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喘息の発症時期、早いほうがより重症?

 小児発症喘息と成人発症喘息を比較した場合、小児発症喘息のほうが成人期の肺機能への影響が大きいことが、オーストラリア・メルボルン大学のTan DJ氏らにより報告された。Thorax誌オンライン版2016年6月14日号掲載の報告。 これまでに、小児発症喘息と成人発症喘息の違いは、前向き研究のデータを用いて包括的に評価されたことはなかった。本研究では、タスマニア縦断研究(TAHS)のデータを用いて小児発症喘息と成人発症喘息の特徴の違いが検討された。1968年、対象者が7歳のときに一度目の呼吸器系の病歴調査およびスパイロメトリーが行われた(n=8583)。その後、2002年から2005年までに行われた対象者の追跡・再調査において、喘息と気管支炎を進展した成人患者1,389例を研究対象者とした。 主な結果は以下のとおり。・全TAHSコホートのうち、7.7%(95%信頼区間[CI]:6.6~9.0%)が小児発症喘息、7.8%(95%CI:6.4~9.4%)が成人発症喘息であった。・アトピーや家族歴のある患者は小児発症喘息でより多くみられ、成人発症喘息では女性・喫煙者・社会経済状況の低い患者が多くみられた。・一秒率の低下は小児発症患者のほうがより大きかった(気管支拡張薬使用前の小児発症・成人発症患者の低下率の差:-2.8%[95% CI:-5.3~-0.3]、気管支拡張薬使用後の差:-2.6%、[95%CI:-5.0~-0.1])。・喘息の重症度および喘息スコアには、発症年齢による有意差がみられなかった。・喘息と喫煙の間には交互作用がみられ、成人発症喘息患者の不可逆性気流閉塞の程度が喫煙と関連していることが示された。しかし、小児発症喘息患者ではこの交互作用はみられなかった。

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上海の小児の8.5%がアトピー性皮膚炎、そのリスク因子とは

 中国・上海の3~6歳児のうち、8.5%がアトピー性皮膚炎(AD)を有しており、そのリスク因子として、家の改築/改装、新調した家具や室内のカビ、都心の住宅、遺伝的素因、食物アレルギーが考えられることを、復旦大学のFeng Xu氏らが報告した。アンケート断面調査の結果であるという。上海の就学前小児においてADの頻度が高いことは知られていたが、研究グループは今回、発症のリスク因子を特定することを目的に本調査を行った。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2016年5月27日号の掲載の報告。 断面調査は2010年4~6月に上海にて行われ、AD児のリスク因子を、住居環境、人口統計学および両親・祖父母のAD歴の観点から調査した。ADの診断は、U.K. Working Party's(UKWP)基準に則った。 6地区(都市2、郊外/地方都市4)で、就学前の小児の両親または保護者にアンケート協力を求め、最終的に、小児6,624例(男児51.3%)のデータを収集。多重ロジスティック回帰法にて、補正後オッズ比(AOR)と95%信頼区間(CI)値を求め分析した。 主な結果は以下のとおり。・ADを有していた小児は、8.5%であった。・約10.2%の母親が、新しく改築/改装した家(NRDH)に、胎生期(妊娠中または妊娠前1年)に住んでいた。また9.5%が同じく胎生期に家具を新調(NHF)していた。・小児にADが多かったのは、母親が胎生期にNRDHに住んでいる(AOR:1.41、95%CI:1.03~1.93)、現在住居に室内カビがある(2.00、1.48~2.70)、両親祖父母がAD(3.85、3.05~4.87)、小児自身に食物アレルギーがある(3.40、2.63~4.40)、小児が都市に住んでいる(1.52、1.18~1.96)であった。・ADとNRDH、NHFおよび室内のカビとの関連は、両親祖父母にAD歴がない場合のみ、有意であった。・両親祖父母のAD歴とNRDHには、交互作用効果が認められた(p<0.05)。

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喘息様症状、COPD増悪に影響せず

 喘息様症状を有するCOPD患者は、適切な治療の下では良好な臨床経過をたどることが、北海道大学医学部の鈴木 雅氏により報告された。American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine誌オンライン版2016年5月25日号掲載の報告。 COPD患者の中には、喘息の臨床的診断こそつかないものの、喘息様症状を有する患者が存在する。しかし、こうした喘息様症状とCOPDが重複する病態の臨床的意義は明確ではない。本研究では、北海道COPDコホート研究による10年間の追跡結果を用いて、適切な治療を行った場合に喘息様症状がCOPD患者の臨床経過にどのような影響をもたらすのかを評価した。 対象者は、呼吸器専門医によって喘息ではないと診断されたCOPD患者268例であった。喘息様症状には、気管支拡張薬による可逆性(ΔFEV1≧12% かつ ≧200mL)、血中好酸球の増多(≧300/μL)、アトピー(抗原吸入に対するIgE陽性反応)を含めた。初めの5年間は毎年、気管支拡張薬吸入後のFEV1変化率およびCOPDの増悪を観察し、死亡率は10年間を通して追跡した。 主な結果は以下のとおり。・全対象者のうち、57例(21%)が気管支拡張薬による可逆性、52例(19%)が血中好酸球の増多、67例(25%)がアトピーを持っていた。・気管支拡張薬吸入後のFEV1年間低下速度は、血中好酸球の増多がみられた患者で有意に遅かった。気管支拡張薬による可逆性とアトピーは影響しなかった。・いずれの喘息様症状も、COPD増悪との関連はみられなかった。喘息様症状が複数ある場合でも、気管支拡張薬吸入後のFEV1低下とCOPD増悪率は喘息様症状が1つ以下の患者と同様であったが、10年死亡率は喘息様症状が1つ以下の患者と比べて有意に低かった。■「COPD増悪」関連記事COPD増悪抑制、3剤併用と2剤併用を比較/Lancet(ケアネット 細川 千鶴)【訂正のお知らせ】本文内の表記に誤りがあったため、一部訂正いたしました(2016年6月15日)。

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アトピー性皮膚炎にはやはりステロイド外用薬か

 アトピー性皮膚炎の治療において、カルシニューリン阻害外用薬はステロイド外用薬の代替となり得るが、コストが高く、皮膚熱感およびそう痒感などの有害事象が多い。オーストラリア・Royal North Shore HospitalのJoris A. Broeders氏らが、システマティックレビューとメタ解析を行い明らかにした。著者は、「アトピー性皮膚炎には、ステロイド外用薬が推奨されることをエビデンスレベル-1aで支持する結果である」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年5月11日号の掲載報告。 研究グループは、アトピー性皮膚炎の治療におけるカルシニューリン阻害外用薬とステロイド外用薬の有効性および有害事象を比較する目的で、4つのデータベース(MEDLINE 、EMBASE、Cochrane Library、Web of KnowledgSe Conference Proceedings Citation Indexe-Science)を用い、小児および成人患者において両薬剤を比較した無作為化試験を検索した。 方法論的な質は、バイアス・リスクの評価により行い、臨床転帰とコストを比較した。 主な結果は以下のとおり。・無作為比較試験12件(カルシニューリン阻害外用薬3,492例 vs.ステロイド外用薬3,462例)が組み込まれた。・カルシニューリン阻害外用薬とステロイド外用薬の有効性は、同等であった。  改善率:81% vs.71%、リスク比(RR):1.18(95%信頼区間[CI]:1.04~1.34)、p=0.01。  治療成功率:72% vs.68%、RR:1.15(95%CI:1.00~1.31)、p=0.04。・カルシニューリン阻害外用薬はステロイド外用薬より有害事象が多かった。  有害事象発現率:74% vs.64%、RR:1.28(95%CI:1.05~1.58)、p=0.02。  皮膚熱感:30% vs.9%、RR:3.27(95%CI:2.48~4.31)、p<0.00001。  そう痒感:12% vs.8%、RR:1.49(95%CI:1.24~1.79)、p<0.00001。 ただし、萎縮、皮膚感染、重篤または投与中止を要する有害事象の発現に差はなかった。・コストについて報告した試験は少数であったが、カルシニューリン阻害外用薬はコストが高いことが示唆された。

