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糖質過剰摂取は糖尿病患者のみならず万人にとって生活習慣病リスクを高める危険性がある?―(解説:島田俊夫氏)

 私たちは生きるために食物を食べることでエネルギーを獲得している。その主要なエネルギー源は3大栄養素であり、その中でも代表的なエネルギー源が糖質である。 糖質の摂り過ぎは糖尿病患者では禁忌だということは周知されている。しかし健康人においてさえ、糖の摂り過ぎには注意が必要だとの警鐘を告げる論文も散見され、その中には糖質過剰摂取1,2)が3大死因に密接に関連し、生活習慣病を引き起こす可能性について言及した論文も少なくない。しかしながら、エビデンスレベル不ぞろいの論文が混在しており、玉石混交の中で可能な限り厳密に分析・評価し、糖質過剰摂取に関する情報の真実を明らかにすべく行われた、中国・四川大学のYin Huang氏らにより解析されたUmbrella Review(包括的Review)が、BMJ誌の2023年4月5日号に期せずして掲載された。一読に値するとの思いで取り上げた。Umbrella Reviewの概略 今回のUmbrella Reviewのデータソースは、検索により、観察研究のメタアナリシスにおける74のユニークなアウトカムと無作為化対照試験のメタアナリシスでの9アウトカムを含む、8,601のユニークな論文から73のメタアナリシスと83の健康アウトカムを特定した。健康に関するアウトカム83項目中、食事由来の糖質摂取と有意な関連を認めた45項目の内訳、内分泌/代謝系18項目、心血管系10項目、がん7項目、その他10項目(神経精神、歯科、肝臓、骨、アレルギーなど)に関して有害性が確認された。 食事の砂糖消費量の最高と最低では、体重の増加(加糖飲料)(クラスIVエビデンス)および異所性脂肪の蓄積(加糖)(クラスIVエビデンス)と関連していることを示唆した。低品質のエビデンスでは、1食分/週の砂糖入り飲料消費の増加は、痛風の4%リスク(クラスIIIエビデンス)増加と関連し、250mL/日の砂糖入り飲料消費の増加は、冠動脈疾患(クラスIIエビデンス)および全死因死亡(クラスIIIエビデンス)のそれぞれ17%および4%のリスク増加と関連することを示した。さらに、低品質のエビデンスでは、フルクトース消費量が25g/日増加するごとに、膵臓がんのリスクが22%増加(クラスIIIエビデンス)することを示した。 現時点では糖質過剰摂取の有害性をすなおに受け入れることが賢い選択だと考えるが、全面的に信じることはせず、多少の疑問を残しておくことが大事である。糖質の過剰摂取が肥満を招くことは欧米ではすでに受け入れられており、糖尿病のみならず肥満是正に糖質制限食が好んで使用されていることを考えれば、今回の解析結果は理にかなっている。その反面、長期にわたる糖質制限食に関しては議論の多いところであり3,4)、安全性への不安が根強く残っていることも忘れてはならない。現時点では、長期の糖質制限食への不安が払拭されない限りは、この結果を無条件に受け入れるのは時期尚早ではないかと考える。

305.

統合失調症患者が地域社会で生活し続けるためには

 地域在住の統合失調症患者における身体的、精神的、社会的な併存症は、日常生活を妨げ、再入院リスクを上昇させる可能性がある。しかし、日本において、統合失調症患者の併存症に関する調査は、包括的に行われていない。藤田医科大学の松永 眞章氏らは、日本人統合失調症患者のさまざまな併存症の有病率を調査するため、有病率ケースコントロール研究を実施した。その結果、統合失調症患者が地域社会で生活し続けるためには、身体的、精神的、社会的な併存症を管理する効果的な介入が必要であることが示唆された。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2023年2月28日号の報告。 2022年2月に、有病率ケースコントロール研究として、統合失調症の有無にかかわらず20~75歳の日本人を対象とした自己申告によるインターネット調査を実施した。統合失調症患者と統合失調症でない対照群の身体的(過体重、高血圧、糖尿病など)、精神的(抑うつ症状、睡眠障害など)、社会的(雇用状態、世帯収入、社会的支援など)併存症の有病率を比較した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者223例および対照群1,776例が特定された。・統合失調症患者は対照群よりも、過体重である可能性が高く、高血圧症、糖尿病、脂質異常症の有病率が高かった。・統合失調症患者は対照群と比較し、抑うつ症状、失業状態、非正規雇用の割合が高かった。・本結果は、地域在住の日本人統合失調症患者の身体的、精神的、社会的な併存症に対処する包括的な支援や介入の必要性を強調するものである。・統合失調症患者が地域社会で生活し続けるためには、併存症を管理する効果的な介入が必要である。

306.

