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患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 (肥満している患者に対し)患者今、飲んでいる薬の副作用は何ですか?医師この薬は腎臓でブドウ糖の再吸収を抑えて、尿に糖分をたくさんだす薬でしたね。患者はい。ちゃんと覚えています。医師それはよかったです。尿に糖がたくさんでますので、膀胱炎や性器などの感染症には気をつけて下さい。患者わかりました。清潔にするようにします。医師よろしくお願いします。次に、糖分と一緒に水分もでますので、おしっこが近くなったり(頻尿)、のどがよく渇く(口渇)場合があります。特に、脱水には気をつけて下さいね。患者なるほど。水分をこまめにとるようにします。医師この薬で、余分な糖分が尿に出るので体重は減ってきます。ただし、妙にだるくなってきた(全身倦怠感)などの症状があったら、すぐに教えて下さい。患者わかりました。●ポイント尿路・性器感染症、脱水、血中ケトン体上昇などの副作用を上手に説明しましょう●解説Neal Bらは(AHA 2013、ダラス)、SGLT2阻害薬に関する38報(21,078例)のメタ解析を行い、MACE*-plus(ハザード比=0.88、95%信頼区間0.72~1.07)と総死亡(ハザード比=0.71、95%信頼区間0.49~1.03)の低下とともに、低血圧リスク(ハザード比=2.43、95%信頼区間1.68~3.50)とヘマトクリット値の上昇、生殖器感染症の増加、尿路感染症の増加(女性のみ)がみられたと報告した*MACE: Major Adverse Cardiac Events(主要有害心血管イベント)