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春生まれはアレルギーが多い【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第68回

春生まれはアレルギーが多い >FREEIMAGESより使用 「おひつじ座はアレルギーが多いので注意!」なんて星占いを見たら、何言ってんだよ、と思ってしまいますが、実はそれに似た医学論文が存在します。 Cervellin G, et al. Spring season birth is associated with higher emergency department admission for acute allergic reactions. Eur J Intern Med. 2016;28:97-101. 新たな生命が誕生する季節が、もし春だとしたら、その子供はいったいどういったアレルギープロファイルを有して成長するのか。そんな疑問を持った研究グループが出した1つの仮説がここにあります。紹介するのは、急性のアレルギー反応(蕁麻疹、血管浮腫、アナフィラキシーなど)を呈してイタリアの病院の救急部を受診した成人患者を連続登録し、解析した研究です。登録されたのは、588人の患者さん。男女比はおおよそ半々で、平均年齢は43±18歳、最年少が16歳、最高齢が96歳でした。そして、患者さんの誕生日を調べました。最も多かったのは春生まれ! そして最も少なかったのは秋生まれ! 春生まれの患者さんはどのくらいアレルギーのリスクが高いのかというと、秋生まれの患者さんと比べて、1.19倍! …うーん、微妙な結果でしょうか。そして、帰宅させられないほどの重度のアレルギー症状を呈して入院になるリスクは、秋生まれの患者さんと比べて1.86倍リスクが高いという結果でした。この結果を受けて、春生まれの人は、救急部を受診するほどのアレルギー反応を来すリスクがやや高いと結論付けられています。とはいえ、たとえば食物アレルギーは秋生まれに多いという報告もあり1)-3)、一概に生まれた季節によってアレルギーの頻度を断言するのは厳しいと思います。なにせ、赤ちゃんはいろいろな抗原に曝露されるわけですから。アレルギーの患者さんが多い外来の日にでも、患者さんの誕生月をチラリと見てみてはいかがでしょうか。参考文献1)Vassallo MF, et al. Ann Allergy Asthma Immunol. 2010;104:307-313.2)Keet CA, et al. Allergy. 2012 ;67:775-782.3)Kusunoki T, et al. Pediatr Int. 2013;55:7-10.インデックスページへ戻る

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新生児期の皮膚バリア機能が食物アレルギー発症予測の指標に?

 食物アレルゲンへの経皮曝露が、食物感作/食物アレルギーを引き起こす可能性がある。アイルランド・コーク大学のMaeve M. Kelleher氏らは、経表皮水分蒸散量(TEWL)を指標とした皮膚バリア機能と食物アレルギーとの関連を調べる出生コホート研究を行い、新生児期の皮膚バリア機能障害が、アトピー性皮膚炎の有無にかかわらず2歳時の食物アレルギー発症を予測することを明らかにした。この結果は経皮感作の概念を支持するもので、TEWLを用いることにより、アレルギーマーチを変化させる介入研究においてアトピー性皮膚炎または食物アレルギーを発症する前の新生児を、生後数日で層別化できる可能性があるという。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌2016年4月号(オンライン版2016年2月26日号)の掲載報告。 研究グループは、Babies After Scope:Evaluating the Longitudinal Impact Using Neurological and Nutritional Endpoints(BASELINE)出生コホートの1,903例を対象に、新生児期早期、生後2ヵ月および6ヵ月時にTEWLを測定するとともに、2歳時に皮膚プリックテストならびに経口食物負荷試験により食物感作/食物アレルギーのスクリーニングを行った。 主な結果は以下のとおり。・1,903例中、2歳時まで追跡されたのは1,355例で、このうち1,260例がスクリーニングを受けた。・食物感作は6.27%に認められた(79/1,260例、95%信頼区間[CI]:4.93~7.61%)。・食物アレルギーの有病率は4.45%(56/1,258例、95%CI:3.38~5.74%)。卵アレルギーが最も多く(2.94%)、次いでピーナッツ(1.75%)、牛乳(0.74%)の順であった。・生後2日時のTEWLが四分位最高位(>9g water/m2/時)群は、2歳時における食物アレルギーの有意な予測因子であった(オッズ比[OR]:4.1、95%CI:1.5~4.8)。・2歳時に食物アレルギーを認めた児の75%は、生後2日時のTEWLが四分位最高位群であった。・アトピー性皮膚炎を発症していない児においても、生後2日時のTEWLが四分位最高位群は同最低位群に比べ、2歳時に食物アレルギーを発症するリスクが3.5倍高かった(95%CI:1.3~11.1、p=0.04)。

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妊娠中の飲酒が子供のアトピー性湿疹のリスク?

 妊娠中の飲酒が子供のアトピー性湿疹の発症に影響を与える可能性があることを、岐阜大学の和田 恵子氏らが報告した。Alcoholism, clinical and experimental research誌オンライン版2016年4月8日号に掲載。 これまでにアルコール摂取による免疫系への影響が示唆されているが、アレルギー性疾患の発症に関わるかどうかは不明である。著者らは、妊娠中のアルコール総摂取量と国内出生コホートにおける小児喘息およびアトピー性湿疹リスクとの関連を検討した。 2000年5月~2001年10月に産婦人科クリニックで妊娠中の女性を組み入れ、これらの母親から生まれた子供(合計350人)を2007年11月までフォローアップした。アルコール総摂取量(料理で使用するアルコールを含む)は、5日間食事記録を用いて評価した。子供の喘息とアトピー性湿疹(医師による診断)は、毎年実施するアンケート調査で母親が申告し、さらに2007年にATS-DLD (American Thoracic Society Division of Lung Disease)質問紙法で喘息を、ISAAC(Intemational Study of Asthma and Allergies in Childhood)質問紙法でアトピー性湿疹を評価した。 主な結果は以下のとおり。・妊娠中のアルコール総摂取量は、3歳以前のアトピー性湿疹のリスク増加と関連していた。5歳以前のアトピー性湿疹でみた場合も同様の相関が認められた。・アルコール総摂取量の最低三分位に対する最高三分位におけるアトピー性湿疹の推定ハザード比(HR)は、3歳以前で1.90(95%CI:0.96~3.76)、5歳以前の場合で1.74(95%CI:0.93~3.24)であった。・3歳以前の小児喘息については、アルコール総摂取量が少なかった妊婦の子供に対する、摂取量の多かった妊婦の子供における推定HRは1.61(95%CI:0.70~3.69)であった。また、妊娠中に飲酒しなかった母親に対する、飲酒した母親の子供での推定HRは2.11(95%CI :0.93~4.81)であった。妊娠中のアルコール摂取量と5歳以前の小児喘息リスクとの関連は有意ではなかった。

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慢性特発性蕁麻疹へのオマリズマブ、最も有効な用法・用量は?

