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トラスツズマブ、長期補助療法での心イベント発症は?(BIG1-01)

 トラスツズマブの忍容性は一般的に高いものの、心機能障害については、とくにアントラサイクリンベースの化学療法との併用において、議論となっている。今回の研究は、トラスツズマブの補助療法を評価する世界的臨床試験HERA(Herceptin Adjuvant )トライアルの8年にわたる観察期間における心イベント発症について、ベルギー・Jules Bordet InstituteのEvandro de Azambuja氏らが検討している。Journal of clinical oncology誌オンライン版2014年6月9日号の掲載報告。 対象は2001年12月から2005年6月の間に登録されたHER2陽性の早期乳がん患者。初期治療で手術、術前・術後化学療法、(±放射線療法)を受けており、登録時の適格基準はLVEF(左室駆出率)55%以上である。これらの患者を無作為に観察群(1,744例)、トラスツズマブ1年投与群(1,682例)、2年投与群(1,673例)に割り付け、2012年4月まで観察している(観察期間の中央値は8年)。 主要エンドポイントは心臓死、NYHA(ニューヨーク心臓協会)心機能分類III~IVの重症うっ血性心不全(以下CHF)発症。副次的エンドポイントは、著明なLVEF低下(LVEF絶対値のベースラインから10%ポイント以上の低下およびLVEF値50%未満の低下)である。また、トラスツズマブ中止後の急速回復例(投与中止後連続2回以上50%以上のLVEF値を記録した例)の割合を評価している。 主な結果は以下のとおり。・初期治療における化学療法の96%は、アントラサイクリンを含むレジメンであった。・投与中止を引き起こした心臓有害事象の発症は2年投与群で9.4%、1年投与群では5.2%であった。・心臓死は、2年投与群0.2%、1年投与群0%、観察群0.1%であった。・重症CHF発症は、2年投与群0.8%、1年投与群0.8%、観察群0%であった。・著明なLVEF低下は2年投与群7.2%、1年投与群4.1%、観察群0.9%であった。2年投与群vs 1年投与群の絶対値差3.1%(95% CI:1.5~4.6、p<0.001)。・急速回復例は、2年投与群で87.2%(心エンドポイント発症133例中116例)、1年投与群で79.5%(心エンドポイント発症83例中66例)であった。・心イベント発症のリスク因子は、試験登録時におけるLVEF低値であった。 HERAトライアルの中央値8年の長期評価においても、トラスツズマブ補助療法における心イベントの発生は低く、また多くは可逆的であった。ただし、発症率の低さは確認されたものの、早期に心イベントを見つけ適切な処置を行うため、トラスツズマブの使用にあたっては使用前、使用中の心機能評価を行うべき、としている。

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有機リン中毒誘発のてんかん重積、有用な対処法は

 成熟ラットモデルを用いて有機リン中毒誘発のてんかん重積状態(SE)の転帰ならびにベンゾジアゼピン系薬の有用性について、イスラエル・テルアビブ大学のShai Shrot氏らは検討を行った。その結果、SE発症後迅速なミダゾラム投与により、SEから慢性てんかんへの移行を抑制しうることを報告した。Toxicology誌オンライン版2014年6月2日号の掲載報告。 有機リン中毒はSEを誘発し、重篤な脳障害につながる可能性がある。本研究では、有機リンに誘発されたSEが慢性てんかんを示唆する自発性反復発作(SRSs)の発現につながるのか、もしそうであればSE発症後のてんかん発作に対しベンゾジアゼピン系薬による治療が有効であるかについて調べた。さらに同じモデルを用いて、興奮性の神経細胞である海馬錐体細胞の早期変化についても検討した。成熟ラットをパラオキソン(450μg/kg)に曝露した直後、末梢アセチルコリンエステラーゼ阻害による急性死亡を減少させる目的でアトロピン(3mg/kg)およびオビドキシム(20mg/kg)を投与。パラオキソン曝露後4~6週の間に、電気的脳活動を2週間にわたり遠隔測定頭蓋内皮質脳波記録法により評価した。 主な結果は以下のとおり。・有機リン中毒の動物はすべてSEを発症し、ミダゾラムにより抑制された。・ミダゾラムを投与されなかったラットの大半(88%)はSRSsを発症し、慢性てんかんの存在が示唆された。・SE発症1分後にミダゾラムを投与したところ、有意なてんかん発作抑制効果が認められた(発作を認めたラットは11%のみ、ミダゾラム非投与ラットとの比較のp=0.001)。・SE発症30分後にミダゾラムを投与した場合には、慢性てんかんの有意な抑制はみられなかった。・海馬切片を用いてCA1錐体細胞の電気生理学的性質を評価したところ、有機リン誘発性SEによる変化はみられなかった。 ・以上のように本検討において、ラットにおける有機リン誘発性SEの単一エピソードは慢性てんかんに移行すること、しかし、これはミダゾラムの迅速な投与によりほぼ抑制されうることが初めて示された。・ヒトに置き換えて考えると、有機リン中毒に対する速やかな薬物治療として、アトロピンならびにオキシムとともにミダゾラムを投与すべきであることが示唆された。関連医療ニュース てんかん患者、脳内ネットワークの一端が明らかに 難治性てんかん患者に対するレベチラセタムの有用性はどの程度か てんかんにVNSは有効、長期発作抑制効果も  担当者へのご意見箱はこちら

