アトピー乳児、喘息発症リスクが高いのは? 最終更新:2015/07/20 医療一般 アトピー性皮膚炎(AD)は喘息や他のアトピー性疾患に先行して発症することが知られる。“アレルギーマーチ”と呼ばれるこれらの発症順序は必ずしも決まっておらず、乳幼児が喘息を発症するリスクについて取り組んだ研究は少ない。フランス・パリ公立アルマン・トゥルソー小児病院のFlore Amat氏らは、生後12ヵ月未満のAD患者を6歳まで追跡したObservatory of Respiratory risks linked with Cutaneous Atopy(ORCA)研究データを解析し、早期発症AD乳児において複数感作あるいは喘息家族歴を認める場合は、幼児期に喘息の発症リスクが高いことを明らかにした。PLoS One誌オンライン版2015年6月24日号の掲載報告。
双極性障害と心血管疾患の関係性 最終更新:2015/07/20 医療一般 米国・メイヨークリニックうつ病センター(Mayo Clinic Depression Center)のMiguel L Prieto氏らは、精神病の既往や心血管疾患(CVD)リスク因子といった双極性障害の臨床的特徴が、双極性障害患者におけるCVDリスクに関与するかどうかを調査する目的で横断研究を実施した。その結果、精神病性双極性障害の表現型が心疾患の合併ならびにその重症度と関連している可能性があることが明らかにされた。Bipolar Disorder誌オンライン版2015年6月9日号の掲載報告。
感度100%のエボラ迅速診断検査キット/Lancet 最終更新:2015/07/17 ジャーナル四天王 エボラウイルス感染のための迅速診断検査キット「ReEBOV Antigen Rapid Test」は、ポイント・オブ・ケア検査(POCT)でもその診断感度が100%であることが報告された。米国・Partners In Health(ボストン)のMara Jana Broadhurst氏らが、106例を対象とした実地試験の結果、報告した。なお同氏らは284例を対象に検査センターでも試験を行い、同様な結果が確認されたことを報告している。Lancet誌オンライン版2015年6月25日号掲載の報告より。
多発性硬化症再発へのステロイド、経口が静注に非劣性/Lancet 最終更新:2015/07/17 ジャーナル四天王 多発性硬化症の再発に対し、高用量メチルプレドニゾロンの経口投与は静注投与に対して非劣性であることが判明した。フランス・レンヌ大学病院のEmmanuelle Le Page氏らが、199例を対象に行った二重盲無作為化比較試験の結果、報告した。高用量メチルプレドニゾロンの静注投与は、多発性硬化症の再発治療として推奨されているが、経口投与に比べて利便性に乏しく高価なことが指摘されていた。検討の結果、安全性についても同等であった。Lancet誌オンライン版2015年6月26日号掲載の報告より。
ERFC試験:心血管代謝疾患の重積と生命予後~糖尿病のリスクは心血管疾患のリスクに匹敵?~(解説:浦 信行 氏)-385 最終更新:2015/07/17 CLEAR!ジャーナル四天王 The Emerging Risk Factors Collaboration(ERFC)は、1960年~2007年に追跡が開始され、2013年4月までに12万8,843例が死亡した、欧州と北米の91コホート、68万9,300例の性と年齢で調整した死亡率とハザード比を算出した。そして、2006年~2010年に49万9,808例の追跡開始がなされ、2013年11月までに7,995例が死亡した、より新しいUK Biobankの成績と対比させた。
心血管疾患リスクが高いほど汗腺膿瘍の発症率が高い 最終更新:2015/07/17 医療一般 汗腺膿瘍の患者では対照群と比較して、心血管疾患リスクが高いことが、北ノルウェー大学病院のThrasivoulos Tzellos氏らによって報告された。British Journal of Dermatology誌2015年7月6日掲載の報告。
統合失調症、脳容積とIQの関連 最終更新:2015/07/17 医療一般 統合失調症では知能低下と脳容積の減少がみられることが知られている。オランダ・ユトレヒト大学医療センターの久保田 学氏らは、統合失調症患者のIQと脳容積との関連について調査し、統合失調症における進行性の脳組織減少が、発症初期における相対的な認知機能低下と関連している可能性があることを報告した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2015年6月17日号の掲載報告。
セクキヌマブ、乾癬性関節炎の症状改善/Lancet 最終更新:2015/07/16 ジャーナル四天王 乾癬性関節炎に対し、ヒト抗インターロイキン17Aモノクローナル抗体セクキヌマブの皮下投与が有効であることが明らかになった。英国・グラスゴー大学のIain B. McInnes氏らが397例を対象に行った第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。300mg、150mg投与ともに半数以上の人が目標とした改善率(米国リウマチ学会20%改善率:ACR20)を達成したという。Lancet誌オンライン版2015年6月26日号掲載の報告より。