糖類の過剰摂取、心代謝疾患リスクを増大/BMJ

 食事による糖類(単糖類、二糖類、多価アルコール、遊離糖、添加糖)の過剰な摂取は、一般的に健康にとって益よりも害が大きく、とくに体重増加、異所性脂肪蓄積、心血管疾患などの心代謝疾患のリスク増大に寄与していることが、中国・四川大学のYin Huang氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2023年4月5日号で報告された。糖類摂取と健康アウトカムの関連をアンブレラレビューで評価 研究グループは、食事による糖類の摂取と健康アウトカムの関連に関する入手可能なすべての研究のエビデンスの質、潜在的なバイアス、妥当性の評価を目的に、既存のメタ解析のアンブレラレビューを行った(中国国家自然科学基金などの助成を受けた)。 データソースは、PubMed、Embase、Web of Science、Cochrane Database of Systematic Reviews、および参考文献リスト。対象は、急性または慢性の疾患のないヒトにおいて、食事による糖類の摂取が健康アウトカムに及ぼす影響を評価した無作為化対照比較試験、コホート研究、症例対照研究、横断研究に関する系統的レビューとメタ解析であった。 8,601本の論文から、73件のメタ解析と83項目の健康アウトカム(観察研究のメタ解析から74項目、無作為化対照比較試験のメタ解析から9項目)が特定された。体重増加、異所性脂肪蓄積と有意な関連 83項目の健康アウトカムのうち、食事による糖類の摂取と有意な関連が認められたのは、有害な関連が45項目(内分泌/代謝系:18項目、心血管系:10項目、がん関連:7項目、その他:10項目[神経精神、歯科、肝、骨、アレルギーなど])、有益な関連が4項目であった。 エビデンスの質(GRADE)が「中」の有害な関連としては、食事による糖類の摂取量が最も少ない集団に比べ最も多い集団では、体重の増加(砂糖入り飲料)(エビデンスクラス:IV)および異所性脂肪の蓄積(添加糖)(エビデンスクラス:IV)との関連が認められた。 エビデンスの質が「低」の有害な関連では、砂糖入り飲料の摂取量が週に1回分増加するごとに痛風のリスクが4%(エビデンスクラス:III)増加し、1日に250mL増加するごとに、冠動脈疾患が17%(エビデンスクラス:II)、全死因死亡率が4%(エビデンスクラス:III)、それぞれ増加した。 また、エビデンスの質が「低」の有害な関連として、フルクトースの摂取量が1日に25g増加するごとに、膵がんのリスクが22%高くなることが示唆された(エビデンスクラス:III)。 著者は、「既存のエビデンスはほとんどが観察研究で、質が低いため、今後、新たな無作為化対照比較試験の実施が求められる」と指摘し、「糖類の健康への有害な影響を低減するには、遊離糖や添加糖の摂取量を1日25g(ほぼ小さじ6杯/日)未満に削減し、砂糖入り飲料の摂取量を週1回(ほぼ200~355mL/週)未満に制限することが推奨される」としている。

308.

既報のRCT 3研究の共同解析結果から、高感度CRPとLDLコレステロール濃度モニターでスタチン治療を成功に導く秘策を学ぶ!―(解説:島田俊夫氏)

