サイト内検索|page:418

検索結果 合計:10293件 表示位置:8341 - 8360

8341.

胃がんの生存率における家族歴とBMIの影響~日本人の前向き研究

 胃がんの長期予後に家族歴や栄養状態が影響する可能性があるが、エビデンスが十分でなく一貫していない。東北大学大学院地域保健学の南 優子氏らは、胃がんの予後因子を明らかにするため、単一の病院に入院した日本人の胃がん患者1,033例における前向き研究を実施した。その結果、60歳前に診断された若年の胃がん患者では、胃がんの家族歴、とくに親の家族歴が死亡率に影響を与える可能性が示された。一方、60歳以上の高齢胃がん患者では、栄養状態が予後因子である可能性が示唆された。International Journal of Cancer誌オンライン版2014年5月29日号に掲載。 著者らは、1997年~2005年に単一の病院に入院し、組織学的に胃がんと確認された1,033例について、自記式質問票を用いて胃がんの家族歴および治療前のBMIを評価した。臨床データは病院のがん登録から取得し、すべての患者を2008年12月まで追跡した。また、両親・兄弟姉妹の家族歴とBMIカテゴリに応じて、ハザード比(HR)と95%信頼区間(95%CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間(中央値5.3年)における全死因死亡は403例、胃がんによる死亡は279例であった。・患者全体としては家族歴との関連は認められなかったが、年齢層別の解析では、診断時に60歳未満の患者において、全死因死亡リスクの増加が第一度近親者(親、兄弟姉妹)の家族歴(HR 1.61、95%CI:0.93~2.78、p=0.09)、および親の家族歴(HR 1.86、95%CI:1.06~3.26)に関連していた。・BMI(kg/m2)は、60歳以上の患者で全死因死亡および胃がんによる死亡に関連し、BMIが23以上25未満の患者と比べ、18.5未満の患者の全死因死亡のHRは2.28、25以上の患者では1.61で、J字型パターンを示した。

8342.

喫煙者では血清尿酸値が低いと肺がんになりやすい?

 血清尿酸値が低い喫煙群ではCOPDと肺がんの有病率が高かったことが英国Research Department of Primary Care and Population HealthのLaura J Horsfall氏らにより報告された。Thorax誌オンライン版2014年6月5日の掲載報告。 人間の血清中で抗酸化作用のある分子で最も数の多いものは尿酸である。今回、血清尿酸値と呼吸器疾患の有病率との間に関係があるのか、さらに喫煙状況による影響の変化も含めて調査した。 2000年1月1日~2012年12月31日の間に血清尿酸値が測定されていたコホートを「The Health Improvement Network(THIN)英国プライマリ・ケア・データベース」より抽出した。新たにCOPDと肺がんを診断する場合は診療記録の診断コードで確認した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中の対象人数は100万2,496人年であり、そのうちCOPDは3,901例、肺がんは1,015例であった。・多変量解析の結果、喫煙群において血清尿酸値と呼吸器疾患の有病率との間に強い負の相関が認められたが(p<0.001)、非喫煙群や過去に喫煙歴のあった群(現在は非喫煙)では、その関係が認められなかった。・1日に20本以上喫煙する群における肺がんで最も強い負の相関が認められ、血清尿酸値が100~250 µmol/Lの群では1万例あたり97例だったのに対し(95%CI:68~126)、438~700 µmol/Lの群では1万例あたり28例であった(95%CI:14~41)。

8343.