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統合失調症患者の認知機能低下への関連因子は

 カナダ・Institut Universitaire en Sante Mentale de MontrealのStephane Potvin氏らは、統合失調症にみられる認知機能低下に関わる因子について検討を行った。その結果、陰性症状および年齢や性別などの社会人口統計学的特徴が認知パフォーマンスと関連していること、抗精神病薬に誘発されるパーキンソニズムが作業記憶に関連していることを報告した。European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience誌オンライン版2014年6月13日号の掲載報告。 統合失調症における著しい認知機能低下、およびそれが患者の社会的・職業的機能に及ぼす影響、そして抗精神病薬に誘発される錐体外路症状が統合失調症の認知機能に及ぼす影響については十分に理解されていない。本研究では、統合失調症患者の認知能力を予測する臨床的、社会人口統計学的および神経学的因子を特定するため、検討を行った。統合失調症スペクトラム(DSM-IV分類)の外来患者82例を登録し、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、統合失調症に関するカルガリーうつ病尺度(CDSS)により精神症状を評価した。また、錐体外路症状評価尺度(ESRS)により錐体外路症状を、ケンブリッジ神経心理学テスト(CANTAB)により空間作業記憶、プランニング能力、視覚的対連合学習を評価し、ストループ検査も実施。多変量階層線形回帰解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症の陰性症状は、認知的柔軟性、プランニング、視覚的学習および作業記憶と関連していた。・年齢、性別、入院回数および抗精神病薬の種類も有意な予測因子であった。・さらに、抗精神病薬に誘発されるパーキンソニズムと作業記憶が有意に関連していた。・統合失調症の陰性症状と社会人口統計学的特徴が認知パフォーマンスを予測するという事実は、過去の文献と一致していた。・結果を踏まえて著者は「作業記憶障害は統合失調症の中間表現型と考えられており、患者の社会的および職業的機能を損なうことが知られているため、パーキンソニズムと作業記憶との関連は臨床的意義のある知見と思われる」とまとめている。・また今回の結果については「より大規模な患者集団を用いた長期研究により、追試する必要がある」と指摘している。関連医療ニュース 統合失調症の認知機能改善に抗認知症薬は有用か 統合失調症の寛解に認知機能はどの程度影響するか:大阪大学 統合失調症では前頭葉の血流低下による認知障害が起きている:東京大学

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隔年マンモグラフィ検診導入後、乳がん死は約3割減/BMJ

 マンモグラフィ検診導入前後の乳がん死亡率比を検討した結果、導入後は乳がん死が約28%減少したことが、ノルウェー科学技術大学のHarald Weedon-Fekjaer氏らによる住民前向き追跡コホート研究から報告された。1970~80年代に行われた無作為化試験でマンモグラフィ検診は、乳がん死を予防可能であることが示され、ノルウェーでは1995~2005年に順次検診プログラムが導入されている。しかしその後、初期に行われた試験の方法論に問題があることが指摘され、結果の妥当性に疑念が及ぶこととなった。研究グループは、検診導入効果を検討する新たな試験を行うことは非現実的であるとして、今回観察研究のアップデートにより検診群と非検診群の比較を行い検討した。BMJ誌オンライン版2014年6月17日号掲載の報告より。 1986~2009年に全ノルウェー女性を前向きに追跡 前向きコホート研究は、1986~2009年に全ノルウェー女性を追跡して行われた。その間1995~2005年に、50~69歳の女性を対象に全国的なマンモグラフィ検診が隔年で行われた。 ポアソン重回帰分析により推算した乳がん死亡率比で、検診招待群vs. 非検診招待群(検診招待効果を評価)を評価し、また、乳がんが診断されたケースの初回検診招待前(検診効果が期待できなかった)vs. 初回検診招待後(同効果が期待できた)の検討で明確な差を評価した。分析ではさらなる追跡で他の原因で死亡した女性は除外した。 また、2009年のノルウェーにおける全死因死亡および乳がん特異的死亡の複合で観察された死亡率の低下をベースとし、CISNET(Cancer Intervention and Surveillance Modeling Network)Stanfordシミュレーションモデルを用いて、50~69歳の女性が生涯、隔年で何回マンモグラフィ検診に招待される必要があるか(必要検診招待数)を推算した。 検診招待368例につき乳がん死1例予防 1986~2009年に観察された1,519万3,034人年のうち、乳がん死は初回検診招待後に診断された女性では1,175例、招待されることなく診断された女性では8,996例だった。 年齢、出生コホート、居住地、全国的な乳がん死の傾向で補正後、検診招待の死亡率比は0.72(95%信頼区間[CI]:0.64~0.79)であった。すなわち、検診に招待された女性は招待されなかった女性と比べて、乳がん死リスクが28%減少したことが示された。 検診招待終了後(70歳時)も、乳がん死亡率に対する有益性が持続することが認められた。ただし有益性は時間とともに低下する可能性も認められ、招待終了5~10年後の補正後死亡率は、0.79(95%CI:0.57~1.01)となっていた。 必要検診招待数の検討では、乳がん死を1例予防するために、女性368例を検診に招待する必要があることが示された。 さらに、実際に検診を受けた女性(招待された女性の約76%)のマンモグラフィ効果については、乳がん死亡率は37%減少、乳がん死1例予防のための必要検診受診数は280例であると推算されている。

