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168)内臓脂肪がつきやすい人の食の3特徴【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者最近、妻から、お腹が出てきたと言われて…。医師それは内臓脂肪がついてきたということですね。患者どうやったら、内臓脂肪を減らすことができますか?医師内臓脂肪がつきやすい人の食生活の特徴として「早食い」「残さず満足するまで食べる」「緑黄色野菜は食べないが、間食、スナック菓子、アイスクリームを好む」という傾向があります。患者まさに、私のことです。医師とくに寝る前のアイスは要注意ですね。患者私、風呂上がりにアイスを食べるのが習慣になっていました。これからは気を付けます。●ポイント内臓脂肪がつきやすい食生活パターンを順序立てて説明します

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高齢糖尿病患者の降圧薬アドヒアランスと効果の関連

 米国Kaiser Permanente Institute for Health ResearchのMarsha A. Raebel氏らによる約13万例の高齢糖尿病患者の後ろ向きコホート研究で、85歳以上もしくは複数の併存疾患を持つ糖尿病患者では、アンジオテンシン変換酵素阻害薬/アンジオテンシンII受容体遮断薬(ACEI/ARB)の服薬アドヒアランスと血圧低下が関連しないことが示された。一方、スタチンのアドヒアランスはLDLコレステロール(LDL-C)の低下と関連していた。Pharmacotherapy誌オンライン版2017年7月28日号に掲載。 米国Centers for Medicare and Medicaid ServicesのMedicare Starプログラムでは、糖尿病患者がACEI/ARBとスタチンの服薬アドヒアランスの目標を満たした場合、ヘルスプランにインセンティブを与えている。これまでに、アドヒアランスと心血管リスク因子のコントロールとの関連は報告されているが、ほとんどの研究が併存疾患のほとんどない若年の患者が含まれており、併存疾患の多い高齢患者における関連はよくわかっていない。そこで著者らは、Medicareでの65歳以上の糖尿病患者12万9,040例において、Starアドヒアランスの目標達成(8割以上の日数)が血圧(140/90mmHg未満)およびLDL-C(100mg/dL未満)に及ぼす影響を調べた。 主な結果は以下のとおり。・アドヒアランスは、高齢者のどの年代群でもほとんど差がなかった。・併存疾患なし患者に比べ、併存疾患4以上の患者ではACEI/ARB(RR:0.88、95%CI:0.87~0.89)やスタチン(RR:0.91、95%CI:0.90~0.92)のアドヒアランスが低かった。・ACEI/ARBのアドヒアランスは、85歳以上の患者における血圧140/90mmHg未満(RR:1.01、95%CI:0.96~1.07)、複数の併存疾患(たとえば、併存疾患3つでのRR:1.04、95%CI:0.99~1.08)と関連がみられなかった。・スタチンのアドヒアランスは、高齢者のすべての年代群(たとえば、85歳以上のRR:1.13、95%CI:1.09~1.16)、すべての併存疾患数(たとえば、4つ以上でのRR:1.13、95%CI:1.12~1.15)でLDL-C 100mg/dL未満と関連していた。

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血中カルシウム濃度に関連する遺伝子多型が冠動脈疾患・心筋梗塞発症に関与するか(解説:今井 靖 氏)-708

 カルシウム濃度あるいはカルシウム経口補充に伴うカルシウム血中濃度上昇が、冠動脈疾患・心筋梗塞に関連するとするいくつかの疫学研究がある。しかし、ヒトの長い生涯におけるカルシウム濃度上昇が、冠動脈イベント発症に関連するか否かについては明らかではない。 今回の論文では、メンデル無作為群間比較Mendelian randomizationという遺伝疫学手法でアプローチが行われている。この方法は、生下時から遺伝的に規定されている遺伝子型別に中間形質とその後の最終表現型(イベント発症)を検証するもので、「ポストゲノム時代の自然が行うランダム化試験」といわれている。2008年ごろから行われるようになり、例を出せば、中間表現型(たとえばhs-CRP)と最終表現型(たとえば心筋梗塞)との因果関係を証明するために、そのもととなる遺伝子多型(たとえばCRP産生に関与する遺伝子多型)と最終表現型(心筋梗塞)との関連を示すものであり、最近の代表的な研究のひとつとして、LDLコレステロール低値が冠動脈疾患発症低下につながることを、LDLコレステロール低下を伴うPCSK9遺伝子多型が冠動脈疾患発症低下に関与することで示した報告も、この手法によるものであり、この遺伝疫学的研究手法の有用性が理解されてきている。 今回の論文では、カルシウム血中濃度に相関することが大規模なゲノム解析で検出された7つの一塩基多型SNPについて糖尿病、脂質異常症、肥満などの冠危険因子に相関するものを1つ除いた後の6SNPsに関して、欧米人主体の冠動脈疾患患者6万801例、非罹患者12万3,504例で遺伝子多型頻度を調査したところ、遺伝素因から推定されるCa血中濃度が0.5mg/dL(ほぼ1SDに相当)上昇は、冠動脈疾患、心筋梗塞をそれぞれオッズ比1.25、1.24と有意に上昇させることが示されている。 ただ、この研究の限界として、個々のSNPが必ずしも冠動脈疾患・心筋梗塞発症との関連が示されていないことがある。また、この研究成果からカルシウム経口補充をどうするのかといった点、日本人にその成果を外挿できるかどうかについては回答は得られない。