インフルエンザワクチン接種、無針注射器の時代に?/Lancet

 インフルエンザワクチン接種について、新たに開発された無針ジェット式注射器「Stratis」による接種と、通常の有針注射器による接種を比較した結果、免疫原性に関して前者の非劣性が示されたことが報告された。同注射器を開発した米国・PharmaJet社のLinda McAllister氏らによる非劣性無作為化試験の結果で、安全性プロファイルは臨床的に許容可能なものだった。接種部位反応が通常注射器を使用した場合よりも高率だったが、著者は「Stratisは、三価インフルエンザワクチンの代替接種法となりうる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年5月30日号掲載の報告より。有針注射器との無作為化比較試験で、三価ワクチンの免疫原性を評価 試験は、コロラド大学ヘルスシステム内の4つの従業員クリニックで、健康成人(18~64歳)を対象に行われた。被験者は各クリニックで三価不活化インフルエンザワクチン「Afluria」の1回接種を受ける際に、無針ジェット式注射器か有針注射器で接種を受け、免疫原性について評価された。無作為化は、コンピュータにより100例単位で計画された。試験の性質上、試験参加者の盲検化は行われなかった。 免疫原性の評価は、ワクチンに含まれる3つのインフルエンザウイルス株について血漿中の血球凝集抑制抗体価を測定して行った。 主要エンドポイントは、3株の特異的な幾何平均抗体価(GMT)および血清抗体陽転率の6つとした。 無針ジェット式注射器の有針注射器に対する非劣性の定義は、GMTの95%信頼区間[CI]の上限値が1.5未満である場合、および血清抗体陽転率の同値が10ポイント未満である場合とした。両群の比較は、t検定試験にて評価した。3株のGMT、血清抗体陽転率とも非劣性を確認 試験は北半球の2012~2013インフルエンザシーズン中に、1,250例の被験者を、無針ジェット式注射器接種群(627例)、有針注射器群(623例)に無作為に割り付けて行われた。 intention-to-treat分析には、2つの血清サンプルを得られた全患者(無針ジェット式注射器接種群575例、有針注射器群574例)が組み込まれた。 結果、無針ジェット式注射器接種群の有針注射器群に対するAfluria免疫原性は、6つの共通主要エンドポイントについてすべて非劣性であることが示された。 無針ジェット式注射器接種群のGMTの非劣性達成値は、A/H1N1株が1.10、A/H3N2株が1.17、B株が1.04だった。 血清抗体陽転率についてはそれぞれ、A/H1N1株が6.0%、A/H3N2株が7.0%、B株が5.7%だった。 接種部位反応の即時の報告(0~6日)は、無針ジェット式注射器接種群で有意に多かったが(p<0.001)、大部分はグレード1、2で3日以内に治癒していた。28日以内の1回以上の有害事象の自己申告の頻度は、無針ジェット式注射器接種群14.4%、有針注射器群は10.8%であった(p=0.06)。頻度が高かったのは、注射部位の発赤(1.4%vs. 0)、血腫(1.8%vs. 0.2%)、頭痛(3.7%vs. 2.2%)、のどの痛み(0.5%vs. 1.0%)だった。有害イベントにより試験を中断した被験者はいなかった。 なお被験者のうち3例で重大有害イベントが記録されたが、試験に関連していなかった。

8344.

未破裂脳動静脈奇形(bAVMs)の長期アウトカム、保存療法が良好(コメンテーター:中川原 譲二 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(214)より-

未破裂脳動静脈奇形(bAVMs)の治療については、ARUBA試験〔死亡または脳卒中リスクに関して、保存療法と介入療法とを比較することを目的とした多施設共同非盲検無作為化試験:Lancet誌オンライン版2013年11月19日号掲載〕により、短期的には保存療法のほうが介入療法よりも優れていることが明らかにされたが、保存療法の優位性は長期の比較データがなかったために不明であった。スコットランド・エディンバラ大学のRustam Al-Shahi Salman氏らが、204例について行った住民ベースの発端コホート試験の結果、保存療法の長期アウトカムは介入療法よりも良好であることが明らかにされた(JAMA誌4月23・30日号掲載の報告より)。16歳以上のbAVMsの204例を最長12年間追跡 研究グループは、1999~2003年または2006~2010年にbAVMsの診断を受けた、スコットランドに住む16歳以上の患者204例について、最長12年間追跡した。血管内塞栓術、脳外科的切除または定位放射線治療の単独または複合治療が行われた介入群と、行わなかった保存群について、予後を比較した。主要アウトカムは、すべての死亡、または持続する障害〔Oxford Handicap Score(OHS)でスコア2以上が2年以上持続(スコア0=障害なし、6=死亡)〕とし、副次アウトカムは、非致死的症候性脳卒中、またはbAVMs、関連する動脈瘤、介入による死亡の複合発生率とした。主要アウトカムは保存群で0.59倍(4年間)、副次アウトカムは保存群で0.37倍(12年間) 204例中103例が積極的介入を受けていた。介入群は保存群に比べ、年齢が低く、発作症状を呈して診察を受けた割合が多く、大きなbAVMsが少ない傾向にあった。追跡期間の中央値は6.9年だった。当初4年間の主要アウトカムの発生件数は、保存群が36件に対し、介入群が39件と、保存群で低率だった(それぞれ、9.5/100人年、9.8/100人年)。保存群の介入群に対する補正後ハザード比は、0.59(95%信頼区間[CI]:0.35~0.99)だった。しかし、それ以降の発生率は同等だった。一方、副次アウトカムの発生件数は、12年間で保存群14件に対し介入群38件と、保存群で低率だった(それぞれ、1.6/100人年、3.3/100人年)。同ハザード比は、0.37(95%CI:0.19~0.72)だった。 著者らは、さらなる長期の追跡調査を行い、保存療法の利益が持続するかどうかを確認する必要があると述べている。

8346.