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診療よろず相談TV シーズンII

ケアネットでは、スペシャリストドクターを回答者に迎えたQ&Aコーナーを開始します。毎月テーマを決めてCareNet会員医師からの質問を募り、CareNeTV、CareNet.comでおなじみのスペシャリストドクターが回答する、その名も「診療よろず相談TV」。臨床上のQ&Aは、白黒をつけられないものも多く、活字でニュアンスを伝えるのは困難でした。そこで当コーナーでは回答者の生の声を収録し、回答のニュアンスまでお伝えします。

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唐辛子は胃がんのリスク?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第22回

唐辛子は胃がんのリスク? 写真注:ハラペーニョ(Wikipediaより引用)唐辛子の辛味成分は、カプサイシンが主であることはよく知られています。大量のカプサイシンを食べると、カプサイシン感受性神経の機能が障害され、胃潰瘍を引き起こすとされています。では、唐辛子をたくさん食べると胃がんになりやすいのでしょうか?Lopez-Carrillo L, et al.Capsaicin consumption, Helicobacter pylori positivity and gastric cancer in Mexico.Int J Cancer. 2003;106:277-282.この研究は唐辛子の摂取量と発がん率を調べたもので、胃がんを有する234人とコントロール患者として468人が登録されました。唐辛子を大量に摂取している人(1日あたりハラペーニョ9~25本相当)は、低摂取の人(ハラペーニョ0~3本相当)と比較して、胃がんを発症するリスクが有意に高いことがわかりました(オッズ比 1.71、95%信頼区間:0.76~3.88、p=0.026)。ハラペーニョで換算するあたり、まさにメキシコの研究といった感じですね(それにしてもハラペーニョを1日10本、20本と食べる人が本当にいるのでしょうか)。また、唐辛子の摂取量とヘリコバクター・ピロリの感染の有無が胃がんの発症リスクに与える影響には関連性はみられず、メキシコにおける唐辛子の摂取は胃がん発症の独立危険因子であると考えられました。そのため、この研究ではハラペーニョなどの唐辛子の食べ過ぎには注意が必要であると警告されています。韓国のキムチも辛い料理として有名ですが、これも胃がんのリスクではないかと論じられた研究があります(World J Gastroenterol. 2005;11:3175-3181.)。余談ですが、キムチは英語表記でkimchiと書きます。kimuchiと書かれることもありますが、1996年3月に国際食品規格委員会(CODEX)のアジア部会で正式にkimchiの英語表記が認められました。

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統合失調症患者は、なぜ過度に喫煙するのか

 統合失調症患者にみられる過度な喫煙行動について、米国・ミシガン大学のMika Hirasawa-Fujita氏らによる検討の結果、ミューオピオイド受容体(mu opioid receptor)機能欠損の一塩基遺伝子多型(SNP)が、統合失調症患者における喫煙を増加していることを明らかにした。また同女性患者では、ドパミンD2受容体の変異も喫煙行動の増大に関与していた。Clinical Schizophrenia & Related Psychoses誌オンライン版2014年6月20日号の掲載報告。 精神に障害がある人では過度な喫煙がみられるが、その理由については明らかではない。研究グループは、内因性オピオイドやドパミンの作用機序が喫煙行動の強化に関与しているとして、ミューオピオイド受容体(OPRM1)A118G(rs1799971)遺伝子型、ドパミンD2受容体(DRD2)Taq1A(rs1800497)遺伝子型、および性差について検討した。喫煙者および非喫煙者の統合失調症および双極性障害患者を募り、遺伝子型分析を行った。被験者を3群に分類(現在喫煙、過去に喫煙歴あり、喫煙歴なし)し、1日当たりの喫煙本数を主要喫煙パラメーターとして評価した。 主な結果は以下のとおり。・被験者は統合失調症177例、双極性障害113例であった。・統合失調症患者では、喫煙率は、予想どおり女性よりも男性で高かったが、1日の喫煙量は女性のほうが多かった(p<0.01)。・統合失調症でOPRM1 *G遺伝子型の患者は、AAアレル遺伝子キャリアの患者よりも、1日当たりの喫煙量が多かった(p<0.05)。・DRD2 Taq1A遺伝子型についての差は、1日当たりの喫煙本数に影響していなかった。しかし、GGホモ接合DRD2受容体を有している統合失調症の女性では、*A男性喫煙者よりも、喫煙量が多かった(p<0.05)。・双極性障害患者では、喫煙状態についてOPRM1、DRD2 Taq1A遺伝子型の差はみられなかった。・また双極性障害患者では、性差による喫煙行動の違いもみられなかった。・本検討により、統合失調症患者における喫煙行動の増大に、ミューオピオイド受容体機能欠損のSNPが関与していることが示唆された。・また、DRD2受容体機能の変異も、女性の統合失調症患者において喫煙行動を増大していることが示唆された。関連医療ニュース 統合失調症の症状悪化に関連?「喫煙」「肥満」の影響 統合失調症患者における「禁煙」は治療に影響を与えるか うつ病患者への禁煙治療、症状悪化の懸念は  担当者へのご意見箱はこちら

