高齢者の心房細動(AF)スクリーニングは日和見的手法で

積極的なスクリーニングによって心房細動(AF)の検出率は向上するのか。また系統的なスクリーニングと日和見的なスクリーニングではどちらが優位なのか。英国における無作為化試験SAFE(Screening for atrial fibrillation in the elderly)の一部として、University of Birmingham(英国)プライマリ・ケア&一般診療部門のDavid A Fitzmaurice氏らが比較対照試験を行った。BMJ誌オンライン版8月2日号、本誌8月25日号掲載の報告より。
65歳以上14,802例を対象に無作為化比較対照試験
本試験は、英国の一般医の診療所50施設を、スクリーニング介入群(25施設)と対照群(25施設)に、さらにスクリーニング介入群は系統的な心電図検査実施群と日和見的な実施群(検脈で異常がみられた場合に心電図検査を実施)とに無作為に割り付けて行われた。
合計対象者数は65歳以上の14,802例。スクリーニングは各々の実施群とも2001年10月~2003年2月の間12ヵ月以上にわたって行われた。なお対照群では積極的なスクリーニングは行われていない。
新規AF検出率で0.59ポイントの差
結果は、主要評価項目の新規AFの検出率がスクリーニング介入群は年間1.63%、対照群は1.04%で0.59ポイントの差があった(95%信頼区間0.20~0.98%)。
系統的な実施群と日和見的な実施群との検出率の比較では、1.62% vs 1.64%とほぼ同一。日和見的なスクリーニングのほうが0.02ポイント優勢だった(95%信頼区間-0.5%~0.5%)。
これら結果を踏まえFitzmaurice氏らは、「積極的なスクリーニングで検出率は向上する。またプライマリ・ケアにおける65歳以上の患者のスクリーニングの手法としては、日和見的な方法が好ましい」と結論付けた。
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