はじめに 慢性炎症が血管障害、動脈硬化、がん等の発生に密接に関係していることは周知の事実である。Ridkerら1)は高感度CRP(hsCRP)の慢性炎症の評価マーカーとしての有用性に着目して多くの論文を発表しており、スタチン投与によるhsCRP濃度を下げることで、動脈硬化、血管障害、心血管イベント・死の評価に有用だと報告している。 とくに高LDLコレステロール(高LDL-C)血症、高血圧、糖尿病(DM)、肥満等の疾患を複数合併する患者へのスタチン投与でhsCRPが低下すれば、イベント抑制、予後の改善につながるとの期待を抱かせる。 一方で、高LDL-C血症が冠動脈疾患の重要なリスク因子であることは、欧米を中心に多数の研究論文の発表により周知されている。 今回取り上げた多国籍RCT 3研究の対象者(3万1,245例)はすべてが治療目的でスタチン投与を継続中であり、また、多くのDM患者を含んでいることは意味深長である。括弧内はDMを含むパーセントを示す。PROMINENT試験(100%)、REDUCE-IT試験(58%)、STRENGTH試験(70%)に参加し、かつ、スタチン投与が継続されているアテローム性動脈硬化症患者を対象に共同分析が行われた。Ridkerらによりその成果がLancet誌の2023年3月6日号にonlineで発表された。有益なメッセージを含んだ論文であり紹介する。hsCRPおよびLDL-C濃度の心血管死、全死亡および心血管障害の発生予測に関して 動脈硬化、DM、高血圧、高LDL-C血症、メタボ症候群らを有する患者では、hsCRP濃度が高値を示すことはよく知られている。これまでの研究から慢性炎症が関連する生活習慣病では、hsCRP濃度が上昇することがわかっている。 RCT 3研究においてもLDL-C、血清hsCRP濃度の四分位数データの解析結果から、今後発生する心血管イベント、心血管死および全死亡の予測マーカーとして両マーカーともにおしなべて有用であったが、調整済みハザード比による検討から心血管イベントおよび死亡への影響力に関しては、LDL-C濃度に比べてhsCRP濃度の影響力が勝っていた。結語 今回のRCT 3研究を要約すると、研究成果の共同解析結果からhsCRP(残存炎症リスク)とLDL-C濃度(残存LDL-Cリスク)を比較すると、残存炎症リスクマーカーのほうが残存LDL-Cリスクマーカーよりも、スタチン治療を受けている患者の心血管イベント・死に深く関連していることが明らかになった。両マーカーともに治療評価マーカーとして有用ではあるけれども、心血管イベント・死の評価にはhsCRPの影響力が優れていた。目的達成のためにはhsCRP濃度を目安に治療戦略を計画するほうが好ましいとのメッセージと理解する。 スタチン治療の評価には、治療後のLDL-C濃度(残存LDL-Cリスク)の重要性よりも、hsCRPの治療後の低下(残存炎症リスク)のほうが明らかに有用性は大きい。さらに、hsCRP濃度の低下が不十分な場合は、抗炎症剤の補助的使用2)も含んだ治療を考え、致命的な心血管イベント・死を回避するための補助治療の介入選択を示唆しているのではないか。

309.

スタチンのプレイオトロピック効果はあるの?(解説:平山篤志氏)

 4S試験以来スタチンによる心血管イベント抑制効果が明らかにされ、さらに追加解析でスタチンにはLDL-コレステロール(LDL-C)低下効果に加えて、抗炎症、抗酸化などのプレイオトロピック効果があると示唆されてきた。このような背景から機序の異なるLDL-C低下薬であるエゼチミブやPCSK-9阻害薬を用いた大規模臨床試験では、スタチンに追加することでLDL-Cを低下させる効果で有効性が示されてきた。 しかし、今回のベムペド酸(bempedoic acid)を用いたCLEAR Outcome試験では、対象がスタチン不耐性の患者であるためコントロール群にはスタチンが使用されていない。にもかかわらず、ベムペド酸治療群で、有意なLDL-Cと高感度CRPの低下とともに心血管イベントを有意に減少した。このことは、スタチン不耐性の患者でも使用可能な薬剤が示されたことだけでなく、スタチンのプレイオトロピック効果についても疑問を投げかけたことになる。 では、なぜ高LDL-Cが炎症を引き起こすのか? LDL-Cを低下させることで炎症が抑制されるのか?については、近年、血管内視鏡で大動脈の自然プラーク破綻を観察した小松らの研究から、プラーク内で生成されたコレステロール結晶が自然破綻した後に全身で炎症を惹起する可能性が注目されている。今後展開される多くの研究により解明されるであろう。 米国心臓病学会(ACC)で発表されたとき、ベムペド酸にエゼチミブを加えることでさらなるイベント抑止効果が得られたのではないか?という質問が出された。すでにエゼチミブ単独でイベント低下効果が示されている(EWTOPIA75)ことから、予測される結果であるが、FDAが試験での使用を認めなかったとのことであった。今後、実臨床ではエゼチミブの併用で多用されるであろう。ただ、ベムペド酸が高尿酸血症や痛風の頻度を上げることには注意が必要である。

311.