そもそも痛みって何?

そもそも痛みって何?体が発するSOSサインです。体の異常を知らせるメッセージ痛みけがをしたりして体に炎症が起こると、「体が傷ついた」というメッセージが神経を通って脳に伝わり、痛みが発生します。私たちの体を守るのに不可欠な感覚といえます。Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

8348.

DYRK1Bは新規のヒトのメタボリックシンドローム原因遺伝子か?(コメンテーター:山下 静也 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(213)より-

米国Yale大学のKeramatiらは、ヒトのメタボリックシンドローム(MetS)関連遺伝子としてDYRK1Bの遺伝子変異をNEJMに報告した。 同グループはイラン人の3つの大家族において、中心性肥満、高血圧、糖尿病を有し、若年発症の冠動脈疾患の合併した家族を同定し、連鎖解析と全エクソーム配列決定によって、発端者からDYRK1Bの遺伝子突然変異であるDYRK1B R102C(102番目のアルギニン→システイン)変異を明らかにした。このDYRK1B R102C変異はgain-of-function変異で、ヘテロ接合体でもMetSの表現型を示す優性遺伝形式をとると考えられる。また、同グループは他の家系でDYRK1B H90P(90番目のヒスチジン→プロリン)変異もMetSの表現型を示すことを示した。 従来、ヒトMetSの関連遺伝子としては、これまでにレプチン、レプチン受容体、Melanocortin 4 receptor(MC4-R)、Proopiomelanocortin(POMC)、PCSK1、アディポネクチン、CD36などが報告されている。これらの遺伝子異常によって、ヒトでは高度肥満を呈する場合が多く、肥満関連の遺伝子異常ではあるものの、中心性肥満、高血圧、糖尿病などのMetSに特徴的な危険因子の遺伝的集積と、早発性冠動脈疾患を合併する遺伝子変異は本報告が初めてと考えられる。 では、なぜ、DYRK1Bの遺伝子のgain-of-function変異がMetSの表現型を引き起こすのであろうか? DYRK1Bは進化学的に保存されたprotein kinaseのグループであるDyrkファミリーに属する蛋白で、細胞の分化・生存や増殖に関与する。DYRK1Bはserine-threonine kinaseであり、マウスやヒトではユビキタスに発現する。DYRK1B遺伝子の発現は脂肪細胞の分化に伴って著しく増加する。脂肪形成過程では未分化の間葉系幹細胞から脂肪細胞への分化が起こる。DYRK1Bはsonic hedgehog(SHH)経路を抑制する結果、Wnt蛋白の発現を減らし、脂肪組織形成性のCCAAT/enhancer-binding proteinα(C/EBPα)やperoxisome proliferator-activated receptor γ(PPARγ)の発現を増加させ、これによって脂肪細胞への分化が促進されると考えられる。 したがって、DYRK1Bのgain-of-function変異は、本来のDYRK1Bよりもさらに脂肪細胞への分化を促進する活性が強いと考えられる。さらに、DYRK1Bは糖新生に重要な酵素であるglucose-6-phosphataseの活性を誘導することが知られているが、DYRK1Bのgain-of-function変異R102Cは、より強いglucose-6-phosphataseの活性の誘導効果を有することも示されている。このことから、変異を有する群での空腹時血糖の上昇は説明できよう。 日本人においても遺伝性MetSの家系が存在すると考えられるが、このDYRK1Bのgain-of-function変異がわが国でも発見されるのか否かは大変興味のあるところである。また、DYRK1BのR102C変異のキャリアの臨床像は、中心性肥満、2型糖尿病、早発性冠動脈疾患であるが、脂質異常症に関してはLDLコレステロールの高値傾向、トリグリセライド値の増加は示されているが、MetSの診断基準にも含まれる低HDLコレステロール血症の有無については記載がない。インスリン抵抗性に関するデータも示されておらず、内臓脂肪蓄積による症候性のMetSとの相違点があるのか否かについて、今後解明されることが期待される。

8349.