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ADHDの世代間伝達に関連する独立リスク因子は

 米国・カリフォルニア大学のIrene Tung氏らは、注意欠如・多動症(ADHD)を有する親の子育て行動が、子供のADHD症状とどう関連するかを検討した。その結果、ADHDが子供に受け継がれる有意かつ独立した因子として“体罰”が挙げられることを報告した。子供のADHDの主要なリスク因子は、親のADHD症状を基礎とする複合的な関与の可能性が考えられているが、説明可能な因子は明らかになっていなかった。Journal of Clinical Child & Adolescent Psychology誌オンライン版2014年6月13日号の掲載報告。 研究グループは、子育て行動における正ならびに負の側面(体罰、一貫性に欠けるしつけ、ポジティブな子育て行動、ネガティブな発言、ほめるなど)における相違が、親と子のADHDを関連づけるかどうかを検討した。アウトカム(子供のADHD症状)の予測因子(親のADHD症状など)ならびにメディエーター(子育て行動など)に着目したプロスペクティブ研究として実施した。ADHDの有無を問わず背景が明らかな小児120例(Wave 1:5~10歳、Wave 2:7~12歳)とその実の親を対象とし、複数の方法(観察、自己報告など) でポジティブおよびネガティブな子育て行動を評価し、Wave 1の親とWave 2の子供のADHD症状が連動して関連するかどうかを検討した。 主な結果は以下のとおり。・厳格なブートストラップ法からなる多様な媒介フレームワークを用いて検討した。・親のうつ症状、子供のベースライン時のADHDおよび反抗挑発症、子供の年齢を補正後、Wave 1の親のADHD症状とWave 2の子供のADHDを関連づけたのは、体罰が有意かつ唯一の因子であった。・子育て行動はADHDの世代間伝達に関連しており、これらの結果は小児ADHDへの介入と予防に応用可能と思われた。関連医療ニュース 小児ADHD、食事パターンで予防可能か 抗てんかん薬によりADHD児の行動が改善:山梨大学 ADHDリスクファクターは「男児」「母親の就労」  担当者へのご意見箱はこちら

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肥満の閉塞性睡眠時無呼吸患者へのCPAP+減量介入の効果は?/NEJM

