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<先週の動き>1.感染症法改正、病床確保拒否する病院に罰則を/内閣府2.オミクロン株対応の新ワクチン、今月中に接種開始へ/厚労省3.病院のかかりつけ医機能は中小病院が中心に/日本病院会4.日本ようやく「結核低まん延国」に/厚労省5.世界初の高血圧の治療アプリが保険適用に/厚労省6.介護保険の給付が10兆円越え、高齢化で過去最高に/厚労省1.感染症法改正、病床確保拒否する病院に罰則を/内閣府岸田内閣は、9月2日に新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの取組を踏まえた、次の感染症危機に備えるための具体策をまとめた。この中で、感染症法の改正を行い、感染症発生・まん延時に備えて、都道府県に対してあらかじめ、各医療機関と具体的な役割・対応について協定を締結しておくことを求める。さらに、公立・公的医療機関などや特定機能病院・地域医療支援病院に対しては、感染症発生時に担うべき医療の提供を義務付け、応じない場合は罰則を盛り込む方針を明らかにした。また、次の感染症危機に対して、政府の司令塔機能の強化するため、司令塔機能を担う組織として「内閣感染症危機管理統括庁(仮称)」を設置を盛り込んだ法案をこの秋の臨時国会に改正案を提出し、次年度の設立を目指す。(参考)第97回 新型コロナウイルス感染症対策本部(首相官邸)政府が新たな感染症対策 医療機関に罰則、23年度中に司令塔組織(毎日新聞)政府、病床確保拒否に罰則 5年度に司令塔組織創設(産経新聞)大病院の病床確保へ法改正 実効性に課題(日経新聞)2.オミクロン株対応の新ワクチン、今月中に接種開始へ/厚労省厚生労働省は9月2日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の議論で、オミクロン株対応ワクチン接種については、接種時期や接種対象者についての方針を取りまとめた。政府はすでにオミクロン株対応ワクチンの輸入を一部前倒しして開始しており、薬事承認を経て、9月中旬開催予定の分科会において、オミクロン株対応ワクチンの接種を特例臨時接種として諮問し、オミクロン株対応ワクチン接種を開始するとしている。各自治体に対しては、接種の準備を行い、開始時期は令和4年10月半ばを目途としているが、準備ができ次第開始する。また、現在、高齢者、重症化リスクの高い人や医療従事者など4回目接種の対象者に対して行なっている従来のワクチン接種について、2価のオミクロン株対応ワクチン(BA.1対応型)へ切り替えも早期に行うこととした。(参考)第36回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(厚労省)オミクロン株に対応した新型コロナワクチンの接種体制確保について(その3)(事務連絡)新ワクチン、今月半ばにも オミクロン対応、高齢者などから(東京新聞)オミクロン株対応ワクチン、今月半ばに配送開始…高齢者ら優先で接種(読売新聞)改良ワクチン3,000万回分 オミクロン型対応 19日ごろから配送(日経新聞)3.病院のかかりつけ医機能は中小病院が中心に/日本病院会日本病院会の相澤孝夫会長は、8月29日の記者会見で「かかりつけ医機能」について、「医師個人の機能ではなく、医療機関としての機能であるとして、かかりつけ医機能を推進する病院として『地域を支えていく中小規模病院』の機能を充実・強化が必要である」と見解を述べた。具体的な機能としたのは、地域の医療機関などとの連携や在宅医療支援、介護などとの連携について示した。日本病院会では、病院のかかりつけ医機能の在り方にさらに議論を進め、厚生労働省の「第8次医療計画等に関する検討会」に見解を示す見込み。(参考)病院のかかりつけ医機能、「中小規模病院」を中心に 日病が方向性(MEDIFAX)「かかりつけ医機能」、急病対応や総合診療などが最重要要素で、中小病院で充実していくべき-日病・相澤会長(Gem Med)4.日本ようやく「結核低まん延国」に/厚労省厚生労働省は、8月30日に2021年の結核登録者情報調査年報集計結果を公表した。これによると、わが国の2021年の結核罹患率(人口10万対)について、前年と比較して0.9減少し、人口10万人あたりの活動性結核患者の発生数が10人未満の結核の低まん延国となったことが明らかとなった。わが国は過去に結核が蔓延した影響があり、結核患者の高齢化はますます進行し、新登録結核患者のうち70歳以上が占める割合は63.5%と高く、引き続き対策が求められる。(参考)2021年 結核登録者情報調査年報集計結果について(厚労省)2021(令和3)年結核年報速報(疫学情報センター)日本、結核「低まん延国」に…人口10万人あたりの患者数が初めて10人を下回る(読売新聞)国内結核患者 過去最少「結核低まん延国」に コロナ対策影響か(NHK)5.世界初の高血圧の治療アプリが保険適用に/厚労省CureApp社は、禁煙補助に続いて、世界初の高血圧治療補助アプリ「CureAppHT」を9月1日に「成人の本態性高血圧症の治療補助」で保険適用されたことを受け、即日発売した。高血圧患者の行動変容を促し、生活習慣の改善による降圧効果を図るとする医療機器として認められた。6ヵ月を限度に毎月830点(初月のみ計970点)を算定するためには200床未満の医療機関では、地域包括診療料、地域包括診療加算、高血圧症を主病とする生活習慣病管理料のいずれかの算定実績が要件とされている。一方、200床以上の医療機関では、日本高血圧学会の定める「高血圧認定研修施設」であり、かつ22年度診療報酬改定で新設された「紹介受診重点医療機関」であることが要件とされた。(参考)CureAppが高血圧の治療用アプリを承認申請、薬なしで12週後の降圧効果を確認(日経クロステック)CureApp 高血圧治療補助アプリが保険適用、即日発売 生活習慣修正をトータルサポート(ミクスオンライン)中医協総会 CureAppの高血圧治療補助アプリは「新規技術料」で評価 使用実態のフォローアップを(同)6.介護保険の給付が10兆円越え、高齢化で過去最高に/厚労省厚生労働省は、令和2年度の介護保険事業状況報告の年報を8月31日に公表した。これによると、令和2年度の保険給付関係の累計の総数は、件数1億6,303万件、費用総額10兆7,247億円と過去最高となったことが明らかになった。給付費の内訳は、居宅介護(介護予防)サービス4兆7,872億円、地域密着型介護(介護予防)サービス1兆6,459億円、施設介護サービス3兆1,629億円となっており、要介護・要支援認定者数は、令和2年度末現在で682万人と前年度より13万人増加している。介護保険の給付費は過去20年間で3倍以上の増加となっており、今後はさらに団塊の世代が75歳以上となることで、介護費の増加は加速するとみられる。(参考)令和2年度 介護保険事業状況報告(厚労省)介護給付、初めて10兆円超え 20年度、高齢化で過去最高(共同通信)介護給付費、初の10兆円超え 20年度 20年間で3倍超、厚労省(CB news)要介護・要支援認定は過去最多の682万人 厚労省が20年度の年報公表、前年度比13万人増(同)