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167)旨いけど注意したい牛丼の落とし穴【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師ふだん、外食はどんなものを食べられていますか?患者そうですね…時間があまりないので、すぐに食べられるもの、牛丼とかが多いですね。肉も入っているので…。医師なるほど。お店では何を頼むことが多いですか?患者大盛でなく、並盛を頼むようにしています。医師それはいいですね。ただし、牛丼の肉は、ばら肉を使っています。ばら肉の3割近くが脂です。患者えっ、そんなにあるんですか。医師そうなんです。脂と炭水化物の組み合わせが、最も中性脂肪を上昇させます。患者わかりました。これからは気を付けます。●ポイント牛丼のばら肉の3割近くが脂肪であることを説明します

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2次予防のLDL-C管理が厳格に―動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017

 日本動脈硬化学会が、先般「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」を改訂した。2012年から5年ぶりとなる。今回の改訂のポイントとしては、従来、NIPPON DATA80を使用していた絶対リスク評価を吹田スコアに変更したことと、動脈硬化性疾患の2次予防のLDL-C管理目標値が100mg/dLから70mg/dLに変更され、より厳格化されたことなどが挙げられる。 以下、主だった改訂点を紹介する。1.クリニカルクエスチョンとシステマティックレビューの導入 「危険因子の評価における脂質異常症」「動脈硬化性疾患の絶対リスクと脂質管理目標値」「生活習慣の改善における食事療法と薬物療法」を取り扱う項において、クリニカルクエスチョンとシステマティックレビューを初めて導入した。システマティックレビューの対象文献は2015年末までに報告されたものとなる。2.絶対リスクの算出法に吹田スタディを採用 リスクの評価については、絶対リスクで行うことを今改訂でも継続する。ただし、リスクの算出方法については、NIPPON DATA80から吹田スコアに変更された。従来のNIPPON DATA80は、スタチンがない時代にベースライン調査が行われており、自然歴の観察に適しているなど有用性は高いものの、アウトカムが「発症」ではなく「死亡」であること、LDL-CやHDL-Cの情報がないことなど、いくつかの問題点があった。一方、吹田スタディは冠動脈疾患の「発症」がアウトカムであり、全体リスク評価を冠動脈疾患発症率とすることにより、各リスクの重要性がより明確に提示できるようになる。3.高リスク病態の追加 動脈硬化リスクをより広く集めるという観点から、高リスク病態として従前挙げていた糖尿病や高血圧に加え、高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群も考慮すべき病態として新たに追加した。動脈硬化病変への関与やその程度についてはそれぞれ差があるものと考えられるが、包括的管理の観点から念頭に置くべきとしている。4.2次予防における高リスク病態でのLDL-C管理の厳格化 家族性高コレステロール血症や急性冠症候群など、2次予防での高リスク病態においては、従来のLDL-C管理目標値を「<100mg/dL」から「<70 mg/dL」に変更。より厳格なLDL-C管理が提言されている。5.家族性高コレステロール(FH)の記載拡充 PCSK9阻害薬などの新薬が登場したことや、小児FHへのスタチン適応拡大(2015年6月より10歳以上の小児FHに対しピタバスタチンを適応)などに伴い、FHの診断・治療についての記載がより詳細に。とくに治療法に関してはフローチャートを用いて明解に記されている。6.エビデンスレベルと推奨レベルは前回同様 エビデンスレベルは治療介入と疫学調査で、それぞれ表記方法を分けている。診断・治療に関するエビデンスレベルに関しては、1+(質の高いRCTなどがある)~4(エビデンスレベルの弱い研究)の5分類。疫学に関しては、E-1a(コホート研究のメタアナリシス)~E-3(記述研究)の4分類となっている。新規採用の吹田スコア、算出アプリも開発 今改訂で新たに採用された吹田スコアは、(1)年齢(2)性別(3)喫煙(4)血圧(5)HDL-C(6)LDL-C(7)耐糖能異常(8)早発性冠動脈疾患家族歴、の8項目の合計点により算出する。ただ、同スコアの算出が煩雑な点を鑑み、日常診療で容易に使えるものにするため、日本動脈硬化学会は独自のアプリを作成。医療従事者向けであり、同学会のホームページや、ガイドラインに記載されたQRコードからダウンロードでき、(1)~(8)を入力すると、冠動脈疾患発症の予測パーセンテージと、リスク分類(低・中・高)および脂質管理目標値が表示される。■参考日本動脈硬化学会

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166)手軽な食材の飽和脂肪酸に要注意【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者薬をできるだけ使わずにコレステロールを下げたいんですが、どんな食品に気を付けたらいいですか?医師キーワードは「飽和脂肪酸」です。患者飽和脂肪酸?医師そうです。肉の脂身や菓子パンに含まれている脂肪のことです。患者なるほど。医師とくにハンバーグ、ハムやソーセージなどの加工肉の摂り過ぎには注意が必要です。これらの摂り過ぎと心臓病による死亡には関連があると言われています。患者全部、よく食べています。これから食べ過ぎに注意します。●ポイント飽和脂肪酸を含む食品として加工肉に注目することと、心血管死のリスクが増強することを説明します1)O'Sullivan TA, et al. Am J Public Health. 2013;103:e31-42.