治療選択のないCLTI、経カテーテル的深部静脈動脈化が肢切断を回避/NEJM

 包括的高度慢性下肢虚血の患者の約20%は、血行再建の選択肢がなく、足関節より近位での肢切断に至るという。カテーテルを用いて深部静脈を動脈化する治療は、動脈と静脈を接続して酸素を含む血液を虚血肢に送ることで、肢切断を予防する経皮的なアプローチである。米国・University Hospitals Harrington Heart and Vascular InstituteのMehdi H. Shishehbor氏らは、従来の外科的血行再建や血管内血行再建による治療の選択肢がない包括的高度慢性下肢虚血の患者において、この経カテーテル的深部静脈動脈化術は安全に施行可能であり、下肢の切断を回避する可能性があることを「PROMISE II試験」において示した。研究の成果は、NEJM誌2023年3月30日号で報告された。米国の前向き単群試験 PROMISE II試験は、米国の20施設が参加した前向き単群試験であり、2019年12月~2022年3月に患者のスクリーニングが行われた(米国・LimFlowの助成を受けた)。 難治性潰瘍を有し、外科的血行再建術または血管内血行再建術の治療選択肢がない包括的高度慢性下肢虚血の患者に対し、経カテーテル的深部静脈動脈化術が施行された。 主要複合エンドポイントは、6ヵ月時の切断回避生存率(足関節より近位での肢切断がない、または全死因死亡がない状態と定義)とされ、事前に規定された目標の54%との比較が行われた。施術成功率99%、下肢救済・創治癒も良好 105例が登録された。年齢中央値は70歳(四分位範囲[IQR]:38~89)で、33例(31.4%)が女性であった。ほとんどの患者は、包括的高度慢性下肢虚血関連の複数の既存疾患(糖尿病77.1%、高血圧91.4%、脂質異常症69.5%)を有し、78例(74.3%)は下肢の治療目標部位への血行再建の既往歴があった。経カテーテル的動脈化術は104例(99.0%)で成功した。 6ヵ月時点の切断回避生存率は66.1%であった。ベイズ解析では、6ヵ月時の切断回避生存率が目標の54%を上回る事後確率は0.993であり、事前に規定された閾値である0.977よりも高かった。 下肢救済(足関節より近位での肢切断の回避)は67例(Kaplan-Meier解析で76.0%)で達成された。6ヵ月時点で、63例中16例(25%)で治療目標の創部が完全に治癒し、86例中24例(28%)ですべての創部が完全治癒した。63例中32例(51%)では、治療目標創部が治癒過程にあると判定された。予期せぬデバイス関連有害事象の報告はなかったが、105例中98例で有害事象が認められた。 著者は、「深部静脈を動脈化することで虚血を解消する方法は新しい概念ではなく、100年以上前に仮説が立てられ、さまざまな手術法の評価が行われてきたが、感染症や深い切開を要するなど、種々の合併症を伴うものであった。経カテーテル的動脈化術は大きな切開を回避し、動脈血を直接的に下肢の遠位部の静脈弓に導くことが可能であり、合併症のリスク低減も期待される」としている。

312.

Fire and Forget vs.Treat to Target(解説:平山篤志氏)

 これまでの欧米での心血管イベントを低下させるためのガイドラインでは、ハイリスク患者に対してはLDL-コレステロール(LDL-C)を治療するために強力なスタチンの高用量をまず投与するというFire and Forgetの戦略が推奨されてきた。これはスタチンを用いた大規模臨床試験で、高用量と低用量を比較する、あるいはStrongとMildの高用量を比較する試験のメタ解析から得られた結論であった。また、管理目標値を設定するより、初期投与によるLDL-C低下の割合がイベント抑制には必要であるという考えもあった。 ただ、これまでのメタ解析からLDL-C達成値により心血管イベントが低下していること、また冠動脈プラークの退縮が認められることから、LDL-Cの管理目標値を目指す治療が重要であるとされていた(Treat to Target)。さらに、スタチン以外のコレステロール低下薬の有効性が示されると、リスクに応じたLDL-C管理目標値がガイドラインに記載されるようになった。 本試験は、Fire and Forget vs.Treat to Targetを検証するための試験であった。結果としては、両群で達成LDL-C値に差がなく、イベントにも差がなかったという結果であった。これまでのTreat to Targetを検証した試験では、目標値を達成することができず不十分な結果であったが、本試験では十分なコレステロール低下がTreat to Target群で達成できていたことが本試験成功の背景として挙げられる。これは管理目標値を設定しているガイドラインを後押しする結果である。ただ、わが国で通常使用可能なStrongスタチンの高用量は本試験の半量であるため、Treat to Targetで調整するよりはハイリスクの患者では、まずわが国の通常の高用量のStrongスタチンで治療を開始し、管理目標値を達成できない場合に薬剤を追加するFire and Forgetの戦略を選択するほうが実臨床に即していると考えられる。

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相補的に血中LDL-Cを低下させる高コレステロール血症薬「リバゼブ配合錠LD/HD」【下平博士のDIノート】第118回

