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アトピー性皮膚炎患者の悩みの種、目の周りの黒ずみへのレーザー治療の有効性

 アトピー性皮膚炎患者の悩みの種となっている目の周りの黒ずみについて、レーザー治療が有効かつ安全に使用可能であることを、韓国・中央大学のKui Young Park氏らがパイロットスタディを行い報告した。アトピー性皮膚炎患者の多くに同症状がみられ治療への希求も高いが、同治療に関する文献的な報告はほとんどなかった。Journal of Cosmetic and Laser Therapy誌オンライン版2013年3月6日号の掲載報告。 研究グループは、2790-nm Er:YSGG(2,790nmエルビウムyttrium scandium gallium garnet)によるレーザー治療について、アトピー性皮膚炎患者の目の周りの黒ずみに対する臨床的有効性と安全性を評価した。 被験者は、軽度のアトピー性皮膚炎患者である21歳超の韓国人10例。アトピー性皮膚炎活動期で治療を要する患者は、レーザー治療後に増悪の可能性があり除外された。 2790-nm Er:YSGGレーザー治療は、フルエンス1.8~2.2J/cm2、スポットサイズ6mm、10%重複でのパルス幅0.3msを指標として、目の周り全体に4週間に1回の間隔で行われた。 有効性の評価は、盲検下で研究者によって0~5の四分位階調度スコアを用いて行われた。また、患者に対して同一スコアを用いた書面で回答を求める満足度の評価を行った。副作用について起こりうるすべての事象について評価した。 主な結果は以下のとおり。・治療後2ヵ月時点の評価において、74.5%(スコア2.7)の改善を示し、患者満足度(スコアスケール)も平均74%(2.4)が改善を示した。・4ヵ月時点の評価では、同72.5%(2.5)、71.5%(2.3)の改善を示した。・重篤な副作用やアトピー性皮膚炎の増悪は報告されなかった。・アトピー性皮膚炎患者の目の周りの黒ずみについて、2790-nm Er:YSGGレーザー治療は有効かつ安全に使用できる可能性がある。

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大人の重症アトピー性皮膚炎、臨床経過は多様であり層別化が必要

 ドイツ・ボン大学のD. Garmhausen氏らは、青年期および成人期のアトピー性皮膚炎の自然経過を調べ、分類化および重症化するリスク因子の同定を行った。アトピー性皮膚炎は、大半が乳幼児期に発症し小児のうちに寛解に至る。しかし重症例では慢性化して成人に至るケースや、成人期に重症のアトピー性皮膚炎を発症し、重症化が起きるケースもある。これまで、大人のアトピー性皮膚炎の自然経過についてはあまり研究されていなかった。Allergy誌オンライン版2013年3月1日号の掲載報告。 本研究では、アトピー性皮膚炎を経過別に分類し、それらと重症化の特異的リスク因子とを関連づけることを目的とした。 青年期および成人期のアトピー性皮膚炎を有する725例について、詳細な臨床所見と病歴の後ろ向き評価を行った。評価したラボデータには、総・特異的IgE値などが含まれていた。 主な結果は以下のとおり。・研究対象患者725例のうち、607例が、経過タイプ別に分類可能であった。・経過タイプは全部で31コースが記録された。・607例のうち85.7%は、31コースのうちの主要な5コースタイプに分類可能であった。・アトピー性皮膚炎発症が早期で成人期まで慢性症状が持続したタイプの患者と、発症が20歳代以降と遅かったタイプの患者では、感作物質の数、血清総IgE値、皮膚病変の偏向における格差が最も大きかった。・著者は、「本検討から、アトピー性皮膚炎の自然経過は、臨床像によってサブグループに分類可能であることが示された」と結論した。・また、「青年期および成人期のアトピー性皮膚炎は多様であるとの仮説が支持されるとともに、アトピー性皮膚炎患者をさらに入念な層別化の必要性があることが強調された」とまとめている。

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血清ビタミンD値と小児アトピーの重症度、統計学的に有意な関連は認められない