 著者は「本メタ解析の結果は、慢性特発性蕁麻疹に対するオマリズマブ4週間に1回300mg投与の有効性および安全性に関して質の高いエビデンスとなり得る」とまとめている。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌オンライン版2016年3月31日号の掲載報告。 研究グループは、PubMed、MEDLINE、EmbaseおよびWeb of Scienceでデータを検索するとともに、オマリズマブ製造会社の協力を得て、慢性特発性蕁麻疹に対するオマリズマブの有効性および安全性をプラセボと比較した無作為化二重盲検比較試験を特定し、メタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・解析に組み込まれた無作為化二重盲検プラセボ対照試験は、7試験(合計1,312例)であった。・オマリズマブ群(75~600mgを4週間に1回投与)では、週単位で評価したかゆみや膨疹のスコアが、プラセボ群より有意に低下した。・オマリズマブの有効性は用量依存的で、週単位で評価したかゆみや膨疹のスコアが最も大きく低下したのは300mg投与であった。・完全寛解率は、オマリズマブ群がプラセボ群より有意に高く、300mg投与群で最も高かった。・有害事象の発現率は、オマリズマブ群とプラセボ群で同程度であった。

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アトピー性皮膚炎の免疫および炎症性因子発現のリスク因子とは?

 アトピー性皮膚炎(AD)のリスク因子と、免疫炎症性因子(免疫グロブリンE(IgE)およびインターロイキン(IL)-4、IL-18)の中国におけるAD有病率の関係を明らかにすることを目的とした出生コホート研究が中国で行われた。Molecular and Cellular Probes誌オンライン版2016年3月31日号の掲載報告。 幼児ADのリスク因子を評価するため、合計921組の母親-新生児ペアを2009~11年の間に実施したアンケート調査から登録した。静脈血は母親から出産入院中に、臍帯血は出産時に採取した。幼児AD-母親のペア35組をAD患者群、ランダムに選択した非ADペア35組をコントロール群とした。酵素免疫測定法(ELISA)でIgE、IL-4、およびIL-18値を検出し、AD有病率との関係を検討した。アレルギーのリスク因子は、IgE 陽性例で評価された。 主な結果は以下のとおり。・家族収入、親のアトピー既往歴、初潮年齢、妊娠前の住宅リフォーム、妊娠中のウイルス感染、妊娠中のカルシウム補給が幼児ADの発症率を決定する要因となる可能性がある。・コントロール群と比較して、AD患者群で母体血清と臍帯血のIgEとIL-4値がより高いレベルを示した(p<0.01)。・AD症例において、IL-8は母体血清中でのみ増加した(p<0.01)。・イエダニのアレルゲン、ヨモギ花粉、真菌胞子は、IgE陽性AD発生のリスク因子であった。

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鼻毛を抜くと鼻の通りが良くなる【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第65回

鼻毛を抜くと鼻の通りが良くなる >FREEIMAGESより使用 探せば見つかる鼻毛論文。知っておきたい鼻毛論文。見逃せない鼻毛論文。「はなげ」ではありません。「びもう」です。 さてご紹介するのは、鼻毛と鼻閉の関係を報告した医学論文です。 Stoddard DG, et al. The effect of vibrissae on subjective and objective measures of nasal obstruction. Am J Rhinol Allergy. 2015;29:373-377. 鼻閉というのは、耳鼻咽喉科領域ではコモンな症状の1つであり、とくに花粉症の時期にはたくさんの患者さんがやってきます。しかし、鼻毛の濃さと鼻閉について真剣に論じた医学論文はこれまでにありませんでした。そりゃあ…ねえ。この研究は、鼻毛が鼻閉にどのような影響を与えるのかを調べたものです。うん、たぶん鼻毛が濃い方が鼻閉になりやすいんだろうな、そしてタイトルにあるように鼻毛を抜くと鼻の通りが良くなるんだろうな、と予想しているそこのアナタ! ちゃんと最後まで読むこと!この前向き研究では、鼻症状のない30人の健康な被験者が登録されました。そして、ベースラインの鼻毛の密度を調べました。剃毛前後で主観的および客観的な鼻の通りが良くなるかどうかを調べました。結果、鼻毛を剃毛することで、主観的な鼻腔通気特異的症状スコアおよび客観的鼻腔通気測定は、統計学的に有意に改善しました。すごい! そして、ベースラインの鼻毛が中等量~多量にあると、その改善は主観的にも客観的にも大きかったという結果でした。濃い人ほど剃毛の意義があるということですね。つまり、「濃い鼻毛の人は鼻毛を抜くと鼻の通りが良くなる」ということです。今回は鼻閉がない健常な人を対象に介入を行ったわけですが、鼻閉がある患者さんでも鼻毛の密度を減らすことで、鼻閉症状がちょっとはマシになるかもしれないと示唆されています。鼻毛が濃くて鼻閉に悩んでいるそこのアナタ! 今すぐ鼻毛カッターの購入を!インデックスページへ戻る

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中国の若者におけるアトピー性皮膚炎の特徴

 北京大学人民医院のPing Liu氏らは、中国青少年/成人の慢性対称性湿疹/アトピー性皮膚炎(AD)の臨床的特徴を調べ、中国版青少年/成人AD診断基準を作成する検討を行った。小児ADの臨床的特徴については広く研究されているが、青少年/成人ADについては大規模な検討がなかったという。42施設から2,662例のデータが集まり分析を行った結果、患者の77.5%が発症は12歳以降と遅発性で、ADの発現形態は不均一であったことなどを報告した。Chinese Medical Journal誌2016年4月5日号の掲載報告。 検討は、病院ベースで行われ、42の皮膚科センターが参加。慢性対称性湿疹またはADを有する成人および青少年(12歳以上)患者を包含した。2013年9月~14年9月に、記入式調査票を用いて患者および研究者両者に対する調査を行った。 有効回答データを、EpiData 3.1、SPSS 17.0ソフトウェアを用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。・2,662例の有効回答が得られた(男性1,369例、女性1,293例)。平均年齢40.6±18.9歳(範囲:12.1~93.0歳)で88.0%が18歳以上、84.1%が都市部住民であった。・2,662例のうち、2,062例(77.5%)が12歳以降の発症であった。12歳以前の発症は600例(22.5%)のみで、湿疹/ADが一般に遅発性であることが判明した。・2,139例(80.4%)は、6ヵ月以上の間、症状を有していた。・1,144例(43.0%)は、アトピー性疾患の個人歴または家族歴があった。・1,548例(58.2%)で、総血清IgE値上昇、好酸球増加症、アレルゲン特異的IgE陽性が認められた。・これらの結果をベースに、マスト事項「6ヵ月以上の対称性湿疹(皮膚炎)」+「ADの個人歴または家族歴あり」および/または「総血清IgE値上昇、好酸球増加症、アレルゲン特異的IgE陽性のいずれかあり」とする中国版青少年/成人AD診断基準を作成提案した。・2,662例を対象に調べた同診断基準の感度は、60.3%であった。一方で、同一対象について、Hanifin Rajka基準の感度は48.2%、Williams基準は32.7%であり、日本皮膚科学会基準(JDA)は79.4%であったが、中国版青少年/成人AD診断基準は簡易で良好な診断基準であることが示唆された。

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ピロリ菌で好酸球性食道炎のリスクが低下?