相補的に血中LDL-Cを低下させる高コレステロール血症薬「リバゼブ配合錠LD/HD」今回は、高コレステロール血症治療薬「ピタバスタチンカルシウム水和物・エゼチミブ配合錠(商品名:リバゼブ配合錠LD/同HD、製造販売元:興和)」を紹介します。本剤は異なる作用機序の薬剤を配合することで、相補的に血中コレステロールを低下させるとともに、両剤の併用投与が必要な患者のアドヒアランス向上が期待されています。<効能・効果>高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症の適応で、2022年9月26日に製造販売承認を取得し、同年12月6日より発売されています。なお、本剤を高コレステロール血症、家族性コレステロール血症治療の第1選択薬として用いることはできません。<用法・用量>通常、成人には1日1回1錠(ピタバスタチンカルシウム/エゼチミブとして2mg/10mgまたは4mg/10mg)を食後に経口投与します。ピタバスタチンカルシウム/エゼチミブの含量は、LD錠が2mg/10mg、HD錠が4mg/10mgとなっており、ピタバスタチンカルシウムの用量は年齢、症状により適宜増減可能です。<安全性>本剤の承認までの臨床試験において、1%以上の頻度で認められた副作用は、ALT上昇でした。なお、重大な副作用として、過敏症、横紋筋融解症、ミオパチー、免疫介在性壊死性ミオパチー、肝機能障害・黄疸、血小板減少、間質性肺炎(いずれも頻度不明)が設定されています。<患者さんへの指導例>1.本剤には、小腸からのコレステロール吸収を抑える成分と、コレステロールの合成を抑える成分が配合されています。心筋梗塞などの心血管系疾患の危険性を少なくすることが期待されています。2.手足のしびれ、筋力低下、筋肉痛、赤褐色の尿が現れた場合はお知らせください。3.だるさ、食欲不振、吐き気、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなるなどの症状があったら肝臓の機能が低下している場合がありますのでお知らせください。4.高コレステロール血症治療の基本は食事療法です。また、適度な運動や適正体重の維持、禁煙などの虚血性心疾患のリスクを減らす生活を心がけましょう。<Shimo's eyes>本剤は、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬であるエゼチミブと、HMG-CoA還元酵素阻害薬であるピタバスタチンカルシウム水和物の2剤を組み合わせた脂質異常症治療薬です。異なる作用機序を有する2剤を配合することで、相補的に血中コレステロールを低下させ、また両剤の併用投与が必要な患者のアドヒアランス向上も期待できます。スタチンとエゼチミブの配合薬としては、アトルバスタチン・エゼチミブ(商品名:アトーゼット配合錠)、ロスバスタチン・エゼチミブ(同:ロスーゼット配合錠)に続く3剤目となります。エゼチミブは、小腸壁におけるコレステロール輸送機能を担っている「小腸コレステロールトランスポーター」を阻害することで、小腸からのコレステロール吸収を抑制し、胆汁性および食事性コレステロールの吸収を抑制します。主にコレステロール値を低下させますが、トリグリセリドの低下作用も報告されています。一方、ピタバスタチンなどのスタチン系薬剤は、肝臓に分布するコレステロール合成時の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を阻害し、肝細胞内のコレステロール含量を低下させ、LDL受容体の発現を促進することで血液中のLDLコレステロール(LDL-C)の取り込みを増加させ、血清コレステロールを低下させます。臨床効果としては、高コレステロール血症患者に本剤LDまたはHD、もしくはピタバスタチン2mgまたは4mgを投与した実薬対照二重盲検比較試験の結果、LDL-Cのベースラインからの変化率は、HD群のピタバスタチン4mg群に対する優越性、LD群のピタバスタチン2mg群に対する優越性が認められました。相互作用では、シクロスポリンとピタバスタチンの併用により、ピタバスタチンの血漿中濃度が上昇し、またエゼチミブとの併用によりエゼチミブおよびシクロスポリンの血中濃度が上昇したという報告があり、シクロスポリンとの併用は禁忌となっています。これにはOATP1B1の関与が考えられています。一方、ピタバスタチンはCYPによる代謝をほとんど受けません。他のスタチンであるアトルバスタチンとシンバスタチンはCYP3A4、フルバスタチンはCYP2C9、ロスバスタチンはCYP2C9およびCYP2C19によって代謝されます。また、アトルバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチンは弱いながらもP-糖タンパク阻害作用があります。そのため、本剤は他のスタチンと比べて相互作用による影響が少ない薬剤と考えられます。服薬指導では、高コレステロール血症の管理には食事療法や運動療法をはじめとする生活習慣の改善が必要なため、個々の患者の環境に応じたアドバイスを心がけましょう。

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生活習慣の改善(11)運動療法1【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q59

生活習慣の改善(11)運動療法1Q59運動療法の指導の際に本邦では「運動療法指針」を掲げている。「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」2022年版において、患者の生活スタイルに合わせるべく「運動の頻度・時間」に追加された目標は?(従来:毎日合計30分以上を目標に実施する。とある)

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CAD患者のLDL-C 50~70mg/dL目標の治療 、高強度スタチンに非劣性/JAMA