 血清25ヒドロキシビタミンD値と小児アトピー性皮膚炎の重症度との関連について、統計学的に有意な関連はみられないことが、米国・ウィスコンシン医科大学のYvonne E. Chiuらによる検討の結果、報告された。両者の関連については、逆相関の関連性が示唆されていた。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2013年2月14日号の掲載報告。 研究グループは、血清25ヒドロキシビタミンD値とアトピー性皮膚炎重症度について、統計学的に有意な関連が認められるかを評価することを目的に、断面研究を行った。 1~18歳のアトピー性皮膚炎患者を被験者とし、SCORAD(Severity Scoring of Atopic Dermatitis)と血清25ヒドロキシビタミンD値を測定し、単変量試験および多変量モデルを用いて統計学的解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・97例が登録され、94例が解析に組み込まれた。・被験者のうち、ビタミンD欠乏(血清25ヒドロキシビタミンD<20ng/mL)であったのは37例(39%)、不足(同21~29ng/mL)は33例(35%)、充足(同≧30ng/mL)は24例(26%)であった。・血清25ヒドロキシビタミンD値とSCORADの関連は、有意ではなかった(r=-0.001、p=0.99)。・多変量モデル解析の結果、血清25ヒドロキシビタミンDが低値であることと有意な関連が認められたのは、3歳以上(p<0.0001)、黒人(p<0.001)、冬季(p=0.084)であった。・一方で著者は本検討結果について、自然光曝露、ビタミンD摂取、アトピー性治療についてコントロールできていないこと、一時点のみを捕えた調査であることから限界を指摘した。その上で、今回検討した小児集団では、血清25ヒドロキシビタミンD値とアトピー性皮膚炎重症度について有意な関連はみられないと結論した。

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難治性の慢性特発性蕁麻疹、オマリズマブで症状改善/NEJM

 慢性特発性蕁麻疹(chronic idiopathic/spontaneous urticaria)で抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1拮抗薬)の高用量投与でも症状が改善されない患者について、抗IgEモノクローナル抗体オマリズマブの投与により症状が改善されたことが、ドイツ・Charite-UniversitatsmedizinのMarcus Maurer氏らによる第3相多施設共同無作為化二重盲検試験の結果、報告された。慢性特発性蕁麻疹患者の多くが、抗ヒスタミン薬の高用量投与でも症状が改善しない。抗IgE抗体オマリズマブ(商品名:ゾレア、本邦での適応は気管支喘息)の有効性については第2相試験で示され、本試験では有効性と安全性が検討された。NEJM誌オンライン版2013年2月24日号掲載報告より。323例をオマリズマブ75mg、150mg、300mg群とプラセボ群に割り付け検討 第3相試験は、成人および12歳以上の中程度~重度の慢性特発性蕁麻疹患者(抗ヒスタミン薬治療が無効)を対象とした28週間にわたるオマリズマブ治療の有効性と安全性を検討することを目的とした。 466例の患者がスクリーニングを受け、323例(42.5±13.7、76%が女性、平均体重82.4±21.9kg)が3つの皮下注治療(75mg、150mg、300mg)群またはプラセボ群に無作為化された。治療は4週間隔で行われた。12週の治療期間終了後、16週間にわたって追跡が行われた。 主要有効性アウトカムは、かゆみ重症度スコアのベースラインからの変化で週単位で評価が行われた(範囲:0~21週、最高スコアが最も重症度が高いことを示す)。150mg、300mg群で有意に症状が改善、重大有害イベントは300mg群が高い ベースラインのかゆみ重症度スコアは、年齢階層や性別、体重、罹患期間など、全4群において14階層群から得ていた。 12週時点において、プラセボ群のスコアのベースラインからの変化は、平均-5.1±5.6であり、75mg群は-5.9±6.5(p=0.46)、150mg群は-8.1±6.4(p=0.001)、300mg群は-9.8±6.0(p<0.001)であった。また同時点での、事前特定の副次アウトカムについてはほとんどが同等性を示した。有害事象の頻度も同程度であった。 重大な有害イベントの発生は概して低かったが、300mg群(6%)で、プラセボ群(3%)や75mg群および150mg群(いずれも1%)よりも高率だった。

465.