乳幼児専用の腎代替療法機器が登場/Lancet

 多臓器不全を伴う新生児や乳幼児への持続的腎代替療法(CRRT)機器として開発された「CARPEDIEM」は、多様な治療やサポートを提供し有用であることがイタリア・聖ボルトロ病院のClaudio Ronco氏らにより報告された。腹膜透析導入を減らし、CRRT適用範囲を拡大し、CRRTによる外傷を減らし、その他の腎代替療法がなくても支持療法として用いることができるという。新生児の急性腎不全(AKI)例では腹膜透析が選択肢となるが、適用できなかったり効果的ではない場合がある。従来CRRT機器は、15kg未満の新生児には未承認使用されており、乳幼児向けにデザインされたものはなかった。Lancet誌2014年5月24日号掲載の報告より。承認後初となるヒトへの適用例を報告 CARPEDIEM(Cardio-Renal Pediatric Dialysis Emergency Machine)は、新生児および乳幼児向けに開発されたCRRT機器で、研究グループにより5年間の前向き開発プロジェクトによって考案、デザイン、作製されものだった。in-vitro試験評価と開発目的基準を満たし、ヒトでの使用ライセンスを取得。本報告は承認後初となる、重篤な新生児例への使用を評価したものであった。2.9kgの新生児に400時間適用、軽度腎機能障害のみで生存退院 CARPEDIEMの主な特徴は、低血流量(30mL未満)、小型ポンプ、1gの精度で調整可能な正確な濾過機能などで、in-vitro試験では、ハード面およびソフト面の両者で設計仕様が満たされたことが確認されていた。 研究グループは同機器を、出血性ショック、多臓器不全、重度体液過剰を伴う2.9kgの新生児に400時間超適用した。結果、65%体液過剰、クレアチニンおよびビリルビン値上昇、重度アシドーシスはすべて安全かつ効果的に管理され、重篤な疾患であったが、臓器機能は回復。新生児は命を取り留め、軽度腎機能障害のみで病院から腎代替療法を要しない状態で退院となったと報告されている。

8350.

化学療法はがん患者の認知機能と脳活性を低下させるか

 がん化学療法後の認知機能障害は患者のQOLに悪影響を及ぼす。多くの横断的前向き試験が、神経心理学的ながん治療後の認知変化について述べている。しかしながら、決定的な知見はまだない。この試験は最新の神経学的イメージングシステムを用い、乳がん治療後の認知愁訴と脳活性度の変化の関連を検討している。ベルギーのルーヴェン・カトリック大学Sabine Deprez氏らの前向き比較試験。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2014年5月27日号の掲載報告。 18例の化学療法施行乳がん患者について、化学療法施行前(t1)と施行後4~6ヵ月後(t2)に機能的MRI(fMRI)のスキャナー内でのマルチタスク検査を実施した。一方、コントロールグループとして化学療法非施行乳がん患者16例、健康成人17例で同様の検査を同じ間隔で実施している。ベースラインにおいて、3つのグループは同等である。トレーニングにより70~80%の正しい反応を得られるようにして参加者間の格差をコントロールして前向き試験を実施した。認知愁訴については、Cognitive Failure Questionnaire(CFQ)を用いて評価した。神経学的イメージングは、統計的パラメトリックマッピング(SPM8ソフトウェア)を用い、グループ内、グループ間、時間・グループ交互作用を分析した。 主な結果は以下のとおり・化学療法実施グループの認知愁訴は、化学療法施行前(t1)に比べ施行4~6ヵ月後(t2)で有意に増加した(p<0.05)。・他の2グループでは、同様の変化はみられなかった。・化学療法実施グループの脳活性度は、左前帯状回と頭頂間溝において、t1に比べt2で有意に低下した(p<0.05)。・他の2グループでは同様の変化はみられなかった。・化学療法実施グループと健康成人グループにおいて、左前帯状回の活性で有意な、時間・グループ交互作用がみられた(p<0.05)。 この試験の結果から、化学療法由来の認知愁訴の根底に脳活性度の変化があると示唆される。左前帯状回と頭頂間溝はマルチタスク作業時には活性化する部位であり、この変化は、化学療法が与える脳のダメージ、あるいは脳の区域間連携の低下に関連している可能性がある。   今後、追加試験により脳の活性度についての再現性を確認するとともに、大規模な試験により詳細なサブグループ解析を行う必要があるだろう。この試験は、化学療法後の認知愁訴の長期的変化と活性度の変化の関連についてのエビデンスを与えた最初の長期的試験であり、がん化学療法の認知機能への影響について、神経学的に理解するうえで重要なステップといえる。

8351.