 冠動脈疾患(CAD)患者の治療において、LDLコレステロール(LDL-C)の目標値を50~70mg/dLとする目標達成に向けた治療(treat-to-target)は高強度スタチン療法に対し、3年の時点での死亡、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建術の複合に関して非劣性であり、これら4つの構成要素の個々の発生率には差がないことが、韓国・延世大学のSung-Jin Hong氏らが実施したLODESTAR試験で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2023年3月6日号に掲載された。韓国の無作為化非劣性試験 LODESTAR試験は、韓国の12施設が参加した医師主導の非盲検無作為化非劣性試験であり、2016年9月~2019年11月の期間に患者の登録が行われた(Samjin Pharmaceuticalなどの助成を受けた)。 CAD(安定虚血性心疾患または急性冠症候群[不安定狭心症、急性心筋梗塞])患者が、LDL-C値50~70mg/dLを目標とするtreat-to-target治療を受ける群、またはロスバスタチン20mgあるいはアトルバスタチン40mgによる高強度スタチン療法を受ける群に、無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、3年の時点での死亡、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建術の複合であり、非劣性マージンは3.0%とされた。treat-to-target戦略の適合性を支持する新たなエビデンス 4,400例(平均年齢65.1[SD 9.9]歳、女性27.9%)が登録され、2つの群に2,200例ずつが割り付けられた。4,341例(98.7%)が3年の追跡を完了した。ベースラインの平均LDL-C値は、treat-to-target群が86(SD 33)mg/dL、高強度スタチン群は87(SD 31)mg/dLであった。 高強度スタチン療法は、treat-to-target群では1年目に患者の53%、2年目に55%、3年目に56%が受けており、高強度スタチン群ではそれぞれ93%、91%、89%が受けていた。 試験期間中の平均LDL-C値は、treat-to-target群が69.1(SD 17.8)mg/dL、高強度スタチン群は68.4(SD 20.1)mg/dLであり、両群間に有意な差はなかった(p=0.21)。 3年時の主要エンドポイントの発生率は、treat-to-target群が8.1%(177例)、高強度スタチン群は8.7%(190例)で、絶対群間差は-0.6%(片側97.5%信頼区間[CI]:-∞~1.1)であり、treat-to-target群の高強度スタチン群に対する非劣性が示された。 死亡(treat-to-target群2.5% vs.高強度スタチン群2.5%、絶対群間差:<0.1%[95%CI:-0.9~0.9]、p=0.99)、心筋梗塞(1.6% vs.1.2%、0.4[-0.3~1.1]、p=0.23)、脳卒中(0.8% vs.1.3%、-0.5[-1.1~0.1]、p=0.13)、冠動脈血行再建術(5.2% vs.5.3%、-0.1[-1.4~1.2]、p=0.89)の発生率は、いずれも両群間に有意な差は認められなかった。 著者は、「これらの知見は、スタチン治療における薬物反応の個人差を考慮した個別化治療を可能にする、treat-to-target戦略の適合性を支持する新たなエビデンスをもたらすものである」としている。

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スタチン治療患者の将来リスク予測、CRP vs.LDL-C/Lancet

 スタチン療法を受ける患者において、高感度C反応性蛋白(CRP)で評価した炎症のほうがLDLコレステロール(LDL-C)値で評価したコレステロールよりも、将来の心血管イベントおよび死亡リスクの予測因子として強力であることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のPaul M. Ridker氏らが行った、3つの無作為化試験の統合解析の結果、示された。著者は、「示されたデータは、スタチン療法以外の補助療法の選択を暗示するものであり、アテローム性疾患のリスク軽減のために、積極的な脂質低下療法と炎症抑制治療の併用が必要である可能性を示唆するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2023年3月6日号掲載の報告。3つの国際無作為化試験データを統合解析 研究グループは、炎症と高脂質血症はアテローム性動脈硬化の原因となるが、スタチン療法を受けていると将来の心血管イベントリスクに対する両因子の相対的な寄与が変化する可能性があり、補助的な心血管治療の選択について影響を与えるとして今回の検討を行った。スタチン治療を受ける患者の主要有害心血管イベント、心血管死、全死因死亡のリスクの決定因子として、高感度CRPとLDL-Cの相対的な重要性を評価した。 アテローム性疾患を有する/高リスクでスタチン療法を受ける患者が参加する、3つの国際的な無作為化試験「PROMINENT試験」「REDUCE-IT試験」「STRENGTH試験」のデータを統合解析した。 ベースラインの高感度CRP(残留炎症リスクのバイオマーカー)の上昇と同LDL-C(残留コレステロールリスクのバイオマーカー)の上昇の四分位値を、将来の主要有害心血管イベント、心血管死、全死因死亡の予測因子として評価。年齢、性別、BMI、喫煙状況、血圧、心血管疾患の既往、無作為化された割り付け治療群で補正した分析で、高感度CRPとLDL-Cの四分位数にわたって、心血管イベントと死亡のハザード比(HR)を算出した。炎症は将来リスクを有意に予測、コレステロールの予測は中立もしくは弱い 統合解析には患者3万1,245例が包含された(PROMINENT試験9,988例、REDUCE-IT試験8,179例、STRENGTH試験1万3,078例)。 ベースラインの高感度CRPとLDL-Cについて観察された範囲、および各バイオマーカーとその後の心血管イベント発生率との関係は、3つの試験でほぼ同一であった。 残留炎症リスクは、主要有害心血管イベントの発生(高感度CRPの四分位最高位vs.最小位の補正後HR:1.31、95%信頼区間[CI]:1.20~1.43、p<0.0001)、心血管死(2.68、2.22~3.23、p<0.0001)、全死因死亡(2.42、2.12~2.77、p<0.0001)のいずれとも有意に関連していた。 対照的に、残留コレステロールリスクの関連は、主要有害心血管イベントについては中立的なものであったが(LDL-Cの四分位最高位vs.最小位の補正後HR:1.07、95%CI:0.98~1.17、p=0.11)、心血管死(1.27、1.07~1.50、p=0.0086)と全死因死亡(1.16、1.03~1.32、p=0.025)については弱かった。