難治性の慢性特発性蕁麻疹患者、ピロリ菌除菌療法で約3割が症状消失

 抗ヒスタミン薬が無効の慢性特発性蕁麻疹(CU)患者について、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori、以下 ピロリ菌)感染症の除菌療法がベネフィットをもたらす可能性が、イスラエルのネゲヴ・ベン=グリオン大学のE. Magen氏らによる検討の結果、報告された。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年1月21日号の掲載報告。一部のCU患者では抗ヒスタミン薬の常用量投与に耐性を示す。一方、最近の研究報告で、慢性特発性蕁麻疹とピロリ菌感染症との関連が報告されていた。 研究グループは、ピロリ菌感染症の根治がCU患者の抗ヒスタミン薬耐性状況を改善可能かについて調べた。 CU患者の症例を後ろ向きにレビューし、蕁麻疹活性スコア(UAS)の記録と、ピロリ菌感染症について13C-urea breath test(13C-UBT)を行った。 初回投与量の4倍の抗ヒスタミン薬での8週治療にもかかわらずCU改善がみられない患者は難治性CU群とし、反応がみられた患者は反応CU群とした。 難治性CUで13C-UBT陽性の患者に対し、アモキシシリン1g・クラリスロマイシン500mg・オメプラゾール20mgを1日2回、14日間投与した。 CUにおけるピロリ菌除菌の効果は、UASにて評価した(3剤投与開始後のベースライン、8、16、28週時点で評価)。 主な結果は以下のとおり。・難治性CU患者46例のうち、29例(63%)が13C-UBT陽性であった。・29例のうち、18例がピロリ菌感染症の除菌を受けた(サブグループA)。11例は3剤併用療法を辞退した(サブグループB)。なお46例のうち17例は13C-UBT陰性であった(サブグループC)。・サブグループAにおいて、UASはベースラインの5.29±0.94から、8週時点3.62~0.96(p=0.03)、16週時点1.43±0.41(p

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経口アザチオプリン、難治性小児アトピー性皮膚炎にベネフィットをもたらす可能性

 難治性小児アトピー性皮膚炎に対する経口アザチオプリン(商品名:アザニンほか、アトピー性皮膚炎には適応外)は、ベネフィットがある可能性を、米国・ジョージタウン大学医学部のMaura Caufield氏らが無作為化試験の結果、報告した。欧米ではアザチオプリンは、難治性アトピー性皮膚炎などでステロイドを節減する薬物として処方されるが、小児アトピー性皮膚炎での適正使用とモニタリングについては、前向きデータが限られており、Caufield氏らは、アザチオプリンの治療反応とモニタリングのあり方について検討した。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年1月号(オンライン版2012年8月11日号)の掲載報告。 研究グループは、アザチオプリンの治療反応を評価し、治療中にTPMT(thiopurine methyltransferase)活性を繰り返し測定することの必要性、および6-チオグアニンヌクレオチド(6-TGN)ならびに6-メルカプトプリン(6-MP)の代謝レベルの測定が有用であるかについて調べた。 重症難治性アトピー性皮膚炎の小児を対象に、経口アザチオプリンを投与し、前向きに追跡。疾患重症度は、SCORing AD指数によって判定した。 TPMTはベースラインで測定した後、症状の改善や十分な効果が得られない場合、あるいは治療反応が認められた場合に、6-TGNや6-MPとともに繰り返し測定した。 主な内容は以下のとおり。・被験児は12例であった。・アザチオプリン治療は、1例を除いた全患者の臨床的改善と関連していた。・有害事象はほとんどみられなかった。・3例では、治療中のTPMT活性に有意な変化がみられた。そのうち2例は軽度な低下を示し、1例は中間値から標準値へと増大する酵素誘導性を示した。・一方、こうした変化(臨床的効果と逆相関を示すような変化)は、6-TGNあるいは6-MP値ではみられなかった。・著者は、本試験が小規模であり限界があるとした上で、「難治性小児アトピー性皮膚炎治療において、アザチオプリンはベネフィットがある可能性が示された」と結論。また、「TPMT活性の反復評価が治療未反応あるいは反応の評価に有用であり、さらなる試験の根拠となりうる。対照的に、治療期間中のチオプリン代謝活性の測定は臨床的に役立たなかった」と報告した。

