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抗精神病薬副作用の体重増加や代謝異常に有効なのは?

精神病患者の高脂血症、代謝異常などの共存症発症は、抗精神病薬に共通する副作用の体重増加が関連しているといわれる。中国湖南省にある中南大学湘雅第二医院メンタルヘルス部門のRen-Rong Wu氏らは、抗精神病薬による体重増加や代謝異常に対して、生活習慣への介入単独、+メトホルミン投与もしくはメトホルミン単独投与それぞれの有効性について、同院患者を対象に無作為化試験を実施。JAMA誌2008年1月9日号にて報告した。治療前より体重が10%以上増の統合失調症患者128例を対象試験は2004年10月~2006年12月にかけて、湘雅第二医院の統合失調症を有し、投薬治療前と体重が10%以上増加した成人患者128例を対象に行われた。対象者は無作為に4つの治療群(メトホルミン単独投与群、プラセボ単独投与群、生活習慣介入+メトホルミン投与群、生活習慣介入+プラセボ投与群)のいずれかに割り付けられ、12週間にわたり治療が行われた。メトホルミンの投与量は750mg/日。主要評価項目は、BMI指数、腹囲、インスリン濃度、インスリン抵抗性指数(HOMA-R)。生活習慣介入+メトホルミン、メト単独、生活単独の順で有効対象128例の初期統合失調症患者は全員、精神医学的に比較的安定した状態に改善した。生活習慣介入+メトホルミン投与群は、BMI指数平均1.8(95%信頼区間:1.3~2.3)、インスリン抵抗性指数平均3.6(同2.7~4.5)、腹囲平均2.0cm(同1.5~2.4cm)それぞれ減少した。メトホルミン単独投与群は、1.2(同0.9~1.5)、3.5(同CI、2.7~4.4)、1.3cm(同1.1~1.5cm)。生活習慣介入+プラセボ投与群は、0.5(同0.3~0.8)、1.0(同0.5~1.5)。しかしながらプラセボ単独投与群では平均、1.2(同0.9~1.5)、0.4(同0.1~0.7)、2.2cm(同1.7~2.8cm)ずつの増加がみられた。抗精神病薬による体重増加に対しては生活習慣介入、メトホルミン投与、もしくは両者の組み合わせのいずれもが有効であることが示され、なかでも最も有意に優れていたのは、生活習慣介入+メトホルミン投与であり、メトホルミン単独投与、生活習慣単独介入の順であったと研究者らはまとめている。(武藤まき:医療ライター)

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高リスク糖尿病患者に対する積極的降圧療法の有用性が示される:ADVANCE試験

心血管系高リスクあるいは既往を認める糖尿病患者では、血圧に関わりなくACE阻害薬+利尿薬を用いた降圧により血管系イベントが減少することが、 Lancet誌9月8日号に掲載されたADVANCE試験の結果より明らかになった。本研究は論文掲載に先立ち、欧州心臓病学会(ESC)において報告されている。高リスク糖尿病を対象、血圧は不問本試験の対象は55歳以上の2型糖尿病患者11,140例だが、心血管系イベント既往あるいは心血管系リスクを有する「心血管系高リスク」患者だった。心血管系リスクとされたのは「細小血管症」、「糖尿病性眼症」、「喫煙」、「脂質異常症」、「微量アルブミン尿」、「糖尿病歴10年以上」か「65歳以上」 ──である。試験参加に関し、血圧値は問われなかった。これら11,140例はACE阻害薬ペリンドプリルと利尿薬インダパミドの合剤を服用する「降圧薬群」(5,569例)と「プラセボ群」(5,571群)に無作為割り付けされ、二重盲検法で追跡された。試験開始時の背景因子は、平均年齢66歳、2型糖尿病発症平均年齢が58歳、32%に心血管系イベント既往を認めた。また降圧治療を受けていたのは69%、血圧平均値は145/81mmHgだった。1次評価項目は9%有意に減少4.3年間の平均追跡期間の血圧平均値は、「降圧薬群」で5.6/2.2mmHg有意に低かった。特に収縮期血圧は「降圧薬群」では試験開始6ヵ月後以降135mmHg前後が保たれていたのに対し、プラセボ群では常に140mmHg前後だった。その結果、1次評価項目である「大血管症(心血管系イベント)+細小血管症」の発生率は「プラセボ群」16.8%に対し「降圧薬群」では15.5%で、相対的に9%の有意な減少となった(95%信頼区間:0-17%、p=0.041)。年齢、試験開始時高血圧の有無や血管症既往の有無などで分けて検討しても、「降圧薬群」で1次評価項目が増加傾向を示すサブグループはなかった。また1次評価項目を大血管症と細小血管症に分けて比較すると「降圧薬群」における減少は有意差ではなくなるが、「主要冠動脈イベント」と「その他の冠動脈イベント(血行再建術施行や無症候性心筋虚血、不安定狭心症による入院)」を併せた「全冠動脈イベント」のリスクは相対的に14%、「降圧薬群」で有意に低下していた。同様に、「微量アルブミン尿出現」も「降圧薬群」において相対的に21%、有意にリスクが低下していた。これらより報告者らは、「ペリンドプリルとインダパミド合剤は、血圧の高低にかかわらず2型糖尿病患者の大血管症+細小血管症を減少させるだろう」と結論している。なお同号に掲載された「論評」ではUniversity of Texas(米国)のNorman M. Kaplan氏が、プラセボ群の83%が何らかの降圧薬(55%はペリンドプリル)を服用していたにもかかわらず5.6/2.2mmHgの血圧差があった点など、いくつか考慮すべきポイントを指摘している。(宇津貴史:医学レポーター)