再生不良性貧血、遺伝子解析による予後予測は可能か/NEJM 最終更新:2015/07/16 ジャーナル四天王 再生不良性貧血における体細胞変異と臨床転帰の関連やクローン性造血の発現状況の詳細が、京都大学大学院の吉里哲一氏らによる次世代シーケンサーを用いた検討で示された。後天性再生不良性貧血は、造血細胞や造血前駆細胞が免疫系によって破壊されることで発症し、汎血球減少を来す。造血幹細胞移植により治癒の可能性があり、免疫抑制療法が有効であるが、生存期間の改善に伴い患者の約15%が遅発性の骨髄異形成症候群(MDS)や急性骨髄性白血病(AML)を発症するという。NEJM誌2015年7月2日号掲載の報告。
レビー小体型認知症、認知機能と脳萎縮の関連:大阪市立大学 最終更新:2015/07/16 医療一般 レビー小体型認知症(DLB)患者における側頭葉内側萎縮(MTA)と認知機能障害との関係はいまだ明らかにされていない。大阪市立大学の田川 亮氏らは、これらの関係について、MRIを用いて検討した。その結果、MTAは記憶や言語に関する認知機能障害と関連している可能性を報告した。Geriatr Psychiatry Neurology誌オンライン版2015年6月11日号の掲載報告。 対象は、DLBと診断された37例で、1.5 Tesla MRIスキャナーにより検査した。すべてのMRIデータは、MRIスキャンで得られる画像上でMTAの程度を定量化できるvoxel-based specific regional analysis system for Alzheimer disease(VSRAD)の新型ソフトウエアを用いて分析した。関心体積(VOI)の標的は嗅内皮質、海馬、扁桃体の全領域とした。MTAの程度は標的VOI上の平均positive Zスコア(数値が高いほどMTAが重度)により評価した。認知機能障害の有無について、Mini-Mental State Examination(MMSE)および改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R:MMSEと比べ記憶と言語の評価に有効である)を用いて評価した。
胃がん切除予定例のピロリ除菌はいつすべき? 最終更新:2015/07/16 医療一般 マーストリヒト・アジア太平洋コンセンサスガイドラインでは、胃がんの既往のある患者へのHelicobacter pyloriの除菌を強く推奨している。がん研有明病院の本多 通孝氏らは、胃切除術を受ける患者への適切な除菌のタイミングを検討するため、オープンラベル単一施設無作為化比較試験を実施した。その結果、術前群と術後群で除菌成功率が同等であり、著者らは、「胃切除を予定している胃がん患者は、予定されている再建術式に関係なく、術前の除菌は必要ない」と結論している。Journal of the American College of Surgeons誌オンライン版2015年4月8日号に掲載。
肥満成人におけるリラグルチドの減量効果/NEJM 最終更新:2015/07/15 ジャーナル四天王 先行研究において、GLP-1受容体作動薬のアナログ製剤リラグルチドの1日1回3.0mg皮下注が、体重管理に有用である可能性が報告されていた。これを踏まえて米国・コロンビア大学のXavier Pi-Sunyer氏らは、2型糖尿病を有していない肥満成人、脂質異常症か高血圧を有する(治療の有無を問わず)過体重成人の計3,731例を対象に、同薬投与の有効性、安全性に関する56週の二重盲検無作為化試験を行った。その結果、食事および運動療法の補助としての同薬投与は、体重の減少および代謝コントロールの改善と関連していたことを報告した。NEJM誌2015年7月2日号掲載の報告より。
初回エピソード統合失調症、LAIは経口薬より優る 最終更新:2015/07/15 医療一般 第2世代抗精神病薬の持効性注射剤(LAI)は、統合失調症患者の臨床的安定に高い効果をもたらす。しかし、これまで統合失調症初回エピソード後に用いられることはあまり多くはなかった。米国・カルフォルニア大学ロサンゼルス校のSubotnik KL氏らは、統合失調症初回エピソードにおけるリスペリドンの有効性を、剤形の違い(LAIと経口剤)で比較検討した。その結果、LAIは経口剤に比べ、精神症状の増悪や再発率が低く、その背景にLAIの良好なアドヒアランスが関連していることを報告した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2015年6月24日号の掲載報告。
臨床統計の基本を身につける J-CLEAR夏季セミナーのご案内 最終更新:2015/07/15 医療一般 NPO法人 臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)は、7月25日に夏季セミナー「基本を身につけよう! 臨床統計の読み方、考え方」を開催する。医療関係者を対象に、バイオ統計学の専門家である折笠 秀樹氏(J-CLEAR評議員/富山大学大学院医学薬学研究部バイオ統計学・臨床疫学教授)が、臨床統計の読み方や考え方を基本からやさしく解説する。