 肥満を伴う閉塞性睡眠時無呼吸患者の治療において、持続陽圧呼吸療法(CPAP)と減量介入の併用療法は、それぞれの単独療法に比べC反応性蛋白(CRP)値を改善しないことが、米国・ペンシルバニア大学のJulio A Chirinos氏らの検討で示された。肥満と閉塞性睡眠時無呼吸は併存する傾向があり、炎症やインスリン抵抗性、脂質異常症、高血圧との関連が知られているが、その因果関係は解明されていない。これまでに行われた心血管リスクに関する減量介入の試験に閉塞性睡眠時無呼吸患者は含まれておらず、CPAPの試験で肥満への介入を含むものはないという。NEJM誌2014年6月12日号掲載の報告。併用による増分効果を無作為化試験で評価 研究グループは、肥満を伴う閉塞性睡眠時無呼吸患者の治療におけるCPAP、減量介入、CPAP+減量介入の効果を比較する無作為化試験を実施した。対象は、BMI≧30、中等度~重度の閉塞性睡眠時無呼吸(無呼吸低呼吸指数[AHI]≧15回、AHI:睡眠1時間当たりの無呼吸、低呼吸の合計回数)、CRP>1.0mg/Lの患者とした。 CPAPは、個々の患者に合わせて機器を調整した後、毎晩施行した。減量介入は、週1回のカウンセリングを行い、カロリー摂取目標を体重114kg未満の患者は1,200~1,500kcal/日に、114kg以上の場合は1,500~1,800kcal/日に設定した。治療期間は24週であった。 ベースライン、8週、24週時に、CRP値(主要評価項目)、インスリン感受性(副次評価項目)、脂質値(同)、収縮期血圧(探索的評価項目)などを測定し、CPAPと減量介入の併用による各単独療法に対する増分効果の評価を行った。インスリン感受性の測定は、頻回採血ブドウ糖静注負荷試験で行った。CRP改善の増分効果はないが、厳格な治療遵守で収縮期血圧が改善 181例が登録され、併用群に62例(平均年齢49.0歳、男性53.2%、平均BMI 38.4、平均AHI 47.1回/時、高感度CRP中央値4.3mg/L)、CPAP群に58例(49.8歳、60.3%、39.8、41.2回/時、4.7mg/L)、減量群には61例(48.3歳、59%、38.1、39.7回/時、4.4mg/L)が割り付けられた。1回以上の評価が行われた146例が解析の対象となった。 24週の治療により、併用群と減量群ではCRP値(いずれもp<0.001)、インスリン抵抗性(p<0.001、p=0.01)、血清トリグリセライド(TG)値(p<0.001、p=0.03)が有意に改善したが、CPAP群ではこのような変化は認められなかった。収縮期血圧は3群のすべてで有意に低下した(併用群:p<0.001、CPAP群:p=0.02、減量群:p<0.007)。 併用群では、CPAP群や減量群に比べ、CRP値の有意な増分効果は認められなかったが、減量群ではCPAP群に比し有意に低下した(p=0.01)。また、併用群では、CPAP群に比べインスリン抵抗性(p=0.01)および血清TG値(p=0.046)が有意に改善したが、併用群と減量群には有意な差はなかった。 事前に規定されたアドヒアランスの基準を満たした90例(併用群:24例、CPAP群:39例、減量群:27例)を対象にper-protocol解析を行ったところ、併用群ではCPAP群、減量群に比べ、収縮期血圧(p<0.001、p=0.02)が有意に改善された。同様に、平均動脈圧も併用群が各単独群に比べ有意に改善した。 著者は、「CPAPと減量介入の併用によるCRP改善の増分効果は認めなかったが、併用レジメンの厳格な治療遵守により収縮期血圧で増分効果が得られる可能性がある」とまとめ、「肥満を伴う閉塞性睡眠時無呼吸患者の治療戦略では、減量介入が重要な要素であることが示唆される」と指摘している。

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慢性のかゆみ、治療改善に有用な因子とは?

 慢性のかゆみは、患者にとって生活の質(QOL)の低下に直結する頻度の高い問題であるが、これまで両者を結び付けている因子に関して十分な検討は行われていなかった。米国・エモリー大学のChristopher W. Carr氏らは、同因子を明らかにするため、米国退役軍人を対象とした断面調査を行った。その結果、有意な影響を及ぼす因子が複数あり、それらが複雑に絡み合って影響していることを報告した。著者は、「これらの因子をきちんと認識することが、慢性のかゆみの臨床評価と治療の改善に結び付くであろう」と述べている。JAMA Dermatology誌2014年6月1日号の掲載報告。 研究グループは、慢性のかゆみのQOLへの影響を媒介する因子を明らかにするため、米国退役軍人を対象に電話調査を行った。被験者は、退役軍人病院患者データベースから抽出した。 主要評価項目は、ItchyQoLスコアを用いた多変量分析で統計的に有意であった予測因子(患者特性、慢性のかゆみの特徴)であった。 主な結果は以下のとおり。・6,000例に電話をかけ、1,075例から試験参加への了承を得た。そのうち慢性のかゆみを有していたのは405例であった。・統計的に有意であった、慢性のかゆみのQOLへの影響の媒介因子は、人口統計学的特性[年齢(p=0.007)、人種(p=0.05)、婚姻状態(p=0.04)]、個人特性[外向的(p=0.03)、神経質(p=0.01)]、かゆみの特性[重症度(p<0.001)、期間(p=0.01)、頻度(p<0.001)、部位(p=0.005)]、考えられる病因[皮膚vs. 全身性(p=0.03)]。・有意ではなかった因子は、性別(p=0.98)、社会経済的変数[教育レベル(p>0.99)、雇用状態(p=0.53)、所得(p=0.62)]だった。

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診察室より家庭での血圧が大切

Dr.桑島の高血圧をわかりやすく説明できるスライド診察室の血圧 は「お見合い写真」メモ診察室で測った血圧値は、いわば「お見合い写真」です。日常生活とは異なる環境で測定するため、ふだんの血圧値とは異なる場合も少なくありません。大切なのは、お見合いの姿(診察室の血圧)よりも、ふだんの姿(家庭血圧)なのです。監修:東京都健康長寿医療センター顧問 桑島 巌 氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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60歳過ぎたら収縮期血圧に注意

Dr.桑島の高血圧をわかりやすく説明できるスライド60歳 過ぎたら上の血圧 にご注目!メモ上の血圧は、高齢になるほど高くなり、下の血圧は、60歳くらいから低くなっていきます。若い方(60歳未満)は「下の血圧」、年配の方は「上の血圧」の変化にとくに気をつけましょう!監修:東京都健康長寿医療センター顧問 桑島 巌 氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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脈圧で血管年齢がわかる