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スタチン不耐患者、bempedoic acidがCVリスクに有効か/NEJM

 スタチンの服用が困難なスタチン不耐(statin-intolerant)患者において、ATPクエン酸リアーゼ阻害薬ベンペド酸(bempedoic acid)はプラセボと比較し、LDLコレステロール値を低下し、主要有害心血管イベント(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、冠動脈血行再建)のリスクを低下することが示された。一方でベンペド酸投与により、脳卒中、心血管死、全死因死亡のそれぞれのリスクは低減せず、また痛風や胆石症発生リスクはやや増大した。米国・クリーブランドクリニックのSteven E. Nissen氏らによる二重盲検無作為化プラセボ対照試験の結果で、NEJM誌オンライン版2023年3月4日号で発表された。ベンペド酸は、LDL値を低下し筋肉関連の有害事象の発生リスクは低いが、心血管アウトカムへの影響は明らかになっていなかった。“スタチン不耐”でCVD、または高リスクの患者を対象に試験 研究グループは、容認できない副作用のためにスタチン服用ができない、または困難な患者(スタチン不耐患者)で、心血管疾患が認められるか、または同リスクの高い患者1万3,970例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方(6,992例)にはベンペド酸180mgを、もう一方(6,978例)にはプラセボを、それぞれ経口投与した。 主要エンドポイントは、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、冠動脈血行再建の4つのうちのいずれかの発生と定義した主要有害心血管イベントだった。心筋梗塞、冠動脈血行再建の発生率、ベンペド酸で各2割程度減少 追跡期間中央値は40.6ヵ月。ベースラインのLDLコレステロール値は、両群共に139.0mg/dLであり、6ヵ月後の低下幅は、ベンペド酸群がプラセボ群より29.2mg/dL大きく、減少率の群間差は21.1ポイントだった。 主要エンドポイントの発生率は、ベンペド酸群(11.7%)がプラセボ群(13.3%)より有意に低かった(ハザード比[HR]:0.87、95%信頼区間[CI]:0.79~0.96、p=0.004)。 心血管死、非致死的脳卒中、非致死的心筋梗塞の複合発生率は、8.2% vs.9.5%(HR:0.85、95%CI:0.76~0.96、p=0.006)、また心筋梗塞(致死的・非致死的)の発生率は3.7% vs.4.8%(0.77、0.66~0.91、p=0.002)、冠動脈血行再建の発生率は6.2% vs.7.6%(0.81、0.72~0.92、p=0.001)で、ベンペド酸群がプラセボ群より有意に低かった。 一方でベンペド酸は、脳卒中(致死的・非致死的)、心血管死、全死因死亡への有意な影響はみられなかった。さらに、痛風(ベンペド酸群3.1% vs.プラセボ群2.1%)、胆石症(2.2% vs.1.2%)の発生率はベンペド酸群で高く、同様に血清クレアチニン値、尿酸値、肝酵素値もベンペド酸群でわずかだが上昇が認められた。

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冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン、11年ぶりに改訂/日本循環器学会