 Helicobacter pylori(以下、H. pylori)感染は、好酸球性食道炎(EoE)の発症リスク低下と関連していることが、ドイツ・オットー・フォン・ゲーリケ大学のU. von Arnim氏らにより報告された。Alimentary Pharmacology & Therapeutics誌2016年4月号の掲載報告。 EoEは、病因学上いまだ不明な点もあるが、食道における慢性の免疫抗原介在性アレルギー性疾患であり、環境曝露が病因に関与している可能性が考えられている。一方、H. pylori感染は、アトピー性皮膚炎や喘息、アレルギー性鼻炎といったアレルギー性疾患と逆相関の関連性がみられる。このことから、アレルギー性疾患においてH. pyloriは、保護的な役割をする可能性があるが、EoEとH. pyloriの関係については、ほとんどわかっていない。そこで著者らは、H. pylori感染がEoEの発症リスク低下と関係しているかどうかを調査するため、ケースコントロールスタディを行った。 臨床的・組織学的にEoEであると診断された患者58例[女性11例(19%)、男性47例(81%)、平均年齢36.5歳(20~72歳)]において、血清学的検査によりH. pyloriの感染を評価した。年齢・性別をマッチさせた116例(症例1例につき対照2例)をコントロール群とした。H. pyloriに対する抗体は、ELISA法により同定し、H. pylori特異的IgG≥30 EIUである場合に、ピロリ菌陽性と分類した。 主な結果は以下のとおり。・EoE患者58例中3例(5.2%)が、現在ピロリ菌に感染していることが血清学的に確認された。加えて、58例中5例(8.6%)が、過去にH. pyloriの除菌治療を受けていたことを報告した。・コントロール群は、EoEの患者と比較して、血清H. pylori陽性率が有意に高かった(37.9%、p<0.0001)。・EoEは、H. pylori感染と逆相関していた(OR:0.24、95%CI:0.11~0.50)。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第28回

第28回:子供の発疹の見分け方監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 小児科医、皮膚科医でなくとも、子供の風邪やワクチン接種の時などに、保護者から皮膚トラブルの相談をされることがあると思います。1回の診察で診断・治療まで至らないことがあっても、助言ぐらいはしてあげたいと思うのは私だけではないと思います。文章だけでははっきりしないことも多いため、一度、皮膚科のアトラスなどで写真を見ていただくことをお勧めします。 以下、American Family Physician 2015年8月1日号1) より子供の発疹は見た目だけでは鑑別することが難しいので、臨床経過を考慮することが大切である。発疹の外観と部位、臨床経過、症状を含め考慮する。発熱は、突発性発疹、伝染性紅斑、猩紅熱に起こりやすい。掻痒はアトピー性皮膚炎やばら色粃糠疹、伝染性紅斑、伝染性軟属腫、白癬菌により起こりやすい。突発性発疹のキーポイントは高熱が引いた後の発疹の出現である。体幹から末梢へと広がり1~2日で発疹は消える。ばら色粃糠疹における鑑別は、Herald Patch(2~10cmの環状に鱗屑を伴った境界明瞭な楕円形で長軸が皮膚割線に沿った紅斑)やクリスマスツリー様の両側対称的な発疹であり、比較的若い成人にも起こる。大抵は積極的な治療をしなくても2~12週間のうちに自然治癒するが、白癬菌との鑑別を要する場合もある。上気道症状が先行することが多く、HSV6.7が関与しているとも言われている。猩紅熱の発疹は大抵、上半身体幹から全身へ広がるが、手掌や足底には広がらない。膿痂疹は表皮の細菌感染であり、子供では顔や四肢に出やすい。自然治癒する疾患でもあるが、合併症や広がりを防ぐために抗菌薬使用が一般的である。伝染性紅斑は、微熱や倦怠感、咽頭痛、頭痛の数日後にSlapped Cheekという顔の発疹が特徴的である(筆者注:この皮疹の形状から、日本ではりんご病と呼ばれる)。中心臍窩のある肌色、もしくは真珠のようなつやのある白色の丘疹は伝染性軟属腫に起こる。接触による感染力が強いが、治療せずに大抵は治癒する。白癬菌は一般的な真菌皮膚感染症で、頭皮や体、足の付け根や足元、手、爪に出る。アトピー性皮膚炎は慢性で再燃しやすい炎症状態にある皮膚で、いろいろな状態を呈する。皮膚が乾燥することを防ぐエモリエント剤(白色ワセリンなど)が推奨される。もし一般的治療に反応がなく、感染が考えられるのであれば組織診や細菌培養もすべきであるが、感染の証拠なしに抗菌薬内服は勧められない。※本内容にはプライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) Allmon A, et al. Am Fam Physician. 2015;92:211-216.

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自己免疫性膵炎〔AIP : autoimmune pancreatitis〕