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165)うな重が食べられるのは元気な証拠【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者最近、暑いですね。医師そうですね。何か夏バテ対策はされていますか?患者夏バテ対策ですか。土用の丑の日なんで、うな重でも食べようかと思っています。医師それはいいですね。ただし…。患者ただし?医師ただし、ウナギは脂が多くて高カロリーです。普通のうな重でも700kcal近くあります。ウナギは、1/5切れで80kcalです。患者えっ、そんなにカロリーがあるんですか。医師でもね、ウナギは脂っこい食材なので、それを食べられるのは元気がある証拠ですよ!患者確かにそうですね。食べ過ぎに気を付けないと(気付きの言葉)。●ポイント元気を付けなければと無理にスタミナ料理を食べようとする人に注意を促します

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血友病患者の高齢化で新たな対応へ

 2017年6月27日、都内においてバイオベラティブ・ジャパン株式会社は、血友病患者啓発ツール“Graphemophilia”の発刊に合わせ、「血友病治療の進歩と今後の課題」をテーマにプレスセミナーを開催した。セミナーでは、血友病治療の現在の状況のほか、高齢の血友病患者への対応など、現下の問題や今後について解説する講演も行われた。■血友病の現在 はじめに鈴木 隆史氏(荻窪病院 血液凝固科 部長)が、「血友病治療の進歩と今後の課題 ~患者さんのさらなる QOL 向上を目指して~」と題した講演を行った。 血友病は、遺伝性出血性疾患であり、基本的には男性に発症する。先天性凝固第VIII因子が欠乏する「血友病A」と、先天性凝固第IX因子が欠乏する「血友病B」に分けられる。全世界では合わせて約17万例の患者が推定され、わが国では約6,200例の患者がいるとされる。 その症状として、急性出血では、関節内、筋肉内、皮下、頭蓋内、腎、口腔内の出血などがみられ、これらが慢性化することで血友病関節症、慢性滑膜炎、関節拘縮などに進展する。とくに関節内出血は血友病の出血症状の中で最も多く、幼児期には足首、膝、股関節の出血が中心となるが、学童期には肘関節の出血も増加する。出血をするとひどく痛み、むくみや歩行困難を伴う。終局的には、人工関節置換が必要となる場合もある。そうならないためにも、「医師は日ごろの患者の歩行の様子に注意を払い、早期介入ができるようにする必要がある」と鈴木氏は説明する。■血友病の治療薬の進化と今後の課題 治療では、1960年代から出血時投与による全血または新鮮凍結血漿治療が開始された。70年代には血漿由来濃縮製剤が登場、80年代には薬害の反省から加熱処理凝固因子製剤やモノクローナル精製製剤が、90年代には遺伝子組み換え第VIII因子、第IX因子製剤が登場し、出血時投与から定期補充療法へと治療法が変遷した。さらに、2000年代になるとプラズマ・アルブミンフリー遺伝子組み換え第VIII因子製剤が登場した。そして、2014年には半減期延長型第IX因子製剤であるエフトレノナコグ アルファ(商品名:オルプロリクス 静注)が、2015年には半減期延長型第VIII因子製剤であるエフラロクトコグ アルファ(同:イロクテイト 静注)が登場し、輸注回数を減らすことによる患者負担の軽減、高いトラフ値の維持、個別化医療のさらなる進展につながると期待が持たれている。 血友病治療における定期補充療法は、生涯にわたり行われる必要かつ標準的な治療であり、現在では幼児期から行われている。こうした新しい治療薬が登場したことで、患者個々の希望や病状を把握した治療、製剤特性と患者特性に合わせた選択、活動時間内の必要凝固因子活性の決定、PKやモニター値を基にした投与量の調整などを目指せるようになった。それらによりテーラーメイド治療が行われることで、将来は「出血のない暮らしの実現」が患者にもたらされることを目指すとしている。 また、今日の治療薬の進歩により、患者の高齢化が進んでいる点を指摘。C型肝炎やHIVの感染症合併患者も今では多くの患者が生存でき、エイジングケアが必要な時代へと入りつつあるという。血友病という基礎疾患から関節症→肥満→生活習慣病の疾患サイクルが形成され、この生活習慣病から派生する糖尿病や脂質異常症、高血圧、痛風による心筋梗塞や脳出血、脳梗塞にも注意を払う時代になってきたと現在の課題を提起し、鈴木氏は講演を終えた。 最後に同社マーケティング部の小野 有以子氏が、今回の“Graphemophilia”発刊について説明した。同社にとってこれは「新しい貢献、新しい挑戦である」とし、続けて「患者が疾患の勉強に役立てられるように、本誌を患者向け疾患啓発ツールとして活用してもらいたい」と抱負を語り、セミナーは終了した。■参考バイオベラティブ・ジャパン「ヘモフィリアToday」

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ACC/AHAガイドラインの費用対効果を他ガイドラインと比較