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エキスパートに聞く!「花粉症」Q&A part2

CareNet.comでは1月の花粉症特集を配信するにあたって、事前に会員の先生より花粉症診療に関する質問を募集しました。その中から、とくに多く寄せられた質問に対し、後藤 穣先生にご回答いただきました。今回は残りの5問について回答を掲載します。点鼻用抗ヒスタミン薬の有効性について教えてください。使用するのはどのような症例でしょうか?一般的に、薬剤の即効性を高め副作用発現を減少させるためには、局所投与が必要です。抗ヒスタミン薬の内服によって副作用の問題がある症例では、点鼻抗ヒスタミン薬を使用します。内服薬や点鼻薬で効果が不十分な場合、どのような治療をすればよいでしょうか?薬物療法で効果不十分の場合、レーザー治療を含めた手術療法やアレルゲン免疫療法を考慮します。高度の鼻中隔弯曲症や鼻粘膜腫脹があると、薬剤の無効例が増えてきます。専門医で鼻腔内の診察を受け、他疾患の合併も含めて評価すべきです。初期治療はいつから開始すればよいのでしょうか? また、花粉症予防のための点鼻薬、点眼薬は有効でしょうか?これまで初期療法は、花粉飛散開始日の2週間前からという方法が長く行われてきました。一般的にはそれで間違いないと思います。しかし、近年発売されている抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬では即効性が向上しているので、必ずしも一律に2週間にこだわらず、花粉症症状が少し出始めてからでも、十分効果があると考えられています。初期療法は内服薬だけでなく、点鼻薬、点眼薬でも同様に有効だと考えます。レーザー治療、アレルゲン免疫療法(減感作療法)を適応する症例の選択基準について教えてください。 また、それぞれ何歳から実施可能でしょうか?レーザー治療は、外科手術のひとつですので、薬物療法無効例や鼻粘膜腫脹が高度な症例に行います。また、薬物の副作用があった方や、妊娠中で薬物療法を行えないケースも対象です。免疫療法は、軽症例から重症例まで適応になるので、薬物療法の効果が不十分で、定期的な治療が可能であれば適応になります。手術、注射に耐えられる年齢に行っているので、おおむねレーザーでは10歳以降、皮下免疫療法では4~5歳以降なら実施可能です。ステロイド筋注の是非について教えてください。ステロイド筋注は、決して推奨できる治療方法ではありません。正確な臨床的有効性のデータが少なく、薬剤の特性から副作用が発現した場合にはそれ自体も長く続きます。ステロイド筋注による訴訟のケースも散見されています。

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睡眠障害と皮膚疾患、夜間のひっかき行動は睡眠ステージと関連

 カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のMadhulika A. Gupta氏らは、Clinics in Dermatology誌2013年1月号特集「Psychodermatology」に、「睡眠障害と皮膚疾患」と題するレビュー論文を寄稿した。睡眠は、人の一生のうち約3分の1を占める生命活動だが、睡眠中の皮膚疾患に関する研究はほとんど発表されていない。しかし皮膚疾患による睡眠の乱れが、患者のQOLやメンタルヘルスに有意な影響を及ぼす可能性があり、また場合によっては症状の増悪に通じる可能性があると、本主題の重要性を提起している。 Gupta氏は、臨床における睡眠と皮膚疾患の関連について、次の5つを示し、これらは皮膚疾患治療に重大な影響を及ぼすと述べている。(1)正常な睡眠生理(体温調節、中心体温調節、睡眠の開始など)における皮膚の役割(2)内因性サーカディアンリズムと末梢性サーカディアン“振動子”の皮膚症状への影響(たとえば、炎症性皮膚症患者の夕刻時に最低血中濃度となるコルチゾールレベルにより、夕刻と夜間にかゆみが増大する傾向がみられることなど)(3)かゆみ、多汗症、体温調節の異常といった症状による、本人および家族の睡眠や睡眠関連QOLへの影響(4)不眠症や睡眠時無呼吸、睡眠妨害、サーカディアン障害といった主要な睡眠障害の、皮膚疾患への考えられる影響(たとえば、睡眠時無呼吸での睡眠からの中枢神経系の覚醒は交感神経を活性化し、炎症に結びつくなど)(5)ストレスや精神的障害を伴う一部の皮膚疾患の共存症[たとえば、睡眠関連の主訴と関連している大うつ病や注意欠陥多動性障害(ADHD)] その上で、アトピー性皮膚炎患者の睡眠障害について次のような考察を行っている。・不眠が、アトピー性皮膚炎におけるADHD様症状の病因に関与している可能性がある。・睡眠中のひっかき行動は、各睡眠ステージの間の交感神経活動と関連している可能性があり、通常、ノンレム睡眠ステージ1および2(より深い睡眠ステージであるステージ3、4と比べて)で、最も頻繁に起きている。また、レム睡眠でも頻繁に起きている(ひっかき行動の重症度はステージ2と同程度)。・アトピー性皮膚炎の患者および両親の、夜間のかゆみやひっかき行動の自己申告は概して、ひっかき行動の客観的尺度と関連しない。

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花粉症の治療薬剤に関するアンケート結果

対象ケアネット会員の医師 耳鼻咽喉科101名、内科690名方法インターネット調査実施期間2013年1月8日~1月15日Q1花粉症治療で処方している薬剤の種類をお聞かせください(点眼剤を除く)。(複数回答)Q2花粉症患者への薬剤処方のうち、単剤処方の割合はどれくらいですか?(点眼剤を除く)Q3花粉症治療薬の種類の中で、最も効果が高いと実感しているものから上位2つをお選びください (点眼剤を除く)。2013年1月ケアネット調べ