有棘細胞がん発生、女性は下肢に男性は頭頸部に

 米国・ハーバード・メディカル・スクールのKhang D. Nguyen氏らは、米国医療従事者を対象とした健康調査データを分析し、侵襲性有棘細胞がん(SCC)の発生率について検討した。その結果、男性が女性よりも有意に高く、また女性は下肢に、男性は頭頸部の発生が多いという男女差があることが明らかになった。先の研究での米国内SCCの疫学データは、ほとんど役に立たないもので、米国以外の住民を対象としたものや、米国内一地方のデータに限られていたという。Archives of Dermatological Research誌オンライン版2014年5月28日号の掲載報告。 本検討は、看護師健康調査(NHS、1976~2008年)、同II(NHS II、1989~2009年)における女性、医療従事者追跡調査(HPFS、1986~2008年)における男性を対象とし、隔年調査を介して前向きに集められた計26万1,609例の参加者データを分析して行われた。 医師が診断した侵襲性SCCの病歴を、病理データ記録をレビューして確認した。 主な結果は以下のとおり。・各コホートの追跡期間全体で確認された侵襲性SCC症例は、10万人当たりNHSでは1,265例、NHS IIでは389例、HPFSでは2,154例であった。・18年間の追跡において、侵襲性SCCの発生は時間とともに増大しており、女性よりも男性でコンスタントに増大していた。・侵襲性SCC発生部位について、女性は男性と比べて下肢に認められる割合が有意に高かった(NHS 21%vs. HPFS 6%、p<0.0001、NHS II 14%vs. HPFS 6%、p<0.0001)。・一方、男性は頭頸部の発生が有意に高かった(NHS 43%vs. HPFS 60%、p<0.0001、NHS II 48%vs. HPFS 60%、p<0.0001)。

8352.

統合失調症治療に園芸療法は好影響をもたらすのか

 園芸療法は、習熟したセラピストまたは医療者による助けのもと、特別な治療目標の達成または単に健康改善のために、果物、野菜、花、木などを利用するプロセスである。同療法は認知、身体的、社会的、感情的およびレクリエーションなどにおけるベネフィットを期待して、治療またはリハビリテーションプログラムとして用いられており、身体的、心理的、精神的状態を改善させるとされている。 中国人民解放軍総医院のYan Liu氏らは、統合失調症患者の5~15%は、薬物療法にもかかわらず症状の持続が認められ、望ましくない有害事象が起こる可能性もあることから、園芸療法が有意義な可能性があるとして、統合失調症または統合失調症様疾患に対する園芸療法の効果を標準治療または他の心理社会的介入とを比較し評価するためシステマティックレビューを行った。しかし、検索されたのは1件の無作為化比較試験で、同試験では、園芸療法+標準治療群のDepression Anxiety Stress Scale(DASS21)スコアの変化は、標準治療単独群に比べ大きいことが示されていたが、試験のエビデンスレベルがきわめて低く明確な結論を導くことはできなかったと報告した。結果を踏まえて著者は、「園芸療法は確立された治療ではなく、質の高いエビデンスを集積するにも、より多くの大規模無作為化試験が必要である」とまとめている。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2014年5月19日号の掲載報告。 2013年1月にCochrane Schizophrenia Group Trials Registerを検索し、代表的な試験の著者に問い合わせて補足を行い、参照リストの手作業による検索も行った。その結果、統合失調症患者に対する、園芸療法+標準治療と標準治療単独を比較する1件の無作為化比較試験(RCT)が選択された。試験の質を評価してデータを抽出し、連続アウトカムに対しては平均差(MD)、バイナリアウトカムに対してはリスク比(RR)を算出した(両者とも95%信頼区間[CI]も算出)。バイアスリスクを評価し、GRADE (Grades of Recommendation, Assessment, Development and Evaluation)アプローチを用いて、得られた成績のリストを作成した。 主な結果は以下のとおり。・1件の単盲検試験(合計24例)が選択された。・無作為化は適切であったが、試験のバイアスリスクは不明であった。・同試験では、1日1時間の園芸療法+標準治療を標準治療単独と比較していた。試験期間は長期ではなく2週間であった(連続10日間)。・レビューの結果、追跡不能は2例で、いずれも園芸療法群の症例であった(1 RCT、24例、RR:5.00、95%CI:0.27~94.34、エビデンスの質:きわめて低い)。・Personal Wellbeing Index(PWI-C)スコアの変化において、群間で明らかな差はみられなかったが、信頼区間は広かった(1 RCT、22例、MD:-0.90、95%CI:-10.35~8.55、エビデンスの質:きわめて低い)。・治療終了時における、園芸療法群のDASS21スコアの変化は、対照群に比べて大きかった(1 RCT、22例、MD:-23.70、95%CI:-35.37~-12.03、エビデンスの質:きわめて低い)。・介入に伴う有害事象の報告はなかった。・データの質がきわめて低いため、統合失調症患者に対する園芸療法のベネフィットまたは有害性に関する何らかの結論を下すには、エビデンスが不十分であった。関連医療ニュース 統合失調症に「サッカー療法」その効果は 統合失調症に対し抗精神病薬を中止することは可能か 統合失調症へのアリピプラゾール+リハビリ、認知機能に相乗効果:奈良県立医大  担当者へのご意見箱はこちら