1 疾患概要■ 概念・定義自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis:AIP)は、わが国から世界に発信された新しい疾患概念である。わが国におけるAIPは、病理組織学的に膵臓に多数のIgG4陽性形質細胞とリンパ球の浸潤と線維化および閉塞性静脈炎を特徴とする(lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis:LPSP)。高齢の男性に好発し、初発症状は黄疸が多く、急性膵炎を呈する例は少ない。また、硬化性胆管炎、硬化性唾液腺炎などの種々の硬化性の膵外病変をしばしば合併するが、その組織像は膵臓と同様にIgG4が関与する炎症性硬化性変化であることより、AIPはIgG4が関連する全身性疾患(IgG4関連疾患)の膵病変であると考えられている。一方、欧米ではIgG4関連の膵炎以外にも、臨床症状や膵画像所見は類似するものの、血液免疫学的異常所見に乏しく、病理組織学的に好中球病変による膵管上皮破壊像(granulocytic epithelial lesion:GEL)を特徴とするidiopathic duct-centric chronic pancreatitis(IDCP)がAIPとして報告されている。この疾患では、IgG4の関与はほとんどなく、発症年齢が若く、性差もなく、しばしば急性膵炎や炎症性腸疾患を合併する。近年、IgG4関連の膵炎(LPSP)をAIP1型、好中球病変の膵炎(IDCP)をAIP2型と分類するようになった。本稿では、主に1型について概説する。■ 疫学わが国で2016年に行われた全国調査では、AIPの年間推計受療者数は1万3,436人、有病率10.1人/10万人、新規発症者3.1人/10万人であり、2011年の調査での年間推計受療者数5,745人より大きく増加している。わが国では、症例のほとんどが1型であり、2型はまれである。■ 病因AIPの病因は不明であるが、IgG4関連疾患である1型では、免疫遺伝学的背景に自然免疫系、Th2にシフトした獲得免疫系、制御性T細胞などの異常が病態形成に関与する可能性が報告されている。■ 症状AIPは、高齢の男性に好発する。閉塞性黄疸で発症することが多く、黄疸は動揺性の例がある。強度の腹痛や背部痛などの膵炎症状を呈する例は少ない。無症状で、糖尿病の発症や増悪にて発見されることもある。約半数で糖尿病の合併を認め、そのほとんどは2型糖尿病である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)自己免疫性膵炎臨床診断基準2018(表)を用いて診断する。表 自己免疫性膵炎臨床診断基準2018【診断基準】A.診断項目I.膵腫大:a.びまん性腫大(diffuse)b.限局性腫大(segmental/focal)II.主膵管の不整狭細像:a.ERPb.MRCPIII.血清学的所見高IgG4血症(≧135mg/dL)IV.病理所見a.以下の(1)~(4)の所見のうち、3つ以上を認める。b.以下の(1)~(4)の所見のうち、2つを認める。c.(5)を認める。(1)高度のリンパ球、形質細胞の浸潤と、線維化(2)強拡1視野当たり10個を超えるIgG4陽性形質細胞浸潤(3)花筵状線維化(storiform fibrosis)(4)閉塞性静脈炎(obliterative phlebitis)(5)EUS-FNAで腫瘍細胞を認めない.V.膵外病変:硬化性胆管炎、硬化性涙腺炎・唾液腺炎、後腹膜線維症、腎病変a.臨床的病変b.病理学的病変VI.ステロイド治療の効果B.診断I.確診(1)びまん型 Ia+<III/IVb/V(a/b)>(2)限局型 Ib+IIa+<III/IVb/V(a/b)>の2つ以上またはIb+IIa+<III/IVb/V(a/b)>+VIまたはIb+IIb+<III/V(a/b)>+IVb+VI(3)病理組織学的確診 IVaII.準確診限局型:Ib+IIa+<III/IVb/V(a/b)>またはIb+IIb+<III/V(a/b)>+IVcまたはIb+<III/IVb/V(a/b)>+VIIII.疑診(わが国では極めてまれな2型の可能性もある)びまん型:Ia+II(a/b)+VI限局型:Ib+II(a/b)+VI〔+;かつ、/;または〕(日本膵臓学会・厚生労働省IgG4関連疾患の診断基準並びに治療指針を目指す研究班. 膵臓. 2020;33:906-909.より引用、一部改変)本症の診断においては、膵がんや胆管がんなどの腫瘍性の病変を否定することがきわめて重要である。診断に際しては、可能な限りのEUS-FNAを含めた内視鏡的な病理組織学的アプローチ(膵液細胞診、膵管・胆管ブラッシング細胞診、胆汁細胞診など)を施行すべきである。診断基準では、膵腫大、主膵管の不整狭細像、高IgG4血症、病理所見、膵外病変とステロイド治療の効果の組み合わせにより診断する。びまん性の膵腫大を呈する典型例では、高IgG4血症、病理所見か膵外病変のどれか1つを満たせばAIPと診断できる。一方、限局性膵腫大例では、膵がんとの鑑別がしばしば困難であり、従来の診断基準では内視鏡的膵管造影(ERP)による主膵管の膵管狭細像が必要であった。しかし、昨今診断的ERPがあまり行われなくなってきたことなどを考慮して、MR胆管膵管撮影(MRCP)所見、EUS-FNAによるがんの否定所見とステロイド治療の効果を組み込むことにより、ERPなしで限局性膵腫大例の診断ができるようになった。■ 膵腫大“ソーセージ様”を呈する膵のびまん性(diffuse)腫大は、本症に特異性の高い所見である。しかし、限局性(segmental/focal)腫大では膵がんとの鑑別が問題となる。腹部超音波検査では、低エコーの膵腫大部に高エコースポットが散在することが多い(図1)。腹部ダイナミックCTでは、遅延性増強パターンと被膜様構造(capsule-like rim)が特徴的である(図2)。画像を拡大する画像を拡大する■ 主膵管の不整狭細像ERPによる主膵管の不整狭細像(図3、4)は本症に特異的である。狭細像とは閉塞像や狭窄像と異なり、ある程度広い範囲に及んで、膵管径が通常より細くかつ不整を伴っている像を意味する。典型例では狭細像が全膵管長の3分の1以上を占めるが、限局性の病変でも、狭細部より上流側の主膵管には著しい拡張を認めないことが多い。短い膵管狭細像の場合には膵がんとの鑑別がとくに困難である。主膵管の狭細部からの分枝の派生や非連続性の複数の主膵管狭細像(skip lesions)は、膵がんとの鑑別に有用である。MRCPは、主膵管の狭細部からの分枝膵管の派生の評価は困難であることが多いが、主膵管がある程度の広い範囲にわたり検出できなかったり狭細像を呈する、これらの病変がスキップして認められる、また、狭細部上流の主膵管の拡張が軽度である所見は、診断の根拠になる。画像を拡大する画像を拡大する■ 血清学的所見AIPでは、血中IgG4値の上昇(135mg/dL以上)を高率に認め、その診断的価値は高い。しかし、IgG4高値は他疾患(アトピー性皮膚炎、天疱瘡、喘息など)や一部の膵臓がんや胆管がんでも認められるので、この所見のみからAIPと診断することはできない。今回の診断基準には含まれていないが、高γグロブリン血症、高IgG血症(1,800mg/dL以上)、自己抗体(抗核抗体、リウマチ因子)を認めることが多い。■ 膵臓の病理所見本疾患はLPSPと呼ばれる特徴的な病理像を示す。高度のリンパ球、形質細胞の浸潤と、線維化を認める(図5)。形質細胞は、IgG4免疫染色で陽性を示す(図6)。線維化は、紡錘形細胞の増生からなり、花筵状(storiform fibrosis)と表現される特徴的な錯綜配列を示し、膵辺縁および周囲脂肪組織に出現しやすい。小葉間、膵周囲脂肪組織に存在する静脈では、リンパ球、形質細胞の浸潤と線維化よりなる病変が静脈内に進展して、閉塞性静脈炎(obliterative phlebitis)が生じる。EUS-FNAで確定診断可能な検体量を採取できることは少ないが、腫瘍細胞を認めないことよりがんを否定できる。画像を拡大する画像を拡大する■ 膵外病変(other organ involvement:OOI)AIPでは、種々のほかのIgG4関連疾患をしばしば合併する。その中で、膵外胆管の硬化性胆管炎、硬化性涙腺炎・唾液腺炎(ミクリッツ病)、後腹膜線維症、腎病変が診断基準に取り上げられている。硬化性胆管炎は、AIPに合併する頻度が最も高い膵外病変である。下部胆管に狭窄を認めることが多く(図4)、膵がんまたは下部胆管がんとの鑑別が必要となる。肝内・肝門部胆管狭窄は、原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis:PSC)や胆管がんとの鑑別を要する。AIPの診断に有用なOOIとしては、膵外胆管の硬化性胆管炎のみが取り上げられている。AIPに合併する涙腺炎・唾液腺炎は、シェーグレン症候群とは異なって、涙腺分泌機能低下に起因する乾燥性角結膜炎症状や口腔乾燥症状は軽度のことが多い。顎下腺が多く、涙腺・唾液腺の腫脹の多くは左右対称性である。後腹膜線維症は、後腹膜を中心とする線維性結合織のびまん性増殖と炎症により、腹部CT/MRI所見において腹部大動脈周囲の軟部影や腫瘤を呈する。尿管閉塞を来し、水腎症を来す例もある。腎病変としては、造影CTで腎実質の多発性造影不良域、単発性腎腫瘤、腎盂壁の肥厚病変などを認める。■ ステロイド治療の効果ステロイド治療の効果判定は、画像で評価可能な病変が対象であり、臨床症状や血液所見は対象としない。ステロイド開始2週間後に効果不十分の場合には再精査が必要である。できる限り病理組織を採取する努力をすべきであり、ステロイドによる安易な診断的治療は厳に慎むべきである。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)経口ステロイド治療が、AIPの標準治療法である。経口プレドニゾロン0.6mg/kg/日の初期投与量を2~4週間投与し、その後画像検査や血液検査所見を参考に約1~2週間の間隔で5mgずつ漸減し、3~6ヵ月ぐらいで維持量まで減らす。通常、治療開始2週間ほどで改善傾向が認められるので、治療への反応が悪い例では膵臓がんを疑い、再検査を行う必要がある。AIPは20~40%に再燃を起こすので、再燃予防にプレドニゾロン5mg/日程度の維持療法を1~3年行うことが多い(図7)。近年、欧米では、再燃例に対して免疫調整薬やリツキシマブの投与が行われ、良好な成績が報告されている。図7 AIPの標準的ステロイド療法画像を拡大する4 今後の展望AIPの診断においては、膵臓がんとの鑑別が重要であるが、鑑別困難な例がいまだ存在する。病因の解明と確実性のより高い血清学的マーカーの開発が望まれる。EUS-FNAは、悪性腫瘍の否定には有用であるが、採取検体の量が少なく病理組織学的にAIPと診断できない例があり、今後採取方法のさらなる改良が求められる。AIPでは、ステロイド治療後に再燃する例が多く、再燃予防を含めた標準治療法の確立が必要である。5 主たる診療科消化器内科、内分泌内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報自己免疫性膵炎診療ガイドライン 2020(日本膵臓学会ホームページ)(医療従事者向けのまとまった情報)自己免疫性膵炎臨床診断基準[2018年](日本膵臓学会ホームページ)(医療従事者向けのまとまった情報)1)日本膵臓学会・厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等政策研究事業)「IgG4関連疾患の診断基準並びに治療指針の確立を目指す研究」班.自己免疫性膵炎診断基準 2018. 膵臓. 2018;33:902-913.2)日本膵臓学会・厚生労働省IgG4関連疾患の診断基準並びに治療指針を目指す研究班.自己免疫性膵炎診療ガイドライン2020. 膵臓. 2020;35:465-550.公開履歴初回2014年03月06日更新2016年03月22日更新2024年07月25日