 2013年改訂の米国心臓病学会/米国心臓協会(ACC/AHA)の脂質異常症管理ガイドラインでは、アテローム性心血管疾患の1次予防のためのスタチン使用の推奨が拡大されたが、その費用対効果について他のガイドラインとの比較はなされていない。今回、米国・マウントサイナイ医科大学のDavid J. Heller氏らが費用対効果を比較したところ、ACC/AHAガイドラインは、集団レベルでは男女共により多くの人々を治療し、より多くの命を救い、費用はATP IIIガイドラインより削減されると推計された。個人レベルではスタチンの長期使用から恩恵を受けるかどうかは、心血管リスクの程度よりも錠剤数の負担(pill burden)による負の効用(disutility)に大きく左右されるという。Circulation誌オンライン版2017年7月7日号に掲載。 本研究では、心血管疾患(CVD)Policy Modelを使用し、2016~25年の10年間で、ACC/AHAガイドラインを用いた場合の費用対効果について、現在の使用、Adult Treatment Panel III(ATP III)ガイドライン、45~74歳のすべての男性と55~74歳のすべての女性における中強度スタチンの使用と比較した。主要アウトカムは、増分費用効果比(ICER)および質調整生存年当たり10年間の治療必要数(NNT/QALY)とした。 主な結果は以下のとおり。・各々の方法は現状より大幅なベネフィットと正味の費用削減をもたらすと推定された。・ATP IIIガイドラインを完全に順守した場合、現状よりスタチン使用者が880万人多くなり、NNT/QALYは35である。・ACC/AHAガイドラインは、ATP IIIガイドラインよりもスタチン使用者が最大1,230万人多くなる可能性があり、限界NNT/QALYは68である。・45~74歳の男性と55~74歳の女性における中強度スタチン使用は、ACC/AHAガイドラインよりスタチン使用者が2,890万人多くなり、限界NNT/QALYは108である。・ベネフィットはすべての場合において女性より男性で大きい。・これらの結果はスタチン開始やスタチンの毒性に関するリスクの違いにより異なるが、日々の薬物使用(錠剤数の負担)による負の効用に大きく依存する。

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高力価スタチンで糖尿病発症リスク2.6倍

 脂質降下薬が糖尿病発症に関連するかどうか調べるために、日本大学薬学部の大場 延浩氏らが、脂質異常症の日本人労働者約7万例を対象とした後ろ向きコホート研究を実施した。その結果、糖尿病の臨床的危険因子の調整後も、スタチン使用により糖尿病発症リスクが1.9~2.6倍に増加したことが示された。BMJ open誌2017年6月30日号に掲載。 本研究は、大企業の日本人従業員とその扶養家族のうち、健康診断の臨床検査データから2005年1月1日~2011年3月31日に脂質異常症を発症した20~74歳が対象。脂質異常症の基準に当てはまった最初の日をindex dateと定義した。脂質降下薬を服用していた場合、またはindex date前6ヵ月間に糖尿病の診断や治療、糖尿病を示唆する検査結果(ヘモグロビンA1c≧6.5%もしくは空腹時血糖≧126mg/dL)が示されていた人は除外した。主要アウトカムは糖尿病の新規発症とした。 主な結果は以下のとおり。・脂質異常症6万8,620例が同定された。・平均追跡期間1.96年の間に、3,674例が脂質降下薬による治療を開始していた(低力価スタチン979例、高力価スタチン2,208例、フィブラート系薬487例)。・脂質降下薬の新規使用例3,674例のうち3,621例では、使用前にどの脂質降下薬も使用していない期間があった。・糖尿病の新規発症率は、スタチン非使用例の22.6例/1,000人年に対し、スタチン使用例では124.6例/1,000人年であった。・Cox比例ハザードモデルによる、交絡因子(健康診断での臨床データを含む)調整後のハザード比は、低力価スタチンで1.91(95%CI:1.38~2.64)、高力価スタチンで2.61(同:2.11~3.23)であった。

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第3世代ALK阻害薬lorlatinibの成績発表/ASCO2017

 lorlatinibは、強力な活性を持ち、中枢神経系(CNS)への良好な移行を示す次世代ALK-TKIである。また、ALK-TKI耐性変異に対する最も広いスペクトラムを有する。とくにクリゾチニブ、アレクチニブ、セリチニブなど、すべてのALK-TKIの耐性に関わるG1202R変異に対しても、唯一有効な薬剤である。米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO2017)では、このlorlatinibの第I/II相試験の主要な結果について、University of California IrvineのSai-Hong Ignatius Ou氏が発表した。 同試験は、6つの拡大コホート(EXP1~6)で行われ、ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)はEXP1~5で評価された(EXP6はROS1陽性)。第I相試験であるEXP1では、未治療患者において強固な臨床活性を示した。第II相試験は、EXP2~5で行われ、主要評価項目は、独立評価委員会(IRC)による客観的奏効率(ORR)と頭蓋内ORR(IC ORR)であった。 全体で199例の患者が登録され、有効性はEXP2~5の82例で、安全性は全患者で評価された。EXP2~6全体のORRは32.9%、病勢コントロール率(DCR)は56.1%であった。EXP2(前治療クリゾチニブの1ライン)のORRは57.1%、DCRは、71.4%であった。EXP3(前治療1ラインのALK-TKI:クリゾチニブ+化学療法またはクリゾチニブ以外のALK-TKI±化学療法)のORRは44.4%、DCRは61.1%であった(11.1%は奏効未決定)。EXP4(前治療2ラインのALK-TKI±化学療法)の25.0%、DCRは54.5%であった(13.6%は奏効未決定)。EXP5(前治療3ラインのALK-TKI±化学療法)のORRは30.8%、DCRは46.2%であった(23.1%は奏効未決定)。EXP4では80%以上、EXP5では90%以上の患者が化学療法を併用していた。また、ALK-TKI前治療の程度にかかわらず、ほとんどの患者で標的病変サイズが縮小した。8例ではPD後もlorlatinibの投与は継続され、最も長期にわたる患者は300日を超えている。頭蓋内病変は52例で評価され、IC ORRは48.1%、12週時のDCRは75.0%であった。標的病変のみのIC ORRは51.4%に達した。 全Gradeの治療関連有害事象(AE)発現率は、97.4%。Grade3/4のAEは46.6%の患者で発現した。AEによる投与遅延は29.3%、減量は19.8%、治療中止は4例(3.4%)、死亡例はなかった。発現頻度が高い項目は、高脂血症(89.7%)、高トリグリセライド血症(72.4%)で、これらは脂質低下薬でコントロール可能であった。 新たなALK-TKIであるlorlatinibは、重度な前治療歴のあるALK陽性NSCLCに対し臨床的に意義のある持続性の高い効果を示すとともに、頭蓋内病変に対しても高い効果を示した。この試験の結果から、lorlatinibは本年(2017年)4月26日、米国食品医薬品によるブレークスルー・セラピー指定を受けている。■参考http://meetinglibrary.asco.org/record/153943/abstract■関連記事次世代ALK/ROS1阻害剤lorlatinib、ALK陽性肺がんでFDAのブレークスルー・セラピー指定ASCO2016レポートDriver oncogeneに対する標的治療と耐性克服