脈圧 でDr.桑島の高血圧をわかりやすく説明できるスライド脈圧と生存率100血管年齢 がわかる!a 25-year follow-up of the seven countries study.年齢補正後の心血管疾患の生存率曲線対象:40-59歳の12,763例90生存率(%)80脈圧>59mmHg42-59mmHg<42mmHg7060051015202530経過した年数メモPanagiotakos DB, et al. Arch Intern Med. 2005; 165: 2142-2147.脈圧(上下の血圧の差)が大きい人ほど、血管が硬くなっていて、長生きする確率が低くなるという研究結果が出ています。監修:東京都健康長寿医療センター顧問 桑島 巌 氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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高血圧と糖尿病の合併には注意

Dr.桑島の高血圧をわかりやすく説明できるスライド高血圧と糖尿病 は悪友どうし!メモ高血圧の患者さんは、ほかに合併症をもつ場合が多い(高コレステロール血症、糖尿病、腎臓病など)。とくに高血圧と糖尿病の2つの病気をもっていると、血管病を起こす危険性が4倍~6倍に増加するので要注意!1+1=2ではなく、1+1=6になってしまうことも。監修:東京都健康長寿医療センター顧問 桑島 巌 氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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大腸がん診断後のカルシウム・牛乳摂取量が生存率に関連

 カルシウム、ビタミンD、乳製品の高い摂取量は大腸がん発生率の低下と関連しているが、大腸がんの生存率に及ぼす影響は不明である。米国がん協会(ACS)のBaiyu Yang氏らは、大腸がん患者において、がん診断前後のカルシウム(全体、食事由来、サプリメント)、ビタミンD(全体、食事由来)、乳製品(全体、牛乳のみ)の摂取量と、全死因死亡率および大腸がん特異的死亡率との関連を評価した。その結果、非転移性大腸がん患者では、がん診断後における総カルシウムと牛乳の高い摂取量が死亡リスクの低下に関連する可能性が示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2014年6月23日号に掲載。 がん予防研究II栄養コホートのうち、本研究の開始(1992年または1993年)から2009年までの間に侵襲性の非転移性大腸がんと診断された2,284例を前向きに調査した。死亡の追跡は2010年まで行った。参加者の平均年齢は開始時64歳、診断時73歳で、女性が56%であった。診断前の危険因子情報は開始時のアンケートで収集した。また、診断後の情報は1999年と2003年にアンケートで収集し、1,111人から回収した。 主な結果は以下のとおり。・参加者中949人が追跡期間中に死亡し、うち大腸がんによる死亡が408人であった。・多変量補正Cox比例ハザード回帰モデルにおいて、診断後の総カルシウム摂取量は、全死因死亡率と逆相関し(最低四分位と比べた最高四分位の相対リスク[RR] 0.72、95%CI:0.53~0.98、傾向のp=0.02)、大腸がん特異的死亡率の減少との間に有意傾向が認められた(RR 0.59、95%CI:0.33~1.05、傾向のp=0.01)。・全死因死亡率との逆相関は、診断後の牛乳摂取量でも認められた(RR 0.72、95%CI:0.55~0.94、傾向のp=0.02)。しかし、ビタミンD摂取量では認められなかった。・診断前のカルシウム、ビタミンD、乳製品の摂取量は、いずれの死亡率とも関連していなかった。

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off-pump CABGは長期の腎機能保護に寄与するか/JAMA

 off-pump冠動脈バイパス術(CABG)は、on-pump CABGと比べて、術後急性腎障害のリスクを低下するが、腎機能保護には影響しなかったことが示された。カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のAmit X. Garg氏らが、無作為化試験CORONARYの腎機能サブスタディから報告した。入院中の急性腎障害は、おもに血清クレアチニン値の突然の軽度~中等度の上昇によって定義づけられ、症状は数日間にわたって持続する。また長期的な腎機能の低下と関連している。しかし、急性腎障害のリスクを低下する介入が、長期にわたって腎機能保護に寄与するのかは明らかではなかった。JAMA誌2014年6月4日号掲載の報告より。off-pump vs. on-pump CABGの急性腎障害リスク、1年後腎機能を評価 研究グループは、無作為化試験における介入(off-pump vs. on-pump CABG)の急性腎障害リスクへの影響を明らかにすること、また両介入群の1年後の腎機能に差がみられるかをCORONARY試験のデータを分析して調べた。 CORONARY試験(Coronary Artery Bypass Grafting Surgery Off- or On-pump Revascularisation Study)は、19ヵ国79施設で4,752例の初回単独のoffまたはon-pump CABGを受けた患者が登録されていた。 腎機能サブスタディには、そのうち2010年1月~2011年11月までに登録された2,932例(16ヵ国63施設)が登録され、術後および1年後の血清クレアチニン値が記録された(1年後血清クレアチニン値の最終記録日は2013年1月18日)。 主要評価項目は、術後30日間の急性腎障害(血清クレアチニン値が無作為化前から50%以上上昇)、1年後の腎機能の低下(推定糸球体濾過量[eGFR]が無作為化前から20%以上低下)であった。off-pump群の相対リスク、急性腎障害リスク0.83、1年後腎機能低下1.10 急性腎障害リスクの低下は、off-pump CABG群(1,472例)が17.5%、on-pump CABG群(1,460例)が20.8%だった(相対リスク:0.83、95%信頼区間[CI]:0.72~0.97、p=0.01)。 1年後の腎機能低下は、off-pump CABG群17.1%、on-pump CABG群15.3%で、両群間に有意な差はみられなかった(同:1.10、0.95~1.29、p=0.23)。 これらの結果は、急性腎障害や腎機能の異なる定義においても一致していた。またベースライン時に慢性腎臓病を有していた被験者群においても変わらなかった。 上記の結果を踏まえて著者は、「今回の試験設定において、off-pump介入は軽度~中等度の急性腎障害リスクを低下したが、長期の腎機能には影響をもたらさなかった」とまとめている。