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エキスパートに聞く!「花粉症」Q&A part1

CareNet.comでは1月の花粉症特集を配信するにあたって、事前に会員の先生より花粉症診療に関する質問を募集しました。その中から、とくに多く寄せられた質問に対し、後藤 穣先生にご回答いただきました。2回に分けて掲載します。非専門医が外来診療でできる有用な問診や検査法を教えてください。また、どの段階から耳鼻科にまかせたほうがよいでしょうか? 内科でも確定診断のうえ積極的に介入したほうがよいのでしょうか?問診では、症状がくしゃみ・鼻漏主体なのか、鼻閉主体なのか必ず聞き取るべきです。とくに小児では、鼻閉の訴えが乏しく、専門医でも正確に把握することが困難なケースもあるので注意が必要です。皮膚テストは結果が早く出るメリットはありますが、検査手技に慣れていない看護師では難しいと思いますので、血液検査でIgE抗体検査を行うのが最も標準的だと思います。また最近、ごく少量の血液を用いて、8種類のIgE抗体を20分で診断できる検査キットも発売されています。中等症の場合には、第2世代抗ヒスタミン薬と鼻噴霧用ステロイド薬の併用を行うケースが多いですが、それでも効果が不十分の場合には、耳鼻科で鼻内の検査を受けるべきだと思います。アレルギー性鼻炎は、喘息など、他疾患の増悪因子ですので、内科の先生方の治療介入は必要なことだと考えています。通年性のアレルギー性鼻炎で治療中の患者さんが花粉症を合併している場合、花粉症の時期の治療はどうすればよいでしょうか? 薬剤を増量または他剤を併用してもよいのでしょうか?花粉症の重症化を防ぐ意味でも、通年性アレルギー性鼻炎の治療は重要です。花粉症の時期に何らかの症状が悪化するのであれば、「くしゃみ・鼻漏」なら第2世代抗ヒスタミン薬、「鼻閉」なら抗ロイコトリエン薬か抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬を追加します。鼻噴霧用ステロイド薬を頓用として使用しているケースが見受けられますが、これは定期的に使用すべき薬剤ですので、通年性アレルギー性鼻炎・花粉症を問わず、定期的に使用して症状を安定させるべきです。第2世代抗ヒスタミン薬の有効性の違い、使い分け、副作用やその対処法について教えてください。第2世代抗ヒスタミン薬の有効率は、治験時のデータをみるとほぼ同等です。しかし、脳内ヒスタミン受容体の占拠率や実験的な検討からは、副作用発現率や即効性に差があるという報告もあります。このような薬剤の特性だけでなく、個人差によっても、有効性、副作用発現に違いが生じる可能性もあります。明確な基準はありませんが、抗ヒスタミン薬を変更することによって症状が改善することも経験します。副作用で問題になりやすいのは眠気ですが、脳内に移行しないという薬剤でも眠いという訴えが聞かれることもあります。この場合には、抗ロイコトリエン薬や鼻噴霧用ステロイド薬のようなまったく眠気の生じない薬剤・製剤への変更を試みます。常用量の抗ヒスタミン薬を処方しても、アレルギー症状がコントロール不十分の患者に対し、薬剤を増量することは有効でしょうか? また抗ヒスタミン薬の併用による効果についても教えてください。第2世代抗ヒスタミン薬のなかには重症のケースで倍量処方できるものもあり、増量も一案だと考えます。しかし、このようなケースでは抗ヒスタミン薬だけではコントロールできない病態も存在するはずですので、他剤を併用するほうがより効果的だと思います。抗ヒスタミン薬どうしの併用は、同じ理由により効果がそれほど期待できないと考えます。鼻噴霧用ステロイド薬における違い、使い分け、副作用やその対処法について教えてください。