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アトピーが食物アレルギーの要因にも?

 アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは、因果関係が示唆されているものの完全には明らかになっていない。このことが予防と治療に重大な影響を及ぼしている。英国のキングス・カレッジ・ロンドンのTeresa Tsakok氏らは、システマティックレビューの結果、アトピー性皮膚炎、食物感作および食物アレルギーとの間には強くかつ用量依存的な関連があることを確認したという。著者は、「重症度および慢性度が高いアトピー性皮膚炎は、とくに食物アレルギーと関連しており、アトピー性皮膚炎が食物感作および食物アレルギーの発現に先行するエビデンスもある」と述べている。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌オンライン版2016年2月18日号の掲載報告。 研究グループは、アトピー性皮膚炎の重症度・慢性度・発症年齢に対する食物アレルギーの影響、および両者の時間的関係について調べる検討を行った。MEDLINEおよびEmbaseを用い、2014年11月までに発表されたアトピー性皮膚炎と食物アレルギーに関する研究論文を検索し、調査した。 主な結果は以下のとおり。・66件の研究をレビューに組み込んだ。・住民ベース研究が18件、高リスクコホートが用いられた研究は8件で、残りはアトピー性皮膚炎または食物アレルギーと診断された患者を対象としていた。・住民ベース研究の分析の結果、生後3ヵ月時の食物感作の可能性が、健常児に比べアトピー性皮膚炎患児で6倍高かった(オッズ比:6.18、95%信頼区間:2.94~12.98、p<0.001)。・また、他の住民ベース研究を分析した結果、アトピー性皮膚炎を有する参加者の53%が食物に感作しており、最大で15%が負荷試験において食物アレルギーの徴候を示したことが報告されていた。・アトピー性皮膚炎確定患者を対象とした研究の分析では、食物感作の割合は66%に達し、負荷試験で食物アレルギーを呈した患者の割合は81%にものぼった。・16件の研究が、食物アレルギーは重症アトピー性皮膚炎と関連していることを示唆した。・6件の研究は、早期発症または持続性のアトピー性皮膚炎が、とくに食物アレルギーと関連していることを示した。・1件の研究は、アトピー性皮膚炎が食物アレルギーの発症に先行したことを明らかにした。

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子供の喘息・アトピーは在胎期間に関連する

 子供の喘息とアトピー性皮膚炎は、在胎期間と関係するのだろうか。フィンランドで、早産児における7歳までの喘息治療および喘息とアトピー性皮膚炎による入院の必要性を評価する目的で、全国登録研究が行われた。その結果、前期/後期早産(32~36週)児では、正期産児よりも学齢期の喘息リスクが高いこと、一方でアトピー性皮膚炎による入院リスクは低いことが明らかになった。European Journal of Pediatrics誌オンライン版2016年2月22日号掲載の報告。 本調査は、1991~2008年の間にフィンランドで生まれた子供101万8,302人を対象に行われた。在胎期間に応じて、以下の4つのカテゴリに分類し、この分類に基づき、7歳時までの各疾患の罹患との相関を評価した。・超早産(32週未満、very preterm;VP)・前期早産(32~33週、moderately preterm;MP)・後期早産(34~36週、late preterm;LP)・正期産(37週以降、term control;term) 主な結果は以下のとおり。・喘息の薬物治療は、在胎期間が短い子供ほど多く受けていた(VP>MP>LP>term、それぞれ15.4%、8.0%、5.7%、3.8%)。・喘息による入院も同様の傾向が見られた(VP>MP>LP>term、20.1%、10.6%、7.3%、4.8%)。・MPおよび・LPにおける喘息の薬物治療が生じるリスクは、子供の性別(男児がより高リスク)、妊娠中の喫煙歴、妊娠糖尿病、人口呼吸器による加療などにより予測することができた。・アトピー性皮膚炎による入院は、在胎期間が長くなるほどリスクが高まった(term>LP>MP、罹患率は5.2%、4.7%、4.2%)。