 『2023年改訂版 冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン』が第87回日本循環器学会年次集会の開催に合わせ発刊され、委員会セッション(ガイドライン部会)において、藤吉 朗氏(和歌山県立医科大学医学部衛生学講座 教授)が各章の改訂点や課題について発表した。冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドラインは全5章構成 冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドラインは日本高血圧学会、日本糖尿病学会、日本動脈硬化学会をはじめとする全11学会の協力のもと、これまでの『虚血性心疾患の一次予防ガイドライン(2012年改訂版)』を引き継ぐ形で作成された。今回の改訂では、一次予防の特徴を踏まえ「冠動脈疾患とその危険因子(高血圧、脂質、糖尿病など)の診療に関わるすべての医療者をはじめ、産業分野や地域保健の担当者も使用することを想定して作成された。また、2019年以降に策定された各参加学会のガイドライン内容も冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドラインと整合性のある形で盛り込み、「一般的知識の記述は最小限に、具体的な推奨事項をコンパクトに提供することを目指した」と藤吉氏は解説した。 冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドラインは全5章で構成され、とくに第2章の高血圧や脂質異常などに関する内容、第3章の高齢者、女性、CKD(慢性腎臓病)などを中心に改訂している。 冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン全5章のなかで変更点をピックアップしたものを以下に示す。冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン第2章の改訂点<高血圧>・『高血圧治療ガイドライン2019』(日本高血圧学会)に準拠。・血圧の診断については、SBP/DBP(拡張期/収縮期血圧)130~139/80~89mmHg群から循環器疾患リスクが上昇してくるため、その名称を従来の「正常高値血圧」から「高値血圧」とした。また、診察室血圧と家庭血圧の間に差がある場合、家庭血圧による診断を優先する。・降圧目標について、75歳以上の高齢者は原則140/90mmHg未満とするが、高齢者でも厳格降圧(130/80mmHg未満)の適応となる併存疾患を有しており、かつ厳格降圧の忍容性ありと判断されれば過降圧に注意しながら130/80mmHg未満を目指すことが記されている。・降圧薬の脳心血管病抑制効果の大部分は、薬剤の特異性よりも降圧の度合いによって規定されている。その点を前提に、降圧薬治療の進め方に関する図を掲載した(p.22 図4)。<脂質異常>・脂質異常は『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版』(日本動脈硬化学会)に準拠し、危険因子の包括的評価(p.26 図5)にて、治療方針を決定する(p.23 表8)。・治療すべき脂質の優先順位を明確化した(1:LDL-C、2:non-HDL-C、3:TG/HDL-C)。<糖尿病・肥満>・糖尿病の診断早期から適切な血糖管理・治療が重要で、その理由は、糖尿病診断前のHbA1cが上昇していない耐糖能異常の段階から冠動脈疾患(CAD)リスクが上昇するため。・2型糖尿病の血糖降下薬の特徴が表で明記されている(p.31 表13)。・糖尿病患者においてCADの一次予防を目的としてアスピリンなどの抗血小板薬をルーチンで使用することを推奨しない、とした。これは近年のエビデンスを踏まえた判断であり、以前のガイドラインとは若干異なっている。<運動・身体活動>・運動強度・量を説明するため、身体活動の単位である「METs(メッツ)」や、主観的運動強度の指標である「Borg指数」に関する図表(p.42 表16、図6)を掲載し、日常診療での具体的指標を示した。<喫煙・環境要因、CAD発症時対処に関する患者教育・市民啓発、高尿酸血症とCAD>・禁煙に関する新たなエビデンスを記載し、新型タバコについても触れている。・寒冷や暑熱などの急激な温度変化がCAD誘発リスクを高めること、大気汚染からの防御などに触れている。冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン第3章の改訂点・本章はポリファーマシー、フレイル、認知症、エンドオブライフに注目して作成されている。<高齢者>・75歳までは活発な高齢者が増加傾向である。また年齢で一括りにすると個人差が大きいため、個別評価の方法について冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドラインに記載した。<女性>・CADリスクの危険因子は男性と同じだが、女性の喫煙者は男性喫煙者に比してその相対リスクが高くなる傾向がある。また、脂質異常症と更年期障害を同時に有する女性に対しては、禁忌・慎重投与に該当しないことを確認したうえでホルモン補充療法を考慮する、とした。<慢性腎臓病(CKD)>・高中性脂肪(高TG)血症を有するCKDに対する注意喚起として、フィブラート系薬剤は、高度腎機能障害を伴う場合には、ペマフィブラート(肝臓代謝)は慎重投与、それ以外のフィブラート系は禁忌であることが記載された。 このほか、冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドラインで推奨した危険因子の包括的管理に関連し、第2章では包括的管理や予測モデルについて、また第4章にはリスク予測からみた潜在性動脈硬化指標に関する記載を加えた。第5章「市民・患者への情報提供」では市民への急性心筋梗塞発症時の対応や、心肺蘇生法・AEDなどについて触れている。 最後に同氏は「将来的には患者プロファイルを入力することで、必要な情報がすぐに算出・表示できるようなアプリを多忙な臨床医のために作成していけたら」と今後の展望を述べた。 冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドラインの全文は日本循環器学会のホームページでPDFとして公開している。詳細はそちらを参照いただきたい。

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