消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:162

切除不能大腸がん、CAPOX-B後の維持療法でPFS延長/Lancet

 切除不能大腸がんの1次治療において、カペシタビン+オキサリプラチン+ベバシズマブ(CAPOX-B)による導入療法に加えカペシタビン+ベバシズマブによる維持療法を行うと予後が改善することが、オランダ・アムステルダム大学のLieke H J Simkens氏らオランダ大腸がん研究グループ(DCCG)が実施したCAIRO3試験で示された。切除不能大腸がんに対する化学療法薬の間欠投与は持続投与に比べて生存期間が劣らず、OPTIMOX1試験ではフルオロウラシル+ロイコボリンの継続投与下にオキサリプラチンを休薬し、病勢進行(PD)後に再投与しても生存期間は持続投与と同等であることが報告されている。一方、分子標的薬であるベバシズマブは、PD後も継続的に投与することで予後の改善をもたらすことが示唆されている。Lancet誌オンライン版2015年4月7日掲載の報告より。

アスピリン・NSAIDsと大腸がんリスクの関連メカニズム/JAMA

 遺伝子と環境の相互作用を考慮したゲノムワイド研究で、アスピリンと非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の単独または両薬の常用と、大腸がんリスク低下との関連が遺伝子レベルで明らかにされた。米国・インディアナ大学のHongmei Nan氏らが報告した。検討により、染色体12と15の一塩基多型(SNP)で、常用とリスクとの関連は異なることが示され、遺伝子型によっては常用でリスクが高まる人がいることが明らかにされた。所見を受けて著者は「被験者を追加した検討で今回の所見が確認されれば、ターゲットを絞った大腸がんの予防戦略を促進するだろう」と述べている。JAMA誌2015年3月17日号掲載の報告より。

クロ-ン病の新規経口薬、臨床的寛解を維持/NEJM

 クローン病に対する新規開発経口薬のモンジャーセン(mongersen)について、第II相の二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果、寛解維持および臨床効果の達成割合が有意に高いことが示された。イタリア・トルヴェルガタ大学のGiovanni Monteleone氏らが報告した。モンジャーセンは、経口SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドで、回腸および結腸のSMAD7を標的とすることが示されていた。クローン病に関連する炎症は、免疫サイトカインのトランスフォーミング増殖因子β1(TGF-β1)の活性低下によって特徴付けられ、TGF-β1の低下は、SMAD7の発現量が増加しTGF-β1シグナルを阻害するためであることが知られていた。NEJM誌2015年3月19日号掲載の報告より。

ブレークスルーとなるか、がん免疫チェックポイント阻害

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:相良 暁)とブリストル・マイヤーズ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ダビデ・ピラス)は2015年3月17日、「がん治療の新たな選択肢 ~がん免疫療法~」と題し、プレスセミナーを開催した。講師に、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの西川 博嘉氏(大阪大学免疫学フロンティア研究センター 特任准教授)を迎え、がん免疫療法の特徴や作用機序、他の治療法との相違点などについて紹介された。

がん検診での過剰検出、人々の許容度は?/BMJ

 がん検診における「過剰検出」(症状がみられず早期死亡を引き起こすことのないがん病変をスクリーニングで検出と定義)について、一般の人々の受け止め方は事前に与えられる情報(死亡率やベネフィット)で大きく異なることが、英国・オックスフォード大学のAnn Van den Bruel氏らによるサーベイの結果、明らかにされた。乳がん、前立腺がん、腸がんスクリーニングの設定で調べたところ、腸がんスクリーニングでの過剰検出に対する許容度が有意に低かったという。著者は、「スクリーニング案内時に過剰検出の可能性やその影響に関する明確な情報を伝え、人々が情報に基づいた選択(インフォームド・チョイス)ができるようにしなければならない」と指摘している。BMJ誌オンライン版2015年3月4日号掲載の報告より。

E型肝炎ワクチン、4.5年の有効率は?/NEJM

 E型肝炎(HEV)ワクチンの予防接種により、防御能4.5年の持続を確認したことが報告された。中国・厦門大学のJun Zhang氏らが、11万例超の成人を対象に行ったプラセボ対照無作為化比較試験の延長追跡調査の結果を発表した。試験に用いられたワクチンは2012年から中国で製造販売されているHecolinで、これまで短期有効性については報告されていたが長期有効性については確認されていなかった。NEJM誌2015年3月5日号掲載の報告より。