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神経因性疼痛に対する弱オピオイドと合成カンナビノイドの鎮痛効果

 カンナビノイドは何世紀にもわたり鎮痛薬として用いられてきたが、これを支持するエビデンスは少なく、向精神薬は副作用のため慢性疼痛患者では治療量を使用できないことが多い。それゆえ、神経因性疼痛は治療選択肢が少なく治療が困難である。ロイヤルビクトリア病院疼痛管理部(ニューカッスル、イギリス)のB. Frank氏らは、慢性神経因性疼痛患者においては弱オピオイドであるジヒドロコデインが、合成カンナビノイドであるナビロンよりも鎮痛効果が優れることを明らかにした。BMJ誌2008年1月26日号(オンライン版1月8日付)掲載の報告。VASスコアを疼痛の指標としたクロスオーバー試験 本研究は、慢性神経因性疼痛患者を対象にジヒドロコデインとナビロンの鎮痛効果および副作用を比較する二重盲検無作為化クロスオーバー試験。2001年7月~2002年11月の間にイギリスの3施設の外来を受診した23~84歳の96例が登録され、ジヒドロコデイン→ナビロン群に48例、ナビロン→ジヒドロコデイン群に48例が割り付けられた。 2週間のwash out期間を挟んでそれぞれ6週間の治療を行った。各治療期間の最後の2週間に最大1日用量がジヒドロコデイン240mg、ナビロン2mgとなるよう投与量を漸増した。 疼痛の指標として各治療期間の最後の2週間に視覚アナログスケール(VAS)を測定し、その平均スコアの差を主要評価項目とした。副作用の測定には質問票を用いた。鎮痛効果はジヒドロコデインが優れるが、十分とはいえない ベースラインにおける0~100mmスケールの平均VASスコアは69.6mm(29.4~95.2mm)であった。73例が評価可能であり、64例がper protocol解析の対象となった。疼痛評価期間の平均VASスコアは、評価可能例ではジヒドロコデインよりもナビロンが6.0mm(95%信頼区間:1.4~10.5、p=0.01)長く、per protocol解析では5.6mm(同:0.8~10.3、p=0.023)長かった。副作用の頻度はナビロンのほうが高かった。 Frank氏は、「神経因性疼痛に対する鎮痛効果は、ジヒドロコデインがナビロンよりも優れていた。副作用もジヒドロコデインで少なかったが、両薬剤とも重篤な有害事象はみられなかった」と結論したうえで、「両薬剤の鎮痛効果の差は小さく、ジヒドロコデインの効果も十分とはいえない」と指摘している。

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オピオイド鎮痛薬の処方増大と処方格差の実態

1990年代後半に全米で推進された質改善の動きによって起きたことの一つに、オピオイド鎮痛薬の処方増が挙げられている。しかしそれに関して、救急部門において疼痛治療のためのオピオイド処方が増えたのか、またオピオイド処方をめぐる人種・民族間の格差に関する状況は明らかにされていなかった。そこでカリフォルニア大学疫学・バイオ統計学部のMark J. Pletcher氏らが調査を実施。JAMA誌2008年1月2日号で報告した。13年間のNHAMCSの記録を対象に調査は、National Hospital Ambulatory Medical Care Survey(NHAMCS)の13年間(1993~2005年)の記録から、救急部門受診の理由が疼痛治療関連だったもの、および診断コードを参照抽出して行われた。検証されたのは、救急部門におけるオピオイド処方件数は増えたのか、白人患者は他の人種・民族集団よりオピオイドを処方されている傾向は見受けられるか、および2000年以降、人種・民族間の処方格差は縮小しているかについて。白人患者の有意性は変わらず検証された期間の、救急部門への疼痛治療関連の受診は42%(156,729/374,891)。オピオイド処方は、1993年は23%だったが、2005年には37%に増えており(傾向のP

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糖尿病性神経障害による疼痛に、経口三環系抗うつ薬と従来の抗けいれん薬が有効

糖尿病性神経障害は糖尿病の主な合併症であり、一般に神経障害性の疼痛を伴う。厳格な血糖値のコントロールにより糖尿病性神経障害の進行が遅くなることが示されており、現在のガイドラインでは疼痛の治療には抗うつ薬および新世代の薬剤(SSRI、SSNI)を含む抗けいれん薬の使用が推奨されている。 香港・キリスト教総合病院看護部のMan-chun Wong氏らは、糖尿病性神経障害による疼痛の治療効果に関する体系的なレビューを行い、BMJ誌6月11日付オンライン版、7月14日付本誌において報告した。選出したプラセボ対照無作為化試験のデータを体系的に解析Wong氏らは、いくつかのキーワードに基づいてMedlineなど4つのデータベースから二重盲検無作為化試験の論文を抽出した。さらに、糖尿病性神経障害による疼痛を有する成人を対象とした局所適用製剤および経口薬に関するプラセボ対照無作為化試験を選出した。主要評価項目は疼痛の50%の減少(中等度改善)とし、副次評価項目は疼痛の30%の減少および有害事象による投与中止とした。それぞれの疼痛緩和効果および投与中止のオッズ比を算出した。選出された25編の論文で使用されていた薬剤は、抗けいれん薬(1,270例)、抗うつ薬(94例)、オピオイド(329例)、イオンチャンネル遮断薬(173例)、N-methyl-D-aspartate(NMDA)拮抗薬(14例)、duloxetine(805例)、カプサイシン(277例)、二硝酸イソソルビドスプレー(22例)であった。新世代薬剤は50%疼痛緩和のオッズ比が低い、治療アルゴリズムを提唱50%疼痛緩和のオッズ比は、従来の抗けいれん薬が5.33(95%信頼区間1.77-16.02)、新世代の抗けいれん薬が3.25(同2.27-4.66)、三環系抗うつ薬が22.24(同5.83-84.75)であった。有害事象に関連した投与中止のオッズ比は、それぞれ1.51(同0.33-6.96)、2.98(同1.75-5.07)、2.32(同0.59-9.69)であった。以上の結果から、短期的な疼痛の緩和には、経口三環系抗うつ薬と従来の抗けいれん薬による治療のほうが新世代の抗けいれん薬よりも優れることが示された。Wong氏は、「これらの薬剤の長期的効果は明らかにされていない。今後は、オピオイド、NMDA拮抗薬、イオンチャンネル遮断薬などのさらなる検討が必要」とした上で、これまでの知見に基づいて糖尿病性神経障害による疼痛の治療アルゴリズムを提唱している。(菅野 守:医学ライター)

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