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高齢者糖尿病診療ガイドライン2017発刊

 「高齢者糖尿病の治療向上のための日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会」による「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標について」(2016年5月)を受け、2017年5月開催の第60回 日本糖尿病学会年次学術集会において、『高齢者糖尿病診療ガイドライン 2017』(編・著 日本老年医学会・日本糖尿病学会)が書籍として発刊された。高齢者糖尿病診療ガイドライン2017はCQ方式で15項目に分けて記載 『高齢者糖尿病診療ガイドライン 2017』はクリニカルクエスチョン(以下「CQ」)方式でまとめられ、CQ一覧を冒頭に示し、これに対する要約、本文、引用文献(必要により参考資料)のフォーマットで記されている。そして、可能な場合はエビデンスレベル(レベル1+および1~4)、推奨グレード(AおよびB)を付している。 『高齢者糖尿病診療ガイドライン 2017』の具体的な内容としては、I.高齢者糖尿病の背景・特徴、II.高齢者糖尿病の診断・病態、III.高齢者糖尿病の総合機能評価、IV.高齢者糖尿病の合併症評価、V.血糖コントロールと認知症、VI.血糖コントロールと身体機能低下、VII.高齢者糖尿病の血糖コントロール目標、VIII.高齢者糖尿病の食事療法、IX.高齢者糖尿病の運動療法、X.高齢者糖尿病の経口血糖降下薬治療とGLP-1受容体作動薬治療、XI.高齢者糖尿病のインスリン療法、XII.高齢者糖尿病の低血糖対策とシックデイ対策、XIII.高齢者糖尿病の高血圧、脂質異常症、XIV.介護施設入所者の糖尿病、XV.高齢者糖尿病の終末期ケア、と大きく15項目に分けて記載されている。時間がないときは高齢者糖尿病診療ガイドラインの要約だけでも通読 高齢者糖尿病患者に特有の身体的特徴などを踏まえて、『高齢者糖尿病診療ガイドライン 2017』では次のように示されている。たとえば「低血糖」について、「高齢者糖尿病の低血糖にはどのような特徴があるか?」のCQに対し、要約では「高齢者の低血糖は、自律神経症状である発汗、動悸、手のふるえなどの症状が減弱し、無自覚低血糖や重症低血糖を起こしやすい。低血糖の悪影響が出やすい」と端的に示されている。また、食事療法の「高齢者における食事のナトリウム制限(減塩)は有効か?」では、「高齢者においても減塩は血圧を改善する(推奨グレードA)」と記されており、運動療法の「高齢者糖尿病において運動療法は血糖コントロール、認知機能、ADL、うつやQOLの改善に有効か?」では、「高齢者糖尿病でも定期的な身体活動、歩行などの運動療法は、代謝異常の是正だけでなく、生命予後、ADLの維持、認知機能低下の抑制にも有効である(推奨グレードA)」と記載されている。 今後、さらに増えると予測される高齢者糖尿病患者の診療に、『高齢者糖尿病診療ガイドライン 2017』をお役立ていただきたい。

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高齢者にスタチンの1次予防効果はあるか~ALLHAT-LLT事後解析