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高齢肺炎入院患者へのアジスロマイシン、心イベントへの影響は?/JAMA

 高齢の肺炎入院患者へのアジスロマイシン(商品名:ジスロマックほか)使用は他の抗菌薬使用と比較して、90日死亡を有意に低下することが明らかにされた。心筋梗塞リスクの増大はわずかであった。肺炎入院患者に対して診療ガイドラインでは、アジスロマイシンなどのマクロライド系との併用療法を第一選択療法として推奨している。しかし最近の研究において、アジスロマイシンが心血管イベントの増大と関連していることが示唆されていた。米国・VA North Texas Health Care SystemのEric M. Mortensen氏らによる後ろ向きコホート研究の結果で、JAMA誌2014年6月4日号掲載の報告より。65歳以上入院患者への使用vs. 非使用を後ろ向きに分析 研究グループは、肺炎入院患者におけるアジスロマイシン使用と、全死因死亡および心血管イベントの関連を明らかにするため、2002~2012年度にアジスロマイシンを処方されていた高齢肺炎入院患者と、その他のガイドラインに則した抗菌薬治療を受けていた患者とを比較した。 分析には、全米退役軍人(VA)省の全VA急性期治療病院に入院していた患者データが用いられた。65歳以上、肺炎で入院し、全米臨床診療ガイドラインに則した抗菌薬治療を受けていた患者を対象とした。 主要評価項目は、30日および90日時点の全死因死亡と、90日時点の不整脈、心不全、心筋梗塞、全心イベントの発生とした。傾向スコアマッチングを用い、条件付きロジスティック回帰分析で既知の交絡因子の影響を制御した。使用患者の90日死亡オッズ比は0.73 対象患者には118病院から7万3,690例が登録され、アジスロマイシン曝露患者3万1,863例と非曝露の適合患者3万1,863例が組み込まれた。適合群間の交絡因子について有意差はなかった。 分析の結果、90日死亡について、アジスロマイシン使用患者について有意な低下が認められた(曝露群17.4%vs. 非曝露群22.3%、オッズ比[OR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.70~0.76)。 一方で曝露群では、有意なオッズ比の増大が、心筋梗塞について認められた(5.1%vs. 4.4%、OR:1.17、95%CI:1.08~1.25)。しかし、全心イベント(43.0%vs. 42.7%、1.01、0.98~1.05)、不整脈(25.8%vs. 26.0%、0.99、0.95~1.02)、心不全(26.3%vs. 26.2%、1.01、0.97~1.04)についてはみられなかった。 結果について著者は、「肺炎入院患者に対するアジスロマイシン使用は、リスクよりも有益性が上回る」とまとめている。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第9回