8353.

骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科2

第1回 頸椎のみかた PART1 第2回 頸椎のみかた PART2 第3回 大腿骨近位部骨折を見逃すな! 第4回 プライマリ・ケアで役に立つ骨、関節X線読影 第5回 傷病者多数搬送します、よろしく! あの人気番組「骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科」がパワーアップして再登場!Dr.仲田の体をはった名講義は健在です。今シリーズは前回カバーしきれなかった頸椎・大腿骨を取り上げるとともに、整形外科の真骨頂、画像読影のコツを、豊富な症例を提示し、みなさまへ伝授します。また、災害時の対応もアップグレード。Dr.仲田の渾身の力作です。自信を持って対応できる知識と技術を教えます!「第1回 頸椎のみかた PART1」外来で診る機会の多い「頸椎」。頸椎の診断に必要な知識と技術を余すことなく伝授します。運動神経支配や知覚神経もDr.仲田ならではの体を使った暗記法で、もう忘れることはありません!「第2回 頸椎のみかた PART2」テーマは頸椎のX線読影。20例もの症例を提示し、PRAT1で学んだ知識を実践的に深めていきます。頸椎をみる際のポイントや知っておくと役に立つ知識なども余すことなく伝授。Dr.仲田が提示する様々な症例を一緒に読影してみましょう。一気に画像診断の経験値がアップすることは間違いありません。「第3回 大腿骨近位部骨折を見逃すな!」意外に見逃すことの多い、大腿骨近位部骨折。骨折を見逃してしまうと、評判がガタ落ちしてしまうことも・・・。骨折を見逃さないための‘極意’をDr.仲田が伝授します。聴診器を使って大腿骨骨折の診断方法も!大腿骨頸部骨折、大腿骨転子部骨折、股関節脱臼、恥骨骨折、坐骨骨折など、様々な症例を読影、診断してみましょう。「第4回 プライマリ・ケアで役に立つ骨、関節X線読影」変形性関節症と関節リウマチをどう見分けるか、骨だけではなく軟部組織を見てどう診断するか、脊椎の骨折、化膿性脊椎炎、癌の転移などをも逃がさないポイントはなにか、など、実際の症例画像を多数提示して、徹底的に解説します。関節穿刺のコツも伝授。プライマリ・ケアにおいて必要な骨・関節の画像診断の知識・技術を凝縮。実践力をアップさせます!「第5回 傷病者多数搬送します、よろしく!」当直時に救急隊から連絡「傷病者多数、搬送します、よろしく!」。さて、あなたならどのような手順で、どう対応しますか?キーワードは 「CSCATTT シーエスキャットットット、おっとっとっとー」と「METAN」です。実際の災害対策の成功例、失敗例を元に、「どう対応し、何をすべきか」を簡単明瞭かつ、覚えやすく解説します。

8354.