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「シンバイオティクス」がアトピー性皮膚炎治療に有望

 アトピー性皮膚炎は、アレルギー疾患に罹患しやすい免疫環境を助長する腸内細菌叢の変化と関連している可能性があることから、アトピー性皮膚炎の予防と治療に、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたシンバイオティクスが用いられるようになってきた。台湾・国立陽明大学のYung-Sen Chang氏らによるメタ解析の結果、シンバイオティクスは、とくに混合細菌を用いた場合と1歳以上の小児に用いた場合に、治療効果が認められることを報告した。ただし、アトピー性皮膚炎の1次予防効果に関しては、さらなる研究が必要だとまとめている。JAMA Pediatrics誌オンライン版2016年1月25日号の掲載報告。 研究グループは、PubMed、MEDLINE、EMBASE、Cochran-e Central Register of Controlled TrialsおよびCAB Abstracts Archiveを用い、2015年10月15日までに発表されたアトピー性皮膚炎に対するシンバイオティクスの予防および治療効果を検討した無作為化比較試験の論文について、言語を問わず検索した。選択基準は、シンバイオティクスの経口投与による介入が行われ、アトピー性皮膚炎の疾患重症度評価(Scoring Atopic Dermatitis[SCORAD]指標)および予後評価(発症頻度)がなされているものとした。 主要評価項目は、治療効果検討試験ではSCORAD、発症予防効果検討試験ではアトピー性皮膚炎の相対リスクとした。 主な結果は以下のとおり。・検索で確認された257試験のうち、選択基準を満たした8試験(治療効果検討試験6件;0ヵ月~14歳の小児369例、予防効果検討試験2件;6ヵ月までの乳児が対象の1件と生後3日未満の新生児が対象の1件、計1,320例)を解析に組み込んだ。・治療効果については、6試験のメタ解析の結果、治療8週時のSCORAD変化量は-6.56(95%信頼区間[CI]:-11.43~-1.68、p=0.008)で、有意に低下した。・サブグループ解析の結果、有意な治療効果が認められたのは、混合細菌使用時(加重平均差:-7.32、95%CI:-13.98~-0.66、p=0.03)、および1歳以上の小児(同:-7.37、-14.66~-0.07、p=0.048)であった。・予防効果については、プラセボと比較したシンバイオティクス投与によるアトピー性皮膚炎の相対リスク比は、0.44(95%CI:0.11~1.83、p=0.26)であった。

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卵アレルギーと弱毒生インフルエンザワクチン(解説:小金丸 博 氏)-475

 インフルエンザワクチンの製造には、インフルエンザウイルスを鶏卵に接種し培養する工程があるため、ワクチンにはオバルブミンなど卵の成分が含まれる。そのため、卵アレルギーのある人にインフルエンザワクチンを接種すると、重大な副反応が起こる可能性があると広く認識されている。近年、オバルブミン含有量の少ない不活化インフルエンザワクチンは、卵アレルギーのある患者に安全に接種できるとの報告があるが、経鼻的に投与される弱毒生インフルエンザワクチン(LAIV)の安全性に関しては、十分なデータがなかった。 本研究は、卵アレルギーのある若年者(2~18歳)に対するLAIVの安全性を評価するために行った多施設前向きコホート研究である。卵アレルギーと診断されたことのある779例に対してLAIVを投与し、ワクチン接種後2時間以内の有害事象の発生率(プライマリアウトカム)や、1ヵ月後の喘息コントロールスコアの変化などを調査した。試験には卵アナフィラキシー歴がある児が270例(34.7%)、喘息または反復性喘鳴と診断されたことがある児が445例(57.1%)含まれていた。卵アナフィラキシーで侵襲的な呼吸器管理が必要となったことがある児や、重症喘息の児は試験から除外された。 結果、ワクチン接種後2時間以内の全身性アレルギー反応は1例も報告されなかった(95%信頼区間上限値は全集団で0.47%、卵アナフィラキシー歴があった児で1.36%)。9例で軽度のアレルギー症状(鼻炎、局所の蕁麻疹、口腔咽頭の掻痒)を認めた。ワクチン接種後2~72時間に221例の副反応が報告され、62例が下気道症状を呈した。入院が必要となった児はいなかった。また、ワクチン接種1ヵ月後の喘息コントロールテストに有意な変化はみられなかった。 本研究では、卵アレルギー歴がある児でも安全にLAIVを接種できる可能性が示された。試験にはアナフィラキシー歴や喘息を持つ児が数多く含まれており、貴重な報告と考える。アレルギー反応(とくにアナフィラキシー)はとても怖い副反応である。医療従事者にとって、卵アレルギーのある人にインフルエンザワクチンを接種することは勇気が必要なことと思われるが、本試験の結果をみる限り、アレルギー反応を怖がり過ぎているのかもしれない。アナフィラキシーが起こるのを予測することは難しいので、ワクチンを接種する医療機関では、アナフィラキシーが起こったときに対応できるように十分準備しておくことが重要である。 本研究で用いられた経鼻弱毒生インフルエンザワクチンは、2~49歳を対象に欧米で使用されている。不活化ワクチンと比較し発病防止効果が期待できること、非侵襲的であることから、本邦での導入が待たれる。

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皮膚T細胞リンパ腫〔CTCL : cutaneous T cell lymphoma〕