ワインアレルギー、原因はタンパク質への感作か 最終更新:2015/07/15 医療一般 ドイツで行われた先行調査において、無作為抽出された4,000例のうち、回答があった948例中68例(7.2%)がワイン不耐症あるいは飲酒後のアレルギー様症状発現を報告したことが判明している。この報告を踏まえてドイツ・マインツ大学のNadine Jaeckels氏らは、ワインの製造過程で含まれる他の成分や清澄剤ではなく、ワイン不耐症の間接原因としてブドウ由来のタンパク質に対するIgEに焦点を当て、ワインタンパク質への感作をアレルギー検査などで確認できるかを検討した。その結果、ブドウおよびワインタンパク質に対する感作が観察され、交差反応性炭水化物抗原決定基(CCD)の関与も示唆された。著者は「今後、さらに大きなコホートで検討する必要がある」とまとめている。
2型糖尿病、男性では膝OAの有意な予測因子に 最終更新:2015/07/15 医療一般 最近の研究では、肥満、糖尿病、高血圧および脂質異常症といった代謝因子やそれらの集積であるメタボリックシンドロームが、変形性膝関節症(膝OA)の病態生理に関与している可能性が示唆されている。フランス・AP-HP Henri Mondor HospitalのFlorent Eymard氏らは、膝OA患者を対象としたstrontium ranelateの第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(SEKOIA試験)におけるプラセボ群について解析し、2型糖尿病が男性膝OA患者における関節裂隙狭小化の予測因子であることを報告した。Osteoarthritis and Cartilage誌2015年6月号(オンライン版2015年2月3日号)の掲載報告。
骨髄性プロトポルフィリン症、afamelanotideの第III相試験/NEJM 最終更新:2015/07/14 ジャーナル四天王 骨髄性プロトポルフィリン症はまれな遺伝性疾患で、急性の光毒性を伴う重度の光線過敏症を呈し、きわめて強い疼痛がみられQOLが著明に低下する。オランダ・エラスムス医療センターのJanneke G Langendonk氏らは、afamelanotideが本症の症状を軽減し、忍容性も良好であることを確認し報告した。本症の光線過敏症は、プロトポルフィリンをヘムへ変換する合成酵素であるフェロケラターゼの活性低下に起因する。afamelanotideはヒトαメラノサイト刺激ホルモンのアナログで、メラノサイトなどの皮膚細胞のメラノコルチン1受容体に結合するトリデカペプチドであり、紫外線放射によってメラニン産生が刺激された際に生じる紫外線による細胞障害を起こすことなく、表皮のユーメラニン産生を増加させるという。NEJM誌2015年7月2日号掲載の報告より。
なんと!血糖降下薬RCT論文の1/3は製薬会社社員とお抱え医師が作成(解説:桑島 巌 氏)-384 最終更新:2015/07/14 CLEAR!ジャーナル四天王 オランダ・アムステルダム大学医療センターのFrits Holleman氏らは、1993年から2013年までの血糖降下薬に関するランダム化比較試験(RCT)論文の執筆者が、どの程度論文を量産(productivity)しているかについて、PubMedで検索した。
グルタミン酸作用、統合失調症の認知機能への影響は認められず 最終更新:2015/07/14 医療一般 統合失調症に認められる認知障害において、NMDA受容体の機能低下に大きく関与していることが指摘されている。グルタミン酸塩のモジュレーターがこのような難治状態の回復に有効な可能性があるが、これまでに実施された個々の研究では矛盾した結果が出ていた。カナダ・Centre for Addiction and Mental HealthのY Iwata氏らは、統合失調症患者の認知機能に及ぼすグルタミン酸塩を含むモジュレーターの影響を明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。その結果、全般的認知機能および8つのドメインにおいてプラセボと比較した優位性は認められず、グルタミン酸塩を含むモジュレーターが有効でない可能性を報告した。Molecular Psychiatry誌オンライン版2015年6月16日号の掲載報告。
高齢者は血圧低下が腎機能低下のリスクに 最終更新:2015/07/14 医療一般 ベルギー・ルーヴァンカトリック大学のBert Vaes氏らは、高齢者における静的および動的な血圧と腎機能の変化の関係について検討した。その結果、チャールソン併存疾患指数(mCCI)およびベースライン時の腎機能・血圧を調整すると、すべての年齢層において、血圧の経年的低下が腎機能低下における強力な危険因子であることが示された。BMJ open誌2015年6月30日号に掲載。