コーヒーなどのカフェインが基底細胞がんリスクを4割以上も低下させる

 米国・イェール大学公衆衛生大学院のLeah M Ferrucci氏らによる検討の結果、お茶とコーヒーには、カフェインに起因した基底細胞がん(BCC)の若年発症に対する保護効果がわずかだがあることが示唆された。これまでも皮膚の発がん性に対する保護作用があるといわれてきたが、疫学的な検証エビデンスはさまざまであった。結果を踏まえて著者は、「本研究の結果は、これらの飲料に健康ベネフィットがある可能性を増幅させるものである」と報告をまとめている。European Journal Cancer Prevention誌2014年7月号(オンライン版2014年5月16日号)の掲載報告。 研究グループは、お茶、コーヒーおよびカフェイン類とBCCの若年発症との間に関連があるかについて調べるため、コネチカット州で行われたケースコントロール試験の参加者で40歳未満の非ヒスパニック系白人767例のデータを評価した。 エール皮膚科疾患データベースを通じて、BCC例(377例)を特定し、対照(390例)は、同一データベースから無作為に、皮膚科診断良性で、年齢、性別、生検部位を適合して抽出した。 被験者に対して個別に、カフェイン含有のコーヒーやホットティーに関するインタビュー調査を行い、条件なしロジスティック回帰分析にて、定期的摂取量、頻度、期間について多変量オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出して評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・カフェイン含有コーヒー+ホットティーの複合定期的摂取量は、BCC若年発症と逆相関の関連を示した(OR:0.60、95%CI:0.38~0.96)。・これらのうち最もカフェイン含有が高値であった群では、非摂取群と比較して、BCCのリスクが43%低かった(OR:0.57、95%CI:0.34~0.95、傾向のp=0.037)。

8355.

COPD合併肺がん患者、肺線維症で肺切除後の生存率が低下

 肺切除後のCOPD合併肺がん患者において、肺線維症は生存率を低下させる独立したリスクファクターとなることが、東京女子医科大学八千代医療センターの関根 康雄氏らにより報告された。The Thoracic and Cardiovascular Surgeon誌オンライン版2014年5月30日の掲載報告。 本研究の目的はCOPD合併肺がん患者を対象に、肺線維症の有無が肺切除術後合併症や長期の生存率にどれほどインパクトを与えるかを調べる事である。1990年~2005年の期間中に大学病院で肺がんによる肺切除が実施された患者のうち、COPDを合併していた380例を対象にレトロスペクティブなカルテレビューを行った。COPDの定義は術前の1秒率(FEV1/FVC)が70%未満で、肺線維症の定義はCTにより下肺野に明らかな両肺の線維化病変が認められた場合とした。 主な結果は以下のとおり。・COPD合併患者380例のうち、肺線維症が認められたのは41例(10.8%)で、339例(89.2%)では認められなかった。・術前の1秒量は肺線維症を有する患者群で有意に低かった(p<0.05)。・術後急性肺傷害(ALI)と在宅酸素療法は肺線維症を有する患者群で有意に高かったが、30日死亡率は同等であった。・3年間と5年間の累積の生存率は、肺線維症を有する患者群でそれぞれ53.6%、36.9%、肺線維症が認められない患者群では71.4%、66.1%であった(p=0.0009)。・加齢、BMI低値、病理病期の進行、肺線維症の存在は、生存率を低下させる独立したリスクファクターであった。

8356.

歩いて糖尿病を予防!

よく歩く人は糖尿病になりにくい1.22型糖尿病の相対危険度職場まで片道10分未満しか歩いていない人に比べると、20分以上歩いている人は糖尿病になりにくいことがデータで示されています。1.01.000.860.80.730.60.40.200~10分11~20分21分以上仕事場まで歩く時間Sato KK, et al. Diabetes Care. 2007; 30: 2296-2298.より作図Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

8357.

透析原因の4割は糖尿病

透析を始める患者さんの約4割は「糖尿病」が原因2012年に人工透析をはじめた患者さんのうち、44.1%は糖尿病性腎症を原因とした導入でした。%70年別透析導入患者の主要原疾患の割合推移2012年糖尿病性腎症:44.1%慢性糸球体腎炎:19.4%腎硬化症:12.3%多発性嚢胞腎:2.6%慢性腎盂腎炎:0.8%急速進行性糸球体腎炎:1.3%SLE腎炎:0.7%不明:11.2%60504030糖尿病性腎症慢性糸球体腎炎腎硬化症多発性嚢胞腎慢性腎盂腎炎急速進行性糸球体腎炎SLE腎炎不明201001983 8485868788989091929394959697989900010203040506070809101112年患者調査による集計『一般社団法人 日本透析医学会 統計調査委員会「図説 わが国の慢性透析療法の現況(2012年12月31日現在)」』Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

8358.