近年、鼻噴霧用ステロイド薬はバイオアベイラビリティの低い、すなわち副作用が起こりにくい製剤が、次々に発売されました。1日1回投与、液剤、パウダー製剤などの選択肢があります。液剤よりもパウダー製剤のほうが刺激も少なく、アドヒアランスがよいという報告がある一方、患者によっては、液剤が使い慣れていてよいという声も聞きます。大切なのは、いずれの薬剤でも頓用使用ではなく、定期的に毎日使用することです。内服薬は毎日使用しても、点鼻薬はひどい時だけ使用すればよいと患者は勘違いしがちです。副作用として多いのは鼻出血ですが、鼻中隔弯曲症があるとデバイスの先端が鼻中隔に当たってしまい、その刺激で出血を起こすケースが多くあります。鼻中隔弯曲症がある側に点鼻する時は、先端を外側に向けて噴霧するように指導しています。鼻噴霧用ステロイド薬を第一選択薬として使用し、それで十分だと感じていますが、抗ヒスタミン薬は必要でしょうか? ご指摘の処方の仕方は、海外のガイドラインでは推奨されている方法です。それで十分な症例には、鼻噴霧用ステロイド薬単独で治療可能と思います。

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小児アトピー性皮膚炎予防にLGG菌やGLA含有サプリメントが有効

 Negar Foolad氏らは、栄養サプリメントによる小児のアトピー性皮膚炎への効果について、システマティックレビューの結果、特定の乳酸菌や脂肪酸を含む栄養サプリメントに、発症予防や重症度軽減のベネフィットがあることを報告した。解析結果を踏まえて著者は、「さらなる研究で、アトピー性皮膚炎への栄養サプリメントの基礎的な作用について、そのメカニズムを明らかにすることが求められる」と述べている。Archives of Dermatology誌オンライン版2012年12月17日号の掲載報告。 本研究の目的は、プロバイオティクスやプレバイオティクス、フォーミュラ(人工乳)や脂肪酸などを含有した栄養サプリメントが、3歳未満児におけるアトピー性皮膚炎発症を阻止または重症度を軽減するかどうかを、システマティックレビューにて明らかにすることであった。 MEDLINE、Cochrane Central Register of Controlled Trials、LILACS(Latin American and Caribbean Health Science Literature)にて、1946年1月1日~2012年8月27日の間の発表論文を検索し、さらに手動での検索も行った。 適格とした試験は、3歳未満児におけるアトピー性皮膚炎の栄養サプリメントの予防や改善の効果について検討した無作為化試験とコホート研究とした。 主な結果は以下のとおり。・検索にて論文92本が選ばれ、適格基準に達した21本を解析に組み込んだ。・21の研究におけるサプリメント摂取者は合計6,859人(乳児または妊娠中か授乳中の母親)であった。対照群は、乳児または母親合計4,134人であった。・解析の結果、栄養サプリメントは、アトピー性皮膚炎の発症を阻止すること(11/17研究)、重症度の軽減(5/6研究)に有効な手段であることが示された。・エビデンスが最も良好であったのは、母親と乳児にプロバイオティクス含有サプリメントを与えた場合であった。・とくに、LGG菌(Lactobacillus rhamnosus GG、ラクトバチルス・ラムノーサス GG)は、アトピー性皮膚炎発症の長期予防に有効であった。・GLA(γ-Linolenic acid、ガンマ・リノレン酸)は、アトピー性皮膚炎の重症度を軽減した。・プレバイオティクスとクロスグリのシードオイル(GLAとω-3を含有)のサプリメントは、アトピー性皮膚炎発症の抑制に有効であった。・一方、アミノ酸ベースのフォーミュラ含有サプリメントについては、異なる研究グループから相反する所見が報告されていた。