 心血管疾患の1次予防としてスタチン治療が心血管疾患発症を減少させることが示唆されているが、全死亡率については知見が一致していない。また、75歳以上の高齢者に1次予防でのスタチン使用に関するエビデンスはほとんどない。今回、ALLHAT-LLTの事後解析の結果、中等症の高脂血症と高血圧症を有する高齢者での心血管疾患の1次予防として、プラバスタチンのベネフィットは認められず、また75歳以上では、有意ではないがプラバスタチン群で全死亡率が高い傾向があったことが報告された。JAMA internal medicine誌オンライン版2017年5月22日号に掲載。 本研究は、ALLHAT-LLT(Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial)のLipid-Lowering Trial(LLT)における、65~74歳と75歳以上に対する心血管疾患の1次予防のためのスタチン使用に関する研究で、アテローム性冠動脈疾患を有さなかった65歳以上の参加者について事後解析を実施した。ベースライン時にアテローム性冠動脈疾患を有さない高血圧症の外来患者2,867例について、プラバスタチン(40mg/日)群と通常治療群に分けて比較した。なお、ALLHAT-LLTは1994年2月~2002年3月に513施設で実施された。ALLHAT-LLTの主要アウトカムは全死亡率、副次アウトカムは原因別死亡率、非致死性心筋梗塞と致死的冠動脈疾患の複合(冠動脈疾患イベント)であった。 主な結果は以下のとおり。・プラバスタチン群は1,467例で、平均年齢(SD)は71.3(5.2)歳、女性が704例(48.0%)、通常治療群は1,400例で平均年齢は71.2(5.2)歳、女性が711例(50.8%)であった。・ベースライン時の平均LDLコレステロール値(SD)は、プラバスタチン群では147.7(19.8)mg/dL、通常治療群で147.6(19.4)mg/dLであり、6年後はプラバスタチン群で109.1(35.4)mg/dL、通常治療群で128.8(27.5)mg/dLであった。・6年後、プラバスタチン群で253例中42例(16.6%)が、また通常治療群で71.0%がどのスタチンも服用していなかった。・通常治療群に対するプラバスタチン群の全死亡のハザード比は、全体(65歳以上)で1.18(95%CI:0.97~1.42、p=0.09)、65~74歳で1.08(同:0.85~1.37、p=0.55)、75歳以上で1.34(同:0.98~1.84、p=0.07)であった。・冠動脈疾患の発症率については2群間で有意差はなかった。多変量回帰分析でも有意ではなく、治療群と年齢との間に有意な交互作用はなかった。

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スタチンによる筋肉痛はnocebo effect?(解説:興梠 貴英 氏)-682

 スタチンに限らず、副作用が出現しうることを知らされたために患者がその副作用ではないかと訴えることは日常よく経験するところである。この現象は古くから知られており、nocebo effectと名付けられているそうである。 さて、本論文はASCOT-LLAの二重盲検期間中とオープンラベル期間中の副作用報告率を比較して本当にnocebo effectがあったのかを調べたものである。 ASCOT-LLA試験の背景を解説すると、最初にASCOT-BPLAという2つの降圧薬レジメン(アテノロール+サイアザイド vs.アムロジピン+ペリンドプリル)間で心血管系イベント発生に違いがあるかを評価した試験が計画された。さらに、その被験者群の中で心血管系リスクは高いが血清LDL-コレステロールが高くない(6.5mmol/L以下)患者に対してスタチンの投与が心血管系イベントを抑制するかを評価する試験ASCOT-LLAが計画された。ASCOT-BPLAがPROBEデザインであったのに対して、ASCOT-LLAにおけるアトルバスタチンおよびプラセボ服用については二重盲検であった。結局、ASCOT-BPLA全体の1万9,342人中、基準を満たした1万0,305人がASCOT-LLAに割り当てられた(アトルバスタチン群5,168人、プラセボ群5,137人)。さらにASCOT-LLAではアトルバスタチン投与群において早期に有意に心血管系イベントを抑制することが示されたために、追跡期間中央値3.3年で早期終了となったのに対して、ASCOT-BPLAは計画よりは早まったものの追跡期間中央値5.5年まで継続した。この差の期間中はアトルバスタチンの服用がオープンラベルになり、本論文の解析の元データとなった。 データを解析した結果、二重盲検期間中のプラセボ、アトルバスタチンの筋肉関連副作用報告率はそれぞれ2.00%、2.03%とほぼ同じで有意差がなかったのに対し、オープンラベル期間ではアトルバスタチン非服用者で1.00%、アトルバスタチン服用者で1.26%で有意差がつく、という差が認められた。つまり、nocebo effectがあり、スタチンは実際には筋肉関連の副作用をあまり増やさないのではないか、ということが示された。一方でランダム割付試験における副作用報告は患者選択によって低く出る傾向がある、もしくは導入期間を設けることで不耐性の患者が最初から取り除かれている、という批判がされることがあるが、本論文では盲検期間とオープンラベル期間は同じ患者群であり、導入期間も設けられていないため、そうした批判は当たらない。ほかに勃起障害、不眠、認知機能に関する副作用の検討も行っているが、それらについてもアトルバスタチンによる悪影響を認めない、という結果であった。 本論文の結果はスタチンによる筋肉関連副作用はその多くがnocebo effectによるものかもしれないということを客観的に示した点で興味深いが、ASCOTがAnglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trialの頭文字から成り立っていることから分かるように、これが日本人にも当てはまるかどうかは確実なことは言えず、またわが国では患者が筋肉関連の副作用を訴えたときにはCPKを測定して実際の筋肉障害の有無も確認しつつ中止するかどうかを決めることになるのではないだろうか。本論文でもCPKに関する報告があればより興味深い結果が得られたかもしれない。