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torcetrapib、混合型高脂血症の頸動脈肥厚抑制でも有用性示せず

昨年12月に開発が中止されたHDL増加剤torcetrapibは、混合型高脂血症患者の頸動脈壁肥厚抑制においてもスタチンに追加する有用性が認められなかった。オランダ・University Medical Center UtrechtのMichiel L Bots氏らがLancet誌7月14日号においてRADIANCE 2試験の結果として報告した。 CETP阻害薬torcetrapibの抗動脈硬化作用を否定する臨床試験はILLUSTRATE、RADIANCE 1に次いで本報告で3つ目となる。 2年間弱の頸動脈壁肥厚抑制作用はプラセボと同等本試験の対象患者は、トリグリセライド(TG)が150mg/dL以上、LDLコレステロール(LDL-C)値が米国脂質ガイドライン(NCEP ATP III)において薬物治療対象となる18~70歳の男女。4週間の脂質低下薬中止導入期間後、全例がアトルバスタチンを服用し、原則としてLDL-CがATP III目標値を達成するまで増量した。この導入期間を完遂できた752例をアトルバスタチン服用のまま、torcetrapib群(377例)とプラセボ群(375例)に無作為化した。平均22ヵ月の追跡期間後、1次評価項目である「頸動脈壁内膜・中膜最大厚」はtorcetrapib群で「0.025mm/年」増加しており、プラセボ群の「0.030mm/年」と有意差はなかった(p=0.46)。HDL-Cが著明増加、血圧は軽度上昇試験が早期終了したため平均追跡期間は22ヵ月となったが、24ヵ月追跡できた681例で検討すると、torcetrapib群のHDLコレステロール(HDL-C)値は47.6mg/dLから77.4mg/dLに増加し、プラセボ群(46.8mg/dL)よりも有意に高値となっていた。またLDL-Cの変化率もプラセボ群が4.4%増加したのに対しtorcetrapib群では13.3%低下していた(群間差:p<0.0001)。一方、血圧はこれまでに報告されているILLUSTRATEやRADIANCE 1と同様、torcetrapib群で有意に上昇していた(127.9/77.1mmHg、プラセボ群:121.2/75.4mmHg、p<0.0001)。研究者らはこの血圧の差が、torcetrapibによる脂質代謝改善がもたらす頸動脈肥厚抑制を相殺した可能性を指摘している。他社が現在開発中とされる2つのCETP阻害薬には昇圧作用がないと言われており、それらを用いた臨床試験の結果が待たれる。(宇津貴史:医学レポーター)

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メディケア・パートDの処方薬リストから広適用薬を探し出せ

65歳以上の高齢者を対象とした米国の医療保険メディケアは2006年1月から、それまで保険給付外だった外来患者の処方薬を給付対象とした。これはメディケア・パートDと呼ばれ、メディケア発足以来の大改革と言われているが、薬代を給付する民間保険会社と契約している患者ごとに処方薬リストが異なるため、少なからず混乱を招いている。 ハワイ大学医学部のチェン・ウエン・ツェン氏らは、カリフォルニア州とハワイ州をサンプルに、各保険会社の処方薬リストがどのような薬をカバーしているのかを調査した。その結果、各リスト間には多くの相違があり、開業医が処方薬を把握するのは容易でないことが明らかになった。JAMA誌2007年6月20日号に掲載。115処方薬リストから8療法の広適用薬を調査メディケア受給者が全米で最も多いカリフォルニア州(72の処方薬リストがある)と、受給者数が少ないハワイ州(43リスト)の2州で、処方頻度の高い治療薬それぞれにおいて、大多数のパートDで適用される広適用薬が少なくとも1つあり、それを医師が確認できるかどうかを調べた。両州のパートD処方薬リストの適用範囲を調べるため、2006年3月1日から4月15日にかけてメディケアのウェブサイトで、高血圧、高脂血症、うつ病治療で使われる8療法(〔1〕ACE阻害薬、〔2〕ARB、〔3〕β遮断薬、〔4〕カルシウムチャネル遮断薬、〔5〕ループ利尿薬、〔6〕SSRI、〔7〕スタチン、〔8〕チアジド利尿薬)を調査(保険の事前承認なし、患者負担≦$35、リスト収載率≧90%)。主要評価項目は、広適用薬を少なくとも1つ持つとした。ジェネリック73%、ブランド薬6%が広適用薬カリフォルニア州では、確認できた薬が75例で、それぞれの適用範囲は7%から100%まで幅があった。しかしこうした変動幅はあったが、8療法のうちARBを除く7療法には、少なくとも1つの広適用薬が含まれていた。そして34例の広適用薬(45%)のうち、2例以外はジェネリック医薬品だった。リスト収載率を≧95%、患者負担≦$15に制限しても、8療法中7つには最低1つの広適用薬が含まれていた。また全体として、73%のジェネリック薬と6%のブランド薬は広適用薬と言えた。この所見はハワイにおいても同様で、処方薬リストはかなり異なっていたが、ARBを使った療法以外は少ない患者負担分で1つ以上の広適用薬があった。ツェン氏らはこの結果を受け、「医師にとって容易ではないが、ジェネリック薬品のすべてが広適用薬ではないこと、また、ブランド薬の多くは広適用薬ではないことを認識し、処方を書く前にどの薬が広適用薬であり、どこまでが適用範囲かを確認する必要があるようだ」と述べている。(朝田哲明:医療ライター)

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