医療施設でプログラムを受けられない患者の一部にとって優れた選択肢となる」と述べている。

 そのほか、今回の声明には、医学的な管理下で行う在宅心リハの手引きも示されている。「在宅心リハのプログラムは、患者に運動するよう助言するだけのものではない。容態が安定している患者に対して、医療施設と同じ内容のプログラムを、施設と同様に専門スタッフチームが提供し、経過を観察するというものだ。施設で行う心リハとの唯一の違いは、スマートフォンなどの技術を用いて管理や指導が遠隔で行われるという点だ」とThomas氏は説明する。

 在宅プログラムでは、患者に対して適切な服薬と運動や食生活の改善を促すほか、メンタルヘルスや糖尿病、高血圧、脂質異常症、禁煙などへの対応が求められる。また、心疾患の症状や服用している治療薬の副作用もモニターする必要がある。「質の高い在宅プログラムには、これらの要素が全て含まれていなければならない。そうでなければ、患者は必要とするケアを受けられないことになる」とThomas氏は強調している。

 また、Thomas氏は「心疾患患者は、主治医に心リハの選択肢について相談すべきだ」と呼び掛けている。ただし、同氏は「残念ながら、在宅心リハをカバーする保険は少なく、メディケアも例外ではない」と指摘。「在宅心リハの有益性を支持するエビデンスは蓄積されつつあり、また、技術の進歩により在宅の心リハは広く実現できるようになってきている。今後、在宅心リハも保険でカバーされるように、政策立案者とともに取り組んでいきたい」と述べている。

[2019年5月13日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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