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脳卒中リスク因子の年齢別パターン

 脳卒中の血管リスク因子について、ユトレヒト大学のAllard J. Hauer氏らが脳卒中サブタイプ別・年齢別に調査した結果、主な心血管リスク因子を有する割合の年齢別パターンがサブタイプにより異なることが示された。Journal of the American Heart Association誌2017年5月8日号に掲載。 本研究は、多施設共同の大学病院ベースでのコホート4,033例における研究である。大動脈アテローム性動脈硬化症または小血管疾患または心原性による虚血性脳卒中患者、自然発症脳出血患者、動脈瘤性くも膜下出血患者(計5サブタイプ)が有していた血管リスク因子(男性、非白人、肥満、高血圧症、高脂血症、糖尿病、喫煙、家族歴)を調査し、55歳未満、55~65歳、65~75歳、75歳以上の4群で各リスク因子を有する患者の割合を計算した。また基準年齢群(虚血性脳卒中および脳出血では65~75歳、動脈瘤性くも膜下出血では55~65歳)と比較した平均差と95%CIを計算した。 主な結果は以下のとおり。・55歳未満の患者は、非白人が有意に多く(とくに自然発症脳出血および動脈瘤性くも膜下出血患者)、喫煙頻度が最も高かった(動脈瘤性くも膜下出血患者で最も顕著)。・55歳未満の大動脈アテローム性動脈硬化症または小血管疾患による虚血性脳卒中患者は、心原性の虚血性脳卒中患者よりも、高血圧症、高脂血症、糖尿病の頻度が高かった。・全体として、高血圧症、高脂血症、糖尿病の頻度は、すべての脳卒中サブタイプで年齢とともに増加したが、喫煙は年齢とともに減少した。・年齢にかかわらず、大動脈アテローム性動脈硬化症/小血管疾患による虚血性脳卒中患者で、修正可能なリスク因子の累積が最も顕著であった。

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evacetrapib、早期中止の第III相試験の結果/NEJM

 ハイリスク血管疾患の患者に対するコレステリルエステル転送蛋白(CETP)阻害薬evacetrapibの投与は、プラセボ投与と比較して、LDLコレステロール値を低下しHDLコレステロール値を上昇させるという従来確認されている脂質バイオマーカーの変化は見られたが、心血管イベント発生の低下は認められなかった。米国・クリーブランドクリニックのA. Michael Lincoff氏らによる、約1万2,000例を対象とした第III相・多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果、示された。evacetrapibについては第II相試験で、ベースラインからLDLコレステロール値を35%低下、HDLコレステロール値を130%上昇させた効果が確認されていた。NEJM誌2017年5月18日号掲載の報告。 evacetrapib 130mg vs.プラセボで心血管イベント発生率を比較を比較 研究グループは、evacetrapibがプラセボと比較して、心血管系の原因による死亡や疾患リスクを低下するとの仮説を検証するため、30~365日以内に発症した急性冠症候群、脳血管アテローム性動脈硬化疾患、末梢動脈疾患、冠動脈疾患を伴う糖尿病のうち1つ以上を持つ患者1万2,092例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方の群にはevacetrapib130mg/日を、もう一方にはプラセボを、標準薬物療法に加えてそれぞれ投与した。 有効性の主要エンドポイントは、心血管系の原因による死亡、心筋梗塞、脳卒中、冠血行再建、不安定狭心症による入院のいずれかの初回発生だった。主要評価項目の発生率は両群ともに約13%と同等 試験開始3ヵ月時点で、平均LDLコレステロール値は、プラセボ群で6.0%上昇したのに対し、evacetrapib群では31.1%低下した。また、平均HDLコレステロール値は、プラセボ群で1.6%上昇したのに対し、evacetrapib群では133.2%上昇した。 一方、主要エンドポイントについては、事前に設定していた発生件数は1,670件だったが、1,363件が発生した時点でデータ・安全性監視委員会によってevacetrapibの有効性が欠如していると判断され、試験の早期中止が勧告された。 中央値26ヵ月時点における主要エンドポイントの発生率は、プラセボ群12.8%、evacetrapib群12.9%と、両群で有意差は認められなかった(ハザード比:1.01、95%信頼区間:0.91~1.11、p=0.91)。