血糖管理は食後も大事

空腹時血糖値だけではなく食後の血糖値もしっかり管理しましょう空腹時血糖値が正常(110mg/dL未満)な場合でも…総死亡に対する相対危険率2.52.02.001.51.591.01.000.50.0空腹時血糖値が正常でも食後血糖値が高くなると死亡の危険率は高くなります。140未満140~200未満200以上食後血糖値(mg/dL)DECODE study group. Lancet. 1999; 354: 617-21より作図Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

8359.

プールの飛び込み失敗で肺挫傷【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第20回

プールの飛び込み失敗で肺挫傷そろそろプールが恋しくなる季節でしょうか。夏休みをどこで過ごすか計画中の医療従事者の方々も多いでしょう。肺挫傷といえば、高エネルギー外傷によって起こる重篤な肺の外傷性病変です。スポーツによる肺挫傷も報告がありますが、やはりフットボールなどの強い衝撃によって起こったものがほとんどです(Clin J Sport Med. 2006;16:177-178. )。しかし、ただのプールの飛び込みで肺挫傷を起こしたアメリカの症例報告があります。ちなみに私は水泳が驚くほど苦手で、プールに飛び込むことすらできません。運動音痴だと思われるのがイヤなので、陸上競技は得意であると、何となく付け加えておきます。Lively MW.Pulmonary contusion in a collegiate diver: a case report.J Med Case Rep. 2011;5:362.この症例報告によれば、19歳の男子大学生がプールの端にあった1メートルほどの飛び込み台からジャンプしたそうです。しかし、タイミングが合わなかったためか飛び込みに失敗してしまい、プールの水で胸を強打したそうです。通常であれば「いってー!」と言いながら赤くなった胸を周りに見せるのでしょうか、医学的にはほとんど問題ない衝撃だろうと思います。しかしながら驚くべきことに、彼の場合は飛び込み後に数mLの喀血を来しました。あわてて病院に搬送してもらったところ、胸部CTで軽度の肺挫傷が確認されました。軽度だったため、翌週には肺挫傷の陰影も消えていたそうです。胸部CT所見は気道出血の吸い込みをみていただけなのかもしれませんが、飛び込みだけでも出血を来すことがあるのですね。飛び込み外傷で多いのは頚椎損傷と誤解されがちですが、実際の頻度としてはかなり少ないそうです(J Trauma. 2001;51:658-662. )。必要がなければプールにはあえて飛び込まないほうが無難かもしれませんね。私のように水泳が得意ではない人は、プールについているハシゴを使って、静かにプールに入りましょう。

8360.

日本のがんサバイバーはなぜ禁煙できないのか

 日本人のがんサバイバーの多くが、がん診断後も喫煙を続けている。国立がん研究センター東病院の藤澤 大介氏らは、がんサバイバーの喫煙に関連する因子を調査するために、彼らにおける喫煙以外の健康に関わる習慣(飲酒、運動、社会活動)と禁煙方法との関連を調査した。 その結果から、がんサバイバーの多くに、喫煙を減らすか禁煙する意向があるにもかかわらず、医療従事者から関連情報やサポートを提供されていないことが判明した。これは、医療従事者がカウンセリングやエビデンスのある介入を提供する機会を逸してきたことを示唆する。著者らは、禁煙や健康的な習慣を促す教育に関する専門的なサポートの推進が必要と結論している。Supportive Care in Cancer誌オンライン版2014年5月22日号に掲載。 著者らは、ウェブでの匿名断面調査で、診断後10年までのさまざまなタイプのがんサバイバーを登録した。喫煙状況、社会経済的地位、喫煙以外の健康に関わる習慣、参加者が行った禁煙方法を評価し、多変量解析を用いてがん診断後の喫煙継続に関連する因子を検討した。 主な結果は以下のとおり。・がん診断時に喫煙していた168人の参加者のうち96人(57.1%)が喫煙を続けていた。・喫煙を継続していたがんサバイバー96人のうち、67人(69.8%)が喫煙を減らすか禁煙する意向があった。しかし、禁煙のためのカウンセリングや介入を受けたのは39人(40.6%)のみであった。・男性、がん診断からの期間が短いこと、定期的な運動の不足が、喫煙継続に関連していた。・がん再発に対する高い不安は、喫煙中止に関連していた(有意傾向)。

検索結果 合計:10293件 表示位置:8341 - 8360