第9回:外来で出会う潜在性の消化管出血へのアプローチをどのように行うか? 外来診療の中で、採血を行った際に鉄欠乏性貧血を偶然発見する、大腸がんのスクリーニング検査で便潜血検査を行うと陽性であった、といったことはしばしば経験することだと思います。しかし、出血源を正しく評価するためにどのようにアプローチしていくかは、検査の侵襲性の問題もあり、頭を悩ませることも時にはあるかと思います。原因の検索のために確立された評価法を確認することで、このよくある問題に対する診療の一助となれば幸いです。 以下、 American Family Physician 2013年3月15日号1)より潜在性消化管出血1.概要潜在性消化管出血とは、明らかな出血は認められないが便潜血検査が陽性である消化管出血、または便潜血検査の結果に限らず鉄欠乏性貧血を認めている消化管出血と定義される。消化管出血の段階的な評価は確立されており、上下部内視鏡で消化管出血が診断つく人は48~71%に上る。繰り返し上下部の内視鏡で精査されて、見逃されていた病変が見つかる人は、出血が再発する患者の中で35%程度いる。もし上下部内視鏡で診断がつかない場合はカプセル内視鏡を行うことで、病変の診断率は61~74%に及ぶ。便潜血検査が陽性でも、詳細な評価を行わずして、低用量アスピリンや抗凝固薬が原因であるとしてはならない。2.病因上部消化管から小腸にかけての出血が鉄欠乏性貧血の原因となることが多い。 上部消化管(頻度:29~56%)食道炎、食道裂孔ヘルニア、胃十二指腸潰瘍、血管拡張、胃がん、胃前庭部毛細血管拡張症 大腸病変(頻度:20~30%)大腸ポリープ、大腸がん、血管拡張症、腸炎 上下部消化管の同時性の出血(1~17%) 出血源不明(29~52%)年齢での出血の原因としての頻度は、 40歳以下小腸腫瘤(最も原因として多い)、Celiac病、クローン病 40歳以上血管拡張、NSAIDsが最もcommon まれな原因感染(鈎虫)、長距離走(⇒内臓の血流が増加し、相対的に腸管の虚血が起こると考えられている)3.病歴と身体診察消化管出血、手術の既往または病因の聴取が重要な診断の手掛かりとなる。体重減少は、悪性腫瘍を示唆し、アスピリンや他のNSAIDs使用者の腹痛は、潰瘍性の粘膜障害を示唆する。抗凝固剤や、抗血小板剤は出血を引き起こす可能性がある。消化管出血の家族歴では遺伝性出血性血管拡張(唇、舌、手掌に血管拡張)、青色ゴム母斑症候群(Blue rubber bleb nevus syndrome:BRBNS 皮膚・腸管・軟部組織の静脈奇形)を示唆するかもしれない。胃のバイパス術は鉄吸収不良を引き起こす。肝疾患の既往や肝の出血斑は門脈圧亢進性胃症・腸症を示唆している。その他の有用な身体所見として、ヘルペス状皮膚炎(celiac病)、結節紅斑(クローン病)、委縮した舌とスプーン上の爪(Plummer-Vinson症候群)、過伸展した関節と眼球と歯の奇形(Ehlers-Danlos症候群)、口唇の斑点(Peutz-Jeghers症候群)などが挙げられる。4.診断的検査診断法の選択・流れは臨床的に疑う疾患の種類と随伴症状によって決められる。上部消化管出血(Vater乳頭近位部までの出血)は上部消化管内視鏡により診断が可能である。小腸近位部の出血はダブルバルーン内視鏡で診断が行える。小腸の中~遠位部の出血はカプセル内視鏡、バルーン内視鏡とCT検査で診断が可能である。下部消化管 (大腸出血)は下部消化管内視鏡で診断を行う。術中に行う内視鏡検査は前述した方法でもなお出血源が特定できず、出血が再発している患者に対しての選択肢として考えられる。5.評価方法・便潜血検査陽性で鉄欠乏性貧血を認めない場合アメリカ消化器病学会では段階的な評価を提唱している。 ・便潜血検査が陽性有無に限らず、鉄欠乏性貧血を認める場合男性と閉経後女性では消化管より出血していると想定できる。閉経前女性であれば月経による出血の可能性も考慮する。しかしながら、この集団においてはがんも含む大腸、上部消化管の病変の報告もある。 すべての患者において腸管外の出血(鼻出血、血尿、産科的出血)の評価は行わなければならない。※本内容は、プライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) Bull-Henry K, et al. Am Fam Physician. 2013; 87:430-436.

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高血圧が色覚障害発症に関連?~日本の中年男性での検討

 高血圧は色覚障害の発症に関わるのだろうか。埼玉県立医科大学眼科の庄司 拓平氏らは、日本の中年男性における血圧と後天性色覚障害の有病率の関連を検討した。その結果、中年における高血圧が視覚神経機能に負の影響を与える可能性があることが示唆された。American Journal of Hypertension誌オンライン版2014年6月4日号に掲載。 著者らは、参加者に色覚検査、眼科検査、標準的な面接、身体検査、静脈血の血液検査を実施し、心血管疾患の危険因子を血液・身体検査の結果と面接によって判断した。BMI、脂質異常症、糖尿病、白内障、緑内障、喫煙状況、飲酒状況の調整後にロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・1,042人のうち872人が適格とされた。・Lanthony低彩度15ヒューテストでは130人が、またFarnsworth-Munsell 100ヒューテストでは31人が後天性色覚障害と診断された。・拡張期血圧は、100ヒューテストによる後天性色覚障害患者(10mmHg増加に対する調整オッズ比:1.42、95%CI:1.00~2.02)、15ヒューテストによる後天性色覚障害患者(同オッズ比:1.25、95%CI:1.04~1.51)の両方に有意に関連していた。・最も血圧が低いカテゴリー(収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満)に対する、最も血圧が高いカテゴリー(収縮期血圧160mmHg以上かつ拡張期血圧100mmHg以上)の多変量調整オッズ比は、100ヒューテストによる後天性色覚障害患者で7.13(95%CI:1.72~27.88)、15ヒューテストによる後天性色覚障害患者で4.37(95%CI:1.69~11.03)であった。傾向検定は両解析とも有意であった(p<0.05)。

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