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低LDL-Cが認知症リスクを低減する可能性/BMJ

 PCSK9遺伝子およびHMGCR(HMG-CoA reductase)遺伝子のバリアントに起因するLDLコレステロール(LDL-C)の低下は、認知症やパーキンソン病の発症リスクを増加させず、LDL-C値の低下によりアルツハイマー型認知症のリスクが低減する可能性があることが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のMarianne Benn氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2017年4月24日号に掲載された。コレステロールは脳のニューロンを取り囲むミエリンの主成分であるため、低LDL-C値はアルツハイマー型認知症やパーキンソン病などの神経疾患のリスクを増大させる可能性が指摘されている。11万例以上のメンデル無作為化試験 本研究は、LDL-Cの代謝および生合成に関与する遺伝子(それぞれ、PCSK9遺伝子、HMGCR遺伝子)の遺伝的変異に起因するLDL-C値の低下が、一般人口におけるアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、全認知症およびパーキンソン病のリスクを高めるとの仮説を検証するメンデル無作為化試験である(Danish Council for Independent Researchなどの助成による)。 デンマークの一般人口を対象とした類似する2つの前向き試験(Copenhagen General Population Study:9万9,993例、Copenhagen City Heart Study:1万1,201例)の参加者11万1,194例について解析を行った。 全体の年齢中央値は56歳(IQR:46~66)、55%(6万1,310例)が女性であった。LDL-C値別の内訳は、<1.8mmol/L(≒69.66mg/dL)が3.7%(4,087例)、1.8~2.59mmol/L(≒69.66~100.233mg/dL)が18%(2万0,335例)、2.6~3.99mmol/L(≒100.62~154.413mg/dL)が52%(5万7,847例)、≧4.0mmol/L(≒154.8mg/dL)は26%(2万8,925例)であった。1mmol/L低下による発症リスクへの影響はない 観察的な解析では、フォローアップ期間中央値8.2年における<1.8mmol/Lの集団の≧4.0mmol/Lの集団に対するパーキンソン病の多因子で補正したハザード比(HR)は1.70(95%信頼区間[CI]:1.03~2.79、傾向検定:p=0.01)と有意であったのに対し、アルツハイマー型認知症(0.93、0.62~1.40、p=0.35)、脳血管性認知症(0.46、0.15~1.48、p=0.56)、全認知症(1.04、0.79~1.38、p=0.18)には有意な差を認めなかった。 PCSK9遺伝子とHMGCR遺伝子のバリアントを統合すると、LDL-C値が9.3%低下した(傾向検定:p<0.001)。 また、年齢、性別、出生年で補正した遺伝的な因果分析では、LDL-C値が1mmol/L(≒38.7mg/dL)低下した場合のリスク比は、アルツハイマー型認知症が0.57(95%CI:0.27~1.17、p=0.13)、脳血管性認知症が0.81(0.34~1.89、p=0.62)、全認知症が0.66(0.34~1.26、p=0.20)、パーキンソン病は1.02(0.26~4.00、p=0.97)であり、いずれもLDL-C値低下による発症リスクへの影響はみられなかった。 Egger Mendelian randomisation(MR Egger)解析を用いたInternational Genomics of Alzheimer’s Project(IGAP)の要約データでは、LDL-C値の1mmol/Lの低下による、PCSK9遺伝子とHMGCR遺伝子の26のバリアントを統合した場合のアルツハイマー型認知症のリスク比は0.24(95%CI:0.02~2.79、p=0.26)と有意な差はなかったが、低LDL-C値に関連する380の遺伝的バリアントのMR Egger解析によるリスク比は0.64(0.52~0.79、p<0.001)であり、低LDL-C値はアルツハイマー型認知症のリスクの抑制において因果効果を持つ可能性が示唆された。 著者は、「進行中のPCSK9阻害薬の無作為化臨床介入試験に加えて、今回のわれわれの研究よりも統計学的検出力を高めたメンデル無作為化試験を行う必要がある」と指摘している。

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164)「プラーク」って何ですか?【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、この間の超音波検査でプラークがあるっていわれたんですけど…プラークって何ですか?医師歯垢のことをプラークっていいますよね。患者プラークっていいますね。医師あれは、食べかすじゃなくて、虫歯菌や歯周病菌も含まれているんですよ。患者それじゃ、この間の検査のプラークは?医師あれは、血管壁にできたコレステロールの塊で、動脈硬化のことなんです。プラークの元々の意味は「壁飾り」という意味だそうです。患者へぇー、そうなんですか。医師それで、プラークがある血管では、血管に傷がついたりして、血栓ができて、心筋梗塞や脳梗塞になるんです。患者そうなるのをどうやって予防したらいいですか?(予防の話に展開)●ポイントプラークの説明をしながら、動脈硬化予防の話につなげます

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Cardiologistへの道@Stanford 第28回

第28回:米国の高血圧治療(読者からの質問)キーワードJNC7JNC8SPRINTA-HeFT参考論文1)SPRINT Research Group, et al. A Randomized Trial of Intensive versus Standard Blood-Pressure Control. N Engl J Med. 2015; 373: 2103-2016.2)Taylor AL, et al. Combination of isosorbide dinitrate and hydralazine in blacks with heart failure. N Engl J Med. 2004; 351: 2049-2057.3)Chow CK, et al. Quarter-dose quadruple combination therapy for initial treatment of hypertension: placebo-controlled, crossover, randomised trial and systematic review. Lancet. 2017; 389: 1035-1042.

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163)海外旅行のお土産に気を付けろ!【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、最近話題の「トランス脂肪酸」って、どんなものですか?医師今話題の脂肪酸だね。悪玉コレステロール(LDL-C)を増加させ、善玉コレステロール(HDL-C)を減少させるといわれています。患者そうなんですか。医師その結果、狭心症や心筋梗塞などのリスクが高まるともいわれています。患者どんなものに含まれているんですか?医師ケーキやビスケットなどで使われているショートニング、マーガリン、パイなどに含まれていますが、国内では食品メーカーの企業努力で、トランス脂肪酸の含有量はかなり減っています。食品の栄養成分表示に「トランス脂肪酸」と書いてあることがありますので確認してみてください。患者はい。ほかに気を付けたほうがいいのは何ですか?医師海外旅行のお土産のチョコやクッキーですね。トランス脂肪酸が多いものもあります。“Trans Fat”と書いてあるので、チェックをお願いします。患者はい、わかりました。●ポイント海外旅行のお土産を話題に、トランス脂肪酸について説明を行います1)Uneyama C, et al. Shokuhin Eiseigaku Zasshi. 2016;57:179-186.2)Wada Y, et al. J Mass Spectrom. 2017;52:139-143.

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