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鼻噴霧用ステロイド薬による花粉症初期療法の検討~日本アレルギー学会秋季学術大会

花粉症の初期療法に使用する薬剤として、「鼻アレルギー診療ガイドライン」では以下の5種類の薬剤が推奨されており、鼻噴霧用ステロイド薬は含まれていない。1) 第2世代抗ヒスタミン薬2) ケミカルメディエーター遊離抑制薬3) Th2サイトカイン阻害薬4) 抗ロイコトリエン薬5) 抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬しかしながら、海外の花粉症では鼻噴霧用ステロイド薬による季節前投与の有用性が報告され、スギ花粉症においてもプラセボ対照無作為化比較試験によるエビデンスの蓄積が待たれている。このような背景のもと、2012年11月29日~12月1日に開催された第62回日本アレルギー学会秋季学術大会では、鼻噴霧用ステロイド薬による初期療法の有用性を検討した複数のプラセボ対照無作為化比較試験のデータが報告された。スギ花粉飛散開始前または翌日から鼻噴霧用ステロイド薬を投与し、有用性を検討山梨大学大学院医学工学総合研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科の増山敬祐氏は、スギ花粉症に対する鼻噴霧用ステロイド薬(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)の初期療法の有用性を検討したプラセボ対照無作為化比較試験を報告した。増山氏らは、2011年の花粉症シーズンにおいて、適格性の評価を受けたスギ花粉症患者150例(うち妊娠と抗ヒスタミン薬使用の2例除外)を鼻噴霧用ステロイド薬群(75例)とプラセボ群(73例)の2群に無作為に割り付け、症状自覚時またはスギ花粉飛散開始翌日から投与を開始した。その結果、総鼻症状は、スギ花粉飛散開始後第2、第3、第4、第5週に、鼻噴霧用ステロイド薬群で有意に増悪が抑制され、くしゃみ、鼻漏、鼻閉の各症状についても同様であった。総眼症状は、第3、第4、第5週に鼻噴霧用ステロイド薬群で有意に増悪が抑制された。レスキュー薬の使用については、抗ヒスタミン薬の使用は鼻噴霧用ステロイド薬群で有意に少なかったが、点眼薬の使用は両群間で有意差はなかった。QOLスコアは、飛散ピーク時とシーズン後半に、鼻噴霧用ステロイド薬群で有意にスコアの悪化が抑制された。一方、副作用は両群とも軽微であり、有意差が認められなかった。これらの結果から、増山氏は、スギ花粉症に対する鼻噴霧用ステロイド薬による初期療法の有用性が示唆されると結んだ。スギ花粉飛散3週間前から鼻噴霧用ステロイド薬を投与し、有用性を検討岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学の岡野光博氏は、鼻噴霧用ステロイド薬を花粉飛散前から投与する群とプラセボ群の2群間における無作為化二重盲検比較試験と、鼻噴霧用ステロイド薬を花粉飛散前から投与開始する群、花粉飛散後にプラセボから鼻噴霧用ステロイド薬に切り替える群、プラセボ群の3群間による無作為化二重盲検比較試験を報告した。2群間における無作為化二重盲検比較試験は、スギ・ヒノキ花粉症患者50例を鼻噴霧用ステロイド薬(モメタゾンフランカルボン酸エステル)群(25例)とプラセボ群(25例)の2群に無作為に割り付け、スギ花粉飛散前(2010年2月1日)から投与開始し、スギ・ヒノキ花粉飛散期における有効性と安全性を検討した。なお、2010年のスギ花粉の本格飛散開始日は2月22日であったことから、スギ花粉飛散開始3週間前に投与を開始したことになる。その結果、鼻噴霧用ステロイド薬投与群では、鼻症状スコア、眼症状スコア、総鼻眼症状スコアにおいて抑制が認められた。QOLスコアも、スギ花粉飛散開始後、プラセボ群に比べて有意に良好であり、有害事象はプラセボ群と同等であった。この結果から、岡野氏は、鼻噴霧用ステロイド薬はスギ・ヒノキ花粉症に対する初期治療薬として有効かつ安全であることが示唆される、と述べた。次に、鼻噴霧用ステロイド薬による初期治療の開始時期を検討するために、スギ・ヒノキ花粉症患者75例を、鼻噴霧用ステロイド薬(モメタゾンフランカルボン酸エステル)をスギ花粉飛散前から投与開始する群(以下、飛散前投与開始群、25例)、スギ花粉飛散後にプラセボから鼻噴霧用ステロイド薬に切り替えた群(以下、飛散後投与開始群、25例)、プラセボ群(25例)の3群に無作為に割り付けた。3群ともスギ花粉飛散前(2011年2月1日)から投与開始し、飛散後投与開始群はその4週後にプラセボから鼻噴霧用ステロイド薬に切り替えた。2011年のスギ花粉の本格飛散開始日は2月23日であったことから、飛散前投与開始群では飛散開始のほぼ3週間前に投与開始、飛散後投与開始群では飛散開始からほぼ1週間後に投与開始したことになる。この結果、飛散前投与開始群、飛散後投与開始群ともにプラセボ群に比べて、スギ・ヒノキ花粉飛散期の鼻症状の増悪を有意に抑制した。眼症状については、スギ・ヒノキ花粉飛散期に、飛散前投与開始群がプラセボ群に比べ有意に増悪を抑制したが、飛散後投与開始群では有意な効果はみられなかった。総鼻眼症状は、スギ花粉飛散期に、飛散後投与開始群に比べて飛散前投与開始群が有意に増悪を抑制し、くしゃみと眼掻痒感について顕著であった。これらの結果から、岡野氏は、鼻噴霧用ステロイド薬によるスギ・ヒノキ花粉症に対する初期療法は、花粉飛散後より花粉飛散前に投与開始するほうが、より高い症状緩和効果が得られることが示唆されると述べた。

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MSDの花粉症対策情報サイト「花粉なう」に新コンテンツ追加

 MSDは10日、同社が運営する花粉症対策情報サイト「花粉なう」(http://www.kafun-now.com/)に、新たなコンテンツ「花粉症道場」を追加し、同日付でサイトをリニューアルオープンしたことを発表した。 花粉なうは、花粉症に悩む患者に対して、花粉症対策に役立つ情報を提供するウェブサイト。昨年の「花粉症 症状ちぇっく」「病医院検索」「花粉温度なう!」「花粉飛散予報」に加えて、今年は花粉症に関する情報を学べる「花粉症道場」が新たに追加された。 花粉症道場は、花粉症に悩む登場人物が、“相談者”として“師範”の問いに答えていくクイズ形式のコンテンツとなっている。「花粉症とは?」「花粉症の症状」「花粉症の治療」「花粉症の対策」の全4章で構成され、1章1~2問のクイズにより短時間で花粉症について学ぶことができる。詳細はプレスリリースへhttp://www.msd.co.jp/newsroom/msd-archive/2013/pages/product_news_0110.aspx

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