1 疾患概要■ 概念・定義皮膚T細胞リンパ腫は、菌状息肉症、セザリー症侯群、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫など、皮膚を主座とするすべてのT細胞リンパ腫を指す。リンパ節に原発する全身性リンパ腫との鑑別が重要であるが、診断時に皮膚外病変を認めた場合でも、病歴や臨床像から皮膚T細胞リンパ腫と判断することもある。■ 疫学1)皮膚T細胞リンパ腫の発症数日本皮膚悪性腫瘍学会 皮膚がん予後統計委員会によると、2007~2011年における皮膚T細胞リンパ腫の新規発症は年間約260例であった。2)皮膚T細胞リンパ腫の病型皮膚T細胞リンパ腫の病型分類では、菌状息肉症が約50%、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫とリンパ腫様丘疹症からなる原発性皮膚CD30陽性リンパ増殖症は約10%、皮膚病変が主である成人T細胞白血病・リンパ腫が約7.5%であった。■ 病因皮膚に親和性の高いTリンパ球が悪性化し、主に皮膚で増殖している状態である。成人T細胞白血病・リンパ腫は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)が発症に関与していると考えられている。菌状息肉症は、成人T細胞白血病・リンパ腫と類似した臨床・組織像を取ることが多いため、以前よりウイルス病因説があるが、今のところ原因といえるウイルスは同定されていない。それ以外の皮膚T細胞リンパ腫についても、明らかな病因は不明であるが、免疫抑制状態が病勢の増悪に寄与していると考えられている。■ 症状1)皮膚症状紅斑、局面、腫瘤、紅皮症(全身が紅斑で覆われた状態)、皮下結節、潰瘍、紫斑などを呈する。2)リンパ節腫脹表在リンパ節が腫脹する。腫瘍細胞の増殖によるものと、反応性のものがある。3)末梢血中異型細胞成人T細胞白血病・リンパ腫やセザリー症候群では、末梢血液中に腫瘍細胞が検出されることがある。4)生化学的異常LDH、可溶性IL-2受容体など、悪性リンパ腫のマーカーが高値を示す。菌状息肉症・セザリー症候群では、血清中のTARC(thymus and activation-regulated chemokine)が病勢を反映することが知られている。5)発熱・体重減少・盗汗(B症状)B症状を示すことは、皮膚T細胞リンパ腫では一般的にまれであるが、進行例で陽性になることがある。■ 分類菌状息肉症、セザリー症候群、原発性皮膚CD30陽性リンパ増殖症(原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫とリンパ腫様丘疹症)、成人T細胞白血病・リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫(非特定)、原発性皮膚γδT細胞リンパ腫、原発性皮膚CD4陽性小・中細胞型T細胞リンパ腫、原発性皮膚CD8陽性進行性表皮向性細胞傷害性T細胞リンパ腫などがある。■ 予後予後は病型分類と病期によって異なる。菌状息肉症全体の5年生存率は約90%であるが、早期例(病期 IA)の疾患特異的5年生存率は98%である。一方、リンパ節病変もしくは内臓病変を有する病期IVでは、5年生存率が約20%である。セザリー症候群の5年生存率は約25%であり、成人T細胞白血病・リンパ腫、原発性皮膚γδT細胞リンパ腫では、5年生存率が算出不能なほど予後不良である。原発性皮膚CD30陽性リンパ増殖症は、5年生存率が90%以上であるという報告が多く、生命予後良好な病型である。皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、原発性皮膚CD4陽性小・中細胞型T細胞リンパ腫なども予後良好であるが、これらは疾患概念の変遷があり、過去の論文を読む際は注意を要する。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)身体診察、皮膚生検・リンパ節生検(HE染色、免疫染色、サザンブロットまたはPCRによるモノクロナリティの検索)、血液検査(血算、目視による血液像、LDH、可溶性IL-2受容体、フローサイトメトリー)、骨髄穿刺、画像検査(胸部X線、腹部エコー、胸腹骨盤部CT、FDG-PET)などから総合的に判断する。紅斑、局面が主体の皮膚T細胞リンパ腫の鑑別診断としては、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、扁平苔癬などの皮膚疾患や薬疹などが挙げられる。腫瘤や皮下結節が主体のものは、有棘細胞がんや悪性腫瘍の皮膚転移などが鑑別となる。潰瘍や紫斑を主症状とする皮膚T細胞リンパ腫では、血管炎が鑑別疾患となる。いずれも病理組織が診断の決め手となる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)治療は病型分類と病期によって異なる。一般的に予後良好な皮膚T細胞リンパ腫では、ステロイド外用、紫外線、外科的切除、放射線療法などの局所療法が主体となる。予後不良な病型では全身化学療法、骨髄移植などの治療が選択される。■ 菌状息肉症・セザリー症候群(図1)菌状息肉症とセザリー症候群が同一の疾患であるか、いまだに議論があるが、病期分類は同じものが使用されており、治療法も基本的には共通である。紅斑、局面が主体の早期の症例では、ステロイド外用、紫外線を中心に治療するが、治療抵抗例ではレチノイドやインターフェロンを併用する。局所的に放射線療法を用いることもある。腫瘤が多発している症例では、当初からこれらの治療を組み合わせた集学的治療を行う。紅皮症では体外光化学療法が推奨されるが、わが国で行っている施設はほとんどない。リンパ節や内臓病変を伴う場合は、化学療法がメインとなる。若年者の場合は同種造血幹細胞移植も考慮する。画像を拡大する■ 原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(図2)皮膚病変が限局している場合は、外科的切除や放射線療法を検討する。これらの治療が有効でない場合、単剤化学療法を考える。皮膚病変が広範囲に多発している場合、出現消退を繰り返しているか否かが重要となる。皮疹の出現消退があれば、リンパ腫様丘疹症と考えられるため、経過観察や紫外線照射を行う。症状が増悪する場合、単剤化学療法を考える。広範囲に多発している皮膚病変に消退傾向がなければ、最初から単剤化学療法を考える。単剤化学療法の実施が難しい場合、あるいは効果が不十分な病変に対し、放射線療法を考慮してよい。皮膚外病変がある場合は、多剤併用化学療法を行う。実施が困難な場合、あるいは効果が不十分な病変に対し、放射線療法を考慮する。画像を拡大する■ 成人T細胞白血病・リンパ腫(図3)ここでは、予後不良因子のない慢性型もしくはくすぶり型で、皮膚病変があるものに対する治療法を述べる。一般的に、紫外線もしくは放射線療法を用いる。これらが無効の場合、レチノイド、インターフェロン、単剤化学療法の併用を考慮する。定期的に採血を行い、急性転化を見逃さないように注意する。画像を拡大する■ それ以外の病型病変が皮膚に限局している場合、ステロイド外用、紫外線、外科的切除、放射線療法などの局所療法が主体となる。皮膚外病変がある場合は、全身化学療法、造血幹細胞移植などの治療が選択される。予後不良な病型では、皮膚外病変がなくても化学療法を検討してもよいが、マイナーな病型の場合は経過の予測が難しく、症例ごとに治療法を検討する姿勢が望ましい。4 今後の展望菌状息肉症に対する治療については、レチノイドの一種であるベキサロテン(商品名:タルグレチン)が臨床試験を終了し、現在承認申請中である。また、CCR4陽性の成人T細胞白血病・リンパ腫、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫および皮膚T細胞リンパ腫に保険適用となっている抗CCR4抗体について、CCR4の発現の有無を問わない治験が、菌状息肉症に対して行われている。成人T細胞白血病・リンパ腫については、予後不良因子を持たない慢性型およびくすぶり型を対象に、インターフェロン-αとジドブジン(AZT 同:レトロビル)の併用療法の臨床試験が行われている。5 主たる診療科皮膚科を中心に血液内科、放射線科と相談して治療を進めていく。※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報National Cancer Institute, Mycosis Fungoides and the Sezary Syndrome Treatment(PDQ®).(米国がん研究所の同疾患の診療情報)National Comprehensive Cancer Network (NCCN), NCCN Practice Guidelines in Oncology: Mycosis Fungoides/Sezary syndrome of the cutaneous T-cell lymphomas.(NCCN提供の同疾患のガイドライン: 視聴には会員登録必要)1)Swerdlow SH, et al,editors. WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues ,4th ed.Lyon:IARC Press;2008.2)Sugaya M, et al. J Dermatol.2013;40:2-14.3)日本皮膚科学会/日本皮膚悪性腫瘍学会編. 科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン 第2版.金原出版;2015.公開履歴初回2013年08月01日